![]() 画像はトヨタ自動車より引用
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トヨタ自動車の5ドア・7人乗りミニバン、ZWR80G型の3代目ヴォクシーは2014/01から生産(または販売)が開始されました。ここでは2014/02モデルにある[Hybrid-V]というグレードのカタログスペックを基に、数値から見た性能をインプレおよび評価・解説してみます。
ボディサイズが全長4695mm×全幅1695mm×全高1825mm、排気量は1797ccであることから、大雑把に分類すると1.8リットルクラス(1800cc、自動車税は2.0L以下を適用)に属した、いわゆる5ナンバークラスの車です。とにかく排気量を増やして、とにかくボディを大きく、特に全幅を広げれば良いんだという風潮が蔓延る現代においては大変貴重な車となっています。
ちなみに、車体形状や用途に関係なく全長のみを基準とした分類方法で各セグメントに当てはめると、全長が4695mmであるこの車の場合は「アッパーミディアム」(Upper-Medium 4650mm超-4900mm以下 Eセグメント相当)に属します。※国や時代によって基準は異なります
エンジンを車体の前方に搭載し、前輪のみを駆動する、いわゆるFF方式(フロントエンジン-フロントドライブ)を採用しています。この方式はエンジンと駆動系(ミッション、デフ等)の収納がエンジンルーム内で完結するので軽量コンパクトかつ低コスト化が実現でき、室内を広く作りやすい(エンジンが横置きの場合)ほか、後輪駆動車に比べて直進安定性に優れることが主な特長です。
ZWR80G型 ヴォクシー [1797cc/99PS FF/CVT] お品書き
ページが長大でどうにもならないため、ページ下部の項目にジャンプできるようなものを作りました。![]() エンジン性能と特性、パワーウェイトレシオ | ![]() No Data | ![]() タイヤサイズ変更とスピードメーター誤差 | ![]() 各種スペックの相対評価とレーダーチャート |
3代目ヴォクシーの類型&他グレード
- 吸気方式のNAは自然吸気、TBはターボ、SCはスーパーチャージャー、TSはTB+SCの略
- ※燃費の文字が赤色のものはレギュラーガソリン、青色のものはハイオクガソリン、緑色のものは軽油を燃料とするエンジンを搭載した車種
画像 | 排気量 車両価格 | 車両型式 グレード | 出力 燃費 |
---|---|---|---|
![]() |
2.0L-NA FF/CVT 325.7万円 |
ZRR80W型 [ZS GR-Sport] (2017/09) |
152PS 19.7kgm 16.0km/L |
![]() |
2.0L-NA FF/CVT 311.9万円 |
ZRR80W型 [Gs] (2016/04) |
152PS 19.7kgm 16.0km/L |
![]() |
2.0L-NA FF/CVT 260.0万円 |
ZRR80W型 [ZS 3ナンバー] (2014/02) |
152PS 19.7kgm 16.0km/L |
![]() |
2.0L-NA FF/CVT 257.0万円 |
ZRR80G型 [V] (2014/02) |
152PS 19.7kgm 16.0km/L |
![]() |
2.0L-NA FF/CVT 218.0万円 |
ZRR80G型 [X C-package] (2014/02) |
152PS 19.7kgm 14.6km/L |
3代目ヴォクシーの車両型式・グレード一覧【全8車種】 |
主要諸元とエンジン諸元
主要諸元 | |
---|---|
メーカー | TOYOTA |
車名& グレード |
ヴォクシー Hybrid-V |
その他 | ハイブリッドX |
お値段 | 2970000円 |
車両型式 | DAA-ZWR80G |
駆動& 変速機 |
FF(FWD,2WD,前輪駆動)& CVT(無段変速機,連続可変T/M) |
ドア数& 定員 |
5ドア 7人 |
車体寸法 | 長4695×幅1695×高1825mm |
室内寸法 | 長2930×幅1540×高1400mm |
軸距& 輪距 |
2850mm 前1480mm/後1480mm |
最小半径 | 5.5m |
最低高 | 160mm |
タイヤ | 前195/65R15 後195/65R15 |
ブレーキ | 前ベンチレーテッドディスク 後ドラム |
車両重量 | 1620kg |
エンジン諸元 | |
---|---|
原動機型式 | 2ZR-FXE |
気筒配列 | 直列4気筒+モーター |
排気量 | 1797cc |
圧縮比 | 13.0 |
吸気方式 | 自然吸気(NA・ノンターボ) |
最高出力 | 99PS(73kW 98HP)/5200rpm |
最大トルク | 14.5kgm(142Nm)/4000rpm |
使用燃料 | レギュラーガソリン |
JC08燃費 | 23.8km/L (56.0mpg) |
100km燃費 | 4.2L/100km |
※直列4気筒とは‥シリンダを真っ直ぐ一列に4個配置する方式。小排気量から2.5Lあたりまでをカバー。モーターを組み合わせることでハイブリッドカーとなります。 ※これまでに登場したハイブリッドカーの一覧 ※2ZR-FXE型エンジンの諸元と性能まとめ ※直列4気筒の最高出力ランキング |
税金と年間維持費のシミュレーション
ここでは、春になると毎年欠かさず支払いを催促される自動車税(39500円)、払わなければ車検を受けさせてもらえない自動車重量税(16400円/年)と自賠責保険料(13920円/年)、年間1万km走行した際に掛かる燃料代、月額5500円の任意保険に加入し、走行5000km毎にエンジンオイル交換、3年3万km毎にタイヤ交換するとしたときの年間維持費(ランニングコスト)を見てみます。
さらに、ヴォクシーの新車を341.6万円(諸費用として44.6万円を加算)にて購入し、頭金なしで5年ローンを組んだと仮定したときの年間支払額(金利分は含まず)も踏まえて、上記の維持費と合算した場合の想定維持費も計算してみました。
- ヴォクシーの中古車を『カーセンサーnet
』で検索!
- ローンの年数については月額5万円の支払いを基準として、ローンの支払額が60万円以下は1年、120万円以下は2年、180万円以下は3年、240万円以上は4年、それ以上は5年としています。
- 任意保険の金額については特に根拠のない一例です。具体的な掛け金は運転者の年齢や家族構成、年間走行距離、保険内容、車両保険の有無等によって大きく異なります。
- 保険スクエアbang!
では最大20社より自動車保険料の比較・検討が可能です。
新車で買った場合の年間維持費
名目 | 区分 | 金額 | ||
---|---|---|---|---|
自動車税(1年分) | 2000cc以下 | 13年未満 | 39500円 | |
自動車重量税(1年分) | 2.0トン以下 | 13年未満 | 16400円 | |
自賠責保険料(1年分) | 自家用乗用車 | 13920円 | ||
燃料代(年間1万km) | 10000km÷23.8km/L×150円/L | 63030円 | ||
オイル交換(5000km毎) | 1回4500円×2回 | 9000円 | ||
タイヤ交換(3年3万km毎) | 1本10000円×4本÷3年 | 13330円 | ||
任意保険料(月額5500円) | 月額5500円×12ヶ月 | 66000円 | ||
ローン完済後の年間維持費 | 221180円 | |||
名目 | 区分 | 金額 | ||
車のローン額(1年分) | 月額56930円×12ヶ月 | 683160円 | ||
ローン返済中の年間維持費 | 904340円 | |||
次回車検費用の積み立て目安 | ||||
重量税2年分+自賠責24ヶ月分+検査手数料等3000円程度 | 63640円 |
- 平成25年4月1日からの自賠責保険料の改定に対応。
- 平成27年4月1日からの自動車税の割増(10%増→15%増)に対応。
- 平成28年4月1日からの自動車重量税の変更に対応、
ただし今流行のエコカー減税(自動車税、自動車重量税等の減免)には対応できていません。 - 燃料消費率が緑文字のものはWLTCモード燃費、青文字のものはJC08モード燃費、赤文字のものは10・15モード燃費に0.8を掛けたもの。
- 車検時には上記の目安金額63,640円の他に法定24ヶ月点検に関連する費用が必要です。
- 名目にある金額の基準は、年間維持費の算出基準まとめ をご覧ください。
今にも壊れそうな格安車から少しステップアップすると月換算で1~2万円の間、年間にすると12~24万円のクラスです。この車の場合、月単位に換算して18,432円(完済前は75,362円)になります。「廉価車にしか乗れなかった自分が、ついにこれだけの維持費が掛かる車を所有できるようになったのだ、新しい自分になれたのだ。あの頃のアタシ、サヨナラ…」とかいう謎のカタルシスに浸れるのがこのクラスです。普通に使う分には何ら問題のないバランスの取れたクラスではないかと思います。
1km走行コストと月間&年間交通費
距離/日 | 費用/日 | 月換算 | 年換算 |
---|---|---|---|
10km | 60円 | 1300円 | 1.6万円 |
20km | 130円 | 2900円 | 3.4万円 |
30km | 190円 | 4200円 | 4.9万円 |
50km | 320円 | 7000円 | 8.3万円 |
100km | 630円 | 13900円 | 16.4万円 |
さて、レギュラーガソリン1リットルの燃料価格を150円、燃費を23.8km/Lとしたとき、1km走行あたりのコストは6.30円になります。
たとえばこの車を通勤車とした場合、1日の走行距離が10kmなら燃料代は60円/日となり、20km走行なら130円/日、30km走行なら190円/日、50km走行なら320円/日、100km走行なら630円/日かかる計算です。
1か月の労働日数を22日として計算すると、通勤距離が10kmなら月間の走行距離は220kmで燃料代は1300円/月、20kmなら440kmで2900円/月、30kmなら660kmで4200円/月、50kmなら1100kmで7000円/月、100kmなら2200kmで13900円/月かかります。
1年間の労働日数を260日とすると、通勤距離が10kmなら年間の走行距離は2600kmで燃料代は1.6万円/年、20kmなら5200kmで3.4万円/年、30kmなら7800kmで4.9万円/年、50kmなら13000kmで8.3万円/年、100kmなら26000kmで16.4万円/年となります。
1年間のランニングコスト(年間維持費) ランキング
新車の小型&普通車 | 2000cc以下の自然吸気 | トヨタ編 | 7人乗りミニバン限定
カタログスペックから見えてくる要素
2ZR-FXE型エンジン簡易性能曲線図 | |
---|---|
各回転域での馬力 | |
4000回転時の馬力 | 81PS |
5200回転時の馬力 | 99PS |
各回転域でのトルク | |
4000回転時のトルク | 14.5kgm |
5200回転時のトルク | 13.6kgm |
2ZR-FXE型エンジンの諸元と性能まとめ |
まずおさらいとして、搭載している2ZR型1797cc、直列4気筒+モーターの自然吸気エンジンは5200回転時に最高出力99馬力を、4000回転時に最大トルク14.5kgmを発生します。
馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力が計算できますので、それぞれの点と点とを線で繋いでパワーカーブとトルクカーブのエンジン性能曲線図もどきを作ってみました。
トルクの山が中央より左にあるか右にあるかを基準にしてエンジン特性を探ってみますと、最大トルクと最高出力の発生回転数が程よく近いこのエンジンは、高めの回転数が得意なタイプのエンジンです。日常での使い勝手をある程度は確保しつつ、高回転のパワー感もしっかり伴う雰囲気の良さが自慢です。
※実際のところは車両重量やギヤ比、排気量に対する気筒数の多少によって印象が異なってくると思います。
ちなみに、エンジンのパワーバンドを「最大トルクが発生する4000rpmから最高出力が発生する5200rpmまで」の1200rpmとしたときの、最高回転数に対するパワーバンドの割合は23.1%となります。※右記(下記?)簡易性能曲線図オレンジ色の帯域
- 最高出力の発生回転数が高い車ランキング
総合ランキング | 2000cc以下の車編 - 最大トルクの発生回転数が低い車ランキング
総合ランキング | 2000cc以下の車編
さて、車の速さを知るための指標としてよく使われる パワーウェイトレシオ は16.36kg/PS(1620kg/99PS)となっていますが、巷でよく見るであろうこの数値の多くはドライバーが乗った状態でのものではなく、あくまでも車両重量と最高出力のみで計算したものです。
車重と搭乗者とPWR | |
---|---|
車体のみ | 16.36kg/PS |
車体+1人 | 16.92kg/PS |
車体+7人 | 20.25kg/PS |
お腹と車重とPWR | |
車体+60kg | 16.97kg/PS |
車体+70kg | 17.07kg/PS |
車体+80kg | 17.17kg/PS |
車体+90kg | 17.27kg/PS |
車体+100kg | 17.37kg/PS |
というわけで、車両総重量の求め方に倣い人間の体重55kgを加えて計算し直してみますと、ドライバーのみが搭乗したときのパワーウェイトレシオは16.92kg/PS(1675kg/99PS)となり、数値としては0.56kgほど悪化します。
次に乗車定員いっぱいの7人が搭乗した場合、車両重量に385kgがプラスされてパワーウェイトレシオは20.25kg/PS(2005kg/99PS)となり、3.89kgも悪化することになります。
もともとが重量級の車であれば、人が少々乗ったところで体重の占める割合が小さいことから変化も小さいですが、軽量級の車ではお腹まわりのお肉が大きな影響力を持つことがわかります。
いろいろな数値 | |
---|---|
WB/TR比 | 1.93 |
平均ピストンスピード | 15.3m/s |
トルクウェイトレシオ | 111.7kg/kgm |
1馬力あたりのお値段 | 30000円 |
排気量1Lあたり馬力 | 55.1PS/L |
排気量1Lあたりトルク | 8.07kgm/L |
1気筒あたりの馬力 | 24.8PS |
1気筒あたりのトルク | 3.6kgm |
パワーバンド比率 | 23.1% |
各種ランキング | |
●7人乗りミニバン、1BOXのP/Wレシオ ●1.6~1.8L以下のP/Wレシオ |
トルクウェイトレシオは111.7kg/kgm(1620kg/14.5kgm)なのですが、トルクについてはギヤ比でどうにでもなりますので、ここでの大小はあまり重要ではありません。(詳しくはギヤ比編にて)
ついでに馬力単価を計算してみると、お値段が2970000円、最高出力が99馬力であるこの車の場合、1馬力あたりのお値段は30000円、逆に1万円あたりでは0.33馬力を得ることができます。ついでのついででトルク1kgmあたりのお値段は204828円、1万円あたりでは0.05kgmとなります。
- 1馬力あたりのお値段が安い車ランキング
総合ランキング | トヨタ編 | 2000cc以下の車編 | 7人乗りミニバン編
最高出力を排気量で割ったリッター換算馬力は55.1PS/L、トルクは8.07kgm/L、1気筒あたりの馬力は24.8馬力、トルクは3.6kgmとなり、このエンジンが99馬力を5200回転で発生させているときの平均ピストンスピードは15.3m/sです。
●排気量1リットルあたりの馬力ランキング
ちなみに、ストローク量が88.3mmである2ZR型エンジンの場合、平均ピストンスピードの上限を20.0m/sとしたときの高回転化の上限は6800回転です。設定されているレブリミットがこの回転数を超えている場合、長年に亘って平均ピストンスピードの目安とされてきた20.0m/sを超えてピストンが往復運動していることになります。レブリミットがこの回転数以下の場合は高回転化してパワーを引き出すチューニングの目安になるかもしれません。
●平均ピストンスピードが速い車ランキング
この車のホイールベースを前後トレッドの平均で割って算出されるホイールベーストレッド比は1.93になります。全ての車種の平均値である1.77を基準にざっくりと分類すると、小回りよりも真っ直ぐ進むことを得意とする傾向にある車と言えそうです。
●ホイールベーストレッド比が小さい車ランキング
速度と車両重量と運動エネルギー
「スピードを出して事故をすると大変なことになる…!」あるいは「重いとブレーキをかけてもなかなか止まらない…」と感覚的には知っていても、なぜ大変なことになるのか、なぜ止まらないのかは今ひとつピンと来なかったりします。
そこで取り出しましたのが運動エネルギーなるもので、これはある重量の物体がある速度で移動しているとき、どれだけのエネルギーを有しているのかを数値的に知ることができるという代物です。
というわけで、ヴォクシーの車両重量1620kgに1人ぶんの体重55kgを加えた1675kgと、7名フル乗車時の2005kgという2つの重量を用意して、40km/hから180km/hまでの速度域で運動エネルギーがどのように変化するのかを調べてみました。
速度 | 1名乗車 1675kg | 7名乗車 2005kg | 差 |
---|---|---|---|
40km/h | 103kJ | 124kJ | +21kJ |
60km/h | 233kJ | 278kJ | +45kJ |
80km/h | 414kJ | 495kJ | +81kJ |
100km/h | 646kJ | 774kJ | +128kJ |
120km/h | 931kJ | 1114kJ | +183kJ |
140km/h | 1267kJ | 1516kJ | +249kJ |
180km/h | 2094kJ | 2506kJ | +412kJ |
たとえば1名乗車で40km/h走行しているときの運動エネルギーは103kJ、7名乗車では124kJとなり、その差は21kJ、倍率にすれば1.2倍ほどの増加でびっくりするほどではありません。
が、速度が倍の80km/hになると1名乗車でも414kJ、7名乗車では81kJ増加して495kJにもなり、重量から見れば1.2倍のままなれど、40km/hでの運動エネルギーと比べると4.0倍も増加しています。
これが180km/hになると1名乗車で2094kJ、7名乗車では412kJ増加して2506kJにもなり、80km/hと比べても5.1倍、40km/hと比べると20.3倍ものとんでもない運動エネルギーを有していることがわかります。
さて、速度が同じなら重いほうが運動エネルギーは大きくなることがわかりましたので、続いては運動エネルギーを646000Jとした場合に、重量の異なる自動車では時速何kmに相当するのかを調べてみます。
重量 | 646kJ 速度 | 100キロ [kJ] | 差 |
---|---|---|---|
600kg | 167km/h | 231kJ | -415kJ |
800kg | 145km/h | 309kJ | -337kJ |
1000kg | 129km/h | 386kJ | -260kJ |
1675kg | 100km/h | 646kJ | – |
2000kg | 91km/h | 772kJ | +126kJ |
2500kg | 82km/h | 965kJ | +319kJ |
3000kg | 75km/h | 1157kJ | +511kJ |
※100km/h[kJ]は各重量の車両が100km/h走行しているときの運動エネルギー |
ここでは車両重量+体重55kgの1675kgを基準として、600kg、800kg、1000kg、2000kg、2500kg、3000kgで計算してみました。
考えたくもないことですが、たとえば同じ100km/hで走行する相手と正面衝突する場合、相手が600kgであれば当たり負けすることはなく、その相手が167km/hのとき互角の勝負になります。
逆に相手が3000kgで重い場合、双方が100km/hでは当たり負けして弾き飛ばされますが、相手が75km/hであれば互いに引かぬ真っ向勝負に持ち込める、というような雰囲気です。
いずれにせよ超スピードで事故をすれば衝突安全ボディもなんのその、車は雲散霧消の勢いで大変なことになり、ブレーキローターとブレーキパッドが身を削り、身を粉にして車を止めようにも一筋縄ではいかないことがわかる…ような気がしてきます。
人間様の占有スペース
人間様の占有スペース | |
---|---|
室内長×幅×高 | 6.3m³ |
1人あたりのスペース | 約0.9m³ |
室内長/全長 | 62.4% |
室内幅/全幅 | 90.9% |
室内高/全高 | 76.7% |
室内容積/車両体積 | 43.4% |
ボディサイズと室内寸法のデータがあるので車両全体に対する人間様の占有スペースを計算してみます。ここでの比率はボンネットが長い車であったり乗車人数の少ない車であったり、バン(貨物車)のように人よりも積載容量を重視している車は小さくなります。
まず室内長、室内幅、室内高を掛けて算出される室内の容積は6.3m³です。この車の乗車定員は7人ですから、単純に室内の容積で割るとフル乗車した際には約0.9m³のスペースが割り当てられることになります。続いて室内長を全長で割って算出される室内長と全長の比率は62.4%、同じく室内幅と全幅の比率は90.9%、同じく室内高と全高の比率は76.7%となりました。また車の形状を無視して単なる立方体として見たときの車両の体積に対する室内の容積の比率は43.4%でした。
室内の広さ・長さランキング
室内長が長い車 | 室内幅が広い車 | 室内高が高い車 | 車内の空間が広い車
車中泊の可能性
車中泊の可能性 | |
---|---|
期待される荷室の長さ | 1.64m |
期待される荷室の幅 | 1.44m |
対角線の長さ | 2.18m |
期待される荷室の面積 | 2.36m² |
ここでは全長の35%を【期待される荷室の長さ】、室内幅から100mm(不明の場合は全幅から400mm)引いたものを【期待される荷室の幅】とし、それらを掛け合わせて【期待される荷室の面積】、「縦の長さが厳しいなら斜めに寝れば良いじゃない!」ということで、おまけ要素として【対角線の長さ】も計算してみました。
縦方向の長さが1.64m(対角線では2.18m)ともなると、もはや車の中で生活しても良いんじゃないかと錯覚しかねないほど快適な睡眠が約束されます。日頃の行いが悪いとか、人様には言えないことをやらかしたとか、誰の顔も見たくないなどの訳アリで家に帰れず、やむなく車中泊をしてみたが最期、あまりの気楽さに心を奪われ流浪の民となりかねません。
多くのミニバンや1BOXは室内長の寸法が大きいことから車中泊への期待が高まりますが、2列目、3列目シートの収納がイマイチの場合は車中泊の難易度がセダンよりも跳ね上がりかねません。その場合はシートを前ではなく後に倒してのフルフラットの可否が鍵を握ります。車中泊にあると嬉しいアイテム
燃料タンクと燃費と航続距離と
燃料タンクと燃費と航続距離と | |
---|---|
JC08モード燃費 | 23.8km/L |
燃料タンク容量 | 55L |
航続距離(カタログ燃費) | 1309.0km |
航続距離(80%燃費) | 1045.0km |
満タンプライス | 8250円 |
1万円でどこまで行ける? | 1586.7km |
車両価格/航続距離 | 2269円/km |
JC08モード燃費が23.8km/Lですので、燃料タンクの容量が55リットルですと航続可能距離は1309.0kmになります。(カタログ燃費通りに走行できた場合)
実際にはそうもいきませんから、オイル交換やタイヤ空気圧の管理といった定期メンテナンスを確実に実施した上での実燃費をカタログ燃費の90%(21.4km/L)とすると1177.0km、80%(19.0km/L)だと1045.0km、70%(16.7km/L)では918.5kmという航続距離になります。
燃料タンクに1滴の燃料もないスッカラカンの状態から満タンにしたときの金額を計算してみますと、レギュラーガソリン55リットルの給油で8250円、上で計算した航続距離を踏まえると1309.0km(80%燃費時1045.0km)を走行するのに8250円かかる計算です。
ついでに1万円の燃料代でどこまで行けるかも計算してみますと、カタログ通りの燃費で走行できれば1586.7km(往復なら片道793.3km)、カタログ値の80%なら1269.3km(片道634.7km)離れたところまで行くことができます。
ちなみに、1回の給油で1309.0kmの距離を移動できるZWR80G型 ヴォクシー [Hybrid-V]という乗り物を、297.0万円で手に入れたと考えたとき、この車が1km走行するにあたっては「2269円の値打ちがある!」と言える、かもしれません。
純正装着タイヤの195/65R15と互換可能な車検対応サイズ|簡易版
下の表では純正サイズを基準としてタイヤ幅を-20mmから+20mm、扁平率を-5%から+5%まで変化させたときのスピードメータ誤差が、マイナス方向を水色、-5.0%から+2.0%までを緑色、+6.0%までを橙色に着色しています。
※ここではタイヤの直径(外径)のみを基準としています。タイヤの幅を広くしすぎてサスペンションと干渉したり、はみ出てしまって車検に通らないからとフェンダーを叩いたり引っ張ったりキャンバーを付けたりで四苦八苦、ホイール幅が狭すぎてなんかイマイチ…という事例もありますので、ホイールのオフセットとリム幅にはご注意ください。
純正タイヤ 195/65R15 | 直径 635mm | |||||
---|---|---|---|---|---|
-20mm 幅175mm |
-10mm 幅185mm |
変更なし 幅195mm |
+10mm 幅205mm |
+20mm 幅215mm |
|
-5% 60 扁平 |
175/60R15 37.2km/h 直径591mm 径差-44mm |
185/60R15 38.0km/h 直径603mm 径差-32mm |
195/60R15 38.7km/h 直径615mm 径差-20mm |
205/60R15 39.5km/h 直径627mm 径差-8mm |
215/60R15 40.3km/h 直径639mm 径差+4mm |
0% 65 扁平 |
175/65R15 38.4km/h 直径609mm 径差-26mm |
185/65R15 39.2km/h 直径622mm 径差-13mm |
195/65R15 40.0km/h 635mm 0mm |
205/65R15 40.8km/h 直径648mm 径差+13mm |
215/65R15 41.6km/h 直径661mm 径差+26mm |
+5% 70 扁平 |
175/70R15 39.4km/h 直径626mm 径差-9mm |
185/70R15 40.3km/h 直径640mm 径差+5mm |
195/70R15 41.2km/h 直径654mm 径差+19mm |
205/70R15 42.1km/h 直径668mm 径差+33mm |
215/70R15 43.0km/h 直径682mm 径差+47mm |
+10% 75 扁平 |
175/75R15 40.6km/h 直径644mm 径差+9mm |
185/75R15 41.5km/h 直径659mm 径差+24mm |
195/75R15 42.5km/h 直径674mm 径差+39mm |
205/75R15 43.4km/h 直径689mm 径差+54mm |
215/75R15 44.3km/h 直径704mm 径差+69mm |
もし上記表の中から車検に安心なタイヤを選ぶのであれば、メーター誤差が-5.0%から0%の間にあって車高への影響も少ない 、175/65R15、175/70R15 、185/60R15、185/65R15 、195/60R15 、205/60R15 あたりのタイヤがおすすめです。
195/65R15のタイヤ幅を175mmから225mmまで、扁平率を50%から80%までの範囲に拡大した適合タイヤの一覧表および、ホイールサイズを15インチからインチダウン、インチアップした場合の一覧表は、純正装着タイヤが195/65R15のとき互換可能なタイヤサイズのページをご覧ください。
純正のホイールサイズから大径化したり、幅の広いタイヤ、扁平率の低いタイヤに交換しようとするとタイヤ代が高くなる傾向にありますので、少しでも維持費を抑えたい、今はお財布の中身が心許ないといった際にはオートウェイのタイヤ通販をご検討くださいませ。
ZWR80G型ヴォクシー[1.8L-NA FF/CVT]の得点(簡易版)
ここではこのページを締めくくる集大成として、パワーウェイトレシオや1速ギヤでの加速性能、排気量1Lあたりの出力、ホイールベーストレッド比からなるスポーツ性能部門と、時速100kmでの巡航回転数、燃費、車体の大きさ、室内の広さからなるユーティリティ部門とに大別し、このサイトで登録している全車種の平均値から偏差値を求めて優劣を調べてみたいと思います。
スポーツ性能部門 | ||
---|---|---|
評価項目 | 数値 | 得点 |
パワーウェイト | 16.36kg/ps | 30.41 |
1速ギヤ加速性能 | – | 39.16 |
1L換算馬力 | 55.1ps/L | 35.24 |
1L換算トルク | 8.07kgm/L | 31.77 |
WB/TR比 | 1.93 | 33.54 |
ワイド&ロー指数 | 1.077 | 35.55 |
前面の面積 | 3.093m² | 35.73 |
最低地上高 | 160mm | 46.96 |
スポーツ性能部門の得点 | 288.36 |
※ここではパワーウェイトレシオ・1速ギヤ加速性能・ホイールベーストレッド比・ワイド&ロー指数・前面の面積については数値が小さいほど高得点。リッター換算馬力・換算トルクについては数値が大きいほど高得点としています。
ユーティリティ部門 | ||
---|---|---|
評価項目 | 数値 | 得点 |
JC08燃費 | 23.8km/L | 61.03 |
年間維持費 | 221180円 | 60.16 |
100kmh回転数 | – | 42.81 |
航続距離 | 1309.0km | 86.64 |
車の大きさ | 14.523m³ | 63.58 |
室内の広さ | 6.317m³ | 81.26 |
最小回転半径 | 5.5m | 42.98 |
馬力単価 | 30000円 | 37.26 |
ユーティリティ部門の得点 | 475.72 |
※ここでは燃費・航続距離・車の大きさ・室内の広さは数値が大きいほど高得点、年間維持費・100km/h回転数・最小回転半径・馬力単価は数値が小さいほど高得点としています。
スポーツ性能部門およびユーティリティ部門の得点を合計した ZWR80G型ヴォクシー[1.8L-NA FF/CVT] の総合得点は 764.08 点です。獲得点数が多い車種から順番に並べた 総合得点ランキング を用意してありますので、よろしければご覧ください。
上記リンク先では、今回このページで紹介したZWR80G型ヴォクシー(FF/CVT) の各種スペックを、「全ての車種」、「全てのミニバン」、「2000ccのミニバン」という属性で評価したとき、それぞれの項目が相対的にどのくらい優れているか、劣っているかを調べてみました。基準が変わると手のひらを返したように評価も変わる様子をご堪能ください。