トヨタ MR-Sの性能まとめ [ZZW30型|1.8L/140PS|MR/5AT|2001年] MR-S


 画像はトヨタ自動車より引用
 http://toyota.jp/

トヨタ自動車の2ドア・2人乗りオープンカー、ZZW30型の初代MR-Sは1999/10から生産が開始され、2007/07に生産(または販売)を終えました。ここでは2001/08モデルにある[MR-S]というグレードのカタログスペックを基に、数値から見た性能をインプレおよび評価・解説してみます。

ボディサイズが全長3885mm×全幅1695mm×全高1235mm、排気量は1794ccであることから、大雑把に分類すると1.8リットルクラス(1800cc、自動車税は2.0L以下を適用)に属した、いわゆる5ナンバークラスの車です。とにかく排気量を増やして、とにかくボディを大きく、特に全幅を広げれば良いんだという風潮が蔓延る現代においては大変貴重な車となっています。

ちなみに、車体形状や用途に関係なく全長のみを基準とした分類方法で各セグメントに当てはめると、全長が3885mmであるこの車の場合は「ロア ミディアム」(Lower-Medium 3850mm超-4300mm以下 Cセグメント相当)に属します。※国や時代によって基準は異なります

エンジンを車体の中央(運転席より後、後輪よりは前)に搭載し、後輪のみを駆動する、いわゆるMR方式(ミッドシップエンジン-リヤドライブ)を採用しています。エンジンやミッションといった重量物が車体の中心近くにあるため切れ味鋭いハンドリングを実現するとされ、生粋のスポーツカー、スーパーカーの代名詞的な駆動方式です。

ZZW30型 MR-S [1794cc/140PS MR/5AT] お品書き

ページが長大でどうにもならないため、ページ下部の項目にジャンプできるようなものを作りました。

エンジン性能と特性、パワーウェイトレシオ

ギヤ比と加速力&エンジン回転数と最高速

タイヤサイズ変更とスピードメーター誤差

各種スペックの相対評価とレーダーチャート

初代MR-Sの類型&他グレード

  • 吸気方式のNAは自然吸気、TBはターボ、SCはスーパーチャージャー、TSはTB+SCの略
  • ※燃費の文字が赤色のものはレギュラーガソリン、青色のものはハイオクガソリン、緑色のものは軽油を燃料とするエンジンを搭載した車種
画像排気量
車両価格
車両型式
グレード
出力
燃費
1.8L-NA
MR/6AT
215.8万円
ZZW30型
[MR-S]
(2005/12)
140PS
17.4kgm
14.0km/L
1.8L-NA
MR/6MT
207.9万円
ZZW30型
[MR-S]
(2005/12)
140PS
17.4kgm
14.8km/L
1.8L-NA
MR/5MT
188.0万円
ZZW30型
[MR-S]
(2001/08)
140PS
17.4kgm
14.2km/L

主要諸元とエンジン諸元

主要諸元
メーカー TOYOTA
車名&
グレード
MR-S
MR-S
その他 MR-S S-Edition. V-Edition. B-Edition
お値段 1955000円
車両型式 TA-ZZW30
駆動&
変速機
MR(RWD,2WD,後輪駆動)&
5AT(5速AT,5段AT)
ドア数&
定員
2ドア
2人
車体寸法 長3885×幅1695×高1235mm
室内寸法 長895×幅1350×高1055mm
軸距&
輪距
2450mm
前1475mm/後1460mm
最小半径 5.0m
最低高 135mm
タイヤ 前185/55R15 後205/50R15
ブレーキ 前ベンチレーテッドディスク
後ベンチレーテッドディスク
車両重量 980kg
エンジン諸元
原動機型式 1ZZ-FE
気筒配列 直列4気筒
排気量 1794cc
圧縮比 10.0
吸気方式 自然吸気(NA・ノンターボ)
最高出力 140PS(103kW 138HP)/6400rpm
最大トルク 17.4kgm(171Nm)/4400rpm
使用燃料 レギュラーガソリン
10・15燃費 14.2km/L (33.4mpg)
100km燃費 7.0L/100km
※直列4気筒とは‥シリンダを真っ直ぐ一列に4個配置する方式。小排気量から2.5Lあたりまでをカバー。
1ZZ-FE型エンジンの諸元と性能まとめ
※直列4気筒の最高出力ランキング

税金と年間維持費のシミュレーション

ここでは、春になると毎年欠かさず支払いを催促される自動車税(45400円)、払わなければ車検を受けさせてもらえない自動車重量税(12600円/年)と自賠責保険料(13920円/年)、年間1万km走行した際に掛かる燃料代月額5500円の任意保険に加入し、走行5000km毎にエンジンオイル交換、3年3万km毎にタイヤ交換するとしたときの年間維持費(ランニングコスト)を見てみます。

さらに、2001/08モデルのMR-Sを18年落ちの中古で21.6万円にて購入し、頭金なしで1年ローンを組んだと仮定したときの年間支払額(金利分は含まず)も踏まえて、上記の維持費と合算した場合の想定維持費も計算してみました。

  • 中古車の価格は当該車種の参照年から経過した年数に応じて新車価格の90%から10%の範囲で上下させています。
    MR-Sの2001/08モデルの場合、2019年現在では13年以上が経過しているため、新車価格の10%である19.6万円に諸経費として2万円を足した21.6万円を中古車価格の目安としています。
  • ローンの年数については月額5万円の支払いを基準として、ローンの支払額が60万円以下は1年、120万円以下は2年、180万円以下は3年、240万円以上は4年、それ以上は5年としています。
  • 任意保険の金額については特に根拠のない一例です。具体的な掛け金は運転者の年齢や家族構成、年間走行距離、保険内容、車両保険の有無等によって大きく異なります。
  • 保険スクエアbang!では最大20社より自動車保険料の比較・検討が可能です。

2001年式を18年落ちの中古で買った場合の年間維持費

名目 区分 金額
自動車税(1年分) 2000cc以下 13年経過で増税 45400
自動車重量税(1年分) 1.0トン以下 18年経過で増税 12600
自賠責保険料(1年分) 自家用乗用車 13920円
燃料代(年間1万km) 10000km÷11.4km/L×150円/L 131580円
オイル交換(5000km毎) 1回4500円×2回 9000円
タイヤ交換(3年3万km毎) 1本10000円×4本÷3年 13330円
任意保険料(月額5500円) 月額5500円×12ヶ月 66000円
ローン完済後の年間維持費 291830円
名目 区分 金額
車のローン額(1年分) 月額17970円×12ヶ月 215640円
ローン返済中の年間維持費 507470円
次回車検費用の積み立て目安
重量税2年分+自賠責24ヶ月分+検査手数料等3000円程度 56040円
  • 平成25年4月1日からの自賠責保険料の改定に対応。
  • 平成27年4月1日からの自動車税の割増(10%増→15%増)に対応。
  • 平成28年4月1日からの自動車重量税の変更に対応、
    ただし今流行のエコカー減税(自動車税、自動車重量税等の減免)には対応できていません。
  • 燃料消費率が緑文字のものはWLTCモード燃費、青文字のものはJC08モード燃費、赤文字のものは10・15モード燃費に0.8を掛けたもの。
  • 車検時には上記の目安金額56,040円の他に法定24ヶ月点検に関連する費用が必要です。
  • 名目にある金額の基準は、年間維持費の算出基準まとめ をご覧ください。

車に対して少し色気を出すと月換算で2~3万円の間、年間にすると24~36万円のクラスです。この車の場合は月単位で換算すると24,319円(完済前は42,289円)になります。口癖のように「もうちょっと維持費が安ければ…」と呟くその姿は自慢げなようでありながら哀愁を帯びているようでもあり対応に困ります。より維持費の掛からない新しい車を買うほどではない、が、維持費のことを考えずにはいられない、そんなクラスです。全体から見るとこの辺りから面白味のある車が増えてくるイメージです。

1km走行コストと月間&年間交通費

距離/日費用/日月換算年換算
10km110円2400円2.9万円
20km210円4600円5.5万円
30km320円7000円8.3万円
50km530円11700円13.8万円
100km1060円23300円27.6万円

さて、レギュラーガソリン1リットルの燃料価格を150円、燃費を14.2km/Lとしたとき、1km走行あたりのコストは10.56円になります。

たとえばこの車を通勤車とした場合、1日の走行距離が10kmなら燃料代は110円/日となり、20km走行なら210円/日、30km走行なら320円/日、50km走行なら530円/日、100km走行なら1060円/日かかる計算です。

1か月の労働日数を22日として計算すると、通勤距離が10kmなら月間の走行距離は220kmで燃料代は2400円/月、20kmなら440kmで4600円/月、30kmなら660kmで7000円/月、50kmなら1100kmで11700円/月、100kmなら2200kmで23300円/月かかります。

1年間の労働日数を260日とすると、通勤距離が10kmなら年間の走行距離は2600kmで燃料代は2.9万円/年、20kmなら5200kmで5.5万円/年、30kmなら7800kmで8.3万円/年、50kmなら13000kmで13.8万円/年、100kmなら26000kmで27.6万円/年となります。

1年間のランニングコスト(年間維持費) ランキング
2000cc以下の自然吸気トヨタ編オープンカー限定


カタログスペックから見えてくる要素

1ZZ-FE型エンジン簡易性能曲線図
1ZZ-FE型エンジン性能曲線図もどき
各回転域での馬力
4400回転時の馬力 107PS
6400回転時の馬力 140PS
各回転域でのトルク
4400回転時のトルク 17.4kgm
6400回転時のトルク 15.7kgm
1ZZ-FE型エンジンの諸元と性能まとめ

まずおさらいとして、搭載している1ZZ型1794cc、直列4気筒の自然吸気エンジンは6400回転時に最高出力140馬力を、4400回転時に最大トルク17.4kgmを発生します。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力が計算できますので、それぞれの点と点とを線で繋いでパワーカーブとトルクカーブのエンジン性能曲線図もどきを作ってみました。

トルクの山が中央より左にあるか右にあるかを基準にしてエンジン特性を探ってみますと、最大トルクの発生回転数が若干高めにあるこのエンジンは、普段使いでも不足を感じることなく、それでいて高い回転数を維持すればスポーティな走行も楽しめるバランスの良さが魅力です。

※実際のところは車両重量やギヤ比、排気量に対する気筒数の多少によって印象が異なってくると思います。

ちなみに、エンジンのパワーバンドを「最大トルクが発生する4400rpmから最高出力が発生する6400rpmまで」の2000rpmとしたときの、最高回転数に対するパワーバンドの割合は31.2%となります。※右記(下記?)簡易性能曲線図オレンジ色の帯域

さて、車の速さを知るための指標としてよく使われる パワーウェイトレシオ7.00kg/PS(980kg/140PS)となっていますが、巷でよく見るであろうこの数値の多くはドライバーが乗った状態でのものではなく、あくまでも車両重量と最高出力のみで計算したものです。

車重と搭乗者とPWR
車体のみ7.00kg/PS
車体+1人7.39kg/PS
車体+2人7.79kg/PS
お腹と車重とPWR
車体+60kg7.43kg/PS
車体+70kg7.50kg/PS
車体+80kg7.57kg/PS
車体+90kg7.64kg/PS
車体+100kg7.71kg/PS

というわけで、車両総重量の求め方に倣い人間の体重55kgを加えて計算し直してみますと、ドライバーのみが搭乗したときのパワーウェイトレシオは7.39kg/PS(1035kg/140PS)となり、数値としては0.39kgほど悪化します。

次に乗車定員いっぱいの2人が搭乗した場合、車両重量に110kgがプラスされてパワーウェイトレシオは7.79kg/PS(1090kg/140PS)となり、0.79kgも悪化することになります。

もともとが重量級の車であれば、人が少々乗ったところで体重の占める割合が小さいことから変化も小さいですが、軽量級の車ではお腹まわりのお肉が大きな影響力を持つことがわかります。

いろいろな数値
WB/TR比 1.67
平均ピストンスピード 19.5m/s
トルクウェイトレシオ 56.3kg/kgm
1馬力あたりのお値段 13964円
排気量1Lあたり馬力 78.0PS/L
排気量1Lあたりトルク 9.70kgm/L
1気筒あたりの馬力 35.0PS
1気筒あたりのトルク 4.3kgm
パワーバンド比率 31.2%
各種ランキング
オープンカーのP/Wレシオ
1.6~1.8L以下のP/Wレシオ

トルクウェイトレシオは56.3kg/kgm(980kg/17.4kgm)なのですが、トルクについてはギヤ比でどうにでもなりますので、ここでの大小はあまり重要ではありません。(詳しくはギヤ比編にて)

ついでに馬力単価を計算してみると、お値段が1955000円、最高出力が140馬力であるこの車の場合、1馬力あたりのお値段は13964円、逆に1万円あたりでは0.72馬力を得ることができます。ついでのついででトルク1kgmあたりのお値段は112356円、1万円あたりでは0.09kgmとなります。

最高出力を排気量で割ったリッター換算馬力は78.0PS/L、トルクは9.70kgm/L、1気筒あたりの馬力は35.0馬力、トルクは4.3kgmとなり、このエンジンが140馬力を6400回転で発生させているときの平均ピストンスピードは19.5m/sです。
排気量1リットルあたりの馬力ランキング

ちなみに、ストローク量が91.5mmである1ZZ型エンジンの場合、平均ピストンスピードの上限を20.0m/sとしたときの高回転化の上限は6560回転です。設定されているレブリミットがこの回転数を超えている場合、長年に亘って平均ピストンスピードの目安とされてきた20.0m/sを超えてピストンが往復運動していることになります。レブリミットがこの回転数以下の場合は高回転化してパワーを引き出すチューニングの目安になるかもしれません。
平均ピストンスピードが速い車ランキング

この車のホイールベースを前後トレッドの平均で割って算出されるホイールベーストレッド比は1.67になります。全ての車種の平均値である1.77を基準にざっくりと分類すると、どちらかというと小回りを得意とする傾向にある車と言えそうです。
ホイールベーストレッド比が小さい車ランキング


速度と車両重量と運動エネルギー

「スピードを出して事故をすると大変なことになる…!」あるいは「重いとブレーキをかけてもなかなか止まらない…」と感覚的には知っていても、なぜ大変なことになるのか、なぜ止まらないのかは今ひとつピンと来なかったりします。

そこで取り出しましたのが運動エネルギーなるもので、これはある重量の物体がある速度で移動しているとき、どれだけのエネルギーを有しているのかを数値的に知ることができるという代物です。

というわけで、MR-Sの車両重量980kgに1人ぶんの体重55kgを加えた1035kgと、2名フル乗車時の1090kgという2つの重量を用意して、40km/hから180km/hまでの速度域で運動エネルギーがどのように変化するのかを調べてみました。

速度1名乗車
1035kg
2名乗車
1090kg
40km/h64kJ67kJ+3kJ
60km/h144kJ151kJ+7kJ
80km/h256kJ269kJ+13kJ
100km/h399kJ421kJ+22kJ
120km/h575kJ606kJ+31kJ
140km/h783kJ824kJ+41kJ
180km/h1294kJ1363kJ+69kJ

たとえば1名乗車で40km/h走行しているときの運動エネルギーは64kJ、2名乗車では67kJとなり、その差は3kJ、倍率にすれば1.0倍ほどの増加でびっくりするほどではありません。

が、速度が倍の80km/hになると1名乗車でも256kJ、2名乗車では13kJ増加して269kJにもなり、重量から見れば1.1倍のままなれど、40km/hでの運動エネルギーと比べると4.0倍も増加しています。

これが180km/hになると1名乗車で1294kJ、2名乗車では69kJ増加して1363kJにもなり、80km/hと比べても5.1倍、40km/hと比べると20.2倍ものとんでもない運動エネルギーを有していることがわかります。

さて、速度が同じなら重いほうが運動エネルギーは大きくなることがわかりましたので、続いては運動エネルギーを399000Jとした場合に、重量の異なる自動車では時速何kmに相当するのかを調べてみます。

重量399kJ
速度
100キロ
[kJ]
600kg131km/h231kJ-168kJ
800kg114km/h309kJ-90kJ
1035kg100km/h399kJ
1500kg83km/h579kJ+180kJ
2000kg72km/h772kJ+373kJ
2500kg64km/h965kJ+566kJ
3000kg59km/h1157kJ+758kJ
※100km/h[kJ]は各重量の車両が100km/h走行しているときの運動エネルギー

ここでは車両重量+体重55kgの1035kgを基準として、600kg、800kg、1500kg、2000kg、2500kg、3000kgで計算してみました。

考えたくもないことですが、たとえば同じ100km/hで走行する相手と正面衝突する場合、相手が600kgであれば当たり負けすることはなく、その相手が131km/hのとき互角の勝負になります。

逆に相手が3000kgで重い場合、双方が100km/hでは当たり負けして弾き飛ばされますが、相手が59km/hであれば互いに引かぬ真っ向勝負に持ち込める、というような雰囲気です。

いずれにせよ超スピードで事故をすれば衝突安全ボディもなんのその、車は雲散霧消の勢いで大変なことになり、ブレーキローターとブレーキパッドが身を削り、身を粉にして車を止めようにも一筋縄ではいかないことがわかる…ような気がしてきます。


人間様の占有スペース

人間様の占有スペース
室内長×幅×高 1.3m³
1人あたりのスペース 約0.7m³
室内長/全長 23.0%
室内幅/全幅 79.6%
室内高/全高 85.4%
室内容積/車両体積 16.0%

ボディサイズと室内寸法のデータがあるので車両全体に対する人間様の占有スペースを計算してみます。ここでの比率はボンネットが長い車であったり乗車人数の少ない車であったり、バン(貨物車)のように人よりも積載容量を重視している車は小さくなります。

まず室内長、室内幅、室内高を掛けて算出される室内の容積は1.3m³です。この車の乗車定員は2人ですから、単純に室内の容積で割るとフル乗車した際には約0.7m³のスペースが割り当てられることになります。続いて室内長を全長で割って算出される室内長と全長の比率は23.0%、同じく室内幅と全幅の比率は79.6%、同じく室内高と全高の比率は85.4%となりました。また車の形状を無視して単なる立方体として見たときの車両の体積に対する室内の容積の比率は16.0%でした。

室内の広さ・長さランキング
室内長が長い車室内幅が広い車室内高が高い車車内の空間が広い車


燃料タンクと燃費と航続距離と

燃料タンクと燃費と航続距離と
10・15モード燃費 14.2km/L
燃料タンク容量 48L
航続距離(カタログ燃費) 681.6km
航続距離(80%燃費) 547.2km
満タンプライス 7200円
1万円でどこまで行ける? 946.7km
車両価格/航続距離 2868円/km

10・15モード燃費が14.2km/Lですので、燃料タンクの容量が48リットルですと航続可能距離は681.6kmになります。(カタログ燃費通りに走行できた場合)

実際にはそうもいきませんから、オイル交換やタイヤ空気圧の管理といった定期メンテナンスを確実に実施した上での実燃費をカタログ燃費の90%(12.8km/L)とすると614.4km、80%(11.4km/L)だと547.2km、70%(9.9km/L)では475.2kmという航続距離になります。

燃料タンクに1滴の燃料もないスッカラカンの状態から満タンにしたときの金額を計算してみますと、レギュラーガソリン48リットルの給油で7200円、上で計算した航続距離を踏まえると681.6km(80%燃費時547.2km)を走行するのに7200円かかる計算です。

ついでに1万円の燃料代でどこまで行けるかも計算してみますと、カタログ通りの燃費で走行できれば946.7km(往復なら片道473.3km)、カタログ値の80%なら757.3km(片道378.7km)離れたところまで行くことができます。

ちなみに、1回の給油で681.6kmの距離を移動できるZZW30型 MR-S [MR-S]という乗り物を、195.5万円で手に入れたと考えたとき、この車が1km走行するにあたっては「2868円の値打ちがある!」と言える、かもしれません。


ギヤ比と回転数と速度と駆動トルクとトルクウェイトレシオのステキな関係

続いてギヤ比を見てみます。あるギヤで走行中にエンジン(正確にはクランクシャフト)をレブリミットまで回したときの速度と、レブリミットでシフトアップした後の回転数を計算するためには、何回転で回転リミッターが働くのかを知らねばなりません。

しかし具体的な数値を知るにはECU(エンジン・コントロール・ユニット)にあるデータを参照しなければならなかったりで実現は厳しく、ならばとレッドゾーンが始まる回転数から推測しようにも、最近ではタコメータが装着されていない車両が多くあって心が折れます。

ピークパワーが発生する回転数(この車の場合6400rpm)から必要以上に回してもあまり意味はないのでそれを上限としても良いのですが、気分よく運転しているときは往々にして回しすぎるのが常ですから、ここでは500回転をプラスした6900回転を仮のレブリミットとして計算してみます。

暫定レブ 6900rpm|タイヤサイズ 205/50R15|タイヤ直径 58.6cm|円周長 184.1cm
ギヤ ギヤ比 総減速比 ステップ比 シフトアップ
後の回転数
6900rpm
の速度
100kmh
の回転数
タイヤの
最大駆動力
1速 3.166 13.65 55.8kmh 12360rpm 810.7kgm
2速 1.904 8.210 0.601 1-2/4150rpm 92.8kmh 7430rpm 487.6kgm
3速 1.392 6.002 0.731 2-3/5040rpm 127.0kmh 5430rpm 356.5kgm
4速 1.031 4.446 0.741 3-4/5110rpm 171.4kmh 4020rpm 264.0kgm
5速 0.815 3.514 0.790 4-5/5450rpm 216.9kmh 3180rpm 208.7kgm
Final 4.312 レシオカバレッジ(変速比幅)3.885
ギヤの繋がりイメージ
ZZW30型MR-S5AT車のギヤ比イメージ
  • ステップ比(歯車比)とは隣接したギヤ同士の離れ具合を示した数値で、1.000に近いほどシフト操作後の回転数の変化が小さく(ギヤ同士の繋がりが良い)、離れるほど変化が大きく(繋がりが悪い)なることを表します。
    シフトアップでは現在の回転数にステップ比を乗じた回転数まで下がり、シフトダウンでは現在の回転数にステップ比を除した回転数まで上がります。
    赤い数字はシフトアップ後にパワーバンドの下限(最大トルク発生回転数4400rpm)を下回るもの。
  • 時速100kmでの回転数は100km/h÷60÷タイヤ円周長×各ギヤ比×ファイナルギヤ比(4.312)で算出。
  • タイヤの最大駆動力は最大トルク(17.4kgm)×各ギヤ比×ファイナルギヤ比(4.312)÷タイヤの有効半径(0.293m)で算出。
    ただし、ATおよびCVTにあるトルクコンバーターでのトルク増幅効果は考慮できていません。

本来のレブリミットとは異なるので最高速の数値は前後しますが、上記の設定での最高速度は5速ギヤの216.9km(6400rpmでは201.2km/h)となります。この速度は空気抵抗、パワー不足、スピードリミッターなどネガティブ要素の一切を無視して、単にギヤ比とエンジン回転数、タイヤサイズだけで計算した速度です。

おまけ:6400rpmでシフトアップする場合の各ギヤ速度

6400rpmでの速度と
シフトアップ後の回転数
ギヤ速度回転数
1速ギヤ52km/h
2速ギヤ86km/h3850rpm
3速ギヤ118km/h4680rpm
4速ギヤ159km/h4740rpm
5速ギヤ201km/h5060rpm

ZZW30型MR-Sに搭載された1ZZ型1794ccエンジンのレブリミットを、最高出力が発生する6400rpmとしてシフトアップするときの速度をシミュレートしてみます。

まず1速ギヤで6400rpmまで引っ張ると52km/hまで加速し、2速ギヤにシフトアップすると回転数は6400rpmから3850rpmまで落ち、そこから6400rpmまで加速を続けると速度は86km/h(+34km/h)になります。

3速ギヤでは4680rpmまで落ちて6400rpmで118km/h(+32km/h)に、4速ギヤでは4740rpmまで落ちて6400rpmで159km/h(+41km/h)に、5速ギヤでは5060rpmまで落ちて6400rpmで201km/h(+42km/h)という具合に加速していくイメージです。

タイヤの最大駆動力にある数値は、エンジンが4400回転で最大トルク17.4kgmを発生しているとき、各々のギヤを介したのち実際にタイヤへと伝えられるトルクで、この数値が大きいほどタイヤを回そうとする力が大きく、より力強い加速をすることができます。

この数値を大きくするにはギヤ比を低く(加速重視・ローギヤード)する、タイヤを小径化する、エンジンの最大トルクを大きくするという方法があります。逆にギヤ比を高く(最高速重視・ハイギヤード)したり、タイヤを大径化したり、デチューンして非力にすると駆動トルクは小さくなって加速が鈍ります。

さて、世の中にはパワーウェイトレシオ(1馬力が担う重量・PWR)に似ているようで少し違うトルクウェイトレシオ(1kgmが担う重量・TWR)という指標があります。単純に車両重量を最大トルクで割れば56.3kg/kgmですから、パワーウェイトレシオ(7.00kg/ps)に比べると霞んで見えます。

しかしトルクはギヤを介することで増幅され、たとえば1速ギヤの場合ですと810.7kgmになります。これを踏まえて改めて車両重量(980kg)を1速ギヤの最大駆動力(810.7kgm)で割ってみると1.21kg/kgmとなり、今度は逆にPWRが霞んで見えるような数値が出てきます。最高出力が発生する6400回転でのトルク(15.7kgm)からTWRを算出すると1.34kg/kgmとなり、4400-6400回転の回転域では1.21-1.34kg/kgmの間で推移することがわかります。

ある速度における各ギヤでの回転数

ギヤ 40
km/h
60
km/h
80
km/h
100
km/h
120
km/h
140
km/h
180
km/h
1速 4940 7420 9890 12360 14830 17300 22250
2速 2970 4460 5950 7430 8920 10410 13380
3速 2170 3260 4350 5430 6520 7610 9780
4速 1610 2410 3220 4020 4830 5630 7240
5速 1270 1910 2550 3180 3820 4450 5730
※赤い数字は暫定レブリミット(6900rpm)を上回るもの。

この項目では各々のギヤと速度を基準として、任意のギヤを選択中に時速40km~180kmにて走行するとき、エンジンの回転数がどのくらいになるのかを一覧表にしてみました。この車の場合、最も高いギヤ(0.815)を選択して時速100kmにて走行すると3180回転まで回ります。

ちなみに、一般道の速い流れやバイパスでよくある60km/hでは1910回転、対面通行の高速道路での制限速度70km/hでは2230回転、一般的な高速道路の80km/hでは2540回転、100km/hでは3180回転、制限速度が120km/hになると3820回転になります。小型・普通乗用車の速度リミッターが働く180km/hでは5730回転まで回ります。

時速100kmでの巡航回転数が3000回転を超えるようになってくると、ややパワーが心許ないとか、荷物や人を多く乗せる車であるとか、より鋭い加速を得たい場合のギヤ比ではないかと思います。エンジンのレイアウト(直列3気筒とか)によっては独特の振動が生じたりするので不快感を覚えるようになるかもしれません。

ある回転数における各ギヤでの速度

ギヤ 1000
rpm
2000
rpm
3000
rpm
4000
rpm
5000
rpm
6000
rpm
7000
rpm
8000
rpm
1速 8 16 24 32 40 49 57 65
2速 13 27 40 54 67 81 94 108
3速 18 37 55 74 92 110 129 147
4速 25 50 75 99 124 149 174 199
5速 31 63 94 126 157 189 220 251

この項目では各々のギヤとエンジンの回転数を基準として、任意のギヤを選択中にエンジンを1000回転刻みで8000回転まで回したとき、それぞれのギヤでどのくらいの速度が出ているのかを一覧表にしてみました。暫定レブリミット(6900回転)よりも回転数が高くなる欄の速度については赤文字で表記してあります。


純正装着タイヤの205/50R15と互換可能な車検対応サイズ|簡易版

下の表では純正サイズを基準としてタイヤ幅を-20mmから+20mm、扁平率を-5%から+5%まで変化させたときのスピードメータ誤差が、マイナス方向を水色、-5.0%から+2.0%までを緑色、+6.0%までを橙色に着色しています。

※ここではタイヤの直径(外径)のみを基準としています。タイヤの幅を広くしすぎてサスペンションと干渉したり、はみ出てしまって車検に通らないからとフェンダーを叩いたり引っ張ったりキャンバーを付けたりで四苦八苦、ホイール幅が狭すぎてなんかイマイチ…という事例もありますので、ホイールのオフセットとリム幅にはご注意ください。

純正タイヤ 205/50R15 | 直径 586mm

-20mm
幅185mm
-10mm
幅195mm
変更なし
幅205mm
+10mm
幅215mm
+20mm
幅225mm
-5%
45
扁平
185/45R15
37.4km/h
直径548mm
径差-38mm
195/45R15
38.0km/h
直径557mm
径差-29mm
205/45R15
38.6km/h
直径566mm
径差-20mm
215/45R15
39.2km/h
直径575mm
径差-11mm
225/45R15
39.9km/h
直径584mm
径差-2mm
0%
50
扁平
185/50R15
38.6km/h
直径566mm
径差-20mm
195/50R15
39.3km/h
直径576mm
径差-10mm
205/50R15
40.0km/h
586mm
0mm
215/50R15
40.7km/h
直径596mm
径差+10mm
225/50R15
41.4km/h
直径606mm
径差+20mm
+5%
55
扁平
185/55R15
39.9km/h
直径585mm
径差-1mm
195/55R15
40.7km/h
直径596mm
径差+10mm
205/55R15
41.4km/h
直径607mm
径差+21mm
215/55R15
42.2km/h
直径618mm
径差+32mm
225/55R15
42.9km/h
直径629mm
径差+43mm
+10%
60
扁平
185/60R15
41.2km/h
直径603mm
径差+17mm
195/60R15
42.0km/h
直径615mm
径差+29mm
205/60R15
42.8km/h
直径627mm
径差+41mm
215/60R15
43.6km/h
直径639mm
径差+53mm
225/60R15
44.4km/h
直径651mm
径差+65mm

もし上記表の中から車検に安心なタイヤを選ぶのであれば、メーター誤差が-5.0%から0%の間にあって車高への影響も少ない 、185/50R15、185/55R15 、195/45R15、195/50R15 、205/45R15 、215/45R15 、225/45R15あたりのタイヤがおすすめです。

205/50R15のタイヤ幅を185mmから235mmまで、扁平率を35%から65%までの範囲に拡大した適合タイヤの一覧表および、100km/h回転数、加速力と最高速の変化、走行距離計の誤差による実燃費とのズレについては、205/50R15の適応サイズと性能の変化 [ZZW30型MR-S編]のページをご覧ください。

純正のホイールサイズから大径化したり、幅の広いタイヤ、扁平率の低いタイヤに交換しようとするとタイヤ代が高くなる傾向にありますので、少しでも維持費を抑えたい、今はお財布の中身が心許ないといった際にはオートウェイのタイヤ通販をご検討くださいませ。


ZZW30型MR-S[1.8L-NA MR/5AT]の得点(簡易版)

ここではこのページを締めくくる集大成として、パワーウェイトレシオや1速ギヤでの加速性能、排気量1Lあたりの出力、ホイールベーストレッド比からなるスポーツ性能部門と、時速100kmでの巡航回転数、燃費、車体の大きさ、室内の広さからなるユーティリティ部門とに大別し、このサイトで登録している全車種の平均値から偏差値を求めて優劣を調べてみたいと思います。

スポーツ性能部門
評価項目数値得点
パワーウェイト7.00kg/ps57.22
1速ギヤ加速性能1.21kg/kgm58.64
1L換算馬力78.0ps/L53.83
1L換算トルク9.70kgm/L52.41
WB/TR比1.6760.63
ワイド&ロー指数0.72961.16
前面の面積2.093m²63.77
最低地上高135mm57.83
スポーツ性能部門の得点465.49

※ここではパワーウェイトレシオ・1速ギヤ加速性能・ホイールベーストレッド比・ワイド&ロー指数・前面の面積については数値が小さいほど高得点。リッター換算馬力・換算トルクについては数値が大きいほど高得点としています。


ユーティリティ部門
評価項目数値得点
10-15燃費14.2km/L52.71
年間維持費291830円53.58
100kmh回転数3180rpm40.81
航続距離681.6km48.53
車の大きさ8.133m³36.70
室内の広さ1.275m³28.08
最小回転半径5.0m53.62
馬力単価13964円59.13
ユーティリティ部門の得点373.16

※ここでは燃費・航続距離・車の大きさ・室内の広さは数値が大きいほど高得点、年間維持費・100km/h回転数・最小回転半径・馬力単価は数値が小さいほど高得点としています。

スポーツ性能部門およびユーティリティ部門の得点を合計した ZZW30型MR-S[1.8L-NA MR/5AT] の総合得点は 838.65 点です。獲得点数が多い車種から順番に並べた 総合得点ランキング を用意してありますので、よろしければご覧ください。

上記リンク先では、今回このページで紹介したZZW30型MR-S(MR/5AT) の各種スペックを、「全ての車種」、「全てのオープンカー」、「2000ccのオープンカー」という属性で評価したとき、それぞれの項目が相対的にどのくらい優れているか、劣っているかを調べてみました。基準が変わると手のひらを返したように評価も変わる様子をご堪能ください。投稿日:2011/07/28|更新日:2018/02/09


コメントは停止中です。