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トヨタ自動車の5ドア・5人乗りSUV、ZYX11型の初代C-HRは2016/12から生産(または販売)が開始されました。
ここでは排気量1797cc(98PS/14.5kgm)の2ZR-FXE型エンジンを搭載する[S GR-Sport|2019/10モデル]のカタログスペックを基に、数値から見た性能をインプレおよび評価・解説しています。
ボディサイズが全長4390mm×全幅1795mm×全高1550mm、排気量は1797ccであることから、大雑把に分類すると1.8リットルクラス(1800cc、自動車税は2.0L以下を適用)に属し、全長、全高、排気量は5ナンバー枠ながら全幅が1.7mを超えていることにより3ナンバー登録になります。この手のタイプはいわゆる世界戦略車(グローバルカー)に多くあるようです。
ちなみに、車体形状や用途に関係なく全長のみを基準とした分類方法で各セグメントに当てはめると、全長が4390mmであるこの車の場合は「ミディアム」(Medium:4300mm超-4650mm以下|Dセグメント相当)に属します。※国や時代によって基準は異なります。
エンジンを車体の前方に搭載し、前輪のみを駆動する、いわゆるFF方式(フロントエンジン/フロントドライブ)を採用しています。この方式はエンジンと駆動系(ミッション、デフ等)の収納がエンジンルーム内で完結するので、軽量コンパクトかつ低コスト化が実現でき、室内を広く作りやすい(エンジンが横置きの場合)ほか、後輪駆動車に比べて直進安定性に優れることが主な特長です。
ZYX11型 C-HR [1797cc/98PS FF/CVT] お品書き
![]() エンジン性能と特性、パワーウェイトレシオ | ![]() No Data | ![]() タイヤサイズ変更とスピードメーター誤差 | ![]() 各種スペックの相対評価とレーダーチャート |
初代C-HRの類型&他グレード 人気順
- 吸気方式のNAは自然吸気、TBはターボ、SCはスーパーチャージャー、TSはTB+SCの略
- 燃費の文字が赤色のものはレギュラーガソリン、青色のものはハイオクガソリン、緑色のものは軽油を燃料とするエンジンを搭載した車種
画像 | 排気量 車両価格 | 車両型式 グレード | 出力 燃費 |
---|---|---|---|
![]() | 1.2L-TB 4WD/CVT 251.6万円 | NGX50型 [S-T] (2016/12) | 116PS 18.9kgm 15.4km/L |
![]() | 1.8L-NA FF/CVT 290.5万円 | ZYX10型 [G] (2016/12) | 98PS 14.5kgm 30.2km/L |
![]() | 1.2L-TB FF/CVT 229.0万円 | NGX10型 [S-T] (2018/05) | 116PS 18.9kgm 16.4km/L |
![]() | 1.2L-TB FF/6MT 273.2万円 | NGX10型 [S-T GR-Sport] (2019/10) | 116PS 18.9kgm 15.4km/L |
主要諸元とエンジン諸元
主要諸元 | |
---|---|
メーカー | TOYOTA |
車名& グレード | C-HR S GR-Sport |
その他 | G |
お値段 | 3095000円 |
車両型式 | 6AA-ZYX11 |
駆動方式 変速機 | FF・前輪駆動(FWD,2WD) CVT(無段変速機・連続可変T/M) |
ドア数& 定員 | 5ドア 5人 |
車体寸法 | 長4390×幅1795×高1550mm |
室内寸法 | 長1800×幅1455×高1210mm |
軸距& 輪距 | 2640mm 前1540mm/後1540mm |
最小半径 | 5.2m |
最低高 | 140mm |
タイヤ | 前輪:225/45R19 後輪:225/45R19 |
ブレーキ | 前:ベンチレーテッドディスク 後:ディスク |
車両重量 | 1450kg |
エンジン諸元 | |
---|---|
原動機型式 | 2ZR-FXE |
気筒配列 | 直列4気筒+モーター |
排気量 | 1797cc |
吸気方式 | 自然吸気(NA・ノンターボ) |
最高出力 | 98PS[72kW]/5200rpm |
最大トルク | 14.5kgm[142Nm]/3600rpm |
使用燃料 | レギュラーガソリン |
WLTC燃費 | 25.0km/L(58.8mpg) |
JC08燃費 | 29.0km/L(68.2mpg) |
100km燃費 | 4.0L/100km |
※2ZR-FXE型エンジンの諸元と性能まとめ ※直列4気筒とは‥シリンダを真っ直ぐ一列に4個配置する方式。小排気量から2.5Lあたりまでをカバー。モーターを組み合わせることでハイブリッドカーとなります。 ※これまでに登場したハイブリッドカーの一覧 ※直列4気筒の最高出力ランキング |
税金と年間維持費のシミュレーション
ここでは、春になると毎年欠かさず支払いを催促される自動車税(39500円)、払わなければ車検を受けさせてもらえない自動車重量税(12300円/年)と自賠責保険料(13920円/年)、年間1万km走行した際に掛かる燃料代、月額5500円の任意保険に加入し、走行5000km毎にエンジンオイル交換、3年3万km毎にタイヤ交換するとしたときの年間維持費(ランニングコスト)を見てみます。
さらに、C-HRの新車を355.9万円(諸費用として46.4万円を加算)にて購入し、頭金なしで5年ローンを組んだと仮定したときの年間支払額(金利分は含まず)も踏まえて、上記の維持費と合算した場合の想定維持費も計算してみました。
- ローンの年数については月額5万円の支払いを基準として、ローンの支払額が60万円以下は1年、120万円以下は2年、180万円以下は3年、240万円以上は4年、それ以上は5年としています。
- 任意保険の金額については特に根拠のない一例です。具体的な掛け金は運転者の年齢や家族構成、年間走行距離、保険内容、車両保険の有無等によって大きく異なります。
- 自動車保険は比較で安くなる!
新車で買った場合の年間維持費
名目 | 区分 | 金額 | ||
---|---|---|---|---|
自動車税(1年分) | 2000cc以下 | 13年未満 | 39500円 | |
自動車重量税(1年分) | 1.5トン以下 | 13年未満 | 12300円 | |
自賠責保険料(1年分) | 自家用乗用車 | 13920円 | ||
燃料代(年間1万km) | 10000km÷25.0km/L×150円/L | 60000円 | ||
オイル交換(5000km毎) | 1回4500円×2回 | 9000円 | ||
タイヤ交換(3年3万km毎) | 1本21000円×4本÷3年 | 28000円 | ||
任意保険料(月額5500円) | 月額5500円×12ヶ月 | 66000円 | ||
ローン完済後の年間維持費 | 228720円 | |||
名目 | 区分 | 金額 | ||
車のローン額(1年分) | 月額59320円×12ヶ月 | 711840円 | ||
ローン返済中の年間維持費 | 940560円 | |||
次回車検費用の積み立て目安 | ||||
重量税2年分+自賠責24ヶ月分+検査手数料等3000円程度 | 55440円 |
名目 | 金額 |
---|---|
自動車税(1年分) | 39500円 |
自動車重量税(1年分) | 12300円 |
自賠責保険料(1年分) | 13920円 |
燃料代(年間1万km) | 60000円 |
オイル交換(5000km毎) | 9000円 |
タイヤ交換(3年3万km毎) | 28000円 |
任意保険料(月額5500円) | 66000円 |
ローン完済後の年間維持費 | 228720円 |
名目 | 金額 |
車のローン額(1年分) | 711840円 |
ローン返済中の年間維持費 | 940560円 |
次回車検費用の積み立て目安 | |
重量税2年分+自賠責24ヶ月分 +検査手数料等3000円程度 | 55440円 |
- 初度登録から0年経過車の場合、自動車税の区分は「2000cc以下の13年未満」で税額は39500円、重量税の区分は「1.5トン以下の13年未満」で税額は12300円(単年)です。
- エンジンオイル交換の金額は、5000km走行ごとに4500円のオイル交換作業を年2回行うと仮定した場合のもの。
- タイヤ交換の金額は、1本21000円のタイヤ4本を3年周期で交換すると仮定した場合のもの。
- 任意保険料の金額は、月額5500円の保険に加入した場合の12ヶ月分の支払い額。
- 平成25年4月1日からの自賠責保険料の改定に対応。
- 平成27年4月1日からの自動車税の割増(10%増→15%増)に対応。
- 平成28年4月1日からの自動車重量税の変更に対応、
ただし今流行のエコカー減税(自動車税、自動車重量税等の減免)には対応できていません。 - 燃料消費率が緑文字のWLTCモード燃費はカタログ値の100%を、青文字のJC08モード燃費は93%を、赤文字の10・15モード燃費は85%を実燃費と仮定して計算。
- 車検時には上記の目安金額55,440円の他に法定24ヶ月点検に関連する費用が必要です。
- 名目にある金額の基準は、年間維持費の算出基準まとめ をご覧ください。
今にも壊れそうな格安車から少しステップアップすると月換算で1~2万円の間、年間にすると12~24万円のクラスです。この車の場合、月単位に換算して19,060円(完済前は78,380円)になります。
「廉価車にしか乗れなかった自分が、ついにこれだけの維持費が掛かる車を所有できるようになったのだ、新しい自分になれたのだ。あの頃のアタシ、サヨナラ…」とかいう謎のカタルシスに浸れるのがこのクラスです。普通に使う分には何ら問題のないバランスの取れたクラスではないかと思います。
●C-HRの燃料代にぶら下がる税金(年間納税額)
さて、自動車には「これでもか!これでもか!嫌なら乗るな!」と言わんばかりに何種類もの税金が課せられており、あまり詳らかにするとますます自動車離れに拍車がかかってしまいそうなのですが、C-HRの燃料代に対する税額と割合を調べてみたいと思います。
燃料にかかる税金 | |
---|---|
ガソリン税(本則) | 11480円 |
ガソリン税(暫定) | 10040円 |
石油税 | 1120円 |
消費税(10%) | 5450円 |
合計納税額 | 28090円 |
例として年間走行距離を10000km、燃費を25.0km/L、ガソリンを1リットルあたり150円(諸税込)として計算してみます。
このとき使用するガソリンの量は400.0Lですから、ガソリン税(本則)が28.7円/Lで合計11480円、ガソリン税(暫定)が25.1円/Lで10040円、石油税が2.8円/Lで1120円になります。
ガソリン車の場合は本体価格79.8円/Lに加えてガソリン税・石油税にも消費税率を掛けるので、消費税額としては5450円となり、これらを合計した税額は28090円、1年間に燃料代として支払う60000円のうち46.8%が税金、ということになります。
さらに自動車税が年間で39500円、自動車重量税が年換算で12300円ですから、合計79890円がC-HRに課せられる税金としてぶら下がっている計算です。
低走行距離での年間維持費|3000km・5000km・7000km
せっかくのマイカーを前にして、あまりにも涙ぐましい経費削減は気の引けるものですが、しかし先行き不安なこのご時世では背に腹はかえられないのもまた事実です。
走行距離が少なくなれば燃料代は目に見えて削減されますし、タイヤは摩耗が減って長持ち、オイル交換も年1回になってお財布もニッコリ…いうわけで、ここでは年間走行距離を3000km・5000km・7000kmとしたときの年間維持費をシミュレートしてみます。
年間3000km走行の場合 | |
---|---|
名目 | 金額 |
自動車税(1年分) | 39500円 |
自動車重量税(1年分) | 12300円 |
自賠責保険料(1年分) | 13920円 |
燃料代(3000km分) | 18000円 |
オイル交換(年1回) | 4500円 |
タイヤ交換(3万km/6年) | 8400円 |
任意保険料(月額4400円) | 52800円 |
合計 [差額] | 149420円 [-79300円] |
年間5000km走行の場合 | |
---|---|
名目 | 金額 |
自動車税(1年分) | 39500円 |
自動車重量税(1年分) | 12300円 |
自賠責保険料(1年分) | 13920円 |
燃料代(5000km分) | 30000円 |
オイル交換(年1回) | 4500円 |
タイヤ交換(3万km/6年) | 14000円 |
任意保険料(月額4680円) | 56160円 |
合計 [差額] | 170380円 [-58340円] |
年間7000km走行の場合 | |
---|---|
名目 | 金額 |
自動車税(1年分) | 39500円 |
自動車重量税(1年分) | 12300円 |
自賠責保険料(1年分) | 13920円 |
燃料代(7000km分) | 42000円 |
オイル交換(年1回) | 6300円 |
タイヤ交換(3万km/4.3年) | 19600円 |
任意保険料(月額4950円) | 59400円 |
合計 [差額] | 193020円 [-35700円] |
自動車税、重量税、自賠責保険については、走行距離がどうであろうと変わりませんが、燃料代は走行距離に応じた分だけ削減、オイル交換は年間3000km走行と5000km走行は年1回、7000km走行は1回分+αの金額としています。
タイヤ交換費用については、スリップサインまで30000km持つものとして走行距離に応じて按分(ただし最大6年で交換とする)、任意保険料については、年間3000km走行は10000km走行での保険料66000円の80%、年間5000km走行は85%、年間7000km走行は90%の金額に割引されるものとして計算しました。
年間3000km走行では、10000km走行に比べて79300円安い149420円に、5000km走行では58340円安い170380円に、7000km走行では35700円安い193020円という結果になりました。
自動車関連費用は家計に多大なるダメージを与えてきますから、不要不急の外出を控えたり、今流行の走行距離に応じて保険料が変わる任意保険を選んだり、1円でも安いガソリンスタンドを探したり、グレードの低いオイルやタイヤでお茶を濁したり…と、あの手この手で工夫して耐え忍びましょう。
市街地・郊外・高速道路の比率を変えて燃料代を計算してみる
ひとくちにWLTCモード燃費と言いましても、信号や渋滞があるノロノロ道路の走行を想定した市街地モード(24.1km/L)、信号や渋滞が少ないスイスイ道路の走行を想定した郊外モード(27.6km/L)、高速道路の走行を想定した高速道路モード(23.9km/L)という3つの走行パターンを内包してありまして、これらを「平均的な使用時間配分」なるもので構成したのがWLTCモード燃費(25.0km/L)ということになります。
ここでは年間走行距離を10000kmとしたときの市街地、郊外、高速道路の走行比率を変えてみたとき、燃料代がどのように変化するかを見ていきたいと思います。※1リットル150円として計算
●例1:都市部にお住まい
まず最初に、市街地の住まいを想定して、走行の大半を市街地(90%)、たまに郊外へお買い物(5%)、稀に高速道路に乗ってどこか遠くへ…(5%)という場合で見てみます。
市街地90%・郊外5%・高速5% | ||
---|---|---|
市街地 | 9000km | 56010円 |
郊外 | 500km | 2720円 |
高速道路 | 500km | 3140円 |
合計 [差額] | 61870円 [+1870円] |
- 市街地走行の燃料代
市街地の走行を9000kmとするとき、市街地モード燃費が24.1km/Lでは373.4Lを消費して、燃料代は56010円になります。 - 郊外走行の燃料代
郊外の走行を500kmとするとき、郊外モード燃費が27.6km/Lでは18.1Lを消費して、燃料代は2720円になります。 - 高速道路走行の燃料代
高速道路の走行を500kmとするとき、高速道路モード燃費が23.9km/Lでは20.9Lを消費して、燃料代は3140円になります。
このパターンでは使用した燃料量が412.4L、かかった燃料代が61870円となり、平均燃費は24.2km/L、WLTCモード燃費との燃料代の差は+1870円という結果になりました。
●例2:市街地と郊外を行き来
次に、とにかく市街地と郊外を行ったり来たりする条件を想定して、市街地の走行を50%、郊外の走行を50%、高速道路は走行しない場合を見てみます。
市街地50%・郊外50%・高速0% | ||
---|---|---|
市街地 | 5000km | 31130円 |
郊外 | 5000km | 27180円 |
高速道路 | 0km | 0円 |
合計 [差額] | 58310円 [-1690円] |
- 市街地走行の燃料代
市街地の走行を5000kmとするとき、市街地モード燃費が24.1km/Lでは207.5Lを消費して、燃料代は31130円になります。 - 郊外走行の燃料代
郊外の走行を5000kmとするとき、郊外モード燃費が27.6km/Lでは181.2Lを消費して、燃料代は27180円になります。
このパターンでは使用した燃料量が388.7L、かかった燃料代が58310円となり、平均燃費は25.7km/L、WLTCモード燃費との燃料代の差は-1690円という結果になりました。
●例3:市街地・郊外・高速道路をMix
続いて、都市部に住んでいて郊外の職場へ通勤、あるいは郊外に住んでいて都市部の職場へ通勤、高速利用もバッチリ!という感じでシミュレーションしてみます。
市街地33.3%・郊外33.4%・高速33.3% | ||
---|---|---|
市街地 | 3330km | 20730円 |
郊外 | 3340km | 18150円 |
高速道路 | 3330km | 20900円 |
合計 [差額] | 59780円 [-220円] |
- 市街地走行の燃料代
市街地の走行を3330kmとするとき、市街地モード燃費が24.1km/Lでは138.2Lを消費して、燃料代は20730円になります。 - 郊外走行の燃料代
郊外の走行を3340kmとするとき、郊外モード燃費が27.6km/Lでは121.0Lを消費して、燃料代は18150円になります。 - 高速道路走行の燃料代
高速道路の走行を3330kmとするとき、高速道路モード燃費が23.9km/Lでは139.3Lを消費して、燃料代は20900円になります。
このパターンでは使用した燃料量が398.5L、かかった燃料代が59780円となり、平均燃費は25.1km/L、WLTCモード燃費との燃料代の差は-220円という結果になりました。
●例4:農村部にお住まい
最後に、びっくりするほど田舎な住まいを想定して、市街地の走行を5%、郊外の走行を90%、高速道路の走行を5%とした場合を見てみます。
市街地5%・郊外90%・高速5% | ||
---|---|---|
市街地 | 500km | 3110円 |
郊外 | 9000km | 48920円 |
高速道路 | 500km | 3140円 |
合計 [差額] | 55170円 [-4830円] |
- 市街地走行の燃料代
市街地の走行を500kmとするとき、市街地モード燃費が24.1km/Lでは20.7Lを消費して、燃料代は3110円になります。 - 郊外走行の燃料代
郊外の走行を9000kmとするとき、郊外モード燃費が27.6km/Lでは326.1Lを消費して、燃料代は48920円になります。 - 高速道路走行の燃料代
高速道路の走行を500kmとするとき、高速道路モード燃費が23.9km/Lでは20.9Lを消費して、燃料代は3140円になります。
このパターンでは使用した燃料量が367.7L、かかった燃料代が55170円となり、平均燃費は27.2km/L、WLTCモード燃費との燃料代の差は-4830円という結果になりました。
極端な条件でのシミュレーションではありますが、走行シチュエーションによって平均燃費は変わり(24.2km/L・25.7km/L・25.1km/L・27.2km/L)、燃料代のほうもなかなかな違い(61870円・58310円・59780円・55170円)が出てくることがわかります。
1km走行コストと月間&年間交通費
距離/日 | 費用/日 | 月換算 | 年換算 |
---|---|---|---|
10km | 60円 | 1300円 | 1.6万円 |
20km | 120円 | 2600円 | 3.1万円 |
30km | 180円 | 4000円 | 4.7万円 |
50km | 300円 | 6600円 | 7.8万円 |
100km | 600円 | 13200円 | 15.6万円 |
さて、レギュラーガソリン1リットルの燃料価格を150円、燃費を25.0km/Lとしたとき、1km走行あたりのコストは6.00円になります。
たとえばこの車を通勤車とした場合、1日の走行距離が10kmなら燃料代は60円/日となり、20km走行なら120円/日、30km走行なら180円/日、50km走行なら300円/日、100km走行なら600円/日かかる計算です。
1か月の労働日数を22日として計算すると、通勤距離が30kmなら月間の走行距離は660kmで燃料代は4000円/月、1年間の労働日数を260日とすると年間の走行距離は7800kmで燃料代は4.7万円/年という塩梅です。
カタログスペックから見えてくる要素
2ZR-FXE型エンジン簡易性能曲線図 | |
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各回転域での馬力 | |
3600回転時の馬力 | 73PS |
5200回転時の馬力 | 98PS |
各回転域でのトルク | |
3600回転時のトルク | 14.5kgm |
5200回転時のトルク | 13.5kgm |
2ZR-FXE型エンジンの性能 |
まずおさらいとして、搭載している2ZR型1797cc、直列4気筒+モーターの自然吸気エンジンは5200回転時に最高出力98馬力を、3600回転時に最大トルク14.5kgmを発生します。
馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力が計算できますので、それぞれの点と点とを線で繋いでパワーカーブとトルクカーブのエンジン性能曲線図もどきを作ってみました。
トルクの山が中央より左にあるか右にあるかを基準にしてエンジン特性を探ってみますと、最大トルクの発生回転数が若干高めにあるこのエンジンは、普段使いでも不足を感じることなく、それでいて高い回転数を維持すればスポーティな走行も楽しめるバランスの良さが魅力です。
※実際のところは車両重量やギヤ比、排気量に対する気筒数の多少によって印象が異なってくると思います。
ちなみに、エンジンのパワーバンドを「最大トルクが発生する3600rpmから最高出力が発生する5200rpmまで」の1600rpmとしたときの、最高回転数に対するパワーバンドの割合は30.8%となります。※右記(下記?)簡易性能曲線図オレンジ色の帯域
最高出力ランキング リスト |
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2000cc以下クラス編 |
トヨタの小型車&普通車編 |
最大トルク ランキング リスト |
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2000cc以下クラス編 |
トヨタの小型車&普通車編 |
さて、車の速さを知るための指標としてよく使われる パワーウェイトレシオ は14.80kg/PS(1450kg/98PS)となっていますが、巷でよく見るであろうこの数値の多くはドライバーが乗った状態でのものではなく、あくまでも車両重量と最高出力のみで計算したものです。
車重と搭乗者とPWR | |
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車体のみ | 14.80kg/PS |
車体+1人 | 15.36kg/PS |
車体+5人 | 17.60kg/PS |
お腹と車重とPWR | |
車体+60kg | 15.41kg/PS |
車体+70kg | 15.51kg/PS |
車体+80kg | 15.61kg/PS |
車体+90kg | 15.71kg/PS |
車体+100kg | 15.82kg/PS |
というわけで、車両総重量の求め方に倣い人間の体重55kgを加えて計算し直してみますと、ドライバーのみが搭乗したときのパワーウェイトレシオは15.36kg/PS(1505kg/98PS)となり、数値としては0.56kgほど悪化します。
次に乗車定員いっぱいの5人が搭乗した場合、車両重量に275kgがプラスされてパワーウェイトレシオは17.60kg/PS(1725kg/98PS)となり、2.80kgも悪化することになります。
もともとが重量級の車であれば、人が少々乗ったところで体重の占める割合が小さいことから変化も小さいですが、軽量級の車ではお腹まわりのお肉が大きな影響力を持つことがわかります。
C-HRのライバル候補車たち
![]() | 15.39kg/PS N-WGN Custom 0.7L/64PS|4WD/CVT |
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![]() | 15.23kg/PS N-WGN 0.7L/64PS|4WD/CVT |
![]() | 15.23kg/PS タント カスタム 0.7L/64PS|FF/CVT |
![]() | 15.23kg/PS eKクロス 0.7L/64PS|4WD/CVT |
![]() | 15.23kg/PS デイズ ハイウェイスター 0.7L/64PS|4WD/CVT |
車両重量にドライバーの体重を加えますと、過去に見てきたパワーウェイトレシオ界隈の様相も変わってくることがわかりましたので、ここでは余興としてドライバー込みのパワーウェイトレシオ15.36kg/PSと近い数値を持つ車種をいくつかピックアップしてみます。
15.21kg/PSから15.51kg/PSの範囲で知名度を優先して選んでみたところ、ホンダの4人乗り軽ミニバン「JH4型 N-WGN」、ダイハツの4人乗り軽ミニバン「LA650S型 タント カスタム」、ホンダの4人乗り軽ミニバン「JH4型 N-WGN Custom」、三菱の4人乗り軽SUV「B38W型 eKクロス」、日産の4人乗り軽ミニバン「B48W型 デイズ ハイウェイスター」という顔ぶれが並びました。
「えっ!あの車がライバル!?(大歓喜)」だったり、あるいは「えっ…あの車がライバル…?(大号泣)」だったり悲喜こもごもありましょうが、数値の上では「良き隣人」ということになります。
●ZYX11型 C-HR [S GR-Sport]とパワーウェイトレシオが近い車種|15.36kg/PS
いろいろな数値 | |
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WB/TR比 | 1.71 |
平均ピストンスピード | 15.3m/s |
トルクウェイトレシオ | 100.0kg/kgm |
1馬力あたりのお値段 | 31582円 |
排気量1Lあたり馬力 | 54.5PS/L |
排気量1Lあたりトルク | 8.07kgm/L |
1気筒あたりの馬力 | 24.5PS |
1気筒あたりのトルク | 3.6kgm |
パワーバンド比率 | 30.8% |
各種ランキング | |
SUV・RV・クロカンのPWR 1.6~1.8L以下のPWR |
トルクウェイトレシオは100.0kg/kgm(1450kg/14.5kgm)なのですが、トルクについてはギヤ比でどうにでもなりますので、ここでの大小はあまり重要ではありません。(詳しくはギヤ比編にて)
ついでに馬力単価を計算してみると、お値段が3095000円、最高出力が98馬力であるこの車の場合、1馬力あたりのお値段は31582円、逆に1万円あたりでは0.32馬力を得ることができます。ついでのついででトルク1kgmあたりのお値段は213448円、1万円あたりでは0.05kgmとなります。
- 1馬力あたりのお値段が安い車ランキング
総合ランキング | トヨタ編 | 2000cc以下の車編 | 5人乗りSUV編
最高出力を排気量で割ったリッター換算馬力は54.5PS/L、トルクは8.07kgm/L、1気筒あたりの馬力は24.5馬力、トルクは3.6kgmとなり、このエンジンが98馬力を5200回転で発生させているときの平均ピストンスピードは15.3m/sです。
●排気量1リットルあたりの馬力ランキング
ちなみに、ストローク量が88.3mmである2ZR型エンジンの場合、平均ピストンスピードの上限を20.0m/sとしたときの高回転化の上限は6800回転です。設定されているレブリミットがこの回転数を超えている場合、長年に亘って平均ピストンスピードの目安とされてきた20.0m/sを超えてピストンが往復運動していることになります。レブリミットがこの回転数以下の場合は高回転化してパワーを引き出すチューニングの目安になるかもしれません。
●平均ピストンスピードが速い車ランキング
この車のホイールベースを前後トレッドの平均で割って算出されるホイールベーストレッド比は1.71になります。全ての車種の平均値である1.77を基準にざっくりと分類すると、どちらかというと小回りを得意とする傾向にある車と言えそうです。
●ホイールベーストレッド比が小さい車ランキング
人間様の占有スペース
人間様の占有スペース | |
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室内長×幅×高 | 3.2m³ |
1人あたりのスペース | 約0.6m³ |
室内長/全長 | 41.0% |
室内幅/全幅 | 81.1% |
室内高/全高 | 78.1% |
室内容積/車両体積 | 26.2% |
ボディサイズと室内寸法のデータがあるので車両全体に対する人間様の占有スペースを計算してみます。ここでの比率はボンネットが長い車であったり乗車人数の少ない車であったり、バン(貨物車)のように人よりも積載容量を重視している車は小さくなります。
まず室内長、室内幅、室内高を掛けて算出される室内の容積は3.2m³です。この車の乗車定員は5人ですから、単純に室内の容積で割るとフル乗車した際には約0.6m³のスペースが割り当てられることになります。続いて室内長を全長で割って算出される室内長と全長の比率は41.0%、同じく室内幅と全幅の比率は81.1%、同じく室内高と全高の比率は78.1%となりました。また車の形状を無視して単なる立方体として見たときの車両の体積に対する室内の容積の比率は26.2%でした。
室内の広さ・長さランキング
室内長が長い車 | 室内幅が広い車 | 室内高が高い車 | 車内の空間が広い車
車中泊の可能性
車中泊の可能性 | |
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期待される荷室の長さ | 1.54m |
期待される荷室の幅 | 1.35m |
対角線の長さ | 2.05m |
期待される荷室の面積 | 2.08m² |
ここでは全長の35%を【期待される荷室の長さ】、室内幅から100mm(不明の場合は全幅から400mm)引いたものを【期待される荷室の幅】とし、それらを掛け合わせて【期待される荷室の面積】、「縦の長さが厳しいなら斜めに寝れば良いじゃない!」ということで、おまけ要素として【対角線の長さ】も計算してみました。
縦方向の長さが1.54m(対角線では2.05m)となれば、一般的な身長ならそれなりの車中泊を楽しむことができそうです。車の中で足を伸ばして優雅に寝られる悦びを味わうために最低限必要な長さを備えた、車中泊のスタンダードと呼ぶに相応しい性能を有しています。
一見すると車中泊が可能そうに見えるハッチバックやワゴン、SUVであってもリアシートが前に倒れなかったり、倒れても中途半端であったり、凝った足回りのせいで室内に巨大な出っ張りがあったりで、なかなか思うようにはいきませんが、大抵のケースでは知恵と工夫で何とかなるはずです。車中泊にあると嬉しいアイテム
燃料タンクと燃費と航続距離と
燃料タンクと燃費と航続距離と | |
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WLTCモード燃費 | 25.0km/L |
燃料タンク容量 | 43L |
航続距離(カタログ燃費) | 1075.0km |
航続距離(80%燃費) | 860.0km |
満タンプライス | 6450円 |
1万円でどこまで行ける? | 1666.7km |
車両価格/航続距離 | 2879円/km |
WLTCモード燃費が25.0km/Lですので、燃料タンクの容量が43リットルですと航続可能距離は1075.0kmになります。(カタログ燃費通りに走行できた場合)
実際にはそうもいきませんから、オイル交換やタイヤ空気圧の管理といった定期メンテナンスを確実に実施した上での実燃費をカタログ燃費の90%(22.5km/L)とすると967.5km、80%(20.0km/L)だと860.0km、70%(17.5km/L)では752.5kmという航続距離になります。
燃料タンクに1滴の燃料もないスッカラカンの状態から満タンにしたときの金額を計算してみますと、レギュラーガソリン43リットルの給油で6450円、上で計算した航続距離を踏まえると1075.0km(80%燃費時860.0km)を走行するのに6450円かかる計算です。
ついでに1万円の燃料代でどこまで行けるかも計算してみますと、カタログ通りの燃費で走行できれば1666.7km(往復なら片道833.3km)、カタログ値の80%なら1333.3km(片道666.7km)離れたところまで行くことができます。
ちなみに、1回の給油で1075.0kmの距離を移動できるZYX11型 C-HR [S GR-Sport]という乗り物を、309.5万円で手に入れたと考えたとき、この車が1km走行するにあたっては「2879円の値打ちがある!」と言える、かもしれません。
純正装着タイヤの225/45R19と互換可能な車検対応サイズ|簡易版
下の表では純正サイズを基準としてタイヤ幅を-20mmから+20mm、扁平率を-5%から+5%まで変化させたときのスピードメータ誤差が、マイナス方向を水色、-5.0%から+2.0%までを緑色、+6.0%までを橙色に着色しています。
※ここではタイヤの直径(外径)のみを基準としています。タイヤの幅を広くしすぎてサスペンションと干渉したり、はみ出てしまって車検に通らないからとフェンダーを叩いたり引っ張ったりキャンバーを付けたりで四苦八苦、ホイール幅が狭すぎてなんかイマイチ…という事例もありますので、ホイールのオフセットとリム幅にはご注意ください。
純正タイヤ 225/45R19 | 直径 685mm | |||||
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-20mm 幅205mm | -10mm 幅215mm | 変更なし 幅225mm | +10mm 幅235mm | +20mm 幅245mm | |
-5% 40 扁平 | 205/40R19 37.8km/h 直径647mm 径差-38mm | 215/40R19 38.2km/h 直径655mm 径差-30mm | 225/40R19 38.7km/h 直径663mm 径差-22mm | 235/40R19 39.2km/h 直径671mm 径差-14mm | 245/40R19 39.6km/h 直径679mm 径差-6mm |
0% 45 扁平 | 205/45R19 39.0km/h 直径668mm 径差-17mm | 215/45R19 39.5km/h 直径677mm 径差-8mm | 225/45R19 40.0km/h 685mm 0mm | 235/45R19 40.6km/h 直径695mm 径差+10mm | 245/45R19 41.1km/h 直径704mm 径差+19mm |
+5% 50 扁平 | 205/50R19 40.2km/h 直径688mm 径差+3mm | 215/50R19 40.8km/h 直径698mm 径差+13mm | 225/50R19 41.3km/h 直径708mm 径差+23mm | 235/50R19 41.9km/h 直径718mm 径差+33mm | 245/50R19 42.5km/h 直径728mm 径差+43mm |
+10% 55 扁平 | 205/55R19 41.4km/h 直径709mm 径差+24mm | 215/55R19 42.0km/h 直径720mm 径差+35mm | 225/55R19 42.7km/h 直径731mm 径差+46mm | 235/55R19 43.3km/h 直径742mm 径差+57mm | 245/55R19 44.0km/h 直径753mm 径差+68mm |
もし上記表の中から車検に安心なタイヤを選ぶのであれば、メーター誤差が-5.0%から0%の間にあって車高への影響も少ない 、205/45R19 、215/40R19、215/45R19 、225/40R19 、235/40R19 、245/40R19あたりのタイヤがおすすめです。
225/45R19のタイヤ幅を205mmから255mmまで、扁平率を30%から60%までの範囲に拡大した適合タイヤの一覧表および、ホイールサイズを19インチからインチダウン、インチアップした場合の一覧表は、純正装着タイヤが225/45R19のとき互換可能なタイヤサイズのページをご覧ください。
ZYX11型C-HR[1.8L-NA FF/CVT]の得点(簡易版)
ここではこのページを締めくくる集大成として、パワーウェイトレシオや1速ギヤでの加速性能、排気量1Lあたりの出力、ホイールベーストレッド比からなるスポーツ性能部門と、時速100kmでの巡航回転数、燃費、車体の大きさ、室内の広さからなるユーティリティ部門とに大別し、このサイトで登録している全車種の平均値から偏差値を求めて優劣を調べてみたいと思います。
スポーツ性能部門 | ||
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評価項目 | 数値 | 得点 |
パワーウェイト | 14.80kg/ps | 34.94 |
1速ギヤ加速性能 | - | 39.27 |
1L換算馬力 | 54.5ps/L | 34.72 |
1L換算トルク | 8.07kgm/L | 31.77 |
WB/TR比 | 1.71 | 56.46 |
ワイド&ロー指数 | 0.864 | 51.05 |
前面の面積 | 2.782m² | 44.64 |
最低地上高 | 140mm | 55.58 |
スポーツ性能部門の得点 | 348.43 |
※ここではパワーウェイトレシオ・1速ギヤ加速性能・ホイールベーストレッド比・ワイド&ロー指数・前面の面積については数値が小さいほど高得点。リッター換算馬力・換算トルクについては数値が大きいほど高得点としています。
ユーティリティ部門 | ||
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評価項目 | 数値 | 得点 |
WLTC燃費 | 25.0km/L | 69.38 |
年間維持費 | 228720円 | 59.04 |
100kmh回転数 | - | 42.85 |
航続距離 | 1075.0km | 72.75 |
車の大きさ | 12.214m³ | 53.84 |
室内の広さ | 3.169m³ | 48.03 |
最小回転半径 | 5.2m | 49.36 |
馬力単価 | 31582円 | 35.27 |
ユーティリティ部門の得点 | 430.52 |
※ここでは燃費・航続距離・車の大きさ・室内の広さは数値が大きいほど高得点、年間維持費・100km/h回転数・最小回転半径・馬力単価は数値が小さいほど高得点としています。
スポーツ性能部門およびユーティリティ部門の得点を合計した ZYX11型C-HR[1.8L-NA FF/CVT] の総合得点は 778.95 点です。獲得点数が多い車種から順番に並べた 総合得点ランキング を用意してありますので、よろしければご覧ください。
上記リンク先では、今回このページで紹介したZYX11型C-HR(FF/CVT) の各種スペックを、「全ての車種」、「全ての5人乗SUV」、「2000ccの5人乗SUV」という属性で評価したとき、それぞれの項目が相対的にどのくらい優れているか、劣っているかを調べてみました。基準が変わると手のひらを返したように評価も変わる様子をご堪能ください。