ここでは、305/30R19タイヤのホイールサイズはそのままに、タイヤ幅を-20mmから+30mm(285mm-335mm)まで、扁平率を-15%から+15%(15%-45%)までの間で変化させ、タイヤ直径(外径)の変化量と時速40km時のスピードメーター誤差、最低地上高(車高)への影響を調べています。
305/30R19のタイヤを装着する車種の例としては、997M9701KF型911などが該当します。
純正タイヤ 305/30R19 | 径 666mm | ホイールサイズ変更なし | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|
-20mm 幅285mm |
-10mm 幅295mm |
変更なし 幅305mm |
+10mm 幅315mm |
+20mm 幅325mm |
+30mm 幅335mm |
|
-15% 15 扁平 |
285/15R19 34.2km/h 外径 569mm 径差 -97mm 車高 -49mm |
295/15R19 34.4km/h 外径 572mm 径差 -94mm 車高 -47mm |
305/15R19 34.5km/h 外径 575mm 径差 -91mm 車高 -46mm |
315/15R19 34.7km/h 外径 578mm 径差 -88mm 車高 -44mm |
325/15R19 34.9km/h 外径 581mm 径差 -85mm 車高 -43mm |
335/15R19 35.1km/h 外径 584mm 径差 -82mm 車高 -41mm |
-10% 20 扁平 |
285/20R19 35.9km/h 外径 597mm 径差 -69mm 車高 -35mm |
295/20R19 36.1km/h 外径 601mm 径差 -65mm 車高 -33mm |
305/20R19 36.3km/h 外径 605mm 径差 -61mm 車高 -31mm |
315/20R19 36.6km/h 外径 609mm 径差 -57mm 車高 -29mm |
325/20R19 36.8km/h 外径 613mm 径差 -53mm 車高 -27mm |
335/20R19 37.1km/h 外径 617mm 径差 -49mm 車高 -25mm |
-5% 25 扁平 |
285/25R19 37.6km/h 外径 626mm 径差 -40mm 車高 -20mm |
295/25R19 37.9km/h 外径 631mm 径差 -35mm 車高 -18mm |
305/25R19 38.2km/h 外径 636mm 径差 -30mm 車高 -15mm |
315/25R19 38.5km/h 外径 641mm 径差 -25mm 車高 -13mm |
325/25R19 38.8km/h 外径 646mm 径差 -20mm 車高 -10mm |
335/25R19 39.1km/h 外径 651mm 径差 -15mm 車高 -8mm |
変更 なし 30 扁平 |
285/30R19 39.3km/h 外径 654mm 径差 -12mm 車高 -6mm |
295/30R19 39.6km/h 外径 660mm 径差 -6mm 車高 -3mm |
305/30R19 40.0km/h 外径 666mm 径差 0mm 車高 0mm |
315/30R19 40.4km/h 外径 672mm 径差 +6mm 車高 +3mm |
325/30R19 40.7km/h 外径 678mm 径差 +12mm 車高 +6mm |
335/30R19 41.1km/h 外径 684mm 径差 +18mm 車高 +9mm |
+5% 35 扁平 |
285/35R19 41.0km/h 外径 683mm 径差 +17mm 車高 +9mm |
295/35R19 41.4km/h 外径 690mm 径差 +24mm 車高 +12mm |
305/35R19 41.9km/h 外径 697mm 径差 +31mm 車高 +16mm |
315/35R19 42.3km/h 外径 704mm 径差 +38mm 車高 +19mm |
325/35R19 42.7km/h 外径 711mm 径差 +45mm 車高 +23mm |
335/35R19 43.1km/h 外径 718mm 径差 +52mm 車高 +26mm |
+10% 40 扁平 |
285/40R19 42.7km/h 外径 711mm 径差 +45mm 車高 +23mm |
295/40R19 43.2km/h 外径 719mm 径差 +53mm 車高 +27mm |
305/40R19 43.7km/h 外径 727mm 径差 +61mm 車高 +31mm |
315/40R19 44.1km/h 外径 735mm 径差 +69mm 車高 +35mm |
325/40R19 44.6km/h 外径 743mm 径差 +77mm 車高 +39mm |
335/40R19 45.1km/h 外径 751mm 径差 +85mm 車高 +43mm |
+15% 45 扁平 |
285/45R19 44.4km/h 外径 740mm 径差 +74mm 車高 +37mm |
295/45R19 45.0km/h 外径 749mm 径差 +83mm 車高 +42mm |
305/45R19 45.5km/h 外径 758mm 径差 +92mm 車高 +46mm |
315/45R19 46.1km/h 外径 767mm 径差 +101mm 車高 +51mm |
325/45R19 46.6km/h 外径 776mm 径差 +110mm 車高 +55mm |
335/45R19 47.1km/h 外径 785mm 径差 +119mm 車高 +60mm |
17インチに サイズダウン | 18インチに サイズダウン | 20インチに サイズアップ | 21インチに サイズアップ | 22インチに サイズアップ |
※H19年1月1日以降に製造された車両の基準ではスピードメーターが時速40kmを示すとき、実際の速度が30.9km/hから42.5km/h(-22%から+6%くらい)の範囲になければ車検に合格することができません。(H18年12月31日までの車両は30.9km/hから44.4km/h)
※マイナス方向は大きな誤差でも許されるので原則として水色、38.0km/hから40.8km/h(-5.0%から+2.0%)の範囲にある現実的な互換タイヤは緑色、42.5km/h(+6.0%)までにある少し危うい雰囲気の漂うタイヤは橙色に着色しています。(同サイズでも直径に多少の差異があるため非推奨)
※各欄の一番下にある「車高 ○○mm」は、タイヤを変更したことで上下する全高および最低地上高の量を表示しています。車高を下げたいからとタイヤを小さくすると、確かに車高は下がりますがホイールアーチとの隙間も大きくなりますので、見かたによっては格好が悪くなります。逆にタイヤを大きくすると車高を上げることはできますが、ホイールアーチと干渉するなど物理的に入らない場合があります。
もし305/30R19からサイズ変更するのであれば、誤差が小さく車検も安心な-5.0%から0%までの範囲にある、285/30R19、295/30R19、305/25R19、315/25R19、325/25R19、335/25R19あたりがおすすめです。
エンジン回転数から考えるスピードメーター誤差
画像はポルシェより引用![]() 911 4WD/6MT | ||
純正サイズ|305/30R19 | ||
---|---|---|
直径 | 666mm | |
円周長 | 2.092m | |
時速 | 101.7km/h | |
小さいサイズ|285/15R19 | ||
直径 | 569mm | -97mm |
円周長 | 1.788m | -0.304m |
時速 | 86.9km/h | -14.8km/h |
大きいサイズ|335/45R19 | ||
直径 | 785mm | +119mm |
円周長 | 2.466m | +0.374m |
時速 | 119.8km/h | +18.1km/h |
ここでは305/30R19を装着した代表的な車種である997MA170型911(Turbo)の諸元を参考に、タイヤ径の変化がスピードメーターと実際の速度にどのような影響を及ぼすかを見てみます。
たとえばエンジンが2200rpmで回っているとき、最も高い減速比(変速比)が0.791とすると、ここでまずトルクが0.791倍になる代わりに回転数が2780rpmまで上がります。その先にあるファイナルギヤの減速比(終減速比)が3.444とすると、さらにトルクが3.444倍になる代わりに回転数が810rpmまで下がります。
この810rpmがタイヤの回転数となるわけですが、標準サイズの305/30R19の直径は666mmですから、タイヤ1回転あたりの円周長は2.092m、これが1分間に810回転しますと1694.5mの距離を進むことになります。これを時速換算すると101.7km/hで、ここからはこの時速を基準に進めていきます。
純正タイヤ装着時のメーター誤差がゼロとして、もしタイヤ幅-20mm、扁平率-15%の285/15R19(直径569mm/純正タイヤとの差-97mm)の小さなタイヤに変更しますと円周長は1.788mとなり、同じ810回転でも進む距離は1448.3m(-246.2m)まで減少します。メーター読みの時速では同じ101.7km/hでも、実際の速度は-14.8km/hの86.9km/hまで低下します。
逆にタイヤ幅+30mm、扁平率+15%の335/45R19(直径785mm/純正タイヤとの差+119mm)の大きなタイヤに変更しますと円周長は2.466mとなり、同じ810回転でも進む距離は1997.5m(+303.0m)まで伸びます。メーター読みは101.7km/hでも実際の速度は+18.1km/hの119.8km/hとなりますので、その気もないのに速度違反キップを授与されかねません。
実走行距離とオドメーターでの走行距離の乖離
純正サイズ|305/30R19 | ||
---|---|---|
走行距離 | 500km | |
燃費 | 20km/L | |
小さいサイズ|285/15R19 | ||
走行距離 | 585.0km | +85.0km |
燃費 | 23.4km/L | +3.4km/L |
大きいサイズ|335/45R19 | ||
走行距離 | 424.2km | -75.8km |
燃費 | 17.0km/L | -3.0km/L |
たとえば純正タイヤで500kmの長距離ドライブをしたとき、給油量が25L、満タン法での燃費が20km/Lだったとします。
小さな285/15R19のタイヤでは実際の距離を500km走行するために必要なタイヤの回転数が増えますので、オドメーター(走行距離計)の走行距離も伸びて585.0kmを示します。この距離をもとに25Lの給油をすると燃費は23.4km/Lで本来よりも良好に出て、カタログ燃費を超えた!と糠喜びをすることになります。
大きな335/45R19ではタイヤの必要回転数が減りますので、見かけ上の走行距離も減って424.2kmを示し、燃費は17.0km/Lと短く出てきて必要以上にガッカリしてしまいます。
タイヤサイズの変更は乗り心地や操縦安定性および走行安定性の変化だけでなく、お財布にダイレクトな不都合(特に純正比で大きくなる方向のタイヤ)もいろいろとありますので、くれぐれも保安基準から逸脱しないよう用法用量を守って正しくご変更ください。