ここでは、275/35R18タイヤのホイールサイズはそのままに、タイヤ幅を-20mmから+30mm(255mm-305mm)まで、扁平率を-15%から+15%(20%-50%)までの間で変化させ、タイヤ直径(外径)の変化量と時速40km時のスピードメーター誤差、最低地上高(車高)への影響を調べています。
275/35R18のタイヤを装着する車種の例としては、A1SLV型ATS-V、219372型CLSクラス、X245S型コルベット、謎型バイパー、J011D型Sタイプ、DE50型M5、R129型SLクラス、BCNR33型スカイライン クーペなどが該当します。
純正タイヤ 275/35R18 | 径 650mm | ホイールサイズ変更なし | ||||||
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-20mm 幅255mm |
-10mm 幅265mm |
変更なし 幅275mm |
+10mm 幅285mm |
+20mm 幅295mm |
+30mm 幅305mm |
|
-15% 20 扁平 |
255/20R18 34.4km/h 外径 559mm 径差 -91mm 車高 -46mm |
265/20R18 34.6km/h 外径 563mm 径差 -87mm 車高 -44mm |
275/20R18 34.9km/h 外径 567mm 径差 -83mm 車高 -42mm |
285/20R18 35.1km/h 外径 571mm 径差 -79mm 車高 -40mm |
295/20R18 35.4km/h 外径 575mm 径差 -75mm 車高 -38mm |
305/20R18 35.6km/h 外径 579mm 径差 -71mm 車高 -36mm |
-10% 25 扁平 |
255/25R18 36.0km/h 外径 585mm 径差 -65mm 車高 -33mm |
265/25R18 36.3km/h 外径 590mm 径差 -60mm 車高 -30mm |
275/25R18 36.6km/h 外径 595mm 径差 -55mm 車高 -28mm |
285/25R18 36.9km/h 外径 600mm 径差 -50mm 車高 -25mm |
295/25R18 37.2km/h 外径 605mm 径差 -45mm 車高 -23mm |
305/25R18 37.5km/h 外径 610mm 径差 -40mm 車高 -20mm |
-5% 30 扁平 |
255/30R18 37.5km/h 外径 610mm 径差 -40mm 車高 -20mm |
265/30R18 37.9km/h 外径 616mm 径差 -34mm 車高 -17mm |
275/30R18 38.3km/h 外径 622mm 径差 -28mm 車高 -14mm |
285/30R18 38.6km/h 外径 628mm 径差 -22mm 車高 -11mm |
295/30R18 39.0km/h 外径 634mm 径差 -16mm 車高 -8mm |
305/30R18 39.4km/h 外径 640mm 径差 -10mm 車高 -5mm |
変更 なし 35 扁平 |
255/35R18 39.1km/h 外径 636mm 径差 -14mm 車高 -7mm |
265/35R18 39.6km/h 外径 643mm 径差 -7mm 車高 -4mm |
275/35R18 40.0km/h 外径 650mm 径差 0mm 車高 0mm |
285/35R18 40.4km/h 外径 657mm 径差 +7mm 車高 +4mm |
295/35R18 40.9km/h 外径 664mm 径差 +14mm 車高 +7mm |
305/35R18 41.3km/h 外径 671mm 径差 +21mm 車高 +11mm |
+5% 40 扁平 |
255/40R18 40.7km/h 外径 661mm 径差 +11mm 車高 +6mm |
265/40R18 41.2km/h 外径 669mm 径差 +19mm 車高 +10mm |
275/40R18 41.7km/h 外径 677mm 径差 +27mm 車高 +14mm |
285/40R18 42.2km/h 外径 685mm 径差 +35mm 車高 +18mm |
295/40R18 42.6km/h 外径 693mm 径差 +43mm 車高 +22mm |
305/40R18 43.1km/h 外径 701mm 径差 +51mm 車高 +26mm |
+10% 45 扁平 |
255/45R18 42.3km/h 外径 687mm 径差 +37mm 車高 +19mm |
265/45R18 42.8km/h 外径 696mm 径差 +46mm 車高 +23mm |
275/45R18 43.4km/h 外径 705mm 径差 +55mm 車高 +28mm |
285/45R18 43.9km/h 外径 714mm 径差 +64mm 車高 +32mm |
295/45R18 44.5km/h 外径 723mm 径差 +73mm 車高 +37mm |
305/45R18 45.0km/h 外径 732mm 径差 +82mm 車高 +41mm |
+15% 50 扁平 |
255/50R18 43.8km/h 外径 712mm 径差 +62mm 車高 +31mm |
265/50R18 44.4km/h 外径 722mm 径差 +72mm 車高 +36mm |
275/50R18 45.0km/h 外径 732mm 径差 +82mm 車高 +41mm |
285/50R18 45.7km/h 外径 742mm 径差 +92mm 車高 +46mm |
295/50R18 46.3km/h 外径 752mm 径差 +102mm 車高 +51mm |
305/50R18 46.9km/h 外径 762mm 径差 +112mm 車高 +56mm |
16インチに サイズダウン | 17インチに サイズダウン | 19インチに サイズアップ | 20インチに サイズアップ | 21インチに サイズアップ |
※H19年1月1日以降に製造された車両の基準ではスピードメーターが時速40kmを示すとき、実際の速度が30.9km/hから42.5km/h(-22%から+6%くらい)の範囲になければ車検に合格することができません。(H18年12月31日までの車両は30.9km/hから44.4km/h)
※マイナス方向は大きな誤差でも許されるので原則として水色、38.0km/hから40.8km/h(-5.0%から+2.0%)の範囲にある現実的な互換タイヤは緑色、42.5km/h(+6.0%)までにある少し危うい雰囲気の漂うタイヤは橙色に着色しています。(同サイズでも直径に多少の差異があるため非推奨)
※各欄の一番下にある「車高 ○○mm」は、タイヤを変更したことで上下する全高および最低地上高の量を表示しています。車高を下げたいからとタイヤを小さくすると、確かに車高は下がりますがホイールアーチとの隙間も大きくなりますので、見かたによっては格好が悪くなります。逆にタイヤを大きくすると車高を上げることはできますが、ホイールアーチと干渉するなど物理的に入らない場合があります。
もし275/35R18からサイズ変更するのであれば、誤差が小さく車検も安心な-5.0%から0%までの範囲にある、255/35R18、265/35R18、275/30R18、285/30R18、295/30R18、305/30R18あたりがおすすめです。
エンジン回転数から考えるスピードメーター誤差
画像はキャデラックより引用![]() ATS-V FR/8AT | ||
純正サイズ|275/35R18 | ||
---|---|---|
直径 | 650mm | |
円周長 | 2.042m | |
時速 | 105.4km/h | |
小さいサイズ|255/20R18 | ||
直径 | 559mm | -91mm |
円周長 | 1.756m | -0.286m |
時速 | 90.6km/h | -14.8km/h |
大きいサイズ|305/50R18 | ||
直径 | 762mm | +112mm |
円周長 | 2.394m | +0.352m |
時速 | 123.5km/h | +18.1km/h |
ここでは275/35R18を装着した代表的な車種であるA1SLV型ATS-V(spec-A)の諸元を参考に、タイヤ径の変化がスピードメーターと実際の速度にどのような影響を及ぼすかを見てみます。
たとえばエンジンが1600rpmで回っているとき、最も高い減速比(変速比)が0.652とすると、ここでまずトルクが0.652倍になる代わりに回転数が2450rpmまで上がります。その先にあるファイナルギヤの減速比(終減速比)が2.850とすると、さらにトルクが2.850倍になる代わりに回転数が860rpmまで下がります。
この860rpmがタイヤの回転数となるわけですが、標準サイズの275/35R18の直径は650mmですから、タイヤ1回転あたりの円周長は2.042m、これが1分間に860回転しますと1756.1mの距離を進むことになります。これを時速換算すると105.4km/hで、ここからはこの時速を基準に進めていきます。
純正タイヤ装着時のメーター誤差がゼロとして、もしタイヤ幅-20mm、扁平率-15%の255/20R18(直径559mm/純正タイヤとの差-91mm)の小さなタイヤに変更しますと円周長は1.756mとなり、同じ860回転でも進む距離は1510.2m(-245.9m)まで減少します。メーター読みの時速では同じ105.4km/hでも、実際の速度は-14.8km/hの90.6km/hまで低下します。
逆にタイヤ幅+30mm、扁平率+15%の305/50R18(直径762mm/純正タイヤとの差+112mm)の大きなタイヤに変更しますと円周長は2.394mとなり、同じ860回転でも進む距離は2058.8m(+302.7m)まで伸びます。メーター読みは105.4km/hでも実際の速度は+18.1km/hの123.5km/hとなりますので、その気もないのに速度違反キップを授与されかねません。
実走行距離とオドメーターでの走行距離の乖離
純正サイズ|275/35R18 | ||
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走行距離 | 500km | |
燃費 | 20km/L | |
小さいサイズ|255/20R18 | ||
走行距離 | 581.4km | +81.4km |
燃費 | 23.3km/L | +3.3km/L |
大きいサイズ|305/50R18 | ||
走行距離 | 426.5km | -73.5km |
燃費 | 17.1km/L | -2.9km/L |
たとえば純正タイヤで500kmの長距離ドライブをしたとき、給油量が25L、満タン法での燃費が20km/Lだったとします。
小さな255/20R18のタイヤでは実際の距離を500km走行するために必要なタイヤの回転数が増えますので、オドメーター(走行距離計)の走行距離も伸びて581.4kmを示します。この距離をもとに25Lの給油をすると燃費は23.3km/Lで本来よりも良好に出て、カタログ燃費を超えた!と糠喜びをすることになります。
大きな305/50R18ではタイヤの必要回転数が減りますので、見かけ上の走行距離も減って426.5kmを示し、燃費は17.1km/Lと短く出てきて必要以上にガッカリしてしまいます。
タイヤサイズの変更は乗り心地や操縦安定性および走行安定性の変化だけでなく、お財布にダイレクトな不都合(特に純正比で大きくなる方向のタイヤ)もいろいろとありますので、くれぐれも保安基準から逸脱しないよう用法用量を守って正しくご変更ください。