ここでは、255/75R17タイヤのホイールサイズはそのままに、タイヤ幅を-20mmから+30mm(235mm-285mm)まで、扁平率を-15%から+15%(60%-90%)までの間で変化させ、タイヤ直径(外径)の変化量と時速40km時のスピードメーター誤差、最低地上高(車高)への影響を調べています。
純正タイヤ 255/75R17 | 径 814mm | ホイールサイズ変更なし | ||||||
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-20mm 幅235mm |
-10mm 幅245mm |
変更なし 幅255mm |
+10mm 幅265mm |
+20mm 幅275mm |
+30mm 幅285mm |
|
-15% 60 扁平 |
235/60R17 35.1km/h 外径 714mm 径差 -100mm 車高 -50mm |
245/60R17 35.7km/h 外径 726mm 径差 -88mm 車高 -44mm |
255/60R17 36.3km/h 外径 738mm 径差 -76mm 車高 -38mm |
265/60R17 36.9km/h 外径 750mm 径差 -64mm 車高 -32mm |
275/60R17 37.4km/h 外径 762mm 径差 -52mm 車高 -26mm |
285/60R17 38.0km/h 外径 774mm 径差 -40mm 車高 -20mm |
-10% 65 扁平 |
235/65R17 36.3km/h 外径 738mm 径差 -76mm 車高 -38mm |
245/65R17 36.9km/h 外径 751mm 径差 -63mm 車高 -32mm |
255/65R17 37.5km/h 外径 764mm 径差 -50mm 車高 -25mm |
265/65R17 38.2km/h 外径 777mm 径差 -37mm 車高 -19mm |
275/65R17 38.8km/h 外径 790mm 径差 -24mm 車高 -12mm |
285/65R17 39.5km/h 外径 803mm 径差 -11mm 車高 -6mm |
-5% 70 扁平 |
235/70R17 37.4km/h 外径 761mm 径差 -53mm 車高 -27mm |
245/70R17 38.1km/h 外径 775mm 径差 -39mm 車高 -20mm |
255/70R17 38.8km/h 外径 789mm 径差 -25mm 車高 -13mm |
265/70R17 39.5km/h 外径 803mm 径差 -11mm 車高 -6mm |
275/70R17 40.1km/h 外径 817mm 径差 +3mm 車高 +2mm |
285/70R17 40.8km/h 外径 831mm 径差 +17mm 車高 +9mm |
変更 なし 75 扁平 |
235/75R17 38.6km/h 外径 785mm 径差 -29mm 車高 -15mm |
245/75R17 39.3km/h 外径 800mm 径差 -14mm 車高 -7mm |
255/75R17 40.0km/h 外径 814mm 径差 0mm 車高 0mm |
265/75R17 40.8km/h 外径 830mm 径差 +16mm 車高 +8mm |
275/75R17 41.5km/h 外径 845mm 径差 +31mm 車高 +16mm |
285/75R17 42.3km/h 外径 860mm 径差 +46mm 車高 +23mm |
+5% 80 扁平 |
235/80R17 39.7km/h 外径 808mm 径差 -6mm 車高 -3mm |
245/80R17 40.5km/h 外径 824mm 径差 +10mm 車高 +5mm |
255/80R17 41.3km/h 外径 840mm 径差 +26mm 車高 +13mm |
265/80R17 42.1km/h 外径 856mm 径差 +42mm 車高 +21mm |
275/80R17 42.9km/h 外径 872mm 径差 +58mm 車高 +29mm |
285/80R17 43.6km/h 外径 888mm 径差 +74mm 車高 +37mm |
+10% 85 扁平 |
235/85R17 40.9km/h 外径 832mm 径差 +18mm 車高 +9mm |
245/85R17 41.7km/h 外径 849mm 径差 +35mm 車高 +18mm |
255/85R17 42.6km/h 外径 866mm 径差 +52mm 車高 +26mm |
265/85R17 43.4km/h 外径 883mm 径差 +69mm 車高 +35mm |
275/85R17 44.2km/h 外径 900mm 径差 +86mm 車高 +43mm |
285/85R17 45.1km/h 外径 917mm 径差 +103mm 車高 +52mm |
+15% 90 扁平 |
235/90R17 42.0km/h 外径 855mm 径差 +41mm 車高 +21mm |
245/90R17 42.9km/h 外径 873mm 径差 +59mm 車高 +30mm |
255/90R17 43.8km/h 外径 891mm 径差 +77mm 車高 +39mm |
265/90R17 44.7km/h 外径 909mm 径差 +95mm 車高 +48mm |
275/90R17 45.6km/h 外径 927mm 径差 +113mm 車高 +57mm |
285/90R17 46.4km/h 外径 945mm 径差 +131mm 車高 +66mm |
15インチに サイズダウン | 16インチに サイズダウン | 18インチに サイズアップ | 19インチに サイズアップ | 20インチに サイズアップ |
※H19年1月1日以降に製造された車両の基準ではスピードメーターが時速40kmを示すとき、実際の速度が30.9km/hから42.5km/h(-22%から+6%くらい)の範囲になければ車検に合格することができません。(H18年12月31日までの車両は30.9km/hから44.4km/h)
※マイナス方向は大きな誤差でも許されるので原則として水色、38.0km/hから40.8km/h(-5.0%から+2.0%)の範囲にある現実的な互換タイヤは緑色、42.5km/h(+6.0%)までにある少し危うい雰囲気の漂うタイヤは橙色に着色しています。(同サイズでも直径に多少の差異があるため非推奨)
※各欄の一番下にある「車高 ○○mm」は、タイヤを変更したことで上下する全高および最低地上高の量を表示しています。車高を下げたいからとタイヤを小さくすると、確かに車高は下がりますがホイールアーチとの隙間も大きくなりますので、見かたによっては格好が悪くなります。逆にタイヤを大きくすると車高を上げることはできますが、ホイールアーチと干渉するなど物理的に入らない場合があります。
もし255/75R17からサイズ変更するのであれば、誤差が小さく車検も安心な-5.0%から0%までの範囲にある、235/75R17、235/80R17、245/70R17、245/75R17、255/70R17、265/65R17、265/70R17、275/65R17、285/60R17、285/65R17あたりがおすすめです。
エンジン回転数から考えるスピードメーター誤差
画像はJEEPより引用![]() ラングラー PT4WD/6MT | ||
純正サイズ|255/75R17 | ||
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直径 | 814mm | |
円周長 | 2.557m | |
時速 | 101.3km/h | |
小さいサイズ|235/60R17 | ||
直径 | 714mm | -100mm |
円周長 | 2.243m | -0.314m |
時速 | 88.8km/h | -12.5km/h |
大きいサイズ|285/90R17 | ||
直径 | 945mm | +131mm |
円周長 | 2.969m | +0.412m |
時速 | 117.6km/h | +16.3km/h |
ここでは255/75R17を装着した代表的な車種であるJK38S型ラングラー(Rubicon 6MT)の諸元を参考に、タイヤ径の変化がスピードメーターと実際の速度にどのような影響を及ぼすかを見てみます。
たとえばエンジンが2200rpmで回っているとき、最も高い減速比(変速比)が0.838とすると、ここでまずトルクが0.838倍になる代わりに回転数が2630rpmまで上がります。その先にあるファイナルギヤの減速比(終減速比)が4.000とすると、さらにトルクが4.000倍になる代わりに回転数が660rpmまで下がります。
この660rpmがタイヤの回転数となるわけですが、標準サイズの255/75R17の直径は814mmですから、タイヤ1回転あたりの円周長は2.557m、これが1分間に660回転しますと1687.6mの距離を進むことになります。これを時速換算すると101.3km/hで、ここからはこの時速を基準に進めていきます。
純正タイヤ装着時のメーター誤差がゼロとして、もしタイヤ幅-20mm、扁平率-15%の235/60R17(直径714mm/純正タイヤとの差-100mm)の小さなタイヤに変更しますと円周長は2.243mとなり、同じ660回転でも進む距離は1480.4m(-207.2m)まで減少します。メーター読みの時速では同じ101.3km/hでも、実際の速度は-12.5km/hの88.8km/hまで低下します。
逆にタイヤ幅+30mm、扁平率+15%の285/90R17(直径945mm/純正タイヤとの差+131mm)の大きなタイヤに変更しますと円周長は2.969mとなり、同じ660回転でも進む距離は1959.5m(+271.9m)まで伸びます。メーター読みは101.3km/hでも実際の速度は+16.3km/hの117.6km/hとなりますので、その気もないのに速度違反キップを授与されかねません。
実走行距離とオドメーターでの走行距離の乖離
純正サイズ|255/75R17 | ||
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走行距離 | 510km | |
燃費 | 7.3km/L | |
小さいサイズ|235/60R17 | ||
走行距離 | 581.4km | +71.4km |
燃費 | 8.3km/L | +1.0km/L |
大きいサイズ|285/90R17 | ||
走行距離 | 439.2km | -70.8km |
燃費 | 6.3km/L | -1.0km/L |
たとえば純正タイヤで510kmの長距離ドライブをしたとき、給油量が70L、満タン法での燃費が7.3km/Lだったとします。
小さな235/60R17のタイヤでは実際の距離を510km走行するために必要なタイヤの回転数が増えますので、オドメーター(走行距離計)の走行距離も伸びて581.4kmを示します。この距離をもとに70Lの給油をすると燃費は8.3km/Lで本来よりも良好に出て、カタログ燃費を超えた!と糠喜びをすることになります。
大きな285/90R17ではタイヤの必要回転数が減りますので、見かけ上の走行距離も減って439.2kmを示し、燃費は6.3km/Lと短く出てきて必要以上にガッカリしてしまいます。
タイヤサイズの変更は乗り心地や操縦安定性および走行安定性の変化だけでなく、お財布にダイレクトな不都合(特に純正比で大きくなる方向のタイヤ)もいろいろとありますので、くれぐれも保安基準から逸脱しないよう用法用量を守って正しくご変更ください。