ここでは、215/50R16タイヤのホイールサイズはそのままに、タイヤ幅を-20mmから+30mm(195mm-245mm)まで、扁平率を-15%から+15%(35%-65%)までの間で変化させ、タイヤ直径(外径)の変化量と時速40km時のスピードメーター誤差、最低地上高(車高)への影響を調べています。
215/50R16のタイヤを装着する車種の例としては、1ZWCLC型クーガー、S14型シルビア、ST205型セリカなどが該当します。
純正タイヤ 215/50R16 | 径 621mm | ホイールサイズ変更なし | ||||||
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-20mm 幅195mm |
-10mm 幅205mm |
変更なし 幅215mm |
+10mm 幅225mm |
+20mm 幅235mm |
+30mm 幅245mm |
|
-15% 35 扁平 |
195/35R16 35.0km/h 外径 543mm 径差 -78mm 車高 -39mm |
205/35R16 35.4km/h 外径 550mm 径差 -71mm 車高 -36mm |
215/35R16 35.9km/h 外径 557mm 径差 -64mm 車高 -32mm |
225/35R16 36.3km/h 外径 564mm 径差 -57mm 車高 -29mm |
235/35R16 36.8km/h 外径 571mm 径差 -50mm 車高 -25mm |
245/35R16 37.2km/h 外径 578mm 径差 -43mm 車高 -22mm |
-10% 40 扁平 |
195/40R16 36.2km/h 外径 562mm 径差 -59mm 車高 -30mm |
205/40R16 36.7km/h 外径 570mm 径差 -51mm 車高 -26mm |
215/40R16 37.2km/h 外径 578mm 径差 -43mm 車高 -22mm |
225/40R16 37.7km/h 外径 586mm 径差 -35mm 車高 -18mm |
235/40R16 38.3km/h 外径 594mm 径差 -27mm 車高 -14mm |
245/40R16 38.8km/h 外径 602mm 径差 -19mm 車高 -10mm |
-5% 45 扁平 |
195/45R16 37.5km/h 外径 582mm 径差 -39mm 車高 -20mm |
205/45R16 38.1km/h 外径 591mm 径差 -30mm 車高 -15mm |
215/45R16 38.6km/h 外径 600mm 径差 -21mm 車高 -11mm |
225/45R16 39.2km/h 外径 609mm 径差 -12mm 車高 -6mm |
235/45R16 39.8km/h 外径 618mm 径差 -3mm 車高 -2mm |
245/45R16 40.4km/h 外径 627mm 径差 +6mm 車高 +3mm |
変更 なし 50 扁平 |
195/50R16 38.7km/h 外径 601mm 径差 -20mm 車高 -10mm |
205/50R16 39.4km/h 外径 611mm 径差 -10mm 車高 -5mm |
215/50R16 40.0km/h 外径 621mm 径差 0mm 車高 0mm |
225/50R16 40.6km/h 外径 631mm 径差 +10mm 車高 +5mm |
235/50R16 41.3km/h 外径 641mm 径差 +20mm 車高 +10mm |
245/50R16 41.9km/h 外径 651mm 径差 +30mm 車高 +15mm |
+5% 55 扁平 |
195/55R16 40.0km/h 外径 621mm 径差 0mm 車高 0mm |
205/55R16 40.7km/h 外径 632mm 径差 +11mm 車高 +6mm |
215/55R16 41.4km/h 外径 643mm 径差 +22mm 車高 +11mm |
225/55R16 42.1km/h 外径 654mm 径差 +33mm 車高 +17mm |
235/55R16 42.8km/h 外径 665mm 径差 +44mm 車高 +22mm |
245/55R16 43.5km/h 外径 676mm 径差 +55mm 車高 +28mm |
+10% 60 扁平 |
195/60R16 41.2km/h 外径 640mm 径差 +19mm 車高 +10mm |
205/60R16 42.0km/h 外径 652mm 径差 +31mm 車高 +16mm |
215/60R16 42.8km/h 外径 664mm 径差 +43mm 車高 +22mm |
225/60R16 43.5km/h 外径 676mm 径差 +55mm 車高 +28mm |
235/60R16 44.3km/h 外径 688mm 径差 +67mm 車高 +34mm |
245/60R16 45.1km/h 外径 700mm 径差 +79mm 車高 +40mm |
+15% 65 扁平 |
195/65R16 42.5km/h 外径 660mm 径差 +39mm 車高 +20mm |
205/65R16 43.3km/h 外径 673mm 径差 +52mm 車高 +26mm |
215/65R16 44.2km/h 外径 686mm 径差 +65mm 車高 +33mm |
225/65R16 45.0km/h 外径 699mm 径差 +78mm 車高 +39mm |
235/65R16 45.9km/h 外径 712mm 径差 +91mm 車高 +46mm |
245/65R16 46.7km/h 外径 725mm 径差 +104mm 車高 +52mm |
14インチに サイズダウン | 15インチに サイズダウン | 17インチに サイズアップ | 18インチに サイズアップ | 19インチに サイズアップ |
※H19年1月1日以降に製造された車両の基準ではスピードメーターが時速40kmを示すとき、実際の速度が30.9km/hから42.5km/h(-22%から+6%くらい)の範囲になければ車検に合格することができません。(H18年12月31日までの車両は30.9km/hから44.4km/h)
※マイナス方向は大きな誤差でも許されるので原則として水色、38.0km/hから40.8km/h(-5.0%から+2.0%)の範囲にある現実的な互換タイヤは緑色、42.5km/h(+6.0%)までにある少し危うい雰囲気の漂うタイヤは橙色に着色しています。(同サイズでも直径に多少の差異があるため非推奨)
※各欄の一番下にある「車高 ○○mm」は、タイヤを変更したことで上下する全高および最低地上高の量を表示しています。車高を下げたいからとタイヤを小さくすると、確かに車高は下がりますがホイールアーチとの隙間も大きくなりますので、見かたによっては格好が悪くなります。逆にタイヤを大きくすると車高を上げることはできますが、ホイールアーチと干渉するなど物理的に入らない場合があります。
もし215/50R16からサイズ変更するのであれば、誤差が小さく車検も安心な-5.0%から0%までの範囲にある、195/50R16、195/55R16、205/45R16、205/50R16、215/45R16、225/45R16、235/40R16、235/45R16、245/40R16あたりがおすすめです。
エンジン回転数から考えるスピードメーター誤差
画像は日産自動車より引用![]() シルビア FR/5MT | ||
純正サイズ|215/50R16 | ||
---|---|---|
直径 | 621mm | |
円周長 | 1.951m | |
時速 | 101.8km/h | |
小さいサイズ|195/35R16 | ||
直径 | 543mm | -78mm |
円周長 | 1.706m | -0.245m |
時速 | 89.1km/h | -12.7km/h |
大きいサイズ|245/65R16 | ||
直径 | 725mm | +104mm |
円周長 | 2.278m | +0.327m |
時速 | 118.9km/h | +17.1km/h |
ここでは215/50R16を装着した代表的な車種であるS14型シルビア(Autech-Version K’s MF-T)の諸元を参考に、タイヤ径の変化がスピードメーターと実際の速度にどのような影響を及ぼすかを見てみます。
たとえばエンジンが2700rpmで回っているとき、最も高い減速比(変速比)が0.759とすると、ここでまずトルクが0.759倍になる代わりに回転数が3560rpmまで上がります。その先にあるファイナルギヤの減速比(終減速比)が4.083とすると、さらにトルクが4.083倍になる代わりに回転数が870rpmまで下がります。
この870rpmがタイヤの回転数となるわけですが、標準サイズの215/50R16の直径は621mmですから、タイヤ1回転あたりの円周長は1.951m、これが1分間に870回転しますと1697.4mの距離を進むことになります。これを時速換算すると101.8km/hで、ここからはこの時速を基準に進めていきます。
純正タイヤ装着時のメーター誤差がゼロとして、もしタイヤ幅-20mm、扁平率-15%の195/35R16(直径543mm/純正タイヤとの差-78mm)の小さなタイヤに変更しますと円周長は1.706mとなり、同じ870回転でも進む距離は1484.2m(-213.2m)まで減少します。メーター読みの時速では同じ101.8km/hでも、実際の速度は-12.7km/hの89.1km/hまで低下します。
逆にタイヤ幅+30mm、扁平率+15%の245/65R16(直径725mm/純正タイヤとの差+104mm)の大きなタイヤに変更しますと円周長は2.278mとなり、同じ870回転でも進む距離は1981.9m(+284.5m)まで伸びます。メーター読みは101.8km/hでも実際の速度は+17.1km/hの118.9km/hとなりますので、その気もないのに速度違反キップを授与されかねません。
実走行距離とオドメーターでの走行距離の乖離
純正サイズ|215/50R16 | ||
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走行距離 | 500km | |
燃費 | 20km/L | |
小さいサイズ|195/35R16 | ||
走行距離 | 571.8km | +71.8km |
燃費 | 22.9km/L | +2.9km/L |
大きいサイズ|245/65R16 | ||
走行距離 | 428.2km | -71.8km |
燃費 | 17.1km/L | -2.9km/L |
たとえば純正タイヤで500kmの長距離ドライブをしたとき、給油量が25L、満タン法での燃費が20km/Lだったとします。
小さな195/35R16のタイヤでは実際の距離を500km走行するために必要なタイヤの回転数が増えますので、オドメーター(走行距離計)の走行距離も伸びて571.8kmを示します。この距離をもとに25Lの給油をすると燃費は22.9km/Lで本来よりも良好に出て、カタログ燃費を超えた!と糠喜びをすることになります。
大きな245/65R16ではタイヤの必要回転数が減りますので、見かけ上の走行距離も減って428.2kmを示し、燃費は17.1km/Lと短く出てきて必要以上にガッカリしてしまいます。
タイヤサイズの変更は乗り心地や操縦安定性および走行安定性の変化だけでなく、お財布にダイレクトな不都合(特に純正比で大きくなる方向のタイヤ)もいろいろとありますので、くれぐれも保安基準から逸脱しないよう用法用量を守って正しくご変更ください。