ここでは、205/65R16タイヤのホイールサイズはそのままに、タイヤ幅を-20mmから+30mm(185mm-235mm)まで、扁平率を-15%から+15%(50%-80%)までの間で変化させ、タイヤ直径(外径)の変化量と時速40km時のスピードメーター誤差、最低地上高(車高)への影響を調べています。
205/65R16のタイヤを装着する車種の例としては、MXPJ10型ヤリス クロス、AXVH70型カムリ、J32型ガリュー、J32型ティアナ、ACR55W型エスティマ、ATH10W型アルファード ハイブリッド、TNJ31型ティアナ、MNH15W型アルファード、NM35型ステージア、RD5型CR-Vなどが該当します。
純正タイヤ 205/65R16 | 径 673mm | ホイールサイズ変更なし | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|
-20mm 幅185mm |
-10mm 幅195mm |
変更なし 幅205mm |
+10mm 幅215mm |
+20mm 幅225mm |
+30mm 幅235mm |
|
-15% 50 扁平 |
185/50R16 35.1km/h 外径 591mm 径差 -82mm 車高 -41mm |
195/50R16 35.7km/h 外径 601mm 径差 -72mm 車高 -36mm |
205/50R16 36.3km/h 外径 611mm 径差 -62mm 車高 -31mm |
215/50R16 36.9km/h 外径 621mm 径差 -52mm 車高 -26mm |
225/50R16 37.5km/h 外径 631mm 径差 -42mm 車高 -21mm |
235/50R16 38.1km/h 外径 641mm 径差 -32mm 車高 -16mm |
-10% 55 扁平 |
185/55R16 36.3km/h 外径 610mm 径差 -63mm 車高 -32mm |
195/55R16 36.9km/h 外径 621mm 径差 -52mm 車高 -26mm |
205/55R16 37.6km/h 外径 632mm 径差 -41mm 車高 -21mm |
215/55R16 38.2km/h 外径 643mm 径差 -30mm 車高 -15mm |
225/55R16 38.9km/h 外径 654mm 径差 -19mm 車高 -10mm |
235/55R16 39.5km/h 外径 665mm 径差 -8mm 車高 -4mm |
-5% 60 扁平 |
185/60R16 37.3km/h 外径 628mm 径差 -45mm 車高 -23mm |
195/60R16 38.0km/h 外径 640mm 径差 -33mm 車高 -17mm |
205/60R16 38.8km/h 外径 652mm 径差 -21mm 車高 -11mm |
215/60R16 39.5km/h 外径 664mm 径差 -9mm 車高 -5mm |
225/60R16 40.2km/h 外径 676mm 径差 +3mm 車高 +2mm |
235/60R16 40.9km/h 外径 688mm 径差 +15mm 車高 +8mm |
変更 なし 65 扁平 |
185/65R16 38.5km/h 外径 647mm 径差 -26mm 車高 -13mm |
195/65R16 39.2km/h 外径 660mm 径差 -13mm 車高 -7mm |
205/65R16 40.0km/h 外径 673mm 径差 0mm 車高 0mm |
215/65R16 40.8km/h 外径 686mm 径差 +13mm 車高 +7mm |
225/65R16 41.5km/h 外径 699mm 径差 +26mm 車高 +13mm |
235/65R16 42.3km/h 外径 712mm 径差 +39mm 車高 +20mm |
+5% 70 扁平 |
185/70R16 39.5km/h 外径 665mm 径差 -8mm 車高 -4mm |
195/70R16 40.4km/h 外径 679mm 径差 +6mm 車高 +3mm |
205/70R16 41.2km/h 外径 693mm 径差 +20mm 車高 +10mm |
215/70R16 42.0km/h 外径 707mm 径差 +34mm 車高 +17mm |
225/70R16 42.9km/h 外径 721mm 径差 +48mm 車高 +24mm |
235/70R16 43.7km/h 外径 735mm 径差 +62mm 車高 +31mm |
+10% 75 扁平 |
185/75R16 40.7km/h 外径 684mm 径差 +11mm 車高 +6mm |
195/75R16 41.5km/h 外径 699mm 径差 +26mm 車高 +13mm |
205/75R16 42.4km/h 外径 714mm 径差 +41mm 車高 +21mm |
215/75R16 43.3km/h 外径 729mm 径差 +56mm 車高 +28mm |
225/75R16 44.2km/h 外径 744mm 径差 +71mm 車高 +36mm |
235/75R16 45.1km/h 外径 759mm 径差 +86mm 車高 +43mm |
+15% 80 扁平 |
185/80R16 41.7km/h 外径 702mm 径差 +29mm 車高 +15mm |
195/80R16 42.7km/h 外径 718mm 径差 +45mm 車高 +23mm |
205/80R16 43.6km/h 外径 734mm 径差 +61mm 車高 +31mm |
215/80R16 44.6km/h 外径 750mm 径差 +77mm 車高 +39mm |
225/80R16 45.5km/h 外径 766mm 径差 +93mm 車高 +47mm |
235/80R16 46.5km/h 外径 782mm 径差 +109mm 車高 +55mm |
14インチに サイズダウン | 15インチに サイズダウン | 17インチに サイズアップ | 18インチに サイズアップ | 19インチに サイズアップ |
※H19年1月1日以降に製造された車両の基準ではスピードメーターが時速40kmを示すとき、実際の速度が30.9km/hから42.5km/h(-22%から+6%くらい)の範囲になければ車検に合格することができません。(H18年12月31日までの車両は30.9km/hから44.4km/h)
※マイナス方向は大きな誤差でも許されるので原則として水色、38.0km/hから40.8km/h(-5.0%から+2.0%)の範囲にある現実的な互換タイヤは緑色、42.5km/h(+6.0%)までにある少し危うい雰囲気の漂うタイヤは橙色に着色しています。(同サイズでも直径に多少の差異があるため非推奨)
※各欄の一番下にある「車高 ○○mm」は、タイヤを変更したことで上下する全高および最低地上高の量を表示しています。車高を下げたいからとタイヤを小さくすると、確かに車高は下がりますがホイールアーチとの隙間も大きくなりますので、見かたによっては格好が悪くなります。逆にタイヤを大きくすると車高を上げることはできますが、ホイールアーチと干渉するなど物理的に入らない場合があります。
もし205/65R16からサイズ変更するのであれば、誤差が小さく車検も安心な-5.0%から0%までの範囲にある、185/65R16、185/70R16、195/60R16、195/65R16、205/60R16、215/55R16、215/60R16、225/55R16、235/50R16、235/55R16あたりがおすすめです。
エンジン回転数から考えるスピードメーター誤差
画像はトヨタ自動車より引用![]() ヤリス クロス FF/CVT | ||
純正サイズ|205/65R16 | ||
---|---|---|
直径 | 673mm | |
円周長 | 2.114m | |
時速 | 105.3km/h | |
小さいサイズ|185/50R16 | ||
直径 | 591mm | -82mm |
円周長 | 1.857m | -0.257m |
時速 | 92.5km/h | -12.8km/h |
大きいサイズ|235/80R16 | ||
直径 | 782mm | +109mm |
円周長 | 2.457m | +0.343m |
時速 | 122.4km/h | +17.1km/h |
ここでは205/65R16を装着した代表的な車種であるMXPB10型ヤリス クロス(X B-package)の諸元を参考に、タイヤ径の変化がスピードメーターと実際の速度にどのような影響を及ぼすかを見てみます。
たとえばエンジンが1600rpmで回っているとき、最も高い減速比(変速比)が0.447とすると、ここでまずトルクが0.447倍になる代わりに回転数が3580rpmまで上がります。その先にあるファイナルギヤの減速比(終減速比)が4.304とすると、さらにトルクが4.304倍になる代わりに回転数が830rpmまで下がります。
この830rpmがタイヤの回転数となるわけですが、標準サイズの205/65R16の直径は673mmですから、タイヤ1回転あたりの円周長は2.114m、これが1分間に830回転しますと1754.6mの距離を進むことになります。これを時速換算すると105.3km/hで、ここからはこの時速を基準に進めていきます。
純正タイヤ装着時のメーター誤差がゼロとして、もしタイヤ幅-20mm、扁平率-15%の185/50R16(直径591mm/純正タイヤとの差-82mm)の小さなタイヤに変更しますと円周長は1.857mとなり、同じ830回転でも進む距離は1541.3m(-213.3m)まで減少します。メーター読みの時速では同じ105.3km/hでも、実際の速度は-12.8km/hの92.5km/hまで低下します。
逆にタイヤ幅+30mm、扁平率+15%の235/80R16(直径782mm/純正タイヤとの差+109mm)の大きなタイヤに変更しますと円周長は2.457mとなり、同じ830回転でも進む距離は2039.3m(+284.7m)まで伸びます。メーター読みは105.3km/hでも実際の速度は+17.1km/hの122.4km/hとなりますので、その気もないのに速度違反キップを授与されかねません。
実走行距離とオドメーターでの走行距離の乖離
純正サイズ|205/65R16 | ||
---|---|---|
走行距離 | 840km | |
燃費 | 20.0km/L | |
小さいサイズ|185/50R16 | ||
走行距離 | 956.3km | +116.3km |
燃費 | 22.8km/L | +2.8km/L |
大きいサイズ|235/80R16 | ||
走行距離 | 722.7km | -117.3km |
燃費 | 17.2km/L | -2.8km/L |
たとえば純正タイヤで840kmの長距離ドライブをしたとき、給油量が42L、満タン法での燃費が20.0km/Lだったとします。
小さな185/50R16のタイヤでは実際の距離を840km走行するために必要なタイヤの回転数が増えますので、オドメーター(走行距離計)の走行距離も伸びて956.3kmを示します。この距離をもとに42Lの給油をすると燃費は22.8km/Lで本来よりも良好に出て、カタログ燃費を超えた!と糠喜びをすることになります。
大きな235/80R16ではタイヤの必要回転数が減りますので、見かけ上の走行距離も減って722.7kmを示し、燃費は17.2km/Lと短く出てきて必要以上にガッカリしてしまいます。
タイヤサイズの変更は乗り心地や操縦安定性および走行安定性の変化だけでなく、お財布にダイレクトな不都合(特に純正比で大きくなる方向のタイヤ)もいろいろとありますので、くれぐれも保安基準から逸脱しないよう用法用量を守って正しくご変更ください。