ここでは、205/55R17タイヤのホイールサイズはそのままに、タイヤ幅を-20mmから+30mm(185mm-235mm)まで、扁平率を-15%から+15%(40%-70%)までの間で変化させ、タイヤ直径(外径)の変化量と時速40km時のスピードメーター誤差、最低地上高(車高)への影響を調べています。
205/55R17のタイヤを装着する車種の例としては、247084型Bクラス、AUCJSF型ゴルフ オールトラック、RP3型ステップワゴン スパーダ、B78AH01型C4ピカソ、JA2GA型XE、B787AH01型グランドC4ピカソ、2C15型2シリーズ アクティブツアラー、2D20型2シリーズ グランツアラー、2RH5F1型キャプチャー、ZB20型ミニ クロスオーバーなどが該当します。
純正タイヤ 205/55R17 | 径 657mm | ホイールサイズ変更なし | ||||||
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-20mm 幅185mm | -10mm 幅195mm | 変更なし 幅205mm | +10mm 幅215mm | +20mm 幅225mm | +30mm 幅235mm | |
-15% 40 扁平 | 185/40R17 35.3km/h 外径 580mm 径差 -77mm 車高 -39mm | 195/40R17 35.8km/h 外径 588mm 径差 -69mm 車高 -35mm | 205/40R17 36.3km/h 外径 596mm 径差 -61mm 車高 -31mm | 215/40R17 36.8km/h 外径 604mm 径差 -53mm 車高 -27mm | 225/40R17 37.3km/h 外径 612mm 径差 -45mm 車高 -23mm | 235/40R17 37.7km/h 外径 620mm 径差 -37mm 車高 -19mm |
-10% 45 扁平 | 185/45R17 36.5km/h 外径 599mm 径差 -58mm 車高 -29mm | 195/45R17 37.0km/h 外径 608mm 径差 -49mm 車高 -25mm | 205/45R17 37.6km/h 外径 617mm 径差 -40mm 車高 -20mm | 215/45R17 38.1km/h 外径 626mm 径差 -31mm 車高 -16mm | 225/45R17 38.7km/h 外径 635mm 径差 -22mm 車高 -11mm | 235/45R17 39.2km/h 外径 644mm 径差 -13mm 車高 -7mm |
-5% 50 扁平 | 185/50R17 37.6km/h 外径 617mm 径差 -40mm 車高 -20mm | 195/50R17 38.2km/h 外径 627mm 径差 -30mm 車高 -15mm | 205/50R17 38.8km/h 外径 637mm 径差 -20mm 車高 -10mm | 215/50R17 39.4km/h 外径 647mm 径差 -10mm 車高 -5mm | 225/50R17 40.0km/h 外径 657mm 径差 0mm 車高 0mm | 235/50R17 40.6km/h 外径 667mm 径差 +10mm 車高 +5mm |
変更 なし 55 扁平 | 185/55R17 38.7km/h 外径 636mm 径差 -21mm 車高 -11mm | 195/55R17 39.4km/h 外径 647mm 径差 -10mm 車高 -5mm | 205/55R17 40.0km/h 外径 657mm 径差 0mm 車高 0mm | 215/55R17 40.7km/h 外径 669mm 径差 +12mm 車高 +6mm | 225/55R17 41.4km/h 外径 680mm 径差 +23mm 車高 +12mm | 235/55R17 42.1km/h 外径 691mm 径差 +34mm 車高 +17mm |
+5% 60 扁平 | 185/60R17 39.8km/h 外径 654mm 径差 -3mm 車高 -2mm | 195/60R17 40.5km/h 外径 666mm 径差 +9mm 車高 +5mm | 205/60R17 41.3km/h 外径 678mm 径差 +21mm 車高 +11mm | 215/60R17 42.0km/h 外径 690mm 径差 +33mm 車高 +17mm | 225/60R17 42.7km/h 外径 702mm 径差 +45mm 車高 +23mm | 235/60R17 43.5km/h 外径 714mm 径差 +57mm 車高 +29mm |
+10% 65 扁平 | 185/65R17 41.0km/h 外径 673mm 径差 +16mm 車高 +8mm | 195/65R17 41.8km/h 外径 686mm 径差 +29mm 車高 +15mm | 205/65R17 42.6km/h 外径 699mm 径差 +42mm 車高 +21mm | 215/65R17 43.3km/h 外径 712mm 径差 +55mm 車高 +28mm | 225/65R17 44.1km/h 外径 725mm 径差 +68mm 車高 +34mm | 235/65R17 44.9km/h 外径 738mm 径差 +81mm 車高 +41mm |
+15% 70 扁平 | 185/70R17 42.1km/h 外径 691mm 径差 +34mm 車高 +17mm | 195/70R17 42.9km/h 外径 705mm 径差 +48mm 車高 +24mm | 205/70R17 43.8km/h 外径 719mm 径差 +62mm 車高 +31mm | 215/70R17 44.6km/h 外径 733mm 径差 +76mm 車高 +38mm | 225/70R17 45.5km/h 外径 747mm 径差 +90mm 車高 +45mm | 235/70R17 46.3km/h 外径 761mm 径差 +104mm 車高 +52mm |
15インチに サイズダウン | 16インチに サイズダウン | 18インチに サイズアップ | 19インチに サイズアップ | 20インチに サイズアップ |
※H19年1月1日以降に製造された車両の基準ではスピードメーターが時速40kmを示すとき、実際の速度が30.9km/hから42.5km/h(-22%から+6%くらい)の範囲になければ車検に合格することができません。(H18年12月31日までの車両は30.9km/hから44.4km/h)
※マイナス方向は大きな誤差でも許されるので原則として水色、38.0km/hから40.8km/h(-5.0%から+2.0%)の範囲にある現実的な互換タイヤは緑色、42.5km/h(+6.0%)までにある少し危うい雰囲気の漂うタイヤは橙色に着色しています。(同サイズでも直径に多少の差異があるため非推奨)
※各欄の一番下にある「車高 ○○mm」は、タイヤを変更したことで上下する全高および最低地上高の量を表示しています。車高を下げたいからとタイヤを小さくすると、確かに車高は下がりますがホイールアーチとの隙間も大きくなりますので、見かたによっては格好が悪くなります。逆にタイヤを大きくすると車高を上げることはできますが、ホイールアーチと干渉するなど物理的に入らない場合があります。
もし205/55R17からサイズ変更するのであれば、誤差が小さく車検も安心な-5.0%から0%までの範囲にある、185/55R17、185/60R17、195/50R17、195/55R17、205/50R17、215/45R17、215/50R17、225/45R17、225/50R17、235/45R17あたりがおすすめです。
エンジン回転数から考えるスピードメーター誤差
画像はメルセデスベンツより引用![]() Bクラス FF/7AT | ||
純正サイズ|205/55R17 | ||
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直径 | 657mm | |
円周長 | 2.064m | |
時速 | 102.8km/h | |
小さいサイズ|185/40R17 | ||
直径 | 580mm | -77mm |
円周長 | 1.822m | -0.242m |
時速 | 90.7km/h | -12.1km/h |
大きいサイズ|235/70R17 | ||
直径 | 761mm | +104mm |
円周長 | 2.391m | +0.327m |
時速 | 119.1km/h | +16.3km/h |
ここでは205/55R17を装着した代表的な車種である247084型Bクラス(B180 W247)の諸元を参考に、タイヤ径の変化がスピードメーターと実際の速度にどのような影響を及ぼすかを見てみます。
たとえばエンジンが1900rpmで回っているとき、最も高い減速比(変速比)が0.547とすると、ここでまずトルクが0.547倍になる代わりに回転数が3470rpmまで上がります。その先にあるファイナルギヤの減速比(終減速比)が4.176とすると、さらにトルクが4.176倍になる代わりに回転数が830rpmまで下がります。
この830rpmがタイヤの回転数となるわけですが、標準サイズの205/55R17の直径は657mmですから、タイヤ1回転あたりの円周長は2.064m、これが1分間に830回転しますと1713.1mの距離を進むことになります。これを時速換算すると102.8km/hで、ここからはこの時速を基準に進めていきます。
純正タイヤ装着時のメーター誤差がゼロとして、もしタイヤ幅-20mm、扁平率-15%の185/40R17(直径580mm/純正タイヤとの差-77mm)の小さなタイヤに変更しますと円周長は1.822mとなり、同じ830回転でも進む距離は1512.3m(-200.8m)まで減少します。メーター読みの時速では同じ102.8km/hでも、実際の速度は-12.1km/hの90.7km/hまで低下します。
逆にタイヤ幅+30mm、扁平率+15%の235/70R17(直径761mm/純正タイヤとの差+104mm)の大きなタイヤに変更しますと円周長は2.391mとなり、同じ830回転でも進む距離は1984.5m(+271.4m)まで伸びます。メーター読みは102.8km/hでも実際の速度は+16.3km/hの119.1km/hとなりますので、その気もないのに速度違反キップを授与されかねません。
実走行距離とオドメーターでの走行距離の乖離
純正サイズ|205/55R17 | ||
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走行距離 | 640km | |
燃費 | 14.9km/L | |
小さいサイズ|185/40R17 | ||
走行距離 | 725.0km | +85.0km |
燃費 | 16.9km/L | +2.0km/L |
大きいサイズ|235/70R17 | ||
走行距離 | 552.5km | -87.5km |
燃費 | 12.8km/L | -2.1km/L |
たとえば純正タイヤで640kmの長距離ドライブをしたとき、給油量が43L、満タン法での燃費が14.9km/Lだったとします。
小さな185/40R17のタイヤでは実際の距離を640km走行するために必要なタイヤの回転数が増えますので、オドメーター(走行距離計)の走行距離も伸びて725.0kmを示します。この距離をもとに43Lの給油をすると燃費は16.9km/Lで本来よりも良好に出て、カタログ燃費を超えた!と糠喜びをすることになります。
大きな235/70R17ではタイヤの必要回転数が減りますので、見かけ上の走行距離も減って552.5kmを示し、燃費は12.8km/Lと短く出てきて必要以上にガッカリしてしまいます。
タイヤサイズの変更は乗り心地や操縦安定性および走行安定性の変化だけでなく、お財布にダイレクトな不都合(特に純正比で大きくなる方向のタイヤ)もいろいろとありますので、くれぐれも保安基準から逸脱しないよう用法用量を守って正しくご変更ください。