ここでは、165/60R12タイヤのホイールサイズはそのままに、タイヤ幅を-20mmから+30mm(145mm-195mm)まで、扁平率を-15%から+15%(45%-75%)までの間で変化させ、タイヤ直径(外径)の変化量と時速40km時のスピードメーター誤差、最低地上高(車高)への影響を調べています。
165/60R12のタイヤを装着する車種の例としては、H21A型ミニカなどが該当します。
純正タイヤ 165/60R12 | 径 503mm | ホイールサイズ変更なし | ||||||
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-20mm 幅145mm | -10mm 幅155mm | 変更なし 幅165mm | +10mm 幅175mm | +20mm 幅185mm | +30mm 幅195mm | |
-15% 45 扁平 | 145/45R12 34.7km/h 外径 436mm 径差 -67mm 車高 -34mm | 155/45R12 35.4km/h 外径 445mm 径差 -58mm 車高 -29mm | 165/45R12 36.1km/h 外径 454mm 径差 -49mm 車高 -25mm | 175/45R12 36.8km/h 外径 463mm 径差 -40mm 車高 -20mm | 185/45R12 37.5km/h 外径 472mm 径差 -31mm 車高 -16mm | 195/45R12 38.3km/h 外径 481mm 径差 -22mm 車高 -11mm |
-10% 50 扁平 | 145/50R12 35.8km/h 外径 450mm 径差 -53mm 車高 -27mm | 155/50R12 36.6km/h 外径 460mm 径差 -43mm 車高 -22mm | 165/50R12 37.4km/h 外径 470mm 径差 -33mm 車高 -17mm | 175/50R12 38.2km/h 外径 480mm 径差 -23mm 車高 -12mm | 185/50R12 39.0km/h 外径 490mm 径差 -13mm 車高 -7mm | 195/50R12 39.8km/h 外径 500mm 径差 -3mm 車高 -2mm |
-5% 55 扁平 | 145/55R12 37.0km/h 外径 465mm 径差 -38mm 車高 -19mm | 155/55R12 37.9km/h 外径 476mm 径差 -27mm 車高 -14mm | 165/55R12 38.7km/h 外径 487mm 径差 -16mm 車高 -8mm | 175/55R12 39.6km/h 外径 498mm 径差 -5mm 車高 -3mm | 185/55R12 40.5km/h 外径 509mm 径差 +6mm 車高 +3mm | 195/55R12 41.4km/h 外径 520mm 径差 +17mm 車高 +9mm |
変更 なし 60 扁平 | 145/60R12 38.1km/h 外径 479mm 径差 -24mm 車高 -12mm | 155/60R12 39.0km/h 外径 491mm 径差 -12mm 車高 -6mm | 165/60R12 40.0km/h 外径 503mm 径差 0mm 車高 0mm | 175/60R12 41.0km/h 外径 515mm 径差 +12mm 車高 +6mm | 185/60R12 41.9km/h 外径 527mm 径差 +24mm 車高 +12mm | 195/60R12 42.9km/h 外径 539mm 径差 +36mm 車高 +18mm |
+5% 65 扁平 | 145/65R12 39.3km/h 外径 494mm 径差 -9mm 車高 -5mm | 155/65R12 40.3km/h 外径 507mm 径差 +4mm 車高 +2mm | 165/65R12 41.4km/h 外径 520mm 径差 +17mm 車高 +9mm | 175/65R12 42.4km/h 外径 533mm 径差 +30mm 車高 +15mm | 185/65R12 43.4km/h 外径 546mm 径差 +43mm 車高 +22mm | 195/65R12 44.5km/h 外径 559mm 径差 +56mm 車高 +28mm |
+10% 70 扁平 | 145/70R12 40.4km/h 外径 508mm 径差 +5mm 車高 +3mm | 155/70R12 41.5km/h 外径 522mm 径差 +19mm 車高 +10mm | 165/70R12 42.6km/h 外径 536mm 径差 +33mm 車高 +17mm | 175/70R12 43.7km/h 外径 550mm 径差 +47mm 車高 +24mm | 185/70R12 44.9km/h 外径 564mm 径差 +61mm 車高 +31mm | 195/70R12 46.0km/h 外径 578mm 径差 +75mm 車高 +38mm |
+15% 75 扁平 | 145/75R12 41.6km/h 外径 523mm 径差 +20mm 車高 +10mm | 155/75R12 42.8km/h 外径 538mm 径差 +35mm 車高 +18mm | 165/75R12 44.0km/h 外径 553mm 径差 +50mm 車高 +25mm | 175/75R12 45.2km/h 外径 568mm 径差 +65mm 車高 +33mm | 185/75R12 46.4km/h 外径 583mm 径差 +80mm 車高 +40mm | 195/75R12 47.6km/h 外径 598mm 径差 +95mm 車高 +48mm |
10インチ なし | 11インチ なし | 13インチに サイズアップ | 14インチに サイズアップ | 15インチに サイズアップ |
※H19年1月1日以降に製造された車両の基準ではスピードメーターが時速40kmを示すとき、実際の速度が30.9km/hから42.5km/h(-22%から+6%くらい)の範囲になければ車検に合格することができません。(H18年12月31日までの車両は30.9km/hから44.4km/h)
※マイナス方向は大きな誤差でも許されるので原則として水色、38.0km/hから40.8km/h(-5.0%から+2.0%)の範囲にある現実的な互換タイヤは緑色、42.5km/h(+6.0%)までにある少し危うい雰囲気の漂うタイヤは橙色に着色しています。(同サイズでも直径に多少の差異があるため非推奨)
※各欄の一番下にある「車高 ○○mm」は、タイヤを変更したことで上下する全高および最低地上高の量を表示しています。車高を下げたいからとタイヤを小さくすると、確かに車高は下がりますがホイールアーチとの隙間も大きくなりますので、見かたによっては格好が悪くなります。逆にタイヤを大きくすると車高を上げることはできますが、ホイールアーチと干渉するなど物理的に入らない場合があります。
もし165/60R12からサイズ変更するのであれば、誤差が小さく車検も安心な-5.0%から0%までの範囲にある、145/60R12、145/65R12、155/60R12、165/55R12、175/50R12、175/55R12、185/50R12、195/45R12、195/50R12あたりがおすすめです。
エンジン回転数から考えるスピードメーター誤差
画像は三菱自動車より引用![]() ミニカ FF/3AT | ||
純正サイズ|165/60R12 | ||
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直径 | 503mm | |
円周長 | 1.580m | |
時速 | 100.5km/h | |
小さいサイズ|145/45R12 | ||
直径 | 436mm | -67mm |
円周長 | 1.370m | -0.21m |
時速 | 87.1km/h | -13.4km/h |
大きいサイズ|195/75R12 | ||
直径 | 598mm | +95mm |
円周長 | 1.879m | +0.299m |
時速 | 119.5km/h | +19.0km/h |
ここでは165/60R12を装着した代表的な車種であるH22A型ミニカ(Dangan-ZZ)の諸元を参考に、タイヤ径の変化がスピードメーターと実際の速度にどのような影響を及ぼすかを見てみます。
たとえばエンジンが4800rpmで回っているとき、最も高い減速比(変速比)が1.000とすると、ここでまずトルクが1.000倍になる代わりに回転数が4800rpmまで上がります。その先にあるファイナルギヤの減速比(終減速比)が4.536とすると、さらにトルクが4.536倍になる代わりに回転数が1060rpmまで下がります。
この1060rpmがタイヤの回転数となるわけですが、標準サイズの165/60R12の直径は503mmですから、タイヤ1回転あたりの円周長は1.580m、これが1分間に1060回転しますと1674.8mの距離を進むことになります。これを時速換算すると100.5km/hで、ここからはこの時速を基準に進めていきます。
純正タイヤ装着時のメーター誤差がゼロとして、もしタイヤ幅-20mm、扁平率-15%の145/45R12(直径436mm/純正タイヤとの差-67mm)の小さなタイヤに変更しますと円周長は1.370mとなり、同じ1060回転でも進む距離は1452.2m(-222.6m)まで減少します。メーター読みの時速では同じ100.5km/hでも、実際の速度は-13.4km/hの87.1km/hまで低下します。
逆にタイヤ幅+30mm、扁平率+15%の195/75R12(直径598mm/純正タイヤとの差+95mm)の大きなタイヤに変更しますと円周長は1.879mとなり、同じ1060回転でも進む距離は1991.7m(+316.9m)まで伸びます。メーター読みは100.5km/hでも実際の速度は+19.0km/hの119.5km/hとなりますので、その気もないのに速度違反キップを授与されかねません。
実走行距離とオドメーターでの走行距離の乖離
純正サイズ|165/60R12 | ||
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走行距離 | 480km | |
燃費 | 15.0km/L | |
小さいサイズ|145/45R12 | ||
走行距離 | 553.6km | +73.6km |
燃費 | 17.3km/L | +2.3km/L |
大きいサイズ|195/75R12 | ||
走行距離 | 403.6km | -76.4km |
燃費 | 12.6km/L | -2.4km/L |
たとえば純正タイヤで480kmの長距離ドライブをしたとき、給油量が32L、満タン法での燃費が15.0km/Lだったとします。
小さな145/45R12のタイヤでは実際の距離を480km走行するために必要なタイヤの回転数が増えますので、オドメーター(走行距離計)の走行距離も伸びて553.6kmを示します。この距離をもとに32Lの給油をすると燃費は17.3km/Lで本来よりも良好に出て、カタログ燃費を超えた!と糠喜びをすることになります。
大きな195/75R12ではタイヤの必要回転数が減りますので、見かけ上の走行距離も減って403.6kmを示し、燃費は12.6km/Lと短く出てきて必要以上にガッカリしてしまいます。
タイヤサイズの変更は乗り心地や操縦安定性および走行安定性の変化だけでなく、お財布にダイレクトな不都合(特に純正比で大きくなる方向のタイヤ)もいろいろとありますので、くれぐれも保安基準から逸脱しないよう用法用量を守って正しくご変更ください。