三菱 eKスペース カスタムの性能まとめ [B11A型|0.66L/64PS|FF/CVT|2014年] Custom-T


 画像は三菱自動車より引用
 http://www.mitsubishi-motors.co.jp/

三菱自動車の5ドア・4人乗り軽ミニバン、B11A型の初代eKスペース カスタムは2014/02から生産(または販売)が開始されました。ここでは2014/02モデルにある[Custom-T]というグレードのカタログスペックを基に、数値から見た性能をインプレおよび評価・解説してみます。

ボディサイズが全長3395mm×全幅1475mm×全高1775mm、排気量は659ccであることから、大雑把に分類すると軽自動車クラス(軽四輪、軽自動車税を適用)に属した車です。走行性能や衝突安全性は普通車に敵わないものの、その圧倒的な経済性は他の追随を許しません。

ちなみに、車体形状や用途に関係なく全長のみを基準とした分類方法で各セグメントに当てはめると、全長が3395mmであるこの車の場合は「ミニ」(Mini 3500mm以下 Aセグメント相当)に属します。※国や時代によって基準は異なります

エンジンを車体の前方に搭載し、前輪のみを駆動する、いわゆるFF方式(フロントエンジン-フロントドライブ)を採用しています。この方式はエンジンと駆動系(ミッション、デフ等)の収納がエンジンルーム内で完結するので軽量コンパクトかつ低コスト化が実現でき、室内を広く作りやすい(エンジンが横置きの場合)ほか、後輪駆動車に比べて直進安定性に優れることが主な特長です。

B11A型 eKスペース カスタム [659cc/64PS FF/CVT] お品書き

ページが長大でどうにもならないため、ページ下部の項目にジャンプできるようなものを作りました。

エンジン性能と特性、パワーウェイトレシオ

ギヤ比と加速力&エンジン回転数と最高速

タイヤサイズ変更とスピードメーター誤差

各種スペックの相対評価とレーダーチャート

初代eKスペース カスタムの類型&他グレード

  • 吸気方式のNAは自然吸気、TBはターボ、SCはスーパーチャージャー、TSはTB+SCの略
  • ※燃費の文字が赤色のものはレギュラーガソリン、青色のものはハイオクガソリン、緑色のものは軽油を燃料とするエンジンを搭載した車種
画像排気量
車両価格
車両型式
グレード
出力
燃費
0.66L-TB
FF/CVT
158.3万円
B11A型
[T Safety-Pack]
(2016/12)
64PS
10.0kgm
22.2km/L
0.66L-TB
4WD/CVT
169.0万円
B11A型
[T Safety-Pack]
(2016/12)
64PS
10.0kgm
20.4km/L
0.66L-TB
4WD/CVT
177.6万円
B11A型
[Custom-T]
(2014/02)
64PS
10.0kgm
20.8km/L
0.66L-NA
FF/CVT
152.1万円
B11A型
[Custom-G]
(2014/02)
49PS
6.0kgm
26.0km/L
0.66L-NA
FF/CVT
122.4万円
B11A型
[E]
(2014/02)
49PS
6.0kgm
26.0km/L
初代eKスペース カスタムの車両型式・グレード一覧【全8車種】

主要諸元とエンジン諸元

主要諸元
メーカー MITSUBISHI
車名&
グレード
eKスペース カスタム
Custom-T
その他
お値段 1659000円
車両型式 DBA-B11A
駆動&
変速機
FF(FWD,2WD,前輪駆動)&
CVT(無段変速機,連続可変T/M)
ドア数&
定員
5ドア
4人
車体寸法 長3395×幅1475×高1775mm
室内寸法 長2235×幅1320×高1400mm
軸距&
輪距
2430mm
前1300mm/後1290mm
最小半径 4.7m
最低高 150mm
タイヤ 前165/55R15 後165/55R15
ブレーキ 前ベンチレーテッドディスク
後ドラム
車両重量 950kg
エンジン諸元
原動機型式 3B20
気筒配列 直列3気筒
排気量 659cc
圧縮比 9.0
吸気方式 ターボ
最高出力 64PS(47kW 63HP)/6000rpm
最大トルク 10.0kgm(98Nm)/3000rpm
使用燃料 レギュラーガソリン
JC08燃費 22.2km/L (52.2mpg)
100km燃費 4.5L/100km
※直列3気筒とは‥シリンダを真っ直ぐ一列に3個配置する方式。小排気量のスタンダード。
3B20型の過給エンジン諸元と性能
※直列3気筒の最高出力ランキング

税金と年間維持費のシミュレーション

ここでは、春になると毎年欠かさず支払いを催促される軽自動車税(10800円)、払わなければ車検を受けさせてもらえない自動車重量税(3300円/年)と自賠責保険料(13185円/年)、年間1万km走行した際に掛かる燃料代月額4000円の任意保険に加入し、走行5000km毎にエンジンオイル交換、3年3万km毎にタイヤ交換するとしたときの年間維持費(ランニングコスト)を見てみます。

さらに、eKスペース カスタムの新車を190.8万円(諸費用として24.9万円を加算)にて購入し、頭金なしで4年ローンを組んだと仮定したときの年間支払額(金利分は含まず)も踏まえて、上記の維持費と合算した場合の想定維持費も計算してみました。

  • ローンの年数については月額5万円の支払いを基準として、ローンの支払額が60万円以下は1年、120万円以下は2年、180万円以下は3年、240万円以上は4年、それ以上は5年としています。
  • 任意保険の金額については特に根拠のない一例です。具体的な掛け金は運転者の年齢や家族構成、年間走行距離、保険内容、車両保険の有無等によって大きく異なります。
  • 保険スクエアbang!では最大20社より自動車保険料の比較・検討が可能です。

新車で買った場合の年間維持費

名目 区分 金額
自動車税(1年分) 軽自動車 13年未満 10800円
自動車重量税(1年分) 軽自動車 13年未満 3300円
自賠責保険料(1年分) 軽自動車 13185円
燃料代(年間1万km) 10000km÷22.2km/L×150円/L 67570円
オイル交換(5000km毎) 1回3500円×2回 7000円
タイヤ交換(3年3万km毎) 1本10000円×4本÷3年 13330円
任意保険料(月額4000円) 月額4000円×12ヶ月 48000円
ローン完済後の年間維持費 163185円
名目 区分 金額
車のローン額(1年分) 月額39750円×12ヶ月 477000円
ローン返済中の年間維持費 640185円
次回車検費用の積み立て目安
重量税2年分+自賠責24ヶ月分+検査手数料等3000円程度 35970円
  • 平成25年4月1日からの自賠責保険料の改定に対応。
  • 平成27年4月1日からの自動車税の割増(10%増→15%増)に対応。
  • 平成28年4月1日からの自動車重量税の変更に対応、
    ただし今流行のエコカー減税(自動車税、自動車重量税等の減免)には対応できていません。
  • 燃料消費率が緑文字のものはWLTCモード燃費、青文字のものはJC08モード燃費、赤文字のものは10・15モード燃費に0.8を掛けたもの。
  • 車検時には上記の目安金額35,970円の他に法定24ヶ月点検に関連する費用が必要です。
  • 名目にある金額の基準は、年間維持費の算出基準まとめ をご覧ください。

今にも壊れそうな格安車から少しステップアップすると月換算で1~2万円の間、年間にすると12~24万円のクラスです。この車の場合、月単位に換算して13,599円(完済前は53,349円)になります。「廉価車にしか乗れなかった自分が、ついにこれだけの維持費が掛かる車を所有できるようになったのだ、新しい自分になれたのだ。あの頃のアタシ、サヨナラ…」とかいう謎のカタルシスに浸れるのがこのクラスです。普通に使う分には何ら問題のないバランスの取れたクラスではないかと思います。

1km走行コストと月間&年間交通費

距離/日費用/日月換算年換算
10km70円1500円1.8万円
20km140円3100円3.6万円
30km200円4400円5.2万円
50km340円7500円8.8万円
100km680円15000円17.7万円

さて、レギュラーガソリン1リットルの燃料価格を150円、燃費を22.2km/Lとしたとき、1km走行あたりのコストは6.76円になります。

たとえばこの車を通勤車とした場合、1日の走行距離が10kmなら燃料代は70円/日となり、20km走行なら140円/日、30km走行なら200円/日、50km走行なら340円/日、100km走行なら680円/日かかる計算です。

1か月の労働日数を22日として計算すると、通勤距離が10kmなら月間の走行距離は220kmで燃料代は1500円/月、20kmなら440kmで3100円/月、30kmなら660kmで4400円/月、50kmなら1100kmで7500円/月、100kmなら2200kmで15000円/月かかります。

1年間の労働日数を260日とすると、通勤距離が10kmなら年間の走行距離は2600kmで燃料代は1.8万円/年、20kmなら5200kmで3.6万円/年、30kmなら7800kmで5.2万円/年、50kmなら13000kmで8.8万円/年、100kmなら26000kmで17.7万円/年となります。

1年間のランニングコスト(年間維持費) ランキング
新車の軽自動車ターボの軽自動車三菱編(軽)


カタログスペックから見えてくる要素

3B20型エンジン簡易性能曲線図
3B20型エンジン性能曲線図もどき
各回転域での馬力
3000回転時の馬力 42PS
6000回転時の馬力 64PS
各回転域でのトルク
3000回転時のトルク 10.0kgm
6000回転時のトルク 7.6kgm
3B20型の過給エンジン諸元と性能

まずおさらいとして、搭載している3B20型659cc、直列3気筒のターボエンジンは6000回転時に最高出力64馬力を、3000回転時に最大トルク10.0kgmを発生します。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力が計算できますので、それぞれの点と点とを線で繋いでパワーカーブとトルクカーブのエンジン性能曲線図もどきを作ってみました。

トルクの山が中央より左にあるか右にあるかを基準にしてエンジン特性を探ってみますと、低めの回転数から中間域にトルクのピークがあるこのエンジンは、街中での普段使いに心地よく、高回転もそれなりでバランスの取れたタイプです。多くの乗用車がこの特性に当て嵌まるのではないかと思います。

※実際のところは車両重量やギヤ比、排気量に対する気筒数の多少によって印象が異なってくると思います。

ちなみに、エンジンのパワーバンドを「最大トルクが発生する3000rpmから最高出力が発生する6000rpmまで」の3000rpmとしたときの、最高回転数に対するパワーバンドの割合は50.0%となります。※右記(下記?)簡易性能曲線図オレンジ色の帯域

さて、車の速さを知るための指標としてよく使われる パワーウェイトレシオ14.84kg/PS(950kg/64PS)となっていますが、巷でよく見るであろうこの数値の多くはドライバーが乗った状態でのものではなく、あくまでも車両重量と最高出力のみで計算したものです。

車重と搭乗者とPWR
車体のみ14.84kg/PS
車体+1人15.70kg/PS
車体+4人18.28kg/PS
お腹と車重とPWR
車体+60kg15.78kg/PS
車体+70kg15.94kg/PS
車体+80kg16.09kg/PS
車体+90kg16.25kg/PS
車体+100kg16.41kg/PS

というわけで、車両総重量の求め方に倣い人間の体重55kgを加えて計算し直してみますと、ドライバーのみが搭乗したときのパワーウェイトレシオは15.70kg/PS(1005kg/64PS)となり、数値としては0.86kgほど悪化します。

次に乗車定員いっぱいの4人が搭乗した場合、車両重量に220kgがプラスされてパワーウェイトレシオは18.28kg/PS(1170kg/64PS)となり、3.44kgも悪化することになります。

もともとが重量級の車であれば、人が少々乗ったところで体重の占める割合が小さいことから変化も小さいですが、軽量級の車ではお腹まわりのお肉が大きな影響力を持つことがわかります。

いろいろな数値
WB/TR比 1.88
平均ピストンスピード 13.1m/s
トルクウェイトレシオ 95.0kg/kgm
1馬力あたりのお値段 25922円
排気量1Lあたり馬力 97.1PS/L
排気量1Lあたりトルク 15.17kgm/L
1気筒あたりの馬力 21.3PS
1気筒あたりのトルク 3.3kgm
パワーバンド比率 50.0%
各種ランキング
軽自動車のP/Wレシオ(ターボ)

トルクウェイトレシオは95.0kg/kgm(950kg/10.0kgm)なのですが、トルクについてはギヤ比でどうにでもなりますので、ここでの大小はあまり重要ではありません。(詳しくはギヤ比編にて)

ついでに馬力単価を計算してみると、お値段が1659000円、最高出力が64馬力であるこの車の場合、1馬力あたりのお値段は25922円、逆に1万円あたりでは0.39馬力を得ることができます。ついでのついででトルク1kgmあたりのお値段は165900円、1万円あたりでは0.06kgmとなります。

最高出力を排気量で割ったリッター換算馬力は97.1PS/L、トルクは15.17kgm/L、1気筒あたりの馬力は21.3馬力、トルクは3.3kgmとなり、このエンジンが64馬力を6000回転で発生させているときの平均ピストンスピードは13.1m/sです。
排気量1リットルあたりの馬力ランキング

ちなみに、ストローク量が65.4mmである3B20型エンジンの場合、平均ピストンスピードの上限を20.0m/sとしたときの高回転化の上限は9170回転です。設定されているレブリミットがこの回転数を超えている場合、長年に亘って平均ピストンスピードの目安とされてきた20.0m/sを超えてピストンが往復運動していることになります。レブリミットがこの回転数以下の場合は高回転化してパワーを引き出すチューニングの目安になるかもしれません。
平均ピストンスピードが速い車ランキング

この車のホイールベースを前後トレッドの平均で割って算出されるホイールベーストレッド比は1.88になります。全ての車種の平均値である1.77を基準にざっくりと分類すると、どちらかというと真っ直ぐ進むことを得意とする傾向にある車と言えそうです。
ホイールベーストレッド比が小さい車ランキング


速度と車両重量と運動エネルギー

「スピードを出して事故をすると大変なことになる…!」あるいは「重いとブレーキをかけてもなかなか止まらない…」と感覚的には知っていても、なぜ大変なことになるのか、なぜ止まらないのかは今ひとつピンと来なかったりします。

そこで取り出しましたのが運動エネルギーなるもので、これはある重量の物体がある速度で移動しているとき、どれだけのエネルギーを有しているのかを数値的に知ることができるという代物です。

というわけで、eKスペース カスタムの車両重量950kgに1人ぶんの体重55kgを加えた1005kgと、4名フル乗車時の1170kgという2つの重量を用意して、40km/hから180km/hまでの速度域で運動エネルギーがどのように変化するのかを調べてみました。

速度1名乗車
1005kg
4名乗車
1170kg
40km/h62kJ72kJ+10kJ
60km/h140kJ163kJ+23kJ
80km/h248kJ289kJ+41kJ
100km/h388kJ451kJ+63kJ
120km/h558kJ650kJ+92kJ
140km/h760kJ885kJ+125kJ
180km/h1256kJ1463kJ+207kJ

たとえば1名乗車で40km/h走行しているときの運動エネルギーは62kJ、4名乗車では72kJとなり、その差は10kJ、倍率にすれば1.2倍ほどの増加でびっくりするほどではありません。

が、速度が倍の80km/hになると1名乗車でも248kJ、4名乗車では41kJ増加して289kJにもなり、重量から見れば1.2倍のままなれど、40km/hでの運動エネルギーと比べると4.0倍も増加しています。

これが180km/hになると1名乗車で1256kJ、4名乗車では207kJ増加して1463kJにもなり、80km/hと比べても5.1倍、40km/hと比べると20.3倍ものとんでもない運動エネルギーを有していることがわかります。

さて、速度が同じなら重いほうが運動エネルギーは大きくなることがわかりましたので、続いては運動エネルギーを388000Jとした場合に、重量の異なる自動車では時速何kmに相当するのかを調べてみます。

重量388kJ
速度
100キロ
[kJ]
600kg129km/h231kJ-157kJ
800kg112km/h309kJ-79kJ
1005kg100km/h388kJ
1500kg82km/h579kJ+191kJ
2000kg71km/h772kJ+384kJ
2500kg63km/h965kJ+577kJ
3000kg58km/h1157kJ+769kJ
※100km/h[kJ]は各重量の車両が100km/h走行しているときの運動エネルギー

ここでは車両重量+体重55kgの1005kgを基準として、600kg、800kg、1500kg、2000kg、2500kg、3000kgで計算してみました。

考えたくもないことですが、たとえば同じ100km/hで走行する相手と正面衝突する場合、相手が600kgであれば当たり負けすることはなく、その相手が129km/hのとき互角の勝負になります。

逆に相手が3000kgで重い場合、双方が100km/hでは当たり負けして弾き飛ばされますが、相手が58km/hであれば互いに引かぬ真っ向勝負に持ち込める、というような雰囲気です。

いずれにせよ超スピードで事故をすれば衝突安全ボディもなんのその、車は雲散霧消の勢いで大変なことになり、ブレーキローターとブレーキパッドが身を削り、身を粉にして車を止めようにも一筋縄ではいかないことがわかる…ような気がしてきます。


人間様の占有スペース

人間様の占有スペース
室内長×幅×高 4.1m³
1人あたりのスペース 約1.0m³
室内長/全長 65.8%
室内幅/全幅 89.5%
室内高/全高 78.9%
室内容積/車両体積 46.1%

ボディサイズと室内寸法のデータがあるので車両全体に対する人間様の占有スペースを計算してみます。ここでの比率はボンネットが長い車であったり乗車人数の少ない車であったり、バン(貨物車)のように人よりも積載容量を重視している車は小さくなります。

まず室内長、室内幅、室内高を掛けて算出される室内の容積は4.1m³です。この車の乗車定員は4人ですから、単純に室内の容積で割るとフル乗車した際には約1.0m³のスペースが割り当てられることになります。続いて室内長を全長で割って算出される室内長と全長の比率は65.8%、同じく室内幅と全幅の比率は89.5%、同じく室内高と全高の比率は78.9%となりました。また車の形状を無視して単なる立方体として見たときの車両の体積に対する室内の容積の比率は46.1%でした。

室内の広さ・長さランキング
室内長が長い車室内幅が広い車室内高が高い車車内の空間が広い車


車中泊の可能性

車中泊の可能性
期待される荷室の長さ 1.19m
期待される荷室の幅 1.22m
対角線の長さ 1.70m
期待される荷室の面積 1.45m²

ここでは全長の35%を【期待される荷室の長さ】、室内幅から100mm(不明の場合は全幅から400mm)引いたものを【期待される荷室の幅】とし、それらを掛け合わせて【期待される荷室の面積】、「縦の長さが厳しいなら斜めに寝れば良いじゃない!」ということで、おまけ要素として【対角線の長さ】も計算してみました。

縦方向の長さが1.19m(対角線では1.70m)しかないとなると、これはもう常識的に考えてかなり厳しい車中泊を強いられます。運転席あるいは助手席を後ろに倒して寝たほうがまだマシかもしれません。俗に言う体育座りの体勢で横になれば寝られないこともないでしょうが、寝れども寝れども疲れは取れない上に猛烈な腰痛で目を覚ましかねず、実に爽やかな笑顔で「もう二度と車中泊なんてしないよ!」と後日談を語ることになりかねません。

軽自動車の場合、1BOXタイプ以外のものでは計算するまでもなく絶対的な長さが足りていません。前席を後に倒してフルフラット化できるとか、助手席だけでも前に倒せるなら後のスペースと連結して長さを確保できますが、そうでない場合は腰を痛める覚悟で車中泊に臨むことになります。車中泊にあると嬉しいアイテム


燃料タンクと燃費と航続距離と

燃料タンクと燃費と航続距離と
JC08モード燃費 22.2km/L
燃料タンク容量 30L
航続距離(カタログ燃費) 666.0km
航続距離(80%燃費) 534.0km
満タンプライス 4500円
1万円でどこまで行ける? 1480.0km
車両価格/航続距離 2491円/km

JC08モード燃費が22.2km/Lですので、燃料タンクの容量が30リットルですと航続可能距離は666.0kmになります。(カタログ燃費通りに走行できた場合)

実際にはそうもいきませんから、オイル交換やタイヤ空気圧の管理といった定期メンテナンスを確実に実施した上での実燃費をカタログ燃費の90%(20.0km/L)とすると600.0km、80%(17.8km/L)だと534.0km、70%(15.5km/L)では465.0kmという航続距離になります。

燃料タンクに1滴の燃料もないスッカラカンの状態から満タンにしたときの金額を計算してみますと、レギュラーガソリン30リットルの給油で4500円、上で計算した航続距離を踏まえると666.0km(80%燃費時534.0km)を走行するのに4500円かかる計算です。

ついでに1万円の燃料代でどこまで行けるかも計算してみますと、カタログ通りの燃費で走行できれば1480.0km(往復なら片道740.0km)、カタログ値の80%なら1184.0km(片道592.0km)離れたところまで行くことができます。

ちなみに、1回の給油で666.0kmの距離を移動できるB11A型 eKスペース カスタム [Custom-T]という乗り物を、165.9万円で手に入れたと考えたとき、この車が1km走行するにあたっては「2491円の値打ちがある!」と言える、かもしれません。


ギヤ比と回転数と速度と駆動トルクとトルクウェイトレシオのステキな関係

続いてギヤ比を見てみます。あるギヤで走行中にエンジン(正確にはクランクシャフト)をレブリミットまで回したときの速度と、レブリミットでシフトアップした後の回転数を計算するためには、何回転で回転リミッターが働くのかを知らねばなりません。

しかし具体的な数値を知るにはECU(エンジン・コントロール・ユニット)にあるデータを参照しなければならなかったりで実現は厳しく、ならばとレッドゾーンが始まる回転数から推測しようにも、最近ではタコメータが装着されていない車両が多くあって心が折れます。

ピークパワーが発生する回転数(この車の場合6000rpm)から必要以上に回してもあまり意味はないのでそれを上限としても良いのですが、気分よく運転しているときは往々にして回しすぎるのが常ですから、ここでは500回転をプラスした6500回転を仮のレブリミットとして計算してみます。

暫定レブ 6500rpm|タイヤサイズ 165/55R15|タイヤ直径 56.3cm|円周長 176.9cm
ギヤ ギヤ比 総減速比 ステップ比 シフトアップ
後の回転数
6500rpm
の速度
100kmh
の回転数
タイヤの
最大駆動力
1速 4.007 17.16 40.2kmh 16170rpm 609.7kgm
2速 0.550 2.356 0.137 1-2/890rpm 292.9kmh 2220rpm 83.7kgm
Final 4.283 レシオカバレッジ(変速比幅)7.285
ギヤの繋がりイメージ
B11A型eKスペース カスタムCVT車のギヤ比イメージ
  • ステップ比(歯車比)とは隣接したギヤ同士の離れ具合を示した数値で、1.000に近いほどシフト操作後の回転数の変化が小さく(ギヤ同士の繋がりが良い)、離れるほど変化が大きく(繋がりが悪い)なることを表します。
    シフトアップでは現在の回転数にステップ比を乗じた回転数まで下がり、シフトダウンでは現在の回転数にステップ比を除した回転数まで上がります。
    赤い数字はシフトアップ後にパワーバンドの下限(最大トルク発生回転数3000rpm)を下回るもの。
  • 時速100kmでの回転数は100km/h÷60÷タイヤ円周長×各ギヤ比×ファイナルギヤ比(4.283)で算出。
  • タイヤの最大駆動力は最大トルク(10.0kgm)×各ギヤ比×ファイナルギヤ比(4.283)÷タイヤの有効半径(0.2815m)で算出。
    ただし、ATおよびCVTにあるトルクコンバーターでのトルク増幅効果は考慮できていません。

本来のレブリミットとは異なるので最高速の数値は前後しますが、上記の設定での最高速度は2速ギヤの292.9km(6000rpmでは270.3km/h)となります。CVTは無段変速機というだけあって、変速比を低速側の4.007から高速側の0.550の間で自由自在に可変できる変速機ですから、実際にはちょうどいい塩梅の妥当な回転数にて妥当な最高速に落ち着くものと思われます。

タイヤの最大駆動力にある数値は、エンジンが3000回転で最大トルク10.0kgmを発生しているとき、各々のギヤを介したのち実際にタイヤへと伝えられるトルクで、この数値が大きいほどタイヤを回そうとする力が大きく、より力強い加速をすることができます。

この数値を大きくするにはギヤ比を低く(加速重視・ローギヤード)する、タイヤを小径化する、エンジンの最大トルクを大きくするという方法があります。逆にギヤ比を高く(最高速重視・ハイギヤード)したり、タイヤを大径化したり、デチューンして非力にすると駆動トルクは小さくなって加速が鈍ります。

さて、世の中にはパワーウェイトレシオ(1馬力が担う重量・PWR)に似ているようで少し違うトルクウェイトレシオ(1kgmが担う重量・TWR)という指標があります。単純に車両重量を最大トルクで割れば95.0kg/kgmですから、パワーウェイトレシオ(14.84kg/ps)に比べると霞んで見えます。

しかしトルクはギヤを介することで増幅され、たとえば1速ギヤの場合ですと609.7kgmになります。これを踏まえて改めて車両重量(950kg)を1速ギヤの最大駆動力(609.7kgm)で割ってみると1.56kg/kgmとなり、今度は逆にPWRが霞んで見えるような数値が出てきます。最高出力が発生する6000回転でのトルク(7.6kgm)からTWRを算出すると2.05kg/kgmとなり、3000-6000回転の回転域では1.56-2.05kg/kgmの間で推移することがわかります。

ある速度における各ギヤでの回転数

ギヤ 40
km/h
60
km/h
80
km/h
100
km/h
120
km/h
140
km/h
180
km/h
1速 6470 9700 12940 16170 19400 22640 29100
2速 890 1330 1780 2220 2660 3110 3990
※赤い数字は暫定レブリミット(6500rpm)を上回るもの。
※CVTの場合はどのようにギヤ比を制御をしているのか想像も付かないので参考値です。

この項目では各々のギヤと速度を基準として、任意のギヤを選択中に時速40km~180kmにて走行するとき、エンジンの回転数がどのくらいになるのかを一覧表にしてみました。この車の場合、最も高いギヤ(0.550)を選択して時速100kmにて走行すると2220回転まで回ります。

ちなみに、一般道の速い流れやバイパスでよくある60km/hでは1330回転、対面通行の高速道路での制限速度70km/hでは1550回転、一般的な高速道路の80km/hでは1780回転、100km/hでは2220回転、制限速度が120km/hになると2660回転、軽自動車の速度リミッターが働く140km/hでは3110回転になります。仮にリミッター解除で180km/hまで出たとすると4000回転まで回ります。

一般的な自動車であれば時速100kmでの巡航回転数は2500回転付近に落ち着くようですが、その中でも若干低めの回転数となっています。標準的なギヤ比の範囲内ながらも加速よりも静粛性や燃費に重きを置いた設定なので、急な坂道や長く続く坂道では積極的にギヤを1段下げる操作が必要になるかもしれません。

ある回転数における各ギヤでの速度

ギヤ 1000
rpm
2000
rpm
3000
rpm
4000
rpm
5000
rpm
6000
rpm
7000
rpm
8000
rpm
1速 6 12 19 25 31 37 43 49
2速 45 90 135 180 225 270 315 360

この項目では各々のギヤとエンジンの回転数を基準として、任意のギヤを選択中にエンジンを1000回転刻みで8000回転まで回したとき、それぞれのギヤでどのくらいの速度が出ているのかを一覧表にしてみました。暫定レブリミット(6500回転)よりも回転数が高くなる欄の速度については赤文字で表記してあります。


純正装着タイヤの165/55R15と互換可能な車検対応サイズ|簡易版

下の表では純正サイズを基準としてタイヤ幅を-20mmから+20mm、扁平率を-5%から+5%まで変化させたときのスピードメータ誤差が、マイナス方向を水色、-5.0%から+2.0%までを緑色、+6.0%までを橙色に着色しています。

※ここではタイヤの直径(外径)のみを基準としています。タイヤの幅を広くしすぎてサスペンションと干渉したり、はみ出てしまって車検に通らないからとフェンダーを叩いたり引っ張ったりキャンバーを付けたりで四苦八苦、ホイール幅が狭すぎてなんかイマイチ…という事例もありますので、ホイールのオフセットとリム幅にはご注意ください。

純正タイヤ 165/55R15 | 直径 563mm

-20mm
幅145mm
-10mm
幅155mm
変更なし
幅165mm
+10mm
幅175mm
+20mm
幅185mm
-5%
50
扁平
145/50R15
37.4km/h
直径526mm
径差-37mm
155/50R15
38.1km/h
直径536mm
径差-27mm
165/50R15
38.8km/h
直径546mm
径差-17mm
175/50R15
39.5km/h
直径556mm
径差-7mm
185/50R15
40.2km/h
直径566mm
径差+3mm
0%
55
扁平
145/55R15
38.4km/h
直径541mm
径差-22mm
155/55R15
39.2km/h
直径552mm
径差-11mm
165/55R15
40.0km/h
563mm
0mm
175/55R15
40.8km/h
直径574mm
径差+11mm
185/55R15
41.6km/h
直径585mm
径差+22mm
+5%
60
扁平
145/60R15
39.4km/h
直径555mm
径差-8mm
155/60R15
40.3km/h
直径567mm
径差+4mm
165/60R15
41.1km/h
直径579mm
径差+16mm
175/60R15
42.0km/h
直径591mm
径差+28mm
185/60R15
42.8km/h
直径603mm
径差+40mm
+10%
65
扁平
145/65R15
40.5km/h
直径570mm
径差+7mm
155/65R15
41.4km/h
直径583mm
径差+20mm
165/65R15
42.3km/h
直径596mm
径差+33mm
175/65R15
43.3km/h
直径609mm
径差+46mm
185/65R15
44.2km/h
直径622mm
径差+59mm

もし上記表の中から車検に安心なタイヤを選ぶのであれば、メーター誤差が-5.0%から0%の間にあって車高への影響も少ない 、145/55R15、145/60R15 、155/50R15、155/55R15 、165/50R15 、175/50R15 あたりのタイヤがおすすめです。

165/55R15のタイヤ幅を145mmから195mmまで、扁平率を40%から70%までの範囲に拡大した適合タイヤの一覧表および、100km/h回転数、加速力と最高速の変化、走行距離計の誤差による実燃費とのズレについては、165/55R15の適応サイズと性能の変化 [B11A型eKスペース カスタム編]のページをご覧ください。

純正のホイールサイズから大径化したり、幅の広いタイヤ、扁平率の低いタイヤに交換しようとするとタイヤ代が高くなる傾向にありますので、少しでも維持費を抑えたい、今はお財布の中身が心許ないといった際にはオートウェイのタイヤ通販をご検討くださいませ。


B11A型eKスペース カスタム[0.66Lターボ FF/CVT]の得点(簡易版)

ここではこのページを締めくくる集大成として、パワーウェイトレシオや1速ギヤでの加速性能、排気量1Lあたりの出力、ホイールベーストレッド比からなるスポーツ性能部門と、時速100kmでの巡航回転数、燃費、車体の大きさ、室内の広さからなるユーティリティ部門とに大別し、このサイトで登録している全車種の平均値から偏差値を求めて優劣を調べてみたいと思います。

スポーツ性能部門
評価項目数値得点
パワーウェイト14.84kg/ps34.77
1速ギヤ加速性能1.56kg/kgm50.68
1L換算馬力97.1ps/L48.83
1L換算トルク15.17kgm/L49.69
WB/TR比1.8838.75
ワイド&ロー指数1.20326.28
前面の面積2.618m²49.05
最低地上高150mm51.30
スポーツ性能部門の得点349.35

※ここではパワーウェイトレシオ・1速ギヤ加速性能・ホイールベーストレッド比・ワイド&ロー指数・前面の面積については数値が小さいほど高得点。リッター換算馬力・換算トルクについては数値が大きいほど高得点としています。


ユーティリティ部門
評価項目数値得点
JC08燃費22.2km/L58.50
年間維持費163185円65.55
100kmh回転数2220rpm54.44
航続距離666.0km47.58
車の大きさ8.889m³39.88
室内の広さ4.130m³58.20
最小回転半径4.7m60.00
馬力単価25922円42.82
ユーティリティ部門の得点426.97

※ここでは燃費・航続距離・車の大きさ・室内の広さは数値が大きいほど高得点、年間維持費・100km/h回転数・最小回転半径・馬力単価は数値が小さいほど高得点としています。

スポーツ性能部門およびユーティリティ部門の得点を合計した B11A型eKスペース カスタム[0.66Lターボ FF/CVT] の総合得点は 776.32 点です。獲得点数が多い車種から順番に並べた 総合得点ランキング を用意してありますので、よろしければご覧ください。

上記リンク先では、今回このページで紹介したB11A型eKスペース カスタム(FF/CVT) の各種スペックを、「全ての車種」、「全てのトールワゴン」、「軽自動車のトールワゴン」という属性で評価したとき、それぞれの項目が相対的にどのくらい優れているか、劣っているかを調べてみました。基準が変わると手のひらを返したように評価も変わる様子をご堪能ください。投稿日:2014/02/17|更新日:2018/02/09


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