ベンツ SLクラスの性能まとめ [231474型|6.0L/630PS|FR/7AT|2013年] SL65 AMG R231


 画像はメルセデスベンツより引用
 http://www.mercedes-benz.co.jp/

メルセデスベンツの2ドア・2人乗りオープンカー、231474型の6代目SLクラスは2012/03から生産(または販売)が開始されました。ここでは2013/08モデルにある[SL65 AMG R231]というグレードのカタログスペックを基に、数値から見た性能をインプレおよび評価・解説してみます。

ボディサイズが全長4645mm×全幅1875mm×全高1310mm、排気量は5980ccであることから、大雑把に分類すると6.0リットルクラス(6000cc、自動車税は6.0L以下を適用)に属し、全長、全高は5ナンバー枠ながら全幅が1.7mを超え、排気量も2000ccを超えていることにより3ナンバー登録になります。比較的コンパクトなボディに大きめなエンジンの組み合わせは世界戦略車(グローバルカー)やちょっとした高級車に良くあるパターンです。

ちなみに、車体形状や用途に関係なく全長のみを基準とした分類方法で各セグメントに当てはめると、全長が4645mmであるこの車の場合は「ミディアム」(Medium 4300mm超-4650mm以下 Dセグメント相当)に属します。※国や時代によって基準は異なります

エンジンを車体の前方に搭載し、後輪のみを駆動する、いわゆるFR方式(フロントエンジン-リヤドライブ)を採用しています。前輪は操舵、後輪は駆動と役割分担が異なることから優れたハンドリングを得られるとされ、運転の質を求める人々から絶大なる支持を集めます。高級車の代名詞的な駆動方式です。

231474型 SLクラス [5980cc/630PS FR/7AT] お品書き

ページが長大でどうにもならないため、ページ下部の項目にジャンプできるようなものを作りました。

エンジン性能と特性、パワーウェイトレシオ

ギヤ比と加速力&エンジン回転数と最高速

タイヤサイズ変更とスピードメーター誤差

各種スペックの相対評価とレーダーチャート

6代目SLクラスの類型&他グレード

  • 吸気方式のNAは自然吸気、TBはターボ、SCはスーパーチャージャー、TSはTB+SCの略
  • ※燃費の文字が赤色のものはレギュラーガソリン、青色のものはハイオクガソリン、緑色のものは軽油を燃料とするエンジンを搭載した車種
画像排気量
車両価格
車両型式
グレード
出力
燃費
5.5L-TB
FR/7AT
1980.0万円
R231型
[SL63-AMG R231]
(2012/03)
537PS
81.6kgm
4.7L-TB
FR/9AT
1698.0万円
231473型
[SL550 R231]
(2016/06)
455PS
71.4kgm
9.5km/L
4.7L-TB
FR/7AT
1560.0万円
R231型
[SL550 Blue-Efficiency R231]
(2012/03)
435PS
71.4kgm
6代目SLクラスの車両型式・グレード一覧【全6車種】

主要諸元とエンジン諸元

主要諸元
メーカー MERCEDES_BENZ
車名&
グレード
SLクラス
SL65 AMG R231
その他
お値段 30500000円
車両型式 231474
駆動&
変速機
FR(RWD,2WD,後輪駆動)&
7AT(7速AT,7段AT)
ドア数&
定員
2ドア
2人
車体寸法 長4645×幅1875×高1310mm
室内寸法 長1140×幅1490×高1080mm
軸距&
輪距
2585mm
前1620mm/後1605mm
最小半径 5.5m
タイヤ 前255/35R19 後285/30R20
ブレーキ 前ベンチレーテッドディスク
後ベンチレーテッドディスク
車両重量 1890kg
エンジン諸元
原動機型式 M279
気筒配列 V型12気筒
排気量 5980cc
圧縮比 9.0
吸気方式 ツインターボ
最高出力 630PS(463kW 621HP)/4800-5400rpm
最大トルク 102.0kgm(1000Nm)/2300-4300rpm
使用燃料 ハイオクガソリン
※V型12気筒とは‥シリンダをV字型に交互で12個配置する方式。満足度の高さはピカイチ。
M279型エンジンの諸元と性能まとめ
※V型12気筒の最高出力ランキング

税金と年間維持費のシミュレーション

ここでは、春になると毎年欠かさず支払いを催促される自動車税(88000円)、払わなければ車検を受けさせてもらえない自動車重量税(16400円/年)と自賠責保険料(13920円/年)、年間1万km走行した際に掛かる燃料代月額9500円の任意保険に加入し、走行5000km毎にエンジンオイル交換、3年3万km毎にタイヤ交換するとしたときの年間維持費(ランニングコスト)を見てみます。

さらに、SLクラスの新車を3507.5万円(諸費用として457.5万円を加算)にて購入し、頭金なしで5年ローンを組んだと仮定したときの年間支払額(金利分は含まず)も踏まえて、上記の維持費と合算した場合の想定維持費も計算してみました。

  • ローンの年数については月額5万円の支払いを基準として、ローンの支払額が60万円以下は1年、120万円以下は2年、180万円以下は3年、240万円以上は4年、それ以上は5年としています。
  • 任意保険の金額については特に根拠のない一例です。具体的な掛け金は運転者の年齢や家族構成、年間走行距離、保険内容、車両保険の有無等によって大きく異なります。
  • 保険スクエアbang!では最大20社より自動車保険料の比較・検討が可能です。

新車で買った場合の年間維持費

名目 区分 金額
自動車税(1年分) 6000cc以下 13年未満 88000円
自動車重量税(1年分) 2.0トン以下 13年未満 16400
自賠責保険料(1年分) 自家用乗用車 13920円
燃料代(年間1万km) 10000km÷6.7km/L×160円/L 238810円
オイル交換(5000km毎) 1回11000円×2回 22000円
タイヤ交換(3年3万km毎) 1本24000円×4本÷3年 32000円
任意保険料(月額9500円) 月額9500円×12ヶ月 114000円
ローン完済後の年間維持費 525130円
名目 区分 金額
車のローン額(1年分) 月額584580円×12ヶ月 7014960円
ローン返済中の年間維持費 7540090円
次回車検費用の積み立て目安
重量税2年分+自賠責24ヶ月分+検査手数料等3000円程度 63640円
  • 平成25年4月1日からの自賠責保険料の改定に対応。
  • 平成27年4月1日からの自動車税の割増(10%増→15%増)に対応。
  • 平成28年4月1日からの自動車重量税の変更に対応、
    ただし今流行のエコカー減税(自動車税、自動車重量税等の減免)には対応できていません。
  • 10・15モード燃費、JC08モード燃費、WLTCモード燃費いずれもデータがないので10.0km/Lを仮の燃費として代入。
  • 車検時には上記の目安金額63,640円の他に法定24ヶ月点検に関連する費用が必要です。
  • 名目にある金額の基準は、年間維持費の算出基準まとめ をご覧ください。

年間の維持費が50万円を超えてくると、これはもうこの車そのものが趣味の世界です。若しくは、これだけの維持費が掛かる車を所有していることに喜びを感じ、意義を見出しているのかもしれません。ここまで来ると月単位に換算しても43,761円(完済前は628,341円)という破格の金額になってしまうことを思えば、とてもじゃないけど新車で買って5年のローンを抱えながら乗るような車ではありません。ほとんど乗らずに盆栽としてガレージに飾っておくなら、まあ…

1km走行コストと月間&年間交通費

距離/日費用/日月換算年換算
10km240円5300円6.2万円
20km480円10600円12.5万円
30km720円15800円18.7万円
50km1190円26200円30.9万円
100km2390円52600円62.1万円

さて、ハイオクガソリン1リットルの燃料価格を160円、燃費を6.7km/Lとしたとき、1km走行あたりのコストは23.88円になります。

たとえばこの車を通勤車とした場合、1日の走行距離が10kmなら燃料代は240円/日となり、20km走行なら480円/日、30km走行なら720円/日、50km走行なら1190円/日、100km走行なら2390円/日かかる計算です。

1か月の労働日数を22日として計算すると、通勤距離が10kmなら月間の走行距離は220kmで燃料代は5300円/月、20kmなら440kmで10600円/月、30kmなら660kmで15800円/月、50kmなら1100kmで26200円/月、100kmなら2200kmで52600円/月かかります。

1年間の労働日数を260日とすると、通勤距離が10kmなら年間の走行距離は2600kmで燃料代は6.2万円/年、20kmなら5200kmで12.5万円/年、30kmなら7800kmで18.7万円/年、50kmなら13000kmで30.9万円/年、100kmなら26000kmで62.1万円/年となります。

1年間のランニングコスト(年間維持費) ランキング
新車の小型&普通車5000cc超輸入車編オープンカー限定


カタログスペックから見えてくる要素

M279型エンジン簡易性能曲線図
M279型エンジン性能曲線図もどき
各回転域での馬力
2300回転時の馬力 328PS
4300回転時の馬力 612PS
4800回転時の馬力 630PS
5400回転時の馬力 630PS
各回転域でのトルク
2300回転時のトルク 102.0kgm
4300回転時のトルク 102.0kgm
4800回転時のトルク 94.0kgm
5400回転時のトルク 83.6kgm
M279型エンジンの諸元と性能まとめ

まずおさらいとして、搭載しているM279型5980cc、V型12気筒のツインターボエンジンは4800-5400回転時に最高出力630馬力を、2300-4300回転時に最大トルク102.0kgmを発生します。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力が計算できますので、それぞれの点と点とを線で繋いでパワーカーブとトルクカーブのエンジン性能曲線図もどきを作ってみました。

トルクの山が中央より左にあるか右にあるかを基準にしてエンジン特性を探ってみますと、低めの回転数から中間域にトルクのピークがあるこのエンジンは、街中での普段使いに心地よく、高回転もそれなりでバランスの取れたタイプです。多くの乗用車がこの特性に当て嵌まるのではないかと思います。

※実際のところは車両重量やギヤ比、排気量に対する気筒数の多少によって印象が異なってくると思います。

ちなみに、エンジンのパワーバンドを「最大トルクが発生する2300rpmから最高出力が発生する5400rpmまで」の3100rpmとしたときの、最高回転数に対するパワーバンドの割合は57.4%となります。※右記(下記?)簡易性能曲線図オレンジ色の帯域

さて、車の速さを知るための指標としてよく使われる パワーウェイトレシオ3.00kg/PS(1890kg/630PS)となっていますが、巷でよく見るであろうこの数値の多くはドライバーが乗った状態でのものではなく、あくまでも車両重量と最高出力のみで計算したものです。

車重と搭乗者とPWR
車体のみ3.00kg/PS
車体+1人3.09kg/PS
車体+2人3.17kg/PS
お腹と車重とPWR
車体+60kg3.10kg/PS
車体+70kg3.11kg/PS
車体+80kg3.13kg/PS
車体+90kg3.14kg/PS
車体+100kg3.16kg/PS

というわけで、車両総重量の求め方に倣い人間の体重55kgを加えて計算し直してみますと、ドライバーのみが搭乗したときのパワーウェイトレシオは3.09kg/PS(1945kg/630PS)となり、数値としては0.09kgほど悪化します。

次に乗車定員いっぱいの2人が搭乗した場合、車両重量に110kgがプラスされてパワーウェイトレシオは3.17kg/PS(2000kg/630PS)となり、0.17kgも悪化することになります。

もともとが重量級の車であれば、人が少々乗ったところで体重の占める割合が小さいことから変化も小さいですが、軽量級の車ではお腹まわりのお肉が大きな影響力を持つことがわかります。

いろいろな数値
WB/TR比 1.60
平均ピストンスピード 14.9m/s
トルクウェイトレシオ 18.5kg/kgm
1馬力あたりのお値段 48413円
排気量1Lあたり馬力 105.4PS/L
排気量1Lあたりトルク 17.06kgm/L
1気筒あたりの馬力 52.5PS
1気筒あたりのトルク 8.5kgm
パワーバンド比率 57.4%
各種ランキング
オープンカーのP/Wレシオ
5.0L超のP/Wレシオ

トルクウェイトレシオは18.5kg/kgm(1890kg/102.0kgm)なのですが、トルクについてはギヤ比でどうにでもなりますので、ここでの大小はあまり重要ではありません。(詳しくはギヤ比編にて)

ついでに馬力単価を計算してみると、お値段が30500000円、最高出力が630馬力であるこの車の場合、1馬力あたりのお値段は48413円、逆に1万円あたりでは0.21馬力を得ることができます。ついでのついででトルク1kgmあたりのお値段は299020円、1万円あたりでは0.03kgmとなります。

最高出力を排気量で割ったリッター換算馬力は105.4PS/L、トルクは17.06kgm/L、1気筒あたりの馬力は52.5馬力、トルクは8.5kgmとなり、このエンジンが630馬力を5400回転で発生させているときの平均ピストンスピードは14.9m/sです。
排気量1リットルあたりの馬力ランキング

ちなみに、ストローク量が93.0mmであるM279型エンジンの場合、平均ピストンスピードの上限を20.0m/sとしたときの高回転化の上限は6450回転です。設定されているレブリミットがこの回転数を超えている場合、長年に亘って平均ピストンスピードの目安とされてきた20.0m/sを超えてピストンが往復運動していることになります。レブリミットがこの回転数以下の場合は高回転化してパワーを引き出すチューニングの目安になるかもしれません。
平均ピストンスピードが速い車ランキング

この車のホイールベースを前後トレッドの平均で割って算出されるホイールベーストレッド比は1.60になります。全ての車種の平均値である1.77を基準にざっくりと分類すると、真っ直ぐ進むよりも小回りを得意とする傾向にある車と言えそうです。
ホイールベーストレッド比が小さい車ランキング


速度と車両重量と運動エネルギー

「スピードを出して事故をすると大変なことになる…!」あるいは「重いとブレーキをかけてもなかなか止まらない…」と感覚的には知っていても、なぜ大変なことになるのか、なぜ止まらないのかは今ひとつピンと来なかったりします。

そこで取り出しましたのが運動エネルギーなるもので、これはある重量の物体がある速度で移動しているとき、どれだけのエネルギーを有しているのかを数値的に知ることができるという代物です。

というわけで、SLクラスの車両重量1890kgに1人ぶんの体重55kgを加えた1945kgと、2名フル乗車時の2000kgという2つの重量を用意して、40km/hから180km/hまでの速度域で運動エネルギーがどのように変化するのかを調べてみました。

速度1名乗車
1945kg
2名乗車
2000kg
40km/h120kJ123kJ+3kJ
60km/h270kJ278kJ+8kJ
80km/h480kJ494kJ+14kJ
100km/h750kJ772kJ+22kJ
120km/h1081kJ1111kJ+30kJ
140km/h1471kJ1512kJ+41kJ
180km/h2431kJ2500kJ+69kJ

たとえば1名乗車で40km/h走行しているときの運動エネルギーは120kJ、2名乗車では123kJとなり、その差は3kJ、倍率にすれば1.0倍ほどの増加でびっくりするほどではありません。

が、速度が倍の80km/hになると1名乗車でも480kJ、2名乗車では14kJ増加して494kJにもなり、重量から見れば1.0倍のままなれど、40km/hでの運動エネルギーと比べると4.0倍も増加しています。

これが180km/hになると1名乗車で2431kJ、2名乗車では69kJ増加して2500kJにもなり、80km/hと比べても5.1倍、40km/hと比べると20.3倍ものとんでもない運動エネルギーを有していることがわかります。

さて、速度が同じなら重いほうが運動エネルギーは大きくなることがわかりましたので、続いては運動エネルギーを750000Jとした場合に、重量の異なる自動車では時速何kmに相当するのかを調べてみます。

重量750kJ
速度
100キロ
[kJ]
600kg180km/h231kJ-519kJ
800kg156km/h309kJ-441kJ
1000kg139km/h386kJ-364kJ
1500kg114km/h579kJ-171kJ
1945kg100km/h750kJ
2500kg88km/h965kJ+215kJ
3000kg80km/h1157kJ+407kJ
※100km/h[kJ]は各重量の車両が100km/h走行しているときの運動エネルギー

ここでは車両重量+体重55kgの1945kgを基準として、600kg、800kg、1000kg、1500kg、2500kg、3000kgで計算してみました。

考えたくもないことですが、たとえば同じ100km/hで走行する相手と正面衝突する場合、相手が600kgであれば当たり負けすることはなく、その相手が180km/hのとき互角の勝負になります。

逆に相手が3000kgで重い場合、双方が100km/hでは当たり負けして弾き飛ばされますが、相手が80km/hであれば互いに引かぬ真っ向勝負に持ち込める、というような雰囲気です。

いずれにせよ超スピードで事故をすれば衝突安全ボディもなんのその、車は雲散霧消の勢いで大変なことになり、ブレーキローターとブレーキパッドが身を削り、身を粉にして車を止めようにも一筋縄ではいかないことがわかる…ような気がしてきます。


人間様の占有スペース

人間様の占有スペース
室内長×幅×高 1.8m³
1人あたりのスペース 約0.9m³
室内長/全長 24.5%
室内幅/全幅 79.5%
室内高/全高 82.4%
室内容積/車両体積 15.8%

ボディサイズと室内寸法のデータがあるので車両全体に対する人間様の占有スペースを計算してみます。ここでの比率はボンネットが長い車であったり乗車人数の少ない車であったり、バン(貨物車)のように人よりも積載容量を重視している車は小さくなります。

まず室内長、室内幅、室内高を掛けて算出される室内の容積は1.8m³です。この車の乗車定員は2人ですから、単純に室内の容積で割るとフル乗車した際には約0.9m³のスペースが割り当てられることになります。続いて室内長を全長で割って算出される室内長と全長の比率は24.5%、同じく室内幅と全幅の比率は79.5%、同じく室内高と全高の比率は82.4%となりました。また車の形状を無視して単なる立方体として見たときの車両の体積に対する室内の容積の比率は15.8%でした。

室内の広さ・長さランキング
室内長が長い車室内幅が広い車室内高が高い車車内の空間が広い車


燃料タンクと燃費と航続距離と

燃料タンクと燃費と航続距離と
暫定基準燃費 6.7km/L
燃料タンク容量 75L
航続距離(カタログ燃費) 502.5km
航続距離(80%燃費) 405.0km
満タンプライス 12000円

10・15モード燃費、JC08モード燃費、WLTPモード燃費ともにデータがないので6.7km/Lを仮の燃費とすると、燃料タンクの容量が75リットルですと航続可能距離は502.5kmになります。(カタログ燃費通りに走行できた場合)

実際にはそうもいきませんから、オイル交換やタイヤ空気圧の管理といった定期メンテナンスを確実に実施した上での実燃費をカタログ燃費の90%(6.0km/L)とすると450.0km、80%(5.4km/L)だと405.0km、70%(4.7km/L)では352.5kmという航続距離になります。

燃料タンクに1滴の燃料もないスッカラカンの状態から満タンにしたときの金額を計算してみますと、ハイオクガソリン75リットルの給油で12000円、上で計算した航続距離を踏まえると502.5km(80%燃費時405.0km)を走行するのに12000円かかる計算です。


ギヤ比と回転数と速度と駆動トルクとトルクウェイトレシオのステキな関係

続いてギヤ比を見てみます。あるギヤで走行中にエンジン(正確にはクランクシャフト)をレブリミットまで回したときの速度と、レブリミットでシフトアップした後の回転数を計算するためには、何回転で回転リミッターが働くのかを知らねばなりません。

しかし具体的な数値を知るにはECU(エンジン・コントロール・ユニット)にあるデータを参照しなければならなかったりで実現は厳しく、ならばとレッドゾーンが始まる回転数から推測しようにも、最近ではタコメータが装着されていない車両が多くあって心が折れます。

ピークパワーが発生する回転数(この車の場合4800-5400rpm)から必要以上に回してもあまり意味はないのでそれを上限としても良いのですが、気分よく運転しているときは往々にして回しすぎるのが常ですから、ここでは500回転をプラスした5900回転を仮のレブリミットとして計算してみます。

暫定レブ 5900rpm|タイヤサイズ 285/30R20|タイヤ直径 67.9cm|円周長 213.3cm
ギヤ ギヤ比 総減速比 ステップ比 シフトアップ
後の回転数
5900rpm
の速度
100kmh
の回転数
タイヤの
最大駆動力
1速 4.377 11.59 65.2kmh 9050rpm 3480.9kgm
2速 2.859 7.568 0.653 1-2/3850rpm 99.8kmh 5910rpm 2273.7kgm
3速 1.921 5.085 0.672 2-3/3960rpm 148.5kmh 3970rpm 1527.7kgm
4速 1.368 3.621 0.712 3-4/4200rpm 208.5kmh 2830rpm 1087.9kgm
5速 1.000 2.647 0.731 4-5/4310rpm 285.3kmh 2070rpm 795.3kgm
6速 0.820 2.171 0.820 5-6/4840rpm 347.9kmh 1700rpm 652.1kgm
7速 0.728 1.927 0.888 6-7/5240rpm 391.8kmh 1510rpm 579.0kgm
Final 2.647 レシオカバレッジ(変速比幅)6.012
ギヤの繋がりイメージ
231474型SLクラス7AT車のギヤ比イメージ
  • ステップ比(歯車比)とは隣接したギヤ同士の離れ具合を示した数値で、1.000に近いほどシフト操作後の回転数の変化が小さく(ギヤ同士の繋がりが良い)、離れるほど変化が大きく(繋がりが悪い)なることを表します。
    シフトアップでは現在の回転数にステップ比を乗じた回転数まで下がり、シフトダウンでは現在の回転数にステップ比を除した回転数まで上がります。
    赤い数字はシフトアップ後にパワーバンドの下限(最大トルク発生回転数2300-4300rpm)を下回るもの。
  • 時速100kmでの回転数は100km/h÷60÷タイヤ円周長×各ギヤ比×ファイナルギヤ比(2.647)で算出。
  • タイヤの最大駆動力は最大トルク(102.0kgm)×各ギヤ比×ファイナルギヤ比(2.647)÷タイヤの有効半径(0.3395m)で算出。
    ただし、ATおよびCVTにあるトルクコンバーターでのトルク増幅効果は考慮できていません。

本来のレブリミットとは異なるので最高速の数値は前後しますが、上記の設定での最高速度は7速ギヤの391.8km(5400rpmでは358.6km/h)となります。この速度は空気抵抗、パワー不足、スピードリミッターなどネガティブ要素の一切を無視して、単にギヤ比とエンジン回転数、タイヤサイズだけで計算した速度です。

おまけ:5400rpmでシフトアップする場合の各ギヤ速度

5400rpmでの速度と
シフトアップ後の回転数
ギヤ速度回転数
1速ギヤ60km/h
2速ギヤ91km/h3530rpm
3速ギヤ136km/h3630rpm
4速ギヤ191km/h3840rpm
5速ギヤ261km/h3950rpm
6速ギヤ318km/h4430rpm
7速ギヤ359km/h4800rpm

231474型SLクラスに搭載されたM279型5980ccエンジンのレブリミットを、最高出力が発生する5400rpmとしてシフトアップするときの速度をシミュレートしてみます。

まず1速ギヤで5400rpmまで引っ張ると60km/hまで加速し、2速ギヤにシフトアップすると回転数は5400rpmから3530rpmまで落ち、そこから5400rpmまで加速を続けると速度は91km/h(+31km/h)になります。

3速ギヤでは3630rpmまで落ちて5400rpmで136km/h(+45km/h)に、4速ギヤでは3840rpmまで落ちて5400rpmで191km/h(+55km/h)に、5速ギヤでは3950rpmまで落ちて5400rpmで261km/h(+70km/h)になります。

続いて6速ギヤでは4430rpmまで落ちて5400rpmで318km/h(+57km/h)に、7速ギヤでは4800rpmまで落ちて5400rpmで359km/h(+41km/h)という具合に加速していくイメージです。

タイヤの最大駆動力にある数値は、エンジンが2300-4300回転で最大トルク102.0kgmを発生しているとき、各々のギヤを介したのち実際にタイヤへと伝えられるトルクで、この数値が大きいほどタイヤを回そうとする力が大きく、より力強い加速をすることができます。

この数値を大きくするにはギヤ比を低く(加速重視・ローギヤード)する、タイヤを小径化する、エンジンの最大トルクを大きくするという方法があります。逆にギヤ比を高く(最高速重視・ハイギヤード)したり、タイヤを大径化したり、デチューンして非力にすると駆動トルクは小さくなって加速が鈍ります。

さて、世の中にはパワーウェイトレシオ(1馬力が担う重量・PWR)に似ているようで少し違うトルクウェイトレシオ(1kgmが担う重量・TWR)という指標があります。単純に車両重量を最大トルクで割れば18.5kg/kgmですから、パワーウェイトレシオ(3.00kg/ps)に比べると霞んで見えます。

しかしトルクはギヤを介することで増幅され、たとえば1速ギヤの場合ですと3480.9kgmになります。これを踏まえて改めて車両重量(1890kg)を1速ギヤの最大駆動力(3480.9kgm)で割ってみると0.54kg/kgmとなり、今度は逆にPWRが霞んで見えるような数値が出てきます。最高出力が発生する5400回転でのトルク(83.6kgm)からTWRを算出すると0.66kg/kgmとなり、2300-5400回転の回転域では0.54-0.66kg/kgmの間で推移することがわかります。

ある速度における各ギヤでの回転数

ギヤ 40
km/h
60
km/h
80
km/h
100
km/h
120
km/h
140
km/h
180
km/h
1速 3620 5430 7240 9050 10860 12670 16300
2速 2370 3550 4730 5910 7100 8280 10640
3速 1590 2380 3180 3970 4770 5560 7150
4速 1130 1700 2260 2830 3400 3960 5090
5速 830 1240 1650 2070 2480 2900 3720
6速 680 1020 1360 1700 2040 2370 3050
7速 600 900 1200 1510 1810 2110 2710
※赤い数字は暫定レブリミット(5900rpm)を上回るもの。

この項目では各々のギヤと速度を基準として、任意のギヤを選択中に時速40km~180kmにて走行するとき、エンジンの回転数がどのくらいになるのかを一覧表にしてみました。この車の場合、最も高いギヤ(0.728)を選択して時速100kmにて走行すると1510回転まで回ります。

ちなみに、一般道の速い流れやバイパスでよくある60km/hでは900回転、対面通行の高速道路での制限速度70km/hでは1050回転、一般的な高速道路の80km/hでは1200回転、100km/hでは1510回転、制限速度が120km/hになると1810回転になります。小型・普通乗用車の速度リミッターが働く180km/hでは2710回転まで回ります。

これほどまでに時速100kmでの巡航回転数が低ければ、(パワーさえ足りていれば)高速道路では向かうところ敵なしです。エンジンノイズによる疲れとは無縁の世界、ただひたすらに回り続けるエンジンのなんと頼もしいことでしょう。これに合わせてタイヤのロードノイズ、風きり音すらも完璧に抑え込まれていたならば、これはもはや完全無欠の高級車です。

ある回転数における各ギヤでの速度

ギヤ 1000
rpm
2000
rpm
3000
rpm
4000
rpm
5000
rpm
6000
rpm
7000
rpm
8000
rpm
1速 11 22 33 44 55 66 77 88
2速 17 34 51 68 85 101 118 135
3速 25 50 76 101 126 151 176 201
4速 35 71 106 141 177 212 247 283
5速 48 97 145 193 242 290 338 387
6速 59 118 177 236 295 354 413 472
7速 66 133 199 266 332 398 465 531

この項目では各々のギヤとエンジンの回転数を基準として、任意のギヤを選択中にエンジンを1000回転刻みで8000回転まで回したとき、それぞれのギヤでどのくらいの速度が出ているのかを一覧表にしてみました。暫定レブリミット(5900回転)よりも回転数が高くなる欄の速度については赤文字で表記してあります。


純正装着タイヤの285/30R20と互換可能な車検対応サイズ|簡易版

下の表では純正サイズを基準としてタイヤ幅を-20mmから+20mm、扁平率を-5%から+5%まで変化させたときのスピードメータ誤差が、マイナス方向を水色、-5.0%から+2.0%までを緑色、+6.0%までを橙色に着色しています。

※ここではタイヤの直径(外径)のみを基準としています。タイヤの幅を広くしすぎてサスペンションと干渉したり、はみ出てしまって車検に通らないからとフェンダーを叩いたり引っ張ったりキャンバーを付けたりで四苦八苦、ホイール幅が狭すぎてなんかイマイチ…という事例もありますので、ホイールのオフセットとリム幅にはご注意ください。

純正タイヤ 285/30R20 | 直径 679mm

-20mm
幅265mm
-10mm
幅275mm
変更なし
幅285mm
+10mm
幅295mm
+20mm
幅305mm
-5%
25
扁平
265/25R20
37.8km/h
直径641mm
径差-38mm
275/25R20
38.1km/h
直径646mm
径差-33mm
285/25R20
38.4km/h
直径651mm
径差-28mm
295/25R20
38.6km/h
直径656mm
径差-23mm
305/25R20
38.9km/h
直径661mm
径差-18mm
0%
30
扁平
265/30R20
39.3km/h
直径667mm
径差-12mm
275/30R20
39.6km/h
直径673mm
径差-6mm
285/30R20
40.0km/h
679mm
0mm
295/30R20
40.4km/h
直径685mm
径差+6mm
305/30R20
40.7km/h
直径691mm
径差+12mm
+5%
35
扁平
265/35R20
40.9km/h
直径694mm
径差+15mm
275/35R20
41.3km/h
直径701mm
径差+22mm
285/35R20
41.7km/h
直径708mm
径差+29mm
295/35R20
42.1km/h
直径715mm
径差+36mm
305/35R20
42.5km/h
直径722mm
径差+43mm
+10%
40
扁平
265/40R20
42.4km/h
直径720mm
径差+41mm
275/40R20
42.9km/h
直径728mm
径差+49mm
285/40R20
43.4km/h
直径736mm
径差+57mm
295/40R20
43.8km/h
直径744mm
径差+65mm
305/40R20
44.3km/h
直径752mm
径差+73mm

もし上記表の中から車検に安心なタイヤを選ぶのであれば、メーター誤差が-5.0%から0%の間にあって車高への影響も少ない 、265/30R20 、275/25R20、275/30R20 、285/25R20 、295/25R20 、305/25R20あたりのタイヤがおすすめです。

285/30R20のタイヤ幅を265mmから315mmまで、扁平率を15%から45%までの範囲に拡大した適合タイヤの一覧表および、100km/h回転数、加速力と最高速の変化、走行距離計の誤差による実燃費とのズレについては、285/30R20の適応サイズと性能の変化 [231474型SLクラス編]のページをご覧ください。

純正のホイールサイズから大径化したり、幅の広いタイヤ、扁平率の低いタイヤに交換しようとするとタイヤ代が高くなる傾向にありますので、少しでも維持費を抑えたい、今はお財布の中身が心許ないといった際にはオートウェイのタイヤ通販をご検討くださいませ。


231474型SLクラス[6.0L-TT FR/7AT]の得点(簡易版)

ここではこのページを締めくくる集大成として、パワーウェイトレシオや1速ギヤでの加速性能、排気量1Lあたりの出力、ホイールベーストレッド比からなるスポーツ性能部門と、時速100kmでの巡航回転数、燃費、車体の大きさ、室内の広さからなるユーティリティ部門とに大別し、このサイトで登録している全車種の平均値から偏差値を求めて優劣を調べてみたいと思います。

スポーツ性能部門
評価項目数値得点
パワーウェイト3.00kg/ps68.68
1速ギヤ加速性能0.54kg/kgm73.86
1L換算馬力105.4ps/L52.14
1L換算トルク17.06kgm/L56.25
WB/TR比1.6067.92
ワイド&ロー指数0.69963.36
前面の面積2.456m²53.59
最低地上高43.35
スポーツ性能部門の得点479.15

※ここではパワーウェイトレシオ・1速ギヤ加速性能・ホイールベーストレッド比・ワイド&ロー指数・前面の面積については数値が小さいほど高得点。リッター換算馬力・換算トルクについては数値が大きいほど高得点としています。


ユーティリティ部門
評価項目数値得点
燃費41.55
年間維持費525130円31.88
100kmh回転数1510rpm64.52
航続距離25.34
車の大きさ11.409m³50.48
室内の広さ1.835m³33.98
最小回転半径5.5m42.98
馬力単価48413円12.14
ユーティリティ部門の得点302.87

※ここでは燃費・航続距離・車の大きさ・室内の広さは数値が大きいほど高得点、年間維持費・100km/h回転数・最小回転半径・馬力単価は数値が小さいほど高得点としています。

スポーツ性能部門およびユーティリティ部門の得点を合計した 231474型SLクラス[6.0L-TT FR/7AT] の総合得点は 782.02 点です。獲得点数が多い車種から順番に並べた 総合得点ランキング を用意してありますので、よろしければご覧ください。

上記リンク先では、今回このページで紹介した231474型SLクラス(FR/7AT) の各種スペックを、「全ての車種」、「全てのオープンカー」、「のオープンカー」という属性で評価したとき、それぞれの項目が相対的にどのくらい優れているか、劣っているかを調べてみました。基準が変わると手のひらを返したように評価も変わる様子をご堪能ください。投稿日:2013/08/11|更新日:2018/02/09


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