マツダ MPVの性能まとめ [LY3P型|2.3L/245PS|FF/6AT|2009年] 23T


 画像はマツダ株式会社より引用
 http://www.mazda.co.jp/

マツダ株式会社の5ドア・8人乗りミニバン、LY3P型の3代目MPVは2006/02から生産(または販売)が開始されました。ここでは2009/07モデルにある[23T]というグレードのカタログスペックを基に、数値から見た性能をインプレおよび評価・解説してみます。

ボディサイズが全長4860mm×全幅1850mm×全高1685mm、排気量は2260ccであることから、大雑把に分類すると2.3リットルクラス(2300cc、自動車税は2.5L以下を適用)に属し、全長、全幅、排気量ともに5ナンバー枠を超えていることにより完全無欠の3ナンバー登録車です。いわゆる【高級車】にカテゴライズされます。

ちなみに、車体形状や用途に関係なく全長のみを基準とした分類方法で各セグメントに当てはめると、全長が4860mmであるこの車の場合は「アッパーミディアム」(Upper-Medium 4650mm超-4900mm以下 Eセグメント相当)に属します。※国や時代によって基準は異なります

エンジンを車体の前方に搭載し、前輪のみを駆動する、いわゆるFF方式(フロントエンジン-フロントドライブ)を採用しています。この方式はエンジンと駆動系(ミッション、デフ等)の収納がエンジンルーム内で完結するので軽量コンパクトかつ低コスト化が実現でき、室内を広く作りやすい(エンジンが横置きの場合)ほか、後輪駆動車に比べて直進安定性に優れることが主な特長です。

LY3P型 MPV [2260cc/245PS FF/6AT] お品書き

ページが長大でどうにもならないため、ページ下部の項目にジャンプできるようなものを作りました。

エンジン性能と特性、パワーウェイトレシオ

ギヤ比と加速力&エンジン回転数と最高速

タイヤサイズ変更とスピードメーター誤差

各種スペックの相対評価とレーダーチャート

3代目MPVの類型&他グレード

  • 吸気方式のNAは自然吸気、TBはターボ、SCはスーパーチャージャー、TSはTB+SCの略
  • ※燃費の文字が赤色のものはレギュラーガソリン、青色のものはハイオクガソリン、緑色のものは軽油を燃料とするエンジンを搭載した車種
画像排気量
車両価格
車両型式
グレード
出力
燃費
2.3L-TB
4WD/6AT
360.0万円
LY3P型
[23T L-Package]
(2009/07)
245PS
35.7kgm
9.4km/L
2.3L-NA
FF/5AT
270.0万円
LY3P型
[23S]
(2010/07)
163PS
20.7kgm
11.0km/L
2.3L-NA
4WD/6AT
336.0万円
LY3P型
[23S L-Package]
(2010/07)
163PS
20.7kgm
10.0km/L

主要諸元とエンジン諸元

主要諸元
メーカー MAZDA
車名&
グレード
MPV
23T
その他
お値段 2900000円
車両型式 DBA-LY3P
駆動&
変速機
FF(FWD,2WD,前輪駆動)&
6AT(6速AT,6段AT)
ドア数&
定員
5ドア
8人
車体寸法 長4860×幅1850×高1685mm
室内寸法 長2635×幅1565×高1210mm
軸距&
輪距
2950mm
前1610mm/後1605mm
最小半径 5.7m
最低高 155mm
タイヤ 前215/55R18 後215/55R18
ブレーキ 前ベンチレーテッドディスク
後ベンチレーテッドディスク
車両重量 1820kg
エンジン諸元
原動機型式 L3-VDT
気筒配列 直列4気筒
排気量 2260cc
圧縮比 9.5
吸気方式 ターボ
最高出力 245PS(180kW 242HP)/5000rpm
最大トルク 35.7kgm(350Nm)/2500rpm
使用燃料 ハイオクガソリン
10・15燃費 10.2km/L (24.0mpg)
100km燃費 9.8L/100km
※直列4気筒とは‥シリンダを真っ直ぐ一列に4個配置する方式。小排気量から2.5Lあたりまでをカバー。
L3-VDT型エンジンの諸元と性能まとめ
※直列4気筒の最高出力ランキング

税金と年間維持費のシミュレーション

ここでは、春になると毎年欠かさず支払いを催促される自動車税(45000円)、払わなければ車検を受けさせてもらえない自動車重量税(16400円/年)と自賠責保険料(13920円/年)、年間1万km走行した際に掛かる燃料代月額6000円の任意保険に加入し、走行5000km毎にエンジンオイル交換、3年3万km毎にタイヤ交換するとしたときの年間維持費(ランニングコスト)を見てみます。

さらに、MPVの新車を333.5万円(諸費用として43.5万円を加算)にて購入し、頭金なしで5年ローンを組んだと仮定したときの年間支払額(金利分は含まず)も踏まえて、上記の維持費と合算した場合の想定維持費も計算してみました。

  • ローンの年数については月額5万円の支払いを基準として、ローンの支払額が60万円以下は1年、120万円以下は2年、180万円以下は3年、240万円以上は4年、それ以上は5年としています。
  • 任意保険の金額については特に根拠のない一例です。具体的な掛け金は運転者の年齢や家族構成、年間走行距離、保険内容、車両保険の有無等によって大きく異なります。
  • 保険スクエアbang!では最大20社より自動車保険料の比較・検討が可能です。

新車で買った場合の年間維持費

名目 区分 金額
自動車税(1年分) 2500cc以下 13年未満 45000円
自動車重量税(1年分) 2.0トン以下 13年未満 16400
自賠責保険料(1年分) 自家用乗用車 13920円
燃料代(年間1万km) 10000km÷8.2km/L×160円/L 195120円
オイル交換(5000km毎) 1回6000円×2回 12000円
タイヤ交換(3年3万km毎) 1本18000円×4本÷3年 24000円
任意保険料(月額6000円) 月額6000円×12ヶ月 72000円
ローン完済後の年間維持費 378440円
名目 区分 金額
車のローン額(1年分) 月額55580円×12ヶ月 666960円
ローン返済中の年間維持費 1045400円
次回車検費用の積み立て目安
重量税2年分+自賠責24ヶ月分+検査手数料等3000円程度 63640円
  • 平成25年4月1日からの自賠責保険料の改定に対応。
  • 平成27年4月1日からの自動車税の割増(10%増→15%増)に対応。
  • 平成28年4月1日からの自動車重量税の変更に対応、
    ただし今流行のエコカー減税(自動車税、自動車重量税等の減免)には対応できていません。
  • 燃料消費率が緑文字のものはWLTCモード燃費、青文字のものはJC08モード燃費、赤文字のものは10・15モード燃費に0.8を掛けたもの。
  • 車検時には上記の目安金額63,640円の他に法定24ヶ月点検に関連する費用が必要です。
  • 名目にある金額の基準は、年間維持費の算出基準まとめ をご覧ください。

年間の維持費が60万円前後では曖昧だった貧民と平民の線引きがこの辺りから明確になってきます。月換算で3~4万円、年間では36~48万円クラスとなると、それなりの収入が継続的に見込めないと手を出せないクラスです。この車の場合は月単位で換算すると31,537円(完済前は87,117円)になります。金銭的にシビアな人からは「車なんてどれもタイヤが4つあるだけなのに、なんでこんなにお金の掛かる車に乗ってるんだ…修行か…」と奇異の目で見られていることでしょう。でも憧れちゃいます。

1km走行コストと月間&年間交通費

距離/日費用/日月換算年換算
10km160円3500円4.2万円
20km310円6800円8.1万円
30km470円10300円12.2万円
50km780円17200円20.3万円
100km1570円34500円40.8万円

さて、ハイオクガソリン1リットルの燃料価格を160円、燃費を10.2km/Lとしたとき、1km走行あたりのコストは15.69円になります。

たとえばこの車を通勤車とした場合、1日の走行距離が10kmなら燃料代は160円/日となり、20km走行なら310円/日、30km走行なら470円/日、50km走行なら780円/日、100km走行なら1570円/日かかる計算です。

1か月の労働日数を22日として計算すると、通勤距離が10kmなら月間の走行距離は220kmで燃料代は3500円/月、20kmなら440kmで6800円/月、30kmなら660kmで10300円/月、50kmなら1100kmで17200円/月、100kmなら2200kmで34500円/月かかります。

1年間の労働日数を260日とすると、通勤距離が10kmなら年間の走行距離は2600kmで燃料代は4.2万円/年、20kmなら5200kmで8.1万円/年、30kmなら7800kmで12.2万円/年、50kmなら13000kmで20.3万円/年、100kmなら26000kmで40.8万円/年となります。

1年間のランニングコスト(年間維持費) ランキング
新車の小型&普通車2500cc以下のターボ/SC マツダ編(普)7人乗りミニバン限定


カタログスペックから見えてくる要素

L3-VDT型エンジン簡易性能曲線図
L3-VDT型エンジン性能曲線図もどき
各回転域での馬力
2500回転時の馬力 125PS
5000回転時の馬力 245PS
各回転域でのトルク
2500回転時のトルク 35.7kgm
5000回転時のトルク 35.1kgm
L3-VDT型エンジンの諸元と性能まとめ

まずおさらいとして、搭載しているL3型2260cc、直列4気筒のターボエンジンは5000回転時に最高出力245馬力を、2500回転時に最大トルク35.7kgmを発生します。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力が計算できますので、それぞれの点と点とを線で繋いでパワーカーブとトルクカーブのエンジン性能曲線図もどきを作ってみました。

トルクの山が中央より左にあるか右にあるかを基準にしてエンジン特性を探ってみますと、低めの回転数から中間域にトルクのピークがあるこのエンジンは、街中での普段使いに心地よく、高回転もそれなりでバランスの取れたタイプです。多くの乗用車がこの特性に当て嵌まるのではないかと思います。

※実際のところは車両重量やギヤ比、排気量に対する気筒数の多少によって印象が異なってくると思います。

ちなみに、エンジンのパワーバンドを「最大トルクが発生する2500rpmから最高出力が発生する5000rpmまで」の2500rpmとしたときの、最高回転数に対するパワーバンドの割合は50.0%となります。※右記(下記?)簡易性能曲線図オレンジ色の帯域

さて、車の速さを知るための指標としてよく使われる パワーウェイトレシオ7.43kg/PS(1820kg/245PS)となっていますが、巷でよく見るであろうこの数値の多くはドライバーが乗った状態でのものではなく、あくまでも車両重量と最高出力のみで計算したものです。

車重と搭乗者とPWR
車体のみ7.43kg/PS
車体+1人7.65kg/PS
車体+8人9.22kg/PS
お腹と車重とPWR
車体+60kg7.67kg/PS
車体+70kg7.71kg/PS
車体+80kg7.76kg/PS
車体+90kg7.80kg/PS
車体+100kg7.84kg/PS

というわけで、車両総重量の求め方に倣い人間の体重55kgを加えて計算し直してみますと、ドライバーのみが搭乗したときのパワーウェイトレシオは7.65kg/PS(1875kg/245PS)となり、数値としては0.22kgほど悪化します。

次に乗車定員いっぱいの8人が搭乗した場合、車両重量に440kgがプラスされてパワーウェイトレシオは9.22kg/PS(2260kg/245PS)となり、1.79kgも悪化することになります。

もともとが重量級の車であれば、人が少々乗ったところで体重の占める割合が小さいことから変化も小さいですが、軽量級の車ではお腹まわりのお肉が大きな影響力を持つことがわかります。

いろいろな数値
WB/TR比 1.84
平均ピストンスピード 15.7m/s
トルクウェイトレシオ 51.0kg/kgm
1馬力あたりのお値段 11837円
排気量1Lあたり馬力 108.4PS/L
排気量1Lあたりトルク 15.80kgm/L
1気筒あたりの馬力 61.2PS
1気筒あたりのトルク 8.9kgm
パワーバンド比率 50.0%
各種ランキング
7人乗りミニバン、1BOXのP/Wレシオ
2.0~2.5L以下のP/Wレシオ(ターボ)

トルクウェイトレシオは51.0kg/kgm(1820kg/35.7kgm)なのですが、トルクについてはギヤ比でどうにでもなりますので、ここでの大小はあまり重要ではありません。(詳しくはギヤ比編にて)

ついでに馬力単価を計算してみると、お値段が2900000円、最高出力が245馬力であるこの車の場合、1馬力あたりのお値段は11837円、逆に1万円あたりでは0.84馬力を得ることができます。ついでのついででトルク1kgmあたりのお値段は81232円、1万円あたりでは0.12kgmとなります。

最高出力を排気量で割ったリッター換算馬力は108.4PS/L、トルクは15.80kgm/L、1気筒あたりの馬力は61.2馬力、トルクは8.9kgmとなり、このエンジンが245馬力を5000回転で発生させているときの平均ピストンスピードは15.7m/sです。
排気量1リットルあたりの馬力ランキング

ちなみに、ストローク量が94.0mmであるL3型エンジンの場合、平均ピストンスピードの上限を20.0m/sとしたときの高回転化の上限は6380回転です。設定されているレブリミットがこの回転数を超えている場合、長年に亘って平均ピストンスピードの目安とされてきた20.0m/sを超えてピストンが往復運動していることになります。レブリミットがこの回転数以下の場合は高回転化してパワーを引き出すチューニングの目安になるかもしれません。
平均ピストンスピードが速い車ランキング

この車のホイールベースを前後トレッドの平均で割って算出されるホイールベーストレッド比は1.84になります。全ての車種の平均値である1.77を基準にざっくりと分類すると、どちらかというと真っ直ぐ進むことを得意とする傾向にある車と言えそうです。
ホイールベーストレッド比が小さい車ランキング


速度と車両重量と運動エネルギー

「スピードを出して事故をすると大変なことになる…!」あるいは「重いとブレーキをかけてもなかなか止まらない…」と感覚的には知っていても、なぜ大変なことになるのか、なぜ止まらないのかは今ひとつピンと来なかったりします。

そこで取り出しましたのが運動エネルギーなるもので、これはある重量の物体がある速度で移動しているとき、どれだけのエネルギーを有しているのかを数値的に知ることができるという代物です。

というわけで、MPVの車両重量1820kgに1人ぶんの体重55kgを加えた1875kgと、8名フル乗車時の2260kgという2つの重量を用意して、40km/hから180km/hまでの速度域で運動エネルギーがどのように変化するのかを調べてみました。

速度1名乗車
1875kg
8名乗車
2260kg
40km/h116kJ140kJ+24kJ
60km/h260kJ314kJ+54kJ
80km/h463kJ558kJ+95kJ
100km/h723kJ872kJ+149kJ
120km/h1042kJ1256kJ+214kJ
140km/h1418kJ1709kJ+291kJ
180km/h2344kJ2825kJ+481kJ

たとえば1名乗車で40km/h走行しているときの運動エネルギーは116kJ、8名乗車では140kJとなり、その差は24kJ、倍率にすれば1.2倍ほどの増加でびっくりするほどではありません。

が、速度が倍の80km/hになると1名乗車でも463kJ、8名乗車では95kJ増加して558kJにもなり、重量から見れば1.2倍のままなれど、40km/hでの運動エネルギーと比べると4.0倍も増加しています。

これが180km/hになると1名乗車で2344kJ、8名乗車では481kJ増加して2825kJにもなり、80km/hと比べても5.1倍、40km/hと比べると20.2倍ものとんでもない運動エネルギーを有していることがわかります。

さて、速度が同じなら重いほうが運動エネルギーは大きくなることがわかりましたので、続いては運動エネルギーを723000Jとした場合に、重量の異なる自動車では時速何kmに相当するのかを調べてみます。

重量723kJ
速度
100キロ
[kJ]
600kg177km/h231kJ-492kJ
800kg153km/h309kJ-414kJ
1000kg137km/h386kJ-337kJ
1500kg112km/h579kJ-144kJ
1875kg100km/h723kJ
2500kg87km/h965kJ+242kJ
3000kg79km/h1157kJ+434kJ
※100km/h[kJ]は各重量の車両が100km/h走行しているときの運動エネルギー

ここでは車両重量+体重55kgの1875kgを基準として、600kg、800kg、1000kg、1500kg、2500kg、3000kgで計算してみました。

考えたくもないことですが、たとえば同じ100km/hで走行する相手と正面衝突する場合、相手が600kgであれば当たり負けすることはなく、その相手が177km/hのとき互角の勝負になります。

逆に相手が3000kgで重い場合、双方が100km/hでは当たり負けして弾き飛ばされますが、相手が79km/hであれば互いに引かぬ真っ向勝負に持ち込める、というような雰囲気です。

いずれにせよ超スピードで事故をすれば衝突安全ボディもなんのその、車は雲散霧消の勢いで大変なことになり、ブレーキローターとブレーキパッドが身を削り、身を粉にして車を止めようにも一筋縄ではいかないことがわかる…ような気がしてきます。


人間様の占有スペース

人間様の占有スペース
室内長×幅×高 5.0m³
1人あたりのスペース 約0.6m³
室内長/全長 54.2%
室内幅/全幅 84.6%
室内高/全高 71.8%
室内容積/車両体積 33.1%

ボディサイズと室内寸法のデータがあるので車両全体に対する人間様の占有スペースを計算してみます。ここでの比率はボンネットが長い車であったり乗車人数の少ない車であったり、バン(貨物車)のように人よりも積載容量を重視している車は小さくなります。

まず室内長、室内幅、室内高を掛けて算出される室内の容積は5.0m³です。この車の乗車定員は8人ですから、単純に室内の容積で割るとフル乗車した際には約0.6m³のスペースが割り当てられることになります。続いて室内長を全長で割って算出される室内長と全長の比率は54.2%、同じく室内幅と全幅の比率は84.6%、同じく室内高と全高の比率は71.8%となりました。また車の形状を無視して単なる立方体として見たときの車両の体積に対する室内の容積の比率は33.1%でした。

室内の広さ・長さランキング
室内長が長い車室内幅が広い車室内高が高い車車内の空間が広い車


車中泊の可能性

車中泊の可能性
期待される荷室の長さ 1.70m
期待される荷室の幅 1.47m
対角線の長さ 2.25m
期待される荷室の面積 2.50m²

ここでは全長の35%を【期待される荷室の長さ】、室内幅から100mm(不明の場合は全幅から400mm)引いたものを【期待される荷室の幅】とし、それらを掛け合わせて【期待される荷室の面積】、「縦の長さが厳しいなら斜めに寝れば良いじゃない!」ということで、おまけ要素として【対角線の長さ】も計算してみました。

縦方向の長さが1.70m(対角線では2.25m)などという破格のクラスになると、これはもう四の五の言わず車に住むべきです。これだけの車を所持できる素養は持ち得ているのですから、細かいことは気にせずあらゆる支配からの卒業を宣言し、信じられぬ大人との争いに終止符を打ちましょう。

多くのミニバンや1BOXは室内長の寸法が大きいことから車中泊への期待が高まりますが、2列目、3列目シートの収納がイマイチの場合は車中泊の難易度がセダンよりも跳ね上がりかねません。その場合はシートを前ではなく後に倒してのフルフラットの可否が鍵を握ります。車中泊にあると嬉しいアイテム


燃料タンクと燃費と航続距離と

燃料タンクと燃費と航続距離と
10・15モード燃費 10.2km/L
燃料タンク容量 68L
航続距離(カタログ燃費) 693.6km
航続距離(80%燃費) 557.6km
満タンプライス 10880円
1万円でどこまで行ける? 637.5km
車両価格/航続距離 4181円/km

10・15モード燃費が10.2km/Lですので、燃料タンクの容量が68リットルですと航続可能距離は693.6kmになります。(カタログ燃費通りに走行できた場合)

実際にはそうもいきませんから、オイル交換やタイヤ空気圧の管理といった定期メンテナンスを確実に実施した上での実燃費をカタログ燃費の90%(9.2km/L)とすると625.6km、80%(8.2km/L)だと557.6km、70%(7.1km/L)では482.8kmという航続距離になります。

燃料タンクに1滴の燃料もないスッカラカンの状態から満タンにしたときの金額を計算してみますと、ハイオクガソリン68リットルの給油で10880円、上で計算した航続距離を踏まえると693.6km(80%燃費時557.6km)を走行するのに10880円かかる計算です。

ついでに1万円の燃料代でどこまで行けるかも計算してみますと、カタログ通りの燃費で走行できれば637.5km(往復なら片道318.8km)、カタログ値の80%なら510.0km(片道255.0km)離れたところまで行くことができます。

ちなみに、1回の給油で693.6kmの距離を移動できるLY3P型 MPV [23T]という乗り物を、290.0万円で手に入れたと考えたとき、この車が1km走行するにあたっては「4181円の値打ちがある!」と言える、かもしれません。


ギヤ比と回転数と速度と駆動トルクとトルクウェイトレシオのステキな関係

続いてギヤ比を見てみます。あるギヤで走行中にエンジン(正確にはクランクシャフト)をレブリミットまで回したときの速度と、レブリミットでシフトアップした後の回転数を計算するためには、何回転で回転リミッターが働くのかを知らねばなりません。

しかし具体的な数値を知るにはECU(エンジン・コントロール・ユニット)にあるデータを参照しなければならなかったりで実現は厳しく、ならばとレッドゾーンが始まる回転数から推測しようにも、最近ではタコメータが装着されていない車両が多くあって心が折れます。

ピークパワーが発生する回転数(この車の場合5000rpm)から必要以上に回してもあまり意味はないのでそれを上限としても良いのですが、気分よく運転しているときは往々にして回しすぎるのが常ですから、ここでは500回転をプラスした5500回転を仮のレブリミットとして計算してみます。

暫定レブ 5500rpm|タイヤサイズ 215/55R18|タイヤ直径 69.4cm|円周長 218.0cm
ギヤ ギヤ比 総減速比 ステップ比 シフトアップ
後の回転数
5500rpm
の速度
100kmh
の回転数
タイヤの
最大駆動力
1速 4.148 14.37 50.1kmh 10990rpm 1478.3kgm
2速 2.370 8.210 0.571 1-2/3140rpm 87.6kmh 6280rpm 844.6kgm
3速 1.555 5.387 0.656 2-3/3610rpm 133.6kmh 4120rpm 554.2kgm
4速 1.154 3.997 0.742 3-4/4080rpm 180.0kmh 3060rpm 411.3kgm
5速 0.859 2.976 0.744 4-5/4090rpm 241.8kmh 2270rpm 306.1kgm
6速 0.685 2.373 0.797 5-6/4380rpm 303.2kmh 1810rpm 244.1kgm
Final 3.464 レシオカバレッジ(変速比幅)6.055
ギヤの繋がりイメージ
LY3P型MPV6AT車のギヤ比イメージ
  • ステップ比(歯車比)とは隣接したギヤ同士の離れ具合を示した数値で、1.000に近いほどシフト操作後の回転数の変化が小さく(ギヤ同士の繋がりが良い)、離れるほど変化が大きく(繋がりが悪い)なることを表します。
    シフトアップでは現在の回転数にステップ比を乗じた回転数まで下がり、シフトダウンでは現在の回転数にステップ比を除した回転数まで上がります。
    赤い数字はシフトアップ後にパワーバンドの下限(最大トルク発生回転数2500rpm)を下回るもの。
  • 時速100kmでの回転数は100km/h÷60÷タイヤ円周長×各ギヤ比×ファイナルギヤ比(3.464)で算出。
  • タイヤの最大駆動力は最大トルク(35.7kgm)×各ギヤ比×ファイナルギヤ比(3.464)÷タイヤの有効半径(0.347m)で算出。
    ただし、ATおよびCVTにあるトルクコンバーターでのトルク増幅効果は考慮できていません。

本来のレブリミットとは異なるので最高速の数値は前後しますが、上記の設定での最高速度は6速ギヤの303.2km(5000rpmでは275.6km/h)となります。この速度は空気抵抗、パワー不足、スピードリミッターなどネガティブ要素の一切を無視して、単にギヤ比とエンジン回転数、タイヤサイズだけで計算した速度です。

おまけ:5000rpmでシフトアップする場合の各ギヤ速度

5000rpmでの速度と
シフトアップ後の回転数
ギヤ速度回転数
1速ギヤ46km/h
2速ギヤ80km/h2860rpm
3速ギヤ121km/h3280rpm
4速ギヤ164km/h3710rpm
5速ギヤ220km/h3720rpm
6速ギヤ276km/h3990rpm

LY3P型MPVに搭載されたL3型2260ccエンジンのレブリミットを、最高出力が発生する5000rpmとしてシフトアップするときの速度をシミュレートしてみます。

まず1速ギヤで5000rpmまで引っ張ると46km/hまで加速し、2速ギヤにシフトアップすると回転数は5000rpmから2860rpmまで落ち、そこから5000rpmまで加速を続けると速度は80km/h(+34km/h)になります。

3速ギヤでは3280rpmまで落ちて5000rpmで121km/h(+41km/h)に、4速ギヤでは3710rpmまで落ちて5000rpmで164km/h(+43km/h)になります。

続いて5速ギヤでは3720rpmまで落ちて5000rpmで220km/h(+56km/h)に、6速ギヤでは3990rpmまで落ちて5000rpmで276km/h(+56km/h)という具合に加速していくイメージです。

タイヤの最大駆動力にある数値は、エンジンが2500回転で最大トルク35.7kgmを発生しているとき、各々のギヤを介したのち実際にタイヤへと伝えられるトルクで、この数値が大きいほどタイヤを回そうとする力が大きく、より力強い加速をすることができます。

この数値を大きくするにはギヤ比を低く(加速重視・ローギヤード)する、タイヤを小径化する、エンジンの最大トルクを大きくするという方法があります。逆にギヤ比を高く(最高速重視・ハイギヤード)したり、タイヤを大径化したり、デチューンして非力にすると駆動トルクは小さくなって加速が鈍ります。

さて、世の中にはパワーウェイトレシオ(1馬力が担う重量・PWR)に似ているようで少し違うトルクウェイトレシオ(1kgmが担う重量・TWR)という指標があります。単純に車両重量を最大トルクで割れば51.0kg/kgmですから、パワーウェイトレシオ(7.43kg/ps)に比べると霞んで見えます。

しかしトルクはギヤを介することで増幅され、たとえば1速ギヤの場合ですと1478.3kgmになります。これを踏まえて改めて車両重量(1820kg)を1速ギヤの最大駆動力(1478.3kgm)で割ってみると1.23kg/kgmとなり、今度は逆にPWRが霞んで見えるような数値が出てきます。最高出力が発生する5000回転でのトルク(35.1kgm)からTWRを算出すると1.25kg/kgmとなり、2500-5000回転の回転域では1.23-1.25kg/kgmの間で推移することがわかります。

ある速度における各ギヤでの回転数

ギヤ 40
km/h
60
km/h
80
km/h
100
km/h
120
km/h
140
km/h
180
km/h
1速 4390 6590 8790 10990 13180 15380 19770
2速 2510 3770 5020 6280 7530 8790 11300
3速 1650 2470 3290 4120 4940 5770 7410
4速 1220 1830 2440 3060 3670 4280 5500
5速 910 1360 1820 2270 2730 3180 4090
6速 730 1090 1450 1810 2180 2540 3270
※赤い数字は暫定レブリミット(5500rpm)を上回るもの。

この項目では各々のギヤと速度を基準として、任意のギヤを選択中に時速40km~180kmにて走行するとき、エンジンの回転数がどのくらいになるのかを一覧表にしてみました。この車の場合、最も高いギヤ(0.685)を選択して時速100kmにて走行すると1810回転まで回ります。

ちなみに、一般道の速い流れやバイパスでよくある60km/hでは1090回転、対面通行の高速道路での制限速度70km/hでは1270回転、一般的な高速道路の80km/hでは1450回転、100km/hでは1810回転、制限速度が120km/hになると2180回転になります。小型・普通乗用車の速度リミッターが働く180km/hでは3270回転まで回ります。

これほどまでに時速100kmでの巡航回転数が低ければ、(パワーさえ足りていれば)高速道路では向かうところ敵なしです。エンジンノイズによる疲れとは無縁の世界、ただひたすらに回り続けるエンジンのなんと頼もしいことでしょう。これに合わせてタイヤのロードノイズ、風きり音すらも完璧に抑え込まれていたならば、これはもはや完全無欠の高級車です。

ある回転数における各ギヤでの速度

ギヤ 1000
rpm
2000
rpm
3000
rpm
4000
rpm
5000
rpm
6000
rpm
7000
rpm
8000
rpm
1速 9 18 27 36 46 55 64 73
2速 16 32 48 64 80 96 112 127
3速 24 49 73 97 121 146 170 194
4速 33 65 98 131 164 196 229 262
5速 44 88 132 176 220 264 308 352
6速 55 110 165 220 276 331 386 441

この項目では各々のギヤとエンジンの回転数を基準として、任意のギヤを選択中にエンジンを1000回転刻みで8000回転まで回したとき、それぞれのギヤでどのくらいの速度が出ているのかを一覧表にしてみました。暫定レブリミット(5500回転)よりも回転数が高くなる欄の速度については赤文字で表記してあります。


純正装着タイヤの215/55R18と互換可能な車検対応サイズ|簡易版

下の表では純正サイズを基準としてタイヤ幅を-20mmから+20mm、扁平率を-5%から+5%まで変化させたときのスピードメータ誤差が、マイナス方向を水色、-5.0%から+2.0%までを緑色、+6.0%までを橙色に着色しています。

※ここではタイヤの直径(外径)のみを基準としています。タイヤの幅を広くしすぎてサスペンションと干渉したり、はみ出てしまって車検に通らないからとフェンダーを叩いたり引っ張ったりキャンバーを付けたりで四苦八苦、ホイール幅が狭すぎてなんかイマイチ…という事例もありますので、ホイールのオフセットとリム幅にはご注意ください。

純正タイヤ 215/55R18 | 直径 694mm

-20mm
幅195mm
-10mm
幅205mm
変更なし
幅215mm
+10mm
幅225mm
+20mm
幅235mm
-5%
50
扁平
195/50R18
37.6km/h
直径652mm
径差-42mm
205/50R18
38.2km/h
直径662mm
径差-32mm
215/50R18
38.7km/h
直径672mm
径差-22mm
225/50R18
39.3km/h
直径682mm
径差-12mm
235/50R18
39.9km/h
直径692mm
径差-2mm
0%
55
扁平
195/55R18
38.7km/h
直径672mm
径差-22mm
205/55R18
39.4km/h
直径683mm
径差-11mm
215/55R18
40.0km/h
694mm
0mm
225/55R18
40.6km/h
直径705mm
径差+11mm
235/55R18
41.3km/h
直径716mm
径差+22mm
+5%
60
扁平
195/60R18
39.8km/h
直径691mm
径差-3mm
205/60R18
40.5km/h
直径703mm
径差+9mm
215/60R18
41.2km/h
直径715mm
径差+21mm
225/60R18
41.9km/h
直径727mm
径差+33mm
235/60R18
42.6km/h
直径739mm
径差+45mm
+10%
65
扁平
195/65R18
41.0km/h
直径711mm
径差+17mm
205/65R18
41.7km/h
直径724mm
径差+30mm
215/65R18
42.5km/h
直径737mm
径差+43mm
225/65R18
43.2km/h
直径750mm
径差+56mm
235/65R18
44.0km/h
直径763mm
径差+69mm

もし上記表の中から車検に安心なタイヤを選ぶのであれば、メーター誤差が-5.0%から0%の間にあって車高への影響も少ない 、195/55R18、195/60R18 、205/50R18、205/55R18 、215/50R18 、225/50R18 、235/50R18あたりのタイヤがおすすめです。

215/55R18のタイヤ幅を195mmから245mmまで、扁平率を40%から70%までの範囲に拡大した適合タイヤの一覧表および、100km/h回転数、加速力と最高速の変化、走行距離計の誤差による実燃費とのズレについては、215/55R18の適応サイズと性能の変化 [LY3P型MPV編]のページをご覧ください。

純正のホイールサイズから大径化したり、幅の広いタイヤ、扁平率の低いタイヤに交換しようとするとタイヤ代が高くなる傾向にありますので、少しでも維持費を抑えたい、今はお財布の中身が心許ないといった際にはオートウェイのタイヤ通販をご検討くださいませ。


LY3P型MPV[2.3Lターボ FF/6AT]の得点(簡易版)

ここではこのページを締めくくる集大成として、パワーウェイトレシオや1速ギヤでの加速性能、排気量1Lあたりの出力、ホイールベーストレッド比からなるスポーツ性能部門と、時速100kmでの巡航回転数、燃費、車体の大きさ、室内の広さからなるユーティリティ部門とに大別し、このサイトで登録している全車種の平均値から偏差値を求めて優劣を調べてみたいと思います。

スポーツ性能部門
評価項目数値得点
パワーウェイト7.43kg/ps55.99
1速ギヤ加速性能1.23kg/kgm58.18
1L換算馬力108.4ps/L53.34
1L換算トルク15.80kgm/L51.88
WB/TR比1.8442.92
ワイド&ロー指数0.91147.76
前面の面積3.117m²35.06
最低地上高155mm49.13
スポーツ性能部門の得点394.26

※ここではパワーウェイトレシオ・1速ギヤ加速性能・ホイールベーストレッド比・ワイド&ロー指数・前面の面積については数値が小さいほど高得点。リッター換算馬力・換算トルクについては数値が大きいほど高得点としています。


ユーティリティ部門
評価項目数値得点
10-15燃費10.2km/L43.96
年間維持費378440円45.52
100kmh回転数1810rpm60.26
航続距離693.6km49.25
車の大きさ15.150m³66.22
室内の広さ4.990m³67.26
最小回転半径5.7m38.72
馬力単価11837円62.03
ユーティリティ部門の得点433.22

※ここでは燃費・航続距離・車の大きさ・室内の広さは数値が大きいほど高得点、年間維持費・100km/h回転数・最小回転半径・馬力単価は数値が小さいほど高得点としています。

スポーツ性能部門およびユーティリティ部門の得点を合計した LY3P型MPV[2.3Lターボ FF/6AT] の総合得点は 827.48 点です。獲得点数が多い車種から順番に並べた 総合得点ランキング を用意してありますので、よろしければご覧ください。

上記リンク先では、今回このページで紹介したLY3P型MPV(FF/6AT) の各種スペックを、「全ての車種」、「全てのミニバン」、「2500ccのミニバン」という属性で評価したとき、それぞれの項目が相対的にどのくらい優れているか、劣っているかを調べてみました。基準が変わると手のひらを返したように評価も変わる様子をご堪能ください。投稿日:2011/07/04|更新日:2018/02/09


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