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マツダ株式会社の5ドア・5人乗りSUV、3DA-DM8P型の初代CX-30は2019/10から生産(または販売)が開始されました。
ここでは排気量1756cc(116PS/27.5kgm)のS8-DPTS型エンジンを搭載する[XD-Proactive|2019/10モデル]のカタログスペックを基に、数値から見た性能をインプレおよび評価・解説しています。
ボディサイズが全長4395mm×全幅1795mm×全高1540mm、排気量は1756ccであることから、大雑把に分類すると1.8リットルクラス(1800cc、自動車税は2.0L以下を適用)に属し、全長、全高、排気量は5ナンバー枠ながら全幅が1.7mを超えていることにより3ナンバー登録になります。この手のタイプはいわゆる世界戦略車(グローバルカー)に多くあるようです。
ちなみに、車体形状や用途に関係なく全長のみを基準とした分類方法で各セグメントに当てはめると、全長が4395mmであるこの車の場合は「ミディアム」(Medium:4300mm超-4650mm以下|Dセグメント相当)に属します。※国や時代によって基準は異なります。
車両に備わる全てのタイヤを駆動する、いわゆるAWD方式(All Wheel Drive・Four Wheel Drive)を採用しています。真っ直ぐ進むことに掛けては右に出る者なしとされ、大雨、強風、泥濘、降雪、凍結など天変地異による悪天候下や悪路にて無類の強さを発揮する安心の駆動方式です。
DM8P型 CX-30 [1756cc/116PS 4WD/6AT] お品書き
![]() エンジン性能と特性、パワーウェイトレシオ | ![]() ギヤ比と加速力&エンジン回転数と最高速 | ![]() タイヤサイズ変更とスピードメーター誤差 | ![]() 各種スペックの相対評価とレーダーチャート |
初代CX-30の類型&他グレード 人気順
- 吸気方式のNAは自然吸気、TBはターボ、SCはスーパーチャージャー、TSはTB+SCの略
- 燃費の文字が赤色のものはレギュラーガソリン、青色のものはハイオクガソリン、緑色のものは軽油を燃料とするエンジンを搭載した車種
画像 | 排気量 車両価格 | 車両型式 グレード | 出力 燃費 |
---|---|---|---|
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2.0L-NA FF/6AT 239.2万円 |
DMEP型 [20S] (2019/10) |
156PS 20.3kgm 15.4km/L |
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2.0L-NA 4WD/6MT 262.9万円 |
DMEP型 [20S] (2019/10) |
156PS 20.3kgm 15.6km/L |
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1.8L-TB FF/6AT 288.8万円 |
DM8P型 [XD-Proactive] (2019/10) |
116PS 27.5kgm 19.2km/L |
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1.8L-TB FF/6AT 288.8万円 |
DM8P型 [XD-Proactive] (2021/01) |
130PS 27.5kgm 19.2km/L |
![]() |
2.0L-NA FF/6MT 329.4万円 |
DMFP型 [X-Proactive] (2020/01) |
179PS 22.8kgm 17.0km/L |
初代CX-30の車両型式・グレード一覧【全16車種】 |
主要諸元とエンジン諸元
主要諸元 | |
---|---|
メーカー | MAZDA |
車名& グレード |
CX-30 XD-Proactive |
その他 | Touring Selection|L-Package |
お値段 | 3124000円 |
車両型式 | 3DA-DM8P |
駆動方式 変速機 |
4WD・四輪駆動(AWD) 6AT(6段変速・自動) |
ドア数& 定員 |
5ドア 5人 |
車体寸法 | 長4395×幅1795×高1540mm |
室内寸法 | 長1830×幅1490×高1210mm |
軸距& 輪距 |
2655mm 前1565mm/後1565mm |
最小半径 | 5.3m |
最低高 | 175mm |
タイヤ | 前輪:215/55R18 後輪:215/55R18 |
ブレーキ | 前:ベンチレーテッドディスク 後:ディスク |
車両重量 | 1530kg |
エンジン諸元 | |
---|---|
原動機型式 | S8-DPTS |
気筒配列 | 直列4気筒 |
排気量 | 1756cc |
圧縮比 | 14.8 |
吸気方式 | ターボ |
最高出力 | 116PS[85kW]/4000rpm |
最大トルク | 27.5kgm[270Nm]/1600-2600rpm |
使用燃料 | 軽油(ディーゼル燃料) |
WLTC燃費 | 18.4km/L(43.3mpg) |
100km燃費 | 5.4L/100km |
※S8-DPTS型エンジンの諸元と性能まとめ ※直列4気筒とは‥シリンダを真っ直ぐ一列に4個配置する方式。小排気量から2.5Lあたりまでをカバー。 ※直列4気筒の最高出力ランキング |
税金と年間維持費のシミュレーション
ここでは、春になると毎年欠かさず支払いを催促される自動車税(39500円)、払わなければ車検を受けさせてもらえない自動車重量税(16400円/年)と自賠責保険料(13920円/年)、年間1万km走行した際に掛かる燃料代、月額5500円の任意保険に加入し、走行5000km毎にエンジンオイル交換、4年4万km毎にタイヤ交換するとしたときの年間維持費(ランニングコスト)を見てみます。
さらに、CX-30の新車を359.3万円(諸費用として46.9万円を加算)にて購入し、頭金なしで5年ローンを組んだと仮定したときの年間支払額(金利分は含まず)も踏まえて、上記の維持費と合算した場合の想定維持費も計算してみました。
- ローンの年数については月額5万円の支払いを基準として、ローンの支払額が60万円以下は1年、120万円以下は2年、180万円以下は3年、240万円以上は4年、それ以上は5年としています。
- 任意保険の金額については特に根拠のない一例です。具体的な掛け金は運転者の年齢や家族構成、年間走行距離、保険内容、車両保険の有無等によって大きく異なります。
- 自動車保険は比較で安くなる!
新車で買った場合の年間維持費
名目 | 区分 | 金額 | ||
---|---|---|---|---|
自動車税(1年分) | 2000cc以下 | 11年未満 | 39500円 | |
自動車重量税(1年分) | 2.0トン以下 | 13年未満 | 16400円 | |
自賠責保険料(1年分) | 自家用乗用車 | 13920円 | ||
燃料代(年間1万km) | 10000km÷18.4km/L×125円/L | 67930円 | ||
オイル交換(5000km毎) | 1回5500円×2回 | 11000円 | ||
タイヤ交換(4年4万km毎) | 1本18000円×4本÷4年 | 18000円 | ||
任意保険料(月額5500円) | 月額5500円×12ヶ月 | 66000円 | ||
ローン完済後の年間維持費 | 232750円 | |||
名目 | 区分 | 金額 | ||
車のローン額(1年分) | 月額59880円×12ヶ月 | 718560円 | ||
ローン返済中の年間維持費 | 951310円 | |||
次回車検費用の積み立て目安 | ||||
重量税2年分+自賠責24ヶ月分+検査手数料等3000円程度 | 63640円 |
名目 | 金額 |
---|---|
自動車税(1年分) | 39500円 |
自動車重量税(1年分) | 16400円 |
自賠責保険料(1年分) | 13920円 |
燃料代(年間1万km) | 67930円 |
オイル交換(5000km毎) | 11000円 |
タイヤ交換(3年3万km毎) | 18000円 |
任意保険料(月額5500円) | 66000円 |
ローン完済後の年間維持費 | 232750円 |
名目 | 金額 |
車のローン額(1年分) | 718560円 |
ローン返済中の年間維持費 | 951310円 |
次回車検費用の積み立て目安 | |
重量税2年分+自賠責24ヶ月分 +検査手数料等3000円程度 |
63640円 |
- 初度登録から2年経過車の場合、自動車税の区分は「2000cc以下の11年未満」で税額は39500円、重量税の区分は「2.0トン以下の13年未満」で税額は16400円(単年)です。
- エンジンオイル交換の金額は、5000km走行ごとに5500円のオイル交換作業を年2回行うと仮定した場合のもの。
- タイヤ交換の金額は、1本18000円のタイヤ4本を3年周期で交換すると仮定した場合のもの。
- 任意保険料の金額は、月額5500円の保険に加入した場合の12ヶ月分の支払い額。
- 平成25年4月1日からの自賠責保険料の改定に対応。
- 平成27年4月1日からの自動車税の割増(10%増→15%増)に対応。
- 平成28年4月1日からの自動車重量税の変更に対応、
ただし今流行のエコカー減税(自動車税、自動車重量税等の減免)には対応できていません。 - 燃料消費率が緑文字のWLTCモード燃費はカタログ値の100%を、青文字のJC08モード燃費は93%を、赤文字の10・15モード燃費は85%を実燃費と仮定して計算。
- 車検時には上記の目安金額63,640円の他に法定24ヶ月点検に関連する費用が必要です。
- 名目にある金額の基準は、年間維持費の算出基準まとめ をご覧ください。
今にも壊れそうな格安車から少しステップアップすると月換算で1~2万円の間、年間にすると12~24万円のクラスです。この車の場合、月単位に換算して19,396円(完済前は79,276円)になります。
「廉価車にしか乗れなかった自分が、ついにこれだけの維持費が掛かる車を所有できるようになったのだ、新しい自分になれたのだ。あの頃のアタシ、サヨナラ…」とかいう謎のカタルシスに浸れるのがこのクラスです。普通に使う分には何ら問題のないバランスの取れたクラスではないかと思います。
●CX-30の燃料代にぶら下がる税金(年間納税額)
さて、自動車には「これでもか!これでもか!嫌なら乗るな!」と言わんばかりに何種類もの税金が課せられており、あまり詳らかにするとますます嫌気がさして、ますます自動車離れに拍車がかかってしまいそうなのですが、CX-30の燃料代に対する税額と割合を調べてみたいと思います。
燃料にかかる税金 | |
---|---|
軽油引取税(本則) | 8150円 |
軽油引取税(暫定) | 9290円 |
石油税 | 1520円 |
消費税(10%) | 4590円 |
合計納税額 | 23550円 |
例として年間走行距離を10000km、燃費を18.4km/L、軽油を1リットルあたり125円(諸税込)として計算してみます。
このとき使用する軽油の量は543.5Lですから、軽油引取税(本則)が15円/Lで合計8150円、軽油引取税(暫定)が17.1円/Lで9290円、石油税が2.8円/Lで1520円になります。
ディーゼル車の場合は軽油引取税に消費税が掛かりません(石油税には課税)ので、消費税額としては4590円となり、これらを合計した税額は23550円、1年間に燃料代として支払う67930円のうち34.7%が税金、ということになります。
さらに自動車税が年間で39500円、自動車重量税が年換算で16400円ですから、合計79450円がCX-30に課せられる税金としてぶら下がっている計算です。
低走行距離での年間維持費|3000km・5000km・7000km
せっかくのマイカーを前にして、あまりにも涙ぐましい経費削減は気の引けるものですが、しかし先行き不安なこのご時世では背に腹はかえられないのもまた事実です。
走行距離が少なくなれば燃料代は目に見えて削減されますし、タイヤは摩耗が減って長持ち、オイル交換も年1回になってお財布もニッコリ…いうわけで、ここでは年間走行距離を3000km・5000km・7000kmとしたときの年間維持費をシミュレートしてみます。
年間3000km走行の場合 | |
---|---|
名目 | 金額 |
自動車税(1年分) | 39500円 |
自動車重量税(1年分) | 16400円 |
自賠責保険料(1年分) | 13920円 |
燃料代(3000km分) | 20380円 |
オイル交換(年1回) | 5500円 |
タイヤ交換(3万km/6年) | 5400円 |
任意保険料(月額4400円) | 52800円 |
合計 [差額] |
153900円 [-78850円] |
年間5000km走行の場合 | |
---|---|
名目 | 金額 |
自動車税(1年分) | 39500円 |
自動車重量税(1年分) | 16400円 |
自賠責保険料(1年分) | 13920円 |
燃料代(5000km分) | 33970円 |
オイル交換(年1回) | 5500円 |
タイヤ交換(3万km/6年) | 9000円 |
任意保険料(月額4680円) | 56160円 |
合計 [差額] |
174450円 [-58300円] |
年間7000km走行の場合 | |
---|---|
名目 | 金額 |
自動車税(1年分) | 39500円 |
自動車重量税(1年分) | 16400円 |
自賠責保険料(1年分) | 13920円 |
燃料代(7000km分) | 47550円 |
オイル交換(年1回) | 7700円 |
タイヤ交換(3万km/4.3年) | 12600円 |
任意保険料(月額4950円) | 59400円 |
合計 [差額] |
197070円 [-35680円] |
自動車税、重量税、自賠責保険については、走行距離がどうであろうと変わりませんが、燃料代は走行距離に応じた分だけ削減、オイル交換は年間3000km走行と5000km走行は年1回、7000km走行は1回分+αの金額としています。
タイヤ交換費用については、スリップサインまで30000km持つものとして走行距離に応じて按分(ただし最大6年で交換とする)、任意保険料については、年間3000km走行は10000km走行での保険料66000円の80%、年間5000km走行は85%、年間7000km走行は90%の金額に割引されるものとして計算しました。
年間3000km走行では、10000km走行に比べて78850円安い153900円に、5000km走行では58300円安い174450円に、7000km走行では35680円安い197070円という結果になりました。
自動車関連費用は家計に多大なるダメージを与えてきますから、不要不急の外出を控えたり、今流行の走行距離に応じて保険料が変わる任意保険を選んだり、1円でも安いガソリンスタンドを探したり、グレードの低いオイルやタイヤでお茶を濁したり…と、あの手この手で工夫して耐え忍びましょう。
【WLTC特典】市街地・郊外・高速道路の走行比率を変えるとどうなるの?
ひとくちにWLTCモード燃費と言いましても、信号や渋滞があるノロノロ道路の走行を想定した市街地モード(15.5km/L)、信号や渋滞が少ないスイスイ道路の走行を想定した郊外モード(18.5km/L)、高速道路の走行を想定した高速道路モード(20.0km/L)という3つの走行パターンを内包してありまして、これらを「平均的な使用時間配分」なるもので構成したのがWLTCモード燃費(18.4km/L)ということになります。
ここでは年間走行距離を10000kmとして市街地、郊外、高速道路の走行比率を変えてみたとき、WLTCモード燃費での燃料代67930円からどのように変化するかを見ていきたいと思います。
- 1リットル125円として計算。
- []内の金額は低燃費タイヤ(エコタイヤ)装着で燃費が3%向上すると仮定した場合の燃料代。
「差額で元が取れるかな?どうかな?」という、なかなかに絶妙なラインです。
参考:燃費が3%向上すると…? | |
市街地 | 15.5km/L → 16.0km/L |
郊外 | 18.5km/L → 19.1km/L |
高速道路 | 20.0km/L → 20.6km/L |
●例1:都市部にお住まい
まず最初に、市街地の住まいを想定して、走行の大半を市街地(90%)、たまに郊外へお買い物(5%)、稀に高速道路に乗ってどこか遠くへ…(5%)という場合で見てみます。
市街地90%・郊外5%・高速5% | ||
---|---|---|
市街地 | 9000km | 72580円 [70310円] |
郊外 | 500km | 3380円 [3280円] |
高速道路 | 500km | 3130円 [3040円] |
合計金額 WLTC燃費との差額 平均燃費 | 79090円 +11160円 15.8km/L |
|
エコタイヤ合計金額 純正タイヤとの差額 平均燃費 | 76630円 -2460円 16.3km/L |
- 市街地走行の燃料代
市街地の走行を9000kmとするとき、市街地モード燃費が15.5km/Lでは580.6Lを消費して、燃料代は72580円になります。 - 郊外走行の燃料代
郊外の走行を500kmとするとき、郊外モード燃費が18.5km/Lでは27.0Lを消費して、燃料代は3380円になります。 - 高速道路走行の燃料代
高速道路の走行を500kmとするとき、高速道路モード燃費が20.0km/Lでは25.0Lを消費して、燃料代は3130円になります。
このパターンでは使用した燃料量が632.6L、かかった燃料代が79090円となり、平均燃費は15.8km/L(-2.6km/L)、WLTCモード燃費との燃料代の差は+11160円という結果になりました。
低燃費タイヤ装着で燃費が3%アップするとして、同じ条件で走行すると燃料代は76630円となり、2460円安くなります。車検2回ごとにタイヤ交換するとき、寿命までの4年間で9840円の経費削減になる計算です。純正タイヤとエコタイヤの差額がこれ以上ならお得、以下なら…?
●例2:市街地と郊外を行き来
次に、とにかく市街地と郊外を行ったり来たりする条件を想定して、市街地の走行を50%、郊外の走行を50%、高速道路は走行しない場合を見てみます。
市街地50%・郊外50%・高速0% | ||
---|---|---|
市街地 | 5000km | 40330円 [39060円] |
郊外 | 5000km | 33790円 [32730円] |
高速道路 | 0km | 0円 [0円] |
合計金額 WLTC燃費との差額 平均燃費 | 74120円 +6190円 16.9km/L |
|
エコタイヤ合計金額 純正タイヤとの差額 平均燃費 | 71790円 -2330円 17.4km/L |
- 市街地走行の燃料代
市街地の走行を5000kmとするとき、市街地モード燃費が15.5km/Lでは322.6Lを消費して、燃料代は40330円になります。 - 郊外走行の燃料代
郊外の走行を5000kmとするとき、郊外モード燃費が18.5km/Lでは270.3Lを消費して、燃料代は33790円になります。
このパターンでは使用した燃料量が592.9L、かかった燃料代が74120円となり、平均燃費は16.9km/L(-1.5km/L)、WLTCモード燃費との燃料代の差は+6190円という結果になりました。
低燃費タイヤ装着では燃料代が71790円となり、1年間で2330円、4年間で9320円の経費削減になる計算です。
●例3:市街地・郊外・高速道路をMix
続いて、都市部に住んでいて郊外の職場へ通勤、あるいは郊外に住んでいて都市部の職場へ通勤、高速利用もバッチリ!という感じでシミュレーションしてみます。
市街地33.3%・郊外33.4%・高速33.3% | ||
---|---|---|
市街地 | 3330km | 26850円 [26010円] |
郊外 | 3340km | 22560円 [21860円] |
高速道路 | 3330km | 20810円 [20210円] |
合計金額 WLTC燃費との差額 平均燃費 | 70220円 +2290円 17.8km/L |
|
エコタイヤ合計金額 純正タイヤとの差額 平均燃費 | 68080円 -2140円 18.4km/L |
- 市街地走行の燃料代
市街地の走行を3330kmとするとき、市街地モード燃費が15.5km/Lでは214.8Lを消費して、燃料代は26850円になります。 - 郊外走行の燃料代
郊外の走行を3340kmとするとき、郊外モード燃費が18.5km/Lでは180.5Lを消費して、燃料代は22560円になります。 - 高速道路走行の燃料代
高速道路の走行を3330kmとするとき、高速道路モード燃費が20.0km/Lでは166.5Lを消費して、燃料代は20810円になります。
このパターンでは使用した燃料量が561.8L、かかった燃料代が70220円となり、平均燃費は17.8km/L(-0.6km/L)、WLTCモード燃費との燃料代の差は+2290円という結果になりました。
低燃費タイヤ装着では燃料代が68080円となり、1年間で2140円、4年間で8560円の経費削減になる計算です。
●例4:農村部にお住まい
最後に、びっくりするほど田舎な住まいを想定して、市街地の走行を5%、郊外の走行を90%、高速道路の走行を5%とした場合を見てみます。
市街地5%・郊外90%・高速5% | ||
---|---|---|
市街地 | 500km | 4040円 [3900円] |
郊外 | 9000km | 60810円 [58900円] |
高速道路 | 500km | 3130円 [3040円] |
合計金額 WLTC燃費との差額 平均燃費 | 67980円 +50円 18.4km/L |
|
エコタイヤ合計金額 純正タイヤとの差額 平均燃費 | 65840円 -2140円 19.0km/L |
- 市街地走行の燃料代
市街地の走行を500kmとするとき、市街地モード燃費が15.5km/Lでは32.3Lを消費して、燃料代は4040円になります。 - 郊外走行の燃料代
郊外の走行を9000kmとするとき、郊外モード燃費が18.5km/Lでは486.5Lを消費して、燃料代は60810円になります。 - 高速道路走行の燃料代
高速道路の走行を500kmとするとき、高速道路モード燃費が20.0km/Lでは25.0Lを消費して、燃料代は3130円になります。
このパターンでは使用した燃料量が543.8L、かかった燃料代が67980円となり、平均燃費は18.4km/L(0.0km/L)、WLTCモード燃費との燃料代の差は+50円という結果になりました。
低燃費タイヤ装着では燃料代が65840円となり、1年間で2140円、4年間で8560円の経費削減になる計算です。
以上、極端な条件でのシミュレーションではありますが、走行シチュエーションによって平均燃費は変わり(15.8km/L・16.9km/L・17.8km/L・18.4km/L)、燃料代のほうもなかなかな違い(79090円・74120円・70220円・67980円)が出てくることがわかります。
1km走行コストと月間&年間交通費
距離/日 | 費用/日 | 月換算 | 年換算 |
---|---|---|---|
10km | 70円 | 1500円 | 1.8万円 |
20km | 140円 | 3100円 | 3.6万円 |
30km | 200円 | 4400円 | 5.2万円 |
50km | 340円 | 7500円 | 8.8万円 |
100km | 680円 | 15000円 | 17.7万円 |
さて、軽油(ディーゼル燃料)1リットルの燃料価格を125円、燃費を18.4km/Lとしたとき、1km走行あたりのコストは6.79円になります。
たとえばこの車を通勤車とした場合、1日の走行距離が10kmなら燃料代は70円/日となり、20km走行なら140円/日、30km走行なら200円/日、50km走行なら340円/日、100km走行なら680円/日かかる計算です。
1か月の労働日数を22日として計算すると、通勤距離が30kmなら月間の走行距離は660kmで燃料代は4400円/月、1年間の労働日数を260日とすると年間の走行距離は7800kmで燃料代は5.2万円/年という塩梅です。
カタログスペックから見えてくる要素
S8-DPTS型エンジン簡易性能曲線図 | |
---|---|
各回転域での馬力 | |
1600回転時の馬力 | 61PS |
2600回転時の馬力 | 100PS |
4000回転時の馬力 | 116PS |
各回転域でのトルク | |
1600回転時のトルク | 27.5kgm |
2600回転時のトルク | 27.5kgm |
4000回転時のトルク | 20.8kgm |
S8-DPTS型エンジンの性能 |
まずおさらいとして、搭載しているS8型1756cc、直列4気筒のターボエンジンは4000回転時に最高出力116馬力を、1600-2600回転時に最大トルク27.5kgmを発生します。
馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力が計算できますので、それぞれの点と点とを線で繋いでパワーカーブとトルクカーブのエンジン性能曲線図もどきを作ってみました。
トルクの山が中央より左にあるか右にあるかを基準にしてエンジン特性を探ってみますと、低めの回転数から中間域にトルクのピークがあるこのエンジンは、街中での普段使いに心地よく、高回転もそれなりでバランスの取れたタイプです。多くの乗用車がこの特性に当て嵌まるのではないかと思います。
※実際のところは車両重量やギヤ比、排気量に対する気筒数の多少によって印象が異なってくると思います。
ちなみに、エンジンのパワーバンドを「最大トルクが発生する1600rpmから最高出力が発生する4000rpmまで」の2400rpmとしたときの、最高回転数に対するパワーバンドの割合は60.0%となります。※右記(下記?)簡易性能曲線図オレンジ色の帯域
最高出力ランキング リスト |
---|
2000cc以下クラス編 |
マツダの小型車&普通車編 |
最大トルク ランキング リスト |
---|
2000cc以下クラス編 |
マツダの小型車&普通車編 |
さて、車の速さを知るための指標としてよく使われる パワーウェイトレシオ は13.190kg/PS(1530kg/116PS)となっていますが、巷でよく見るであろうこの数値の多くはドライバーが乗った状態でのものではなく、あくまでも車両重量と最高出力のみで計算したものです。
車重と搭乗者とPWR | |
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車体のみ | 13.190kg/PS |
車体+1人 | 13.664kg/PS |
車体+5人 | 15.560kg/PS |
お腹と車重とPWR | |
車体+60kg | 13.707kg/PS |
車体+70kg | 13.793kg/PS |
車体+80kg | 13.879kg/PS |
車体+90kg | 13.966kg/PS |
車体+100kg | 14.052kg/PS |
というわけで、車両総重量の求め方に倣い人間の体重55kgを加えて計算し直してみますと、ドライバーのみが搭乗したときのパワーウェイトレシオは13.664kg/PS(1585kg/116PS)となり、数値としては0.474kgほど悪化します。
次に乗車定員いっぱいの5人が搭乗した場合、車両重量に275kgがプラスされてパワーウェイトレシオは15.560kg/PS(1805kg/116PS)となり、2.370kgも悪化することになります。
もともとが重量級の車であれば、人が少々乗ったところで体重の占める割合が小さいことから変化も小さいですが、軽量級の車ではお腹まわりのお肉が大きな影響力を持つことがわかります。
CX-30のライバル候補車たち
2019/10![]() - |
CX-30 13.664kg/PS 1585kg/116PS|1.8L-TB [車体のみPWR:13.190] |
2016/10![]() 車種詳細 |
S660 13.766kg/PS 881kg/64PS|0.7L-TB [車体のみPWR:12.906] |
2009/05![]() 車種詳細 |
プリウス 13.788kg/PS 1365kg/99PS|1.8L-NA [車体のみPWR:13.232] |
2014/12![]() 車種詳細 |
アルト 13.558kg/PS 705kg/52PS|0.7L-NA [車体のみPWR:12.500] |
2007/08![]() 車種詳細 |
ソニカ 13.672kg/PS 875kg/64PS|0.7L-TB [車体のみPWR:12.812] |
2012/09![]() 車種詳細 |
ワゴンR スティングレー 13.672kg/PS 875kg/64PS|0.7L-TB [車体のみPWR:12.812] |
車両重量にドライバーの体重を加えますと、過去に見てきたパワーウェイトレシオ界隈の様相も変わってくることがわかりましたので、ここでは余興としてドライバー込みのパワーウェイトレシオ13.664kg/PSと近い数値を持つ車種をいくつかピックアップしてみます。
13.527kg/PSから13.801kg/PSの範囲で人気度を優先して選んでみたところ、ホンダの2人乗り軽オープンカー「JW5型 S660」、トヨタの5人乗りセダン「ZVW30型 プリウス」、スズキの4人乗り軽ハッチバック「HA36S型 アルト」、ダイハツの4人乗り軽ハッチバック「L405S型 ソニカ」、スズキの4人乗り軽ミニバン「MH34S型 ワゴンR スティングレー」という顔ぶれが並びました。
「えっ!あの車がライバル!?(大歓喜)」だったり、あるいは「えっ…あの車がライバル…?(大号泣)」だったり悲喜こもごもありましょうが、数値の上では「良き隣人」ということになります。
●DM8P型 CX-30 [XD-Proactive]とパワーウェイトレシオが近い車種|13.664kg/PS
ちなみに、日本では Power Weight Ratio(1馬力あたりが担う重量)が自動車の加速性能を推測する指標としてよく用いられますが、海外では Power to Weight Ratio(車両重量1トンあたりの出力)という指標が重用され、こちらの数値は75.8PS/tとなっています。
その他の諸元いろいろ
いろいろな数値 | |
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WB/TR比 | 1.696 |
平均ピストンスピード | 11.95m/s |
トルクウェイトレシオ | 55.6kg/kgm |
1馬力あたりのお値段 | 26931円 |
排気量1Lあたり馬力 | 66.06PS/L |
排気量1Lあたりトルク | 15.66kgm/L |
1気筒あたりの馬力 | 29.0PS |
1気筒あたりのトルク | 6.9kgm |
パワーバンド比率 | 60.0% |
各種ランキング | |
SUV・RV・クロカンのPWR 1.6~1.8L以下のPWR |
トルクウェイトレシオは55.6kg/kgm(1530kg/27.5kgm)なのですが、トルクについてはギヤ比でどうにでもなりますので、ここでの大小はあまり重要ではありません。(詳しくはギヤ比編にて)
ついでに馬力単価を計算してみると、お値段が3124000円、最高出力が116馬力であるこの車の場合、1馬力あたりのお値段は26931円、逆に1万円あたりでは0.37馬力を得ることができます。ついでのついででトルク1kgmあたりのお値段は113600円、1万円あたりでは0.09kgmとなります。
1馬力あたりのお値段が安い車ランキング |
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総合ランキング |
マツダ編 |
2000cc以下の車編 |
5人乗りSUV編 |
最高出力を排気量で割ったリッター換算馬力は66.06PS/L、トルクは15.66kgm/L、1気筒あたりの馬力は29.0馬力、トルクは6.9kgmとなり、このエンジンが116馬力を4000回転で発生させているときの平均ピストンスピードは11.95m/sです。
●排気量1リットルあたりの馬力ランキング
この車のホイールベースを前後トレッドの平均で割って算出されるホイールベーストレッド比は1.696になります。全ての車種の平均値である1.753を基準にざっくりと分類すると、どちらかというと小回りを得意とする傾向にある車と言えそうです。
●ホイールベーストレッド比が小さい車ランキング
人間様の占有スペース
人間様の占有スペース | |
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室内長×幅×高 | 3.30m³ |
1人あたりのスペース | 約0.66m³ |
室内長/全長 | 41.6% |
室内幅/全幅 | 83.0% |
室内高/全高 | 78.6% |
室内容積/車両体積 | 27.2% |
ボディサイズと室内寸法のデータがあるので車両全体に対する人間様の占有スペースを計算してみます。ここでの比率はボンネットが長い車であったり乗車人数の少ない車であったり、バン(貨物車)のように人よりも積載容量を重視している車は小さくなります。
まず室内長、室内幅、室内高を掛けて算出される室内の容積は3.30m³です。この車の乗車定員は5人ですから、単純に室内の容積で割るとフル乗車した際には約0.66m³のスペースが割り当てられることになります。続いて室内長を全長で割って算出される室内長と全長の比率は41.6%、同じく室内幅と全幅の比率は83.0%、同じく室内高と全高の比率は78.6%となりました。また車の形状を無視して単なる立方体として見たときの車両の体積に対する室内の容積の比率は27.2%でした。
室内の広さ・長さランキング | |||
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室内長が長い車 | 室内幅が広い車 | 室内高が高い車 | 車内の空間が広い車 |
室内長が長い車 | |||
室内幅が広い車 | |||
室内高が高い車 | |||
車内の空間が広い車 |
車中泊の可能性
車中泊の可能性 | |
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期待される荷室の長さ | 1.54m |
期待される荷室の幅 | 1.39m |
対角線の長さ | 2.07m |
期待される荷室の面積 | 2.14m² |
ここでは全長の35%を【期待される荷室の長さ】、室内幅から100mm(不明の場合は全幅から400mm)引いたものを【期待される荷室の幅】とし、それらを掛け合わせて【期待される荷室の面積】、「縦の長さが厳しいなら斜めに寝れば良いじゃない!」ということで、おまけ要素として【対角線の長さ】も計算してみました。
縦方向の長さが1.54m(対角線では2.07m)となれば、一般的な身長ならそれなりの車中泊を楽しむことができそうです。車の中で足を伸ばして優雅に寝られる悦びを味わうために最低限必要な長さを備えた、車中泊のスタンダードと呼ぶに相応しい性能を有しています。
一見すると車中泊が可能そうに見えるハッチバックやワゴン、SUVであってもリアシートが前に倒れなかったり、倒れても中途半端であったり、凝った足回りのせいで室内に巨大な出っ張りがあったりで、なかなか思うようにはいきませんが、大抵のケースでは知恵と工夫で何とかなるはずです。車中泊にあると嬉しいアイテム
燃料タンクと燃費と航続距離と
燃料タンクと燃費と航続距離と | |
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WLTCモード燃費 | 18.4km/L |
燃料タンク容量 | 48L |
航続距離(カタログ燃費) | 883.2km |
航続距離(80%燃費) | 705.6km |
満タンプライス | 6000円 |
1万円でどこまで行ける? | 1472.0km |
車両価格/航続距離 | 3537円/km |
WLTCモード燃費が18.4km/Lですので、燃料タンクの容量が48リットルですと航続可能距離は883.2kmになります。(カタログ燃費通りに走行できた場合)
実際にはそうもいきませんから、オイル交換やタイヤ空気圧の管理といった定期メンテナンスを確実に実施した上での実燃費をカタログ燃費の90%(16.6km/L)とすると796.8km、80%(14.7km/L)だと705.6km、70%(12.9km/L)では619.2kmという航続距離になります。
燃料タンクに1滴の燃料もないスッカラカンの状態から満タンにしたときの金額を計算してみますと、軽油(ディーゼル燃料)48リットルの給油で6000円、上で計算した航続距離を踏まえると883.2km(80%燃費時705.6km)を走行するのに6000円かかる計算です。
ついでに1万円の燃料代でどこまで行けるかも計算してみますと、カタログ通りの燃費で走行できれば1472.0km(往復なら片道736.0km)、カタログ値の80%なら1177.6km(片道588.8km)離れたところまで行くことができます。
ちなみに、1回の給油で883.2kmの距離を移動できるDM8P型 CX-30 [XD-Proactive]という乗り物を、312.4万円で手に入れたと考えたとき、この車が1km走行するにあたっては「3537円の値打ちがある!」と言える、かもしれません。
市街地・郊外・高速道路の満タン航続距離
各モード燃費と航続距離 | |
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WLTCモード燃費 18.4km/L |
883.2km |
市街地燃費 15.5km/L |
744.0km [-139.2km] |
郊外燃費 18.5km/L |
888.0km [+4.8km] |
高速道路燃費 20.0km/L |
960.0km [+76.8km] |
WLTCモード燃費には市街地モード・郊外モード・高速道路モードという3つの走行パターンが内包されておりますので、参考までにそれぞれのモード燃費で燃料タンクが空になるまで走行した場合の満タン航続距離を計算してみます。
燃料タンクの容量を48Lとしたとき、市街地モード燃費15.5km/Lでの航続距離は744.0km(-139.2km)、郊外モード燃費18.5km/Lでの航続距離は888.0km(+4.8km)、高速道路モード燃費20.0km/Lでの航続距離は960.0km(+76.8km)となります。
ある特定のシチュエーションのみを、燃料タンクが空になるまで走行することはなかなかありませんが、「その気になればこのくらいの距離を走れちゃうんだぜ!」という参考データだけは持っておくと、次回の給油回数削減チャレンジでギリギリのラインを狙っていくのに役立つ、かもしれません。
ギヤ比と回転数と速度と駆動トルクとトルクウェイトレシオのステキな関係
続いてギヤ比を見てみます。あるギヤで走行中にエンジン(正確にはクランクシャフト)をレブリミットまで回したときの速度と、レブリミットでシフトアップした後の回転数を計算するためには、何回転で回転リミッターが働くのかを知らねばなりません。
しかし具体的な数値を知るにはECU(エンジン・コントロール・ユニット)にあるデータを参照しなければならなかったりで実現は厳しく、ならばとレッドゾーンが始まる回転数から推測しようにも、最近ではタコメータが装着されていない車両が多くあって心が折れます。
ピークパワーが発生する回転数(この車の場合4000rpm)から必要以上に回してもあまり意味はないのでそれを上限としても良いのですが、気分よく運転しているときは往々にして回しすぎるのが常ですから、ここでは500回転をプラスした4500回転を仮のレブリミットとして計算してみます。
暫定レブ 4500rpm|タイヤサイズ 215/55R18|タイヤ直径 69.4cm|円周長 218.0cm | |||||||
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ギヤ | ギヤ比 | 総減速比 | ステップ比 | シフトアップ 後の回転数 |
4500rpm の速度 |
100kmh の回転数 |
タイヤの 最大駆動力 |
1速 | 3.552 | 15.51 | - | - |
38km/h | 11860rpm | 1229.3kgm |
2速 | 2.022 | 8.830 | 0.569 | 1-2/ 2560rpm |
67km/h | 6750rpm | 699.8kgm |
3速 | 1.347 | 5.882 | 0.666 | 2-3/ 3000rpm |
100km/h | 4500rpm | 466.2kgm |
4速 | 1.000 | 4.367 | 0.742 | 3-4/ 3340rpm |
135km/h | 3340rpm | 346.1kgm |
5速 | 0.745 | 3.253 | 0.745 | 4-5/ 3350rpm |
181km/h | 2490rpm | 257.8kgm |
6速 | 0.599 | 2.616 | 0.804 | 5-6/ 3620rpm |
225km/h | 2000rpm | 207.3kgm |
Final | 4.367 | レシオカバレッジ(変速比幅)5.930 |
ギヤの繋がりイメージ |
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- ステップ比(歯車比)とは隣接したギヤ同士の離れ具合を示した数値で、1.000に近いほどシフト操作後の回転数の変化が小さく(ギヤ同士の繋がりが良い)、離れるほど変化が大きく(繋がりが悪い)なることを表します。
- シフトアップでは現在の回転数にステップ比を乗じた回転数まで下がり、シフトダウンでは現在の回転数にステップ比を除した回転数まで上がります。
- 赤い数字はシフトアップ後にパワーバンドの下限(最大トルク発生回転数1600-2600rpm)を下回るもの。
- 時速100kmでの回転数は100km/h÷60÷タイヤ円周長×各ギヤ比×ファイナルギヤ比(4.367)で算出。
- タイヤの最大駆動力は最大トルク(27.5kgm)×各ギヤ比×ファイナルギヤ比(4.367)÷タイヤの有効半径(0.347m)で算出。
ただし、ATおよびCVTにあるトルクコンバーターでのトルク増幅効果は考慮できていません。
本来のレブリミットとは異なるので最高速の数値は前後しますが、上記の設定での最高速度は6速ギヤの225km(4000rpmでは200.0km/h)となります。この速度は空気抵抗、パワー不足、スピードリミッターなどネガティブ要素の一切を無視して、単にギヤ比とエンジン回転数、タイヤサイズだけで計算した速度です。
おまけ:4000rpmでシフトアップする場合の各ギヤ速度
4000rpmでの速度と シフトアップ後の回転数 | ||
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ギヤ | 速度 | 回転数 |
1速ギヤ | 34km/h | - |
2速ギヤ | 59km/h | 2280rpm |
3速ギヤ | 89km/h | 2660rpm |
4速ギヤ | 120km/h | 2970rpm |
5速ギヤ | 161km/h | 2980rpm |
6速ギヤ | 200km/h | 3220rpm |
DM8P型CX-30に搭載されたS8型1756ccエンジンのレブリミットを、最高出力が発生する4000rpmとしてシフトアップするときの速度をシミュレートしてみます。
まず1速ギヤで4000rpmまで引っ張ると34km/hまで加速し、2速ギヤにシフトアップすると回転数は4000rpmから2280rpmまで落ち、そこから4000rpmまで加速を続けると速度は59km/h(+25km/h)になります。
3速ギヤでは2660rpmまで落ちて4000rpmで89km/h(+30km/h)に、4速ギヤでは2970rpmまで落ちて4000rpmで120km/h(+31km/h)になります。
続いて5速ギヤでは2980rpmまで落ちて4000rpmで161km/h(+41km/h)に、6速ギヤでは3220rpmまで落ちて4000rpmで200km/h(+39km/h)という具合に加速していくイメージです。
タイヤの最大駆動力にある数値は、エンジンが1600-2600回転で最大トルク27.5kgmを発生しているとき、各々のギヤを介したのち実際にタイヤへと伝えられるトルクで、この数値が大きいほどタイヤを回そうとする力が大きく、より力強い加速をすることができます。
この数値を大きくするにはギヤ比を低く(加速重視・ローギヤード)する、タイヤを小径化する、エンジンの最大トルクを大きくするという方法があります。逆にギヤ比を高く(最高速重視・ハイギヤード)したり、タイヤを大径化したり、デチューンして非力にすると駆動トルクは小さくなって加速が鈍ります。さて、世の中にはパワーウェイトレシオ(1馬力が担う重量・PWR)に似ているようで少し違うトルクウェイトレシオ(1kgmが担う重量・TWR)という指標があります。単純に車両重量を最大トルクで割れば55.6kg/kgmですから、パワーウェイトレシオ(13.190kg/ps)に比べると霞んで見えます。
しかしトルクはギヤを介することで増幅され、たとえば1速ギヤの場合ですと1229.3kgmになります。これを踏まえて改めて車両重量(1530kg)を1速ギヤの最大駆動力(1229.3kgm)で割ってみると1.245kg/kgmとなり、今度は逆にPWRが霞んで見えるような数値が出てきます。最高出力が発生する4000回転でのトルク(20.8kgm)からTWRを算出すると1.65kg/kgmとなり、1600-4000回転の回転域では1.245-1.65kg/kgmの間で推移することがわかります。
ある速度における各ギヤでの回転数
ギヤ | 40 km/h |
60 km/h |
80 km/h |
100 km/h |
120 km/h |
140 km/h |
180 km/h |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1速 | 4740 | 7120 | 9490 | 11860 | 14230 | 16600 | 21350 |
2速 | 2700 | 4050 | 5400 | 6750 | 8100 | 9450 | 12150 |
3速 | 1800 | 2700 | 3600 | 4500 | 5400 | 6300 | 8090 |
4速 | 1340 | 2000 | 2670 | 3340 | 4010 | 4670 | 6010 |
5速 | 990 | 1490 | 1990 | 2490 | 2980 | 3480 | 4480 |
6速 | 800 | 1200 | 1600 | 2000 | 2400 | 2800 | 3600 |
この項目では各々のギヤと速度を基準として、任意のギヤを選択中に時速40km~180kmにて走行するとき、エンジンの回転数がどのくらいになるのかを一覧表にしてみました。この車の場合、最も高いギヤ(0.599)を選択して時速100kmにて走行すると2000回転まで回ります。
ちなみに、一般道の速い流れやバイパスでよくある60km/hでは1200回転、対面通行の高速道路での制限速度70km/hでは1400回転、一般的な高速道路の80km/hでは1600回転、100km/hでは2000回転、制限速度が120km/hになると2400回転になります。小型・普通乗用車の速度リミッターが働く180km/hでは3600回転まで回ります。
これほどまでに時速100kmでの巡航回転数が低ければ、(パワーさえ足りていれば)高速道路では向かうところ敵なしです。エンジンノイズによる疲れとは無縁の世界、ただひたすらに回り続けるエンジンのなんと頼もしいことでしょう。これに合わせてタイヤのロードノイズ、風きり音すらも完璧に抑え込まれていたならば、これはもはや完全無欠の高級車です。ある回転数における各ギヤでの速度
ギヤ | 1000 rpm |
2000 rpm |
3000 rpm |
4000 rpm |
5000 rpm |
6000 rpm |
7000 rpm |
8000 rpm |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1速 | 8 | 17 | 25 | 34 | 42 | 51 | 59 | 67 |
2速 | 15 | 30 | 44 | 59 | 74 | 89 | 104 | 119 |
3速 | 22 | 44 | 67 | 89 | 111 | 133 | 156 | 178 |
4速 | 30 | 60 | 90 | 120 | 150 | 180 | 210 | 240 |
5速 | 40 | 80 | 121 | 161 | 201 | 241 | 281 | 322 |
6速 | 50 | 100 | 150 | 200 | 250 | 300 | 350 | 400 |
この項目では各々のギヤとエンジンの回転数を基準として、任意のギヤを選択中にエンジンを1000回転刻みで8000回転まで回したとき、それぞれのギヤでどのくらいの速度が出ているのかを一覧表にしてみました。暫定レブリミット(4500回転)よりも回転数が高くなる欄の速度については赤文字で表記してあります。
純正装着タイヤの215/55R18と互換可能な車検対応サイズ|簡易版
下の表では純正サイズを基準としてタイヤ幅を-20mmから+20mm、扁平率を-5%から+5%まで変化させたときのスピードメータ誤差が、マイナス方向を水色、-5.0%から+2.0%までを緑色、+6.0%までを橙色に着色しています。
※ここではタイヤの直径(外径)のみを基準としています。タイヤの幅を広くしすぎてサスペンションと干渉したり、はみ出てしまって車検に通らないからとフェンダーを叩いたり引っ張ったりキャンバーを付けたりで四苦八苦、ホイール幅が狭すぎてなんかイマイチ…という事例もありますので、ホイールのオフセットとリム幅にはご注意ください。
純正タイヤ 215/55R18 | 直径 694mm | |||||
---|---|---|---|---|---|
-20mm 幅195mm |
-10mm 幅205mm |
変更なし 幅215mm |
+10mm 幅225mm |
+20mm 幅235mm |
|
-5% 50 扁平 |
195/50R18 37.6km/h 直径652mm 径差-42mm |
205/50R18 38.2km/h 直径662mm 径差-32mm |
215/50R18 38.7km/h 直径672mm 径差-22mm |
225/50R18 39.3km/h 直径682mm 径差-12mm |
235/50R18 39.9km/h 直径692mm 径差-2mm |
0% 55 扁平 |
195/55R18 38.7km/h 直径672mm 径差-22mm |
205/55R18 39.4km/h 直径683mm 径差-11mm |
215/55R18 40.0km/h 694mm 0mm |
225/55R18 40.6km/h 直径705mm 径差+11mm |
235/55R18 41.3km/h 直径716mm 径差+22mm |
+5% 60 扁平 |
195/60R18 39.8km/h 直径691mm 径差-3mm |
205/60R18 40.5km/h 直径703mm 径差+9mm |
215/60R18 41.2km/h 直径715mm 径差+21mm |
225/60R18 41.9km/h 直径727mm 径差+33mm |
235/60R18 42.6km/h 直径739mm 径差+45mm |
+10% 65 扁平 |
195/65R18 41.0km/h 直径711mm 径差+17mm |
205/65R18 41.7km/h 直径724mm 径差+30mm |
215/65R18 42.5km/h 直径737mm 径差+43mm |
225/65R18 43.2km/h 直径750mm 径差+56mm |
235/65R18 44.0km/h 直径763mm 径差+69mm |
もし上記表の中から車検に安心なタイヤを選ぶのであれば、メーター誤差が-5.0%から0%の間にあって車高への影響も少ない 、195/55R18、195/60R18 、205/50R18、205/55R18 、215/50R18 、225/50R18 、235/50R18あたりのタイヤがおすすめです。
215/55R18のタイヤ幅を195mmから245mmまで、扁平率を40%から70%までの範囲に拡大した適合タイヤの一覧表および、100km/h回転数、加速力と最高速の変化、走行距離計の誤差による実燃費とのズレについては、215/55R18の適応サイズと性能の変化 [DM8P型CX-30編]のページをご覧ください。
純正のホイールサイズから大径化したり、幅の広いタイヤ、扁平率の低いタイヤに交換しようとするとタイヤ代が高くなる傾向にありますので、少しでも維持費を抑えたい、今はお財布の中身が心許ないといった際にはオートウェイのタイヤ通販をご覧ください。
DM8P型CX-30[1.8Lターボ 4WD/6AT]の得点(簡易版)
ここではこのページを締めくくる集大成として、パワーウェイトレシオや1速ギヤでの加速性能、排気量1Lあたりの出力、ホイールベーストレッド比からなるスポーツ性能部門と、時速100kmでの巡航回転数、燃費、車体の大きさ、室内の広さからなるユーティリティ部門とに大別し、このサイトで登録している全車種の平均値から偏差値を求めて優劣を調べてみたいと思います。
スポーツ性能部門 | ||
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評価項目 | 数値 | 得点 |
パワーウェイト | 13.190kg/ps | 39.61 |
1速ギヤ加速性能 | 1.245kg/kgm | 57.50 |
1L換算馬力 | 66.06ps/L | 36.47 |
1L換算トルク | 15.66kgm/L | 50.54 |
WB/TR比 | 1.696 | 57.89 |
ワイド&ロー指数 | 0.858 | 51.63 |
前面の面積 | 2.764m² | 45.16 |
最低地上高 | 175mm | 40.77 |
スポーツ性能部門の得点 | 379.57 |
※ここではパワーウェイトレシオ・1速ギヤ加速性能・ホイールベーストレッド比・ワイド&ロー指数・前面の面積については数値が小さいほど高得点。リッター換算馬力・換算トルクについては数値が大きいほど高得点としています。
ユーティリティ部門 | ||
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評価項目 | 数値 | 得点 |
WLTC燃費 | 18.4km/L | 53.07 |
年間維持費 | 232750円 | 57.27 |
100kmh回転数 | 2000rpm | 57.17 |
航続距離 | 883.2km | 60.64 |
車の大きさ | 12.149m³ | 53.49 |
室内の広さ | 3.299m³ | 49.32 |
最小回転半径 | 5.3m | 47.23 |
馬力単価 | 26931円 | 41.78 |
ユーティリティ部門の得点 | 419.97 |
※ここでは燃費・航続距離・車の大きさ・室内の広さは数値が大きいほど高得点、年間維持費・100km/h回転数・最小回転半径・馬力単価は数値が小さいほど高得点としています。
スポーツ性能部門およびユーティリティ部門の得点を合計した DM8P型CX-30[1.8Lターボ 4WD/6AT] の総合得点は 799.54 点です。獲得点数が多い車種から順番に並べた 総合得点ランキング を用意してありますので、よろしければご覧ください。
上記リンク先では、今回このページで紹介したDM8P型CX-30(4WD/6AT) の各種スペックを、「全ての車種」、「全ての5人乗SUV」、「2000ccの5人乗SUV」という属性で評価したとき、それぞれの項目が相対的にどのくらい優れているか、劣っているかを調べてみました。基準が変わると手のひらを返したように評価も変わる様子をご堪能ください。