ランドローバー レンジローバー ヴォーグの性能まとめ [LM44型|4.4L/306PS|4WD/6AT|2008年] 4.4-V8


 画像はランドローバーより引用
 http://www.landrover.co.jp/

ランドローバーの5ドア・5人乗りSUV、LM44型の3代目レンジローバー ヴォーグは2008/03から生産(または販売)が開始されました。ここでは2008/11モデルにある[4.4-V8]というグレードのカタログスペックを基に、数値から見た性能をインプレおよび評価・解説してみます。

ボディサイズが全長4950mm×全幅1955mm×全高1900mm、排気量は4393ccであることから、大雑把に分類すると4.4リットルクラス(4400cc、自動車税は4.5L以下を適用)に属し、全長、全幅、排気量ともに5ナンバー枠を超えていることにより完全無欠の3ナンバー登録車です。いわゆる【高級車】にカテゴライズされます。

ちなみに、車体形状や用途に関係なく全長のみを基準とした分類方法で各セグメントに当てはめると、全長が4950mmであるこの車の場合は「ラグジュアリー」(Luxury 4900mm超 Fセグメント相当)に属します。※国や時代によって基準は異なります

車両に備わる全てのタイヤを駆動する、いわゆるAWD方式(All Wheel Drive・Four Wheel Drive)を採用しています。真っ直ぐ進むことに掛けては右に出る者なしとされ、大雨、強風、泥濘、降雪、凍結など天変地異による悪天候下や悪路にて無類の強さを発揮する安心の駆動方式です。

LM44型 レンジローバー ヴォーグ [4393cc/306PS 4WD/6AT] お品書き

ページが長大でどうにもならないため、ページ下部の項目にジャンプできるようなものを作りました。

エンジン性能と特性、パワーウェイトレシオ

ギヤ比と加速力&エンジン回転数と最高速

タイヤサイズ変更とスピードメーター誤差

各種スペックの相対評価とレーダーチャート

3代目レンジローバー ヴォーグの類型&他グレード

  • 吸気方式のNAは自然吸気、TBはターボ、SCはスーパーチャージャー、TSはTB+SCの略
  • ※燃費の文字が赤色のものはレギュラーガソリン、青色のものはハイオクガソリン、緑色のものは軽油を燃料とするエンジンを搭載した車種
画像排気量
車両価格
車両型式
グレード
出力
燃費
5.0L-SC
4WD/6AT
1420.0万円
LM5S型
[5.0-V8 Super-Charged]
(2011/12)
510PS
63.8kgm
5.1km/L
5.0L-NA
4WD/6AT
1220.0万円
LM5N型
[5.0-V8]
(2011/12)
375PS
52.0kgm
5.9km/L
4.2L-SC
4WD/6AT
1455.0万円
LM42S型
[4.2-V8 Super-Charged]
(2008/11)
396PS
57.1kgm
5.5km/L

主要諸元とエンジン諸元

主要諸元
メーカー LAND_ROVER
車名&
グレード
レンジローバー ヴォーグ
4.4-V8
その他
お値段 13000000円
車両型式 ABA-LM44
駆動&
変速機
4WD(AWD,四輪駆動)&
6AT(6速AT,6段AT)
ドア数&
定員
5ドア
5人
車体寸法 長4950×幅1955×高1900mm
軸距&
輪距
2880mm
前1625mm/後1620mm
最小半径 5.7m
タイヤ 前255/55R19 後255/55R19
ブレーキ 前ベンチレーテッドディスク
後ベンチレーテッドディスク
車両重量 2520kg
エンジン諸元
原動機型式 448PN
気筒配列 V型8気筒
排気量 4393cc
圧縮比 10.7
吸気方式 自然吸気(NA・ノンターボ)
最高出力 306PS(225kW 302HP)/5750rpm
最大トルク 44.9kgm(440Nm)/4000rpm
使用燃料 ハイオクガソリン
10・15燃費 6.0km/L (14.1mpg)
100km燃費 16.7L/100km
※V型8気筒とは‥シリンダをV字型に交互で8個配置する方式。中~大排気量のスタンダード。
448PN型エンジンの諸元と性能まとめ
※V型8気筒の最高出力ランキング

税金と年間維持費のシミュレーション

ここでは、春になると毎年欠かさず支払いを催促される自動車税(76500円)、払わなければ車検を受けさせてもらえない自動車重量税(24600円/年)と自賠責保険料(13920円/年)、年間1万km走行した際に掛かる燃料代月額8000円の任意保険に加入し、走行5000km毎にエンジンオイル交換、3年3万km毎にタイヤ交換するとしたときの年間維持費(ランニングコスト)を見てみます。

さらに、レンジローバー ヴォーグの新車を1495万円(諸費用として195万円を加算)にて購入し、頭金なしで5年ローンを組んだと仮定したときの年間支払額(金利分は含まず)も踏まえて、上記の維持費と合算した場合の想定維持費も計算してみました。

  • ローンの年数については月額5万円の支払いを基準として、ローンの支払額が60万円以下は1年、120万円以下は2年、180万円以下は3年、240万円以上は4年、それ以上は5年としています。
  • 任意保険の金額については特に根拠のない一例です。具体的な掛け金は運転者の年齢や家族構成、年間走行距離、保険内容、車両保険の有無等によって大きく異なります。
  • 保険スクエアbang!では最大20社より自動車保険料の比較・検討が可能です。

新車で買った場合の年間維持費

名目 区分 金額
自動車税(1年分) 4500cc以下 13年未満 76500円
自動車重量税(1年分) 3.0トン以下 13年未満 24600
自賠責保険料(1年分) 自家用乗用車 13920円
燃料代(年間1万km) 10000km÷4.8km/L×160円/L 333330円
オイル交換(5000km毎) 1回7000円×2回 14000円
タイヤ交換(3年3万km毎) 1本21000円×4本÷3年 28000円
任意保険料(月額8000円) 月額8000円×12ヶ月 96000円
ローン完済後の年間維持費 586350円
名目 区分 金額
車のローン額(1年分) 月額249170円×12ヶ月 2990040円
ローン返済中の年間維持費 3576390円
次回車検費用の積み立て目安
重量税2年分+自賠責24ヶ月分+検査手数料等3000円程度 80040円
  • 平成25年4月1日からの自賠責保険料の改定に対応。
  • 平成27年4月1日からの自動車税の割増(10%増→15%増)に対応。
  • 平成28年4月1日からの自動車重量税の変更に対応、
    ただし今流行のエコカー減税(自動車税、自動車重量税等の減免)には対応できていません。
  • 燃料消費率が緑文字のものはWLTCモード燃費、青文字のものはJC08モード燃費、赤文字のものは10・15モード燃費に0.8を掛けたもの。
  • 車検時には上記の目安金額80,040円の他に法定24ヶ月点検に関連する費用が必要です。
  • 名目にある金額の基準は、年間維持費の算出基準まとめ をご覧ください。

年間の維持費が50万円を超えてくると、これはもうこの車そのものが趣味の世界です。若しくは、これだけの維持費が掛かる車を所有していることに喜びを感じ、意義を見出しているのかもしれません。ここまで来ると月単位に換算しても48,863円(完済前は298,033円)という破格の金額になってしまうことを思えば、とてもじゃないけど新車で買って5年のローンを抱えながら乗るような車ではありません。ほとんど乗らずに盆栽としてガレージに飾っておくなら、まあ…

1km走行コストと月間&年間交通費

距離/日費用/日月換算年換算
10km270円5900円7.0万円
20km530円11700円13.8万円
30km800円17600円20.8万円
50km1330円29300円34.6万円
100km2670円58700円69.4万円

さて、ハイオクガソリン1リットルの燃料価格を160円、燃費を6.0km/Lとしたとき、1km走行あたりのコストは26.67円になります。

たとえばこの車を通勤車とした場合、1日の走行距離が10kmなら燃料代は270円/日となり、20km走行なら530円/日、30km走行なら800円/日、50km走行なら1330円/日、100km走行なら2670円/日かかる計算です。

1か月の労働日数を22日として計算すると、通勤距離が10kmなら月間の走行距離は220kmで燃料代は5900円/月、20kmなら440kmで11700円/月、30kmなら660kmで17600円/月、50kmなら1100kmで29300円/月、100kmなら2200kmで58700円/月かかります。

1年間の労働日数を260日とすると、通勤距離が10kmなら年間の走行距離は2600kmで燃料代は7.0万円/年、20kmなら5200kmで13.8万円/年、30kmなら7800kmで20.8万円/年、50kmなら13000kmで34.6万円/年、100kmなら26000kmで69.4万円/年となります。

1年間のランニングコスト(年間維持費) ランキング
新車の小型&普通車4500cc以下輸入車編SUV・RV・クロカン限定


カタログスペックから見えてくる要素

448PN型エンジン簡易性能曲線図
448PN型エンジン性能曲線図もどき
各回転域での馬力
4000回転時の馬力 251PS
5750回転時の馬力 306PS
各回転域でのトルク
4000回転時のトルク 44.9kgm
5750回転時のトルク 38.1kgm
448PN型エンジンの諸元と性能まとめ

まずおさらいとして、搭載している448PN型4393cc、V型8気筒の自然吸気エンジンは5750回転時に最高出力306馬力を、4000回転時に最大トルク44.9kgmを発生します。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力が計算できますので、それぞれの点と点とを線で繋いでパワーカーブとトルクカーブのエンジン性能曲線図もどきを作ってみました。

トルクの山が中央より左にあるか右にあるかを基準にしてエンジン特性を探ってみますと、最大トルクの発生回転数が若干高めにあるこのエンジンは、普段使いでも不足を感じることなく、それでいて高い回転数を維持すればスポーティな走行も楽しめるバランスの良さが魅力です。

※実際のところは車両重量やギヤ比、排気量に対する気筒数の多少によって印象が異なってくると思います。

ちなみに、エンジンのパワーバンドを「最大トルクが発生する4000rpmから最高出力が発生する5750rpmまで」の1750rpmとしたときの、最高回転数に対するパワーバンドの割合は30.4%となります。※右記(下記?)簡易性能曲線図オレンジ色の帯域

さて、車の速さを知るための指標としてよく使われる パワーウェイトレシオ8.24kg/PS(2520kg/306PS)となっていますが、巷でよく見るであろうこの数値の多くはドライバーが乗った状態でのものではなく、あくまでも車両重量と最高出力のみで計算したものです。

車重と搭乗者とPWR
車体のみ8.24kg/PS
車体+1人8.42kg/PS
車体+5人9.13kg/PS
お腹と車重とPWR
車体+60kg8.43kg/PS
車体+70kg8.46kg/PS
車体+80kg8.50kg/PS
車体+90kg8.53kg/PS
車体+100kg8.56kg/PS

というわけで、車両総重量の求め方に倣い人間の体重55kgを加えて計算し直してみますと、ドライバーのみが搭乗したときのパワーウェイトレシオは8.42kg/PS(2575kg/306PS)となり、数値としては0.18kgほど悪化します。

次に乗車定員いっぱいの5人が搭乗した場合、車両重量に275kgがプラスされてパワーウェイトレシオは9.13kg/PS(2795kg/306PS)となり、0.89kgも悪化することになります。

もともとが重量級の車であれば、人が少々乗ったところで体重の占める割合が小さいことから変化も小さいですが、軽量級の車ではお腹まわりのお肉が大きな影響力を持つことがわかります。

いろいろな数値
WB/TR比 1.78
平均ピストンスピード 17.3m/s
トルクウェイトレシオ 56.1kg/kgm
1馬力あたりのお値段 42484円
排気量1Lあたり馬力 69.7PS/L
排気量1Lあたりトルク 10.22kgm/L
1気筒あたりの馬力 38.2PS
1気筒あたりのトルク 5.6kgm
パワーバンド比率 30.4%
各種ランキング
SUV、RV、クロカンのP/Wレシオ
4.0~4.5L以下のP/Wレシオ

トルクウェイトレシオは56.1kg/kgm(2520kg/44.9kgm)なのですが、トルクについてはギヤ比でどうにでもなりますので、ここでの大小はあまり重要ではありません。(詳しくはギヤ比編にて)

ついでに馬力単価を計算してみると、お値段が13000000円、最高出力が306馬力であるこの車の場合、1馬力あたりのお値段は42484円、逆に1万円あたりでは0.24馬力を得ることができます。ついでのついででトルク1kgmあたりのお値段は289532円、1万円あたりでは0.03kgmとなります。

最高出力を排気量で割ったリッター換算馬力は69.7PS/L、トルクは10.22kgm/L、1気筒あたりの馬力は38.2馬力、トルクは5.6kgmとなり、このエンジンが306馬力を5750回転で発生させているときの平均ピストンスピードは17.3m/sです。
排気量1リットルあたりの馬力ランキング

ちなみに、ストローク量が90.3mmである448PN型エンジンの場合、平均ピストンスピードの上限を20.0m/sとしたときの高回転化の上限は6640回転です。設定されているレブリミットがこの回転数を超えている場合、長年に亘って平均ピストンスピードの目安とされてきた20.0m/sを超えてピストンが往復運動していることになります。レブリミットがこの回転数以下の場合は高回転化してパワーを引き出すチューニングの目安になるかもしれません。
平均ピストンスピードが速い車ランキング

この車のホイールベースを前後トレッドの平均で割って算出されるホイールベーストレッド比は1.78になります。全ての車種の平均値である1.77を基準にざっくりと分類すると、走ってよし、曲がってよしで至れり尽くせりのオールラウンダーであると言えそうです。
ホイールベーストレッド比が小さい車ランキング


速度と車両重量と運動エネルギー

「スピードを出して事故をすると大変なことになる…!」あるいは「重いとブレーキをかけてもなかなか止まらない…」と感覚的には知っていても、なぜ大変なことになるのか、なぜ止まらないのかは今ひとつピンと来なかったりします。

そこで取り出しましたのが運動エネルギーなるもので、これはある重量の物体がある速度で移動しているとき、どれだけのエネルギーを有しているのかを数値的に知ることができるという代物です。

というわけで、レンジローバー ヴォーグの車両重量2520kgに1人ぶんの体重55kgを加えた2575kgと、5名フル乗車時の2795kgという2つの重量を用意して、40km/hから180km/hまでの速度域で運動エネルギーがどのように変化するのかを調べてみました。

速度1名乗車
2575kg
5名乗車
2795kg
40km/h159kJ173kJ+14kJ
60km/h358kJ388kJ+30kJ
80km/h636kJ690kJ+54kJ
100km/h993kJ1078kJ+85kJ
120km/h1431kJ1553kJ+122kJ
140km/h1947kJ2114kJ+167kJ
180km/h3219kJ3494kJ+275kJ

たとえば1名乗車で40km/h走行しているときの運動エネルギーは159kJ、5名乗車では173kJとなり、その差は14kJ、倍率にすれば1.1倍ほどの増加でびっくりするほどではありません。

が、速度が倍の80km/hになると1名乗車でも636kJ、5名乗車では54kJ増加して690kJにもなり、重量から見れば1.1倍のままなれど、40km/hでの運動エネルギーと比べると4.0倍も増加しています。

これが180km/hになると1名乗車で3219kJ、5名乗車では275kJ増加して3494kJにもなり、80km/hと比べても5.1倍、40km/hと比べると20.2倍ものとんでもない運動エネルギーを有していることがわかります。

さて、速度が同じなら重いほうが運動エネルギーは大きくなることがわかりましたので、続いては運動エネルギーを993000Jとした場合に、重量の異なる自動車では時速何kmに相当するのかを調べてみます。

重量993kJ
速度
100キロ
[kJ]
800kg179km/h309kJ-684kJ
1000kg160km/h386kJ-607kJ
1500kg131km/h579kJ-414kJ
2000kg113km/h772kJ-221kJ
2575kg100km/h993kJ
3000kg93km/h1157kJ+164kJ
3500kg86km/h1350kJ+357kJ
※100km/h[kJ]は各重量の車両が100km/h走行しているときの運動エネルギー

ここでは車両重量+体重55kgの2575kgを基準として、800kg、1000kg、1500kg、2000kg、3000kg、3500kgで計算してみました。

考えたくもないことですが、たとえば同じ100km/hで走行する相手と正面衝突する場合、相手が800kgであれば当たり負けすることはなく、その相手が179km/hのとき互角の勝負になります。

逆に相手が3500kgで重い場合、双方が100km/hでは当たり負けして弾き飛ばされますが、相手が86km/hであれば互いに引かぬ真っ向勝負に持ち込める、というような雰囲気です。

いずれにせよ超スピードで事故をすれば衝突安全ボディもなんのその、車は雲散霧消の勢いで大変なことになり、ブレーキローターとブレーキパッドが身を削り、身を粉にして車を止めようにも一筋縄ではいかないことがわかる…ような気がしてきます。


車中泊の可能性

車中泊の可能性
期待される荷室の長さ 1.73m
期待される荷室の幅 1.55m
対角線の長さ 2.32m
期待される荷室の面積 2.68m²

ここでは全長の35%を【期待される荷室の長さ】、室内幅から100mm(不明の場合は全幅から400mm)引いたものを【期待される荷室の幅】とし、それらを掛け合わせて【期待される荷室の面積】、「縦の長さが厳しいなら斜めに寝れば良いじゃない!」ということで、おまけ要素として【対角線の長さ】も計算してみました。

縦方向の長さが1.73m(対角線では2.32m)などという破格のクラスになると、これはもう四の五の言わず車に住むべきです。これだけの車を所持できる素養は持ち得ているのですから、細かいことは気にせずあらゆる支配からの卒業を宣言し、信じられぬ大人との争いに終止符を打ちましょう。

一見すると車中泊が可能そうに見えるハッチバックやワゴン、SUVであってもリアシートが前に倒れなかったり、倒れても中途半端であったり、凝った足回りのせいで室内に巨大な出っ張りがあったりで、なかなか思うようにはいきませんが、大抵のケースでは知恵と工夫で何とかなるはずです。車中泊にあると嬉しいアイテム


燃料タンクと燃費と航続距離と

燃料タンクと燃費と航続距離と
10・15モード燃費 6.0km/L
燃料タンク容量 105L
航続距離(カタログ燃費) 630.0km
航続距離(80%燃費) 504.0km
満タンプライス 16800円
1万円でどこまで行ける? 375.0km
車両価格/航続距離 20635円/km

10・15モード燃費が6.0km/Lですので、燃料タンクの容量が105リットルですと航続可能距離は630.0kmになります。(カタログ燃費通りに走行できた場合)

実際にはそうもいきませんから、オイル交換やタイヤ空気圧の管理といった定期メンテナンスを確実に実施した上での実燃費をカタログ燃費の90%(5.4km/L)とすると567.0km、80%(4.8km/L)だと504.0km、70%(4.2km/L)では441.0kmという航続距離になります。

燃料タンクに1滴の燃料もないスッカラカンの状態から満タンにしたときの金額を計算してみますと、ハイオクガソリン105リットルの給油で16800円、上で計算した航続距離を踏まえると630.0km(80%燃費時504.0km)を走行するのに16800円かかる計算です。

ついでに1万円の燃料代でどこまで行けるかも計算してみますと、カタログ通りの燃費で走行できれば375.0km(往復なら片道187.5km)、カタログ値の80%なら300.0km(片道150.0km)離れたところまで行くことができます。

ちなみに、1回の給油で630.0kmの距離を移動できるLM44型 レンジローバー ヴォーグ [4.4-V8]という乗り物を、1300.0万円で手に入れたと考えたとき、この車が1km走行するにあたっては「20635円の値打ちがある!」と言える、かもしれません。


ギヤ比と回転数と速度と駆動トルクとトルクウェイトレシオのステキな関係

続いてギヤ比を見てみます。あるギヤで走行中にエンジン(正確にはクランクシャフト)をレブリミットまで回したときの速度と、レブリミットでシフトアップした後の回転数を計算するためには、何回転で回転リミッターが働くのかを知らねばなりません。

しかし具体的な数値を知るにはECU(エンジン・コントロール・ユニット)にあるデータを参照しなければならなかったりで実現は厳しく、ならばとレッドゾーンが始まる回転数から推測しようにも、最近ではタコメータが装着されていない車両が多くあって心が折れます。

ピークパワーが発生する回転数(この車の場合5750rpm)から必要以上に回してもあまり意味はないのでそれを上限としても良いのですが、気分よく運転しているときは往々にして回しすぎるのが常ですから、ここでは500回転をプラスした6250回転を仮のレブリミットとして計算してみます。

暫定レブ 6250rpm|タイヤサイズ 255/55R19|タイヤ直径 76.3cm|円周長 239.7cm
ギヤ ギヤ比 総減速比 ステップ比 シフトアップ
後の回転数
6250rpm
の速度
100kmh
の回転数
タイヤの
最大駆動力
1速 4.171 15.56 57.8kmh 10820rpm 1831.1kgm
2速 2.340 8.728 0.561 1-2/3510rpm 103.0kmh 6070rpm 1027.3kgm
3速 1.521 5.673 0.650 2-3/4060rpm 158.4kmh 3940rpm 667.7kgm
4速 1.143 4.263 0.751 3-4/4690rpm 210.8kmh 2960rpm 501.8kgm
5速 0.867 3.234 0.759 4-5/4740rpm 278.0kmh 2250rpm 380.6kgm
6速 0.691 2.577 0.797 5-6/4980rpm 348.7kmh 1790rpm 303.3kgm
Final 3.730 レシオカバレッジ(変速比幅)6.036
ギヤの繋がりイメージ
LM44型レンジローバー ヴォーグ6AT車のギヤ比イメージ
  • ステップ比(歯車比)とは隣接したギヤ同士の離れ具合を示した数値で、1.000に近いほどシフト操作後の回転数の変化が小さく(ギヤ同士の繋がりが良い)、離れるほど変化が大きく(繋がりが悪い)なることを表します。
    シフトアップでは現在の回転数にステップ比を乗じた回転数まで下がり、シフトダウンでは現在の回転数にステップ比を除した回転数まで上がります。
    赤い数字はシフトアップ後にパワーバンドの下限(最大トルク発生回転数4000rpm)を下回るもの。
  • 時速100kmでの回転数は100km/h÷60÷タイヤ円周長×各ギヤ比×ファイナルギヤ比(3.730)で算出。
  • タイヤの最大駆動力は最大トルク(44.9kgm)×各ギヤ比×ファイナルギヤ比(3.730)÷タイヤの有効半径(0.3815m)で算出。
    ただし、ATおよびCVTにあるトルクコンバーターでのトルク増幅効果は考慮できていません。

本来のレブリミットとは異なるので最高速の数値は前後しますが、上記の設定での最高速度は6速ギヤの348.7km(5750rpmでは320.8km/h)となります。この速度は空気抵抗、パワー不足、スピードリミッターなどネガティブ要素の一切を無視して、単にギヤ比とエンジン回転数、タイヤサイズだけで計算した速度です。

おまけ:5750rpmでシフトアップする場合の各ギヤ速度

5750rpmでの速度と
シフトアップ後の回転数
ギヤ速度回転数
1速ギヤ53km/h
2速ギヤ95km/h3230rpm
3速ギヤ146km/h3740rpm
4速ギヤ194km/h4320rpm
5速ギヤ256km/h4360rpm
6速ギヤ321km/h4580rpm

LM44型レンジローバー ヴォーグに搭載された448PN型4393ccエンジンのレブリミットを、最高出力が発生する5750rpmとしてシフトアップするときの速度をシミュレートしてみます。

まず1速ギヤで5750rpmまで引っ張ると53km/hまで加速し、2速ギヤにシフトアップすると回転数は5750rpmから3230rpmまで落ち、そこから5750rpmまで加速を続けると速度は95km/h(+42km/h)になります。

3速ギヤでは3740rpmまで落ちて5750rpmで146km/h(+51km/h)に、4速ギヤでは4320rpmまで落ちて5750rpmで194km/h(+48km/h)になります。

続いて5速ギヤでは4360rpmまで落ちて5750rpmで256km/h(+62km/h)に、6速ギヤでは4580rpmまで落ちて5750rpmで321km/h(+65km/h)という具合に加速していくイメージです。

タイヤの最大駆動力にある数値は、エンジンが4000回転で最大トルク44.9kgmを発生しているとき、各々のギヤを介したのち実際にタイヤへと伝えられるトルクで、この数値が大きいほどタイヤを回そうとする力が大きく、より力強い加速をすることができます。

この数値を大きくするにはギヤ比を低く(加速重視・ローギヤード)する、タイヤを小径化する、エンジンの最大トルクを大きくするという方法があります。逆にギヤ比を高く(最高速重視・ハイギヤード)したり、タイヤを大径化したり、デチューンして非力にすると駆動トルクは小さくなって加速が鈍ります。

さて、世の中にはパワーウェイトレシオ(1馬力が担う重量・PWR)に似ているようで少し違うトルクウェイトレシオ(1kgmが担う重量・TWR)という指標があります。単純に車両重量を最大トルクで割れば56.1kg/kgmですから、パワーウェイトレシオ(8.24kg/ps)に比べると霞んで見えます。

しかしトルクはギヤを介することで増幅され、たとえば1速ギヤの場合ですと1831.1kgmになります。これを踏まえて改めて車両重量(2520kg)を1速ギヤの最大駆動力(1831.1kgm)で割ってみると1.38kg/kgmとなり、今度は逆にPWRが霞んで見えるような数値が出てきます。最高出力が発生する5750回転でのトルク(38.1kgm)からTWRを算出すると1.62kg/kgmとなり、4000-5750回転の回転域では1.38-1.62kg/kgmの間で推移することがわかります。

ある速度における各ギヤでの回転数

ギヤ 40
km/h
60
km/h
80
km/h
100
km/h
120
km/h
140
km/h
180
km/h
1速 4330 6490 8650 10820 12980 15140 19470
2速 2430 3640 4860 6070 7280 8500 10920
3速 1580 2370 3160 3940 4730 5520 7100
4速 1190 1780 2370 2960 3560 4150 5340
5速 900 1350 1800 2250 2700 3150 4050
6速 720 1080 1430 1790 2150 2510 3230
※赤い数字は暫定レブリミット(6250rpm)を上回るもの。

この項目では各々のギヤと速度を基準として、任意のギヤを選択中に時速40km~180kmにて走行するとき、エンジンの回転数がどのくらいになるのかを一覧表にしてみました。この車の場合、最も高いギヤ(0.691)を選択して時速100kmにて走行すると1790回転まで回ります。

ちなみに、一般道の速い流れやバイパスでよくある60km/hでは1080回転、対面通行の高速道路での制限速度70km/hでは1250回転、一般的な高速道路の80km/hでは1430回転、100km/hでは1790回転、制限速度が120km/hになると2150回転になります。小型・普通乗用車の速度リミッターが働く180km/hでは3230回転まで回ります。

これほどまでに時速100kmでの巡航回転数が低ければ、(パワーさえ足りていれば)高速道路では向かうところ敵なしです。エンジンノイズによる疲れとは無縁の世界、ただひたすらに回り続けるエンジンのなんと頼もしいことでしょう。これに合わせてタイヤのロードノイズ、風きり音すらも完璧に抑え込まれていたならば、これはもはや完全無欠の高級車です。

ある回転数における各ギヤでの速度

ギヤ 1000
rpm
2000
rpm
3000
rpm
4000
rpm
5000
rpm
6000
rpm
7000
rpm
8000
rpm
1速 9 18 28 37 46 55 65 74
2速 16 33 49 66 82 99 115 132
3速 25 51 76 101 127 152 177 203
4速 34 67 101 135 169 202 236 270
5速 44 89 133 178 222 267 311 356
6速 56 112 167 223 279 335 391 446

この項目では各々のギヤとエンジンの回転数を基準として、任意のギヤを選択中にエンジンを1000回転刻みで8000回転まで回したとき、それぞれのギヤでどのくらいの速度が出ているのかを一覧表にしてみました。暫定レブリミット(6250回転)よりも回転数が高くなる欄の速度については赤文字で表記してあります。


純正装着タイヤの255/55R19と互換可能な車検対応サイズ|簡易版

下の表では純正サイズを基準としてタイヤ幅を-20mmから+20mm、扁平率を-5%から+5%まで変化させたときのスピードメータ誤差が、マイナス方向を水色、-5.0%から+2.0%までを緑色、+6.0%までを橙色に着色しています。

※ここではタイヤの直径(外径)のみを基準としています。タイヤの幅を広くしすぎてサスペンションと干渉したり、はみ出てしまって車検に通らないからとフェンダーを叩いたり引っ張ったりキャンバーを付けたりで四苦八苦、ホイール幅が狭すぎてなんかイマイチ…という事例もありますので、ホイールのオフセットとリム幅にはご注意ください。

純正タイヤ 255/55R19 | 直径 763mm

-20mm
幅235mm
-10mm
幅245mm
変更なし
幅255mm
+10mm
幅265mm
+20mm
幅275mm
-5%
50
扁平
235/50R19
37.6km/h
直径718mm
径差-45mm
245/50R19
38.2km/h
直径728mm
径差-35mm
255/50R19
38.7km/h
直径738mm
径差-25mm
265/50R19
39.2km/h
直径748mm
径差-15mm
275/50R19
39.7km/h
直径758mm
径差-5mm
0%
55
扁平
235/55R19
38.9km/h
直径742mm
径差-21mm
245/55R19
39.5km/h
直径753mm
径差-10mm
255/55R19
40.0km/h
763mm
0mm
265/55R19
40.6km/h
直径775mm
径差+12mm
275/55R19
41.2km/h
直径786mm
径差+23mm
+5%
60
扁平
235/60R19
40.1km/h
直径765mm
径差+2mm
245/60R19
40.7km/h
直径777mm
径差+14mm
255/60R19
41.4km/h
直径789mm
径差+26mm
265/60R19
42.0km/h
直径801mm
径差+38mm
275/60R19
42.6km/h
直径813mm
径差+50mm
+10%
65
扁平
235/65R19
41.4km/h
直径789mm
径差+26mm
245/65R19
42.0km/h
直径802mm
径差+39mm
255/65R19
42.7km/h
直径815mm
径差+52mm
265/65R19
43.4km/h
直径828mm
径差+65mm
275/65R19
44.1km/h
直径841mm
径差+78mm

もし上記表の中から車検に安心なタイヤを選ぶのであれば、メーター誤差が-5.0%から0%の間にあって車高への影響も少ない 、235/55R19 、245/50R19、245/55R19 、255/50R19 、265/50R19 、275/50R19あたりのタイヤがおすすめです。

255/55R19のタイヤ幅を235mmから285mmまで、扁平率を40%から70%までの範囲に拡大した適合タイヤの一覧表および、100km/h回転数、加速力と最高速の変化、走行距離計の誤差による実燃費とのズレについては、255/55R19の適応サイズと性能の変化 [LM44型レンジローバー ヴォーグ編]のページをご覧ください。

純正のホイールサイズから大径化したり、幅の広いタイヤ、扁平率の低いタイヤに交換しようとするとタイヤ代が高くなる傾向にありますので、少しでも維持費を抑えたい、今はお財布の中身が心許ないといった際にはオートウェイのタイヤ通販をご検討くださいませ。


LM44型レンジローバー ヴォーグ[4.4L-NA 4WD/6AT]の得点(簡易版)

ここではこのページを締めくくる集大成として、パワーウェイトレシオや1速ギヤでの加速性能、排気量1Lあたりの出力、ホイールベーストレッド比からなるスポーツ性能部門と、時速100kmでの巡航回転数、燃費、車体の大きさ、室内の広さからなるユーティリティ部門とに大別し、このサイトで登録している全車種の平均値から偏差値を求めて優劣を調べてみたいと思います。

スポーツ性能部門
評価項目数値得点
パワーウェイト8.24kg/ps53.67
1速ギヤ加速性能1.38kg/kgm54.77
1L換算馬力69.7ps/L47.09
1L換算トルク10.22kgm/L58.99
WB/TR比1.7849.17
ワイド&ロー指数0.97243.27
前面の面積3.715m²18.29
最低地上高43.35
スポーツ性能部門の得点368.60

※ここではパワーウェイトレシオ・1速ギヤ加速性能・ホイールベーストレッド比・ワイド&ロー指数・前面の面積については数値が小さいほど高得点。リッター換算馬力・換算トルクについては数値が大きいほど高得点としています。


ユーティリティ部門
評価項目数値得点
10-15燃費6.0km/L34.77
年間維持費586350円26.18
100kmh回転数1790rpm60.55
航続距離630.0km45.39
車の大きさ18.387m³79.84
室内の広さ(仮) 3.334m³49.80
最小回転半径5.7m38.72
馬力単価42484円20.23
ユーティリティ部門の得点355.48

※ここでは燃費・航続距離・車の大きさ・室内の広さは数値が大きいほど高得点、年間維持費・100km/h回転数・最小回転半径・馬力単価は数値が小さいほど高得点としています。

スポーツ性能部門およびユーティリティ部門の得点を合計した LM44型レンジローバー ヴォーグ[4.4L-NA 4WD/6AT] の総合得点は 724.08 点です。獲得点数が多い車種から順番に並べた 総合得点ランキング を用意してありますので、よろしければご覧ください。

上記リンク先では、今回このページで紹介したLM44型レンジローバー ヴォーグ(4WD/6AT) の各種スペックを、「全ての車種」、「全ての5人乗SUV」、「4500ccの5人乗SUV」という属性で評価したとき、それぞれの項目が相対的にどのくらい優れているか、劣っているかを調べてみました。基準が変わると手のひらを返したように評価も変わる様子をご堪能ください。投稿日:2012/05/06|更新日:2018/02/09


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