ホンダ S2000の性能まとめ [AP1型|2.0L/250PS|FR/6MT|2007年] type-V


 画像は本田技研工業より引用
 http://www.honda.co.jp/

本田技研工業の2ドア・2人乗りオープンカー、AP1型の初代S2000は1999/04から生産が開始され、2009/09に生産(または販売)を終えました。ここでは2007/10モデルにある[type-V]というグレードのカタログスペックを基に、数値から見た性能をインプレおよび評価・解説してみます。

ボディサイズが全長4135mm×全幅1750mm×全高1285mm、排気量は1997ccであることから、大雑把に分類すると2.0リットルクラス(2000cc、自動車税は2.0L以下を適用)に属し、全長、全高、排気量は5ナンバー枠ながら全幅が1.7mを超えていることにより3ナンバー登録になります。この手のタイプはいわゆる世界戦略車(グローバルカー)に多くあるようです。

ちなみに、車体形状や用途に関係なく全長のみを基準とした分類方法で各セグメントに当てはめると、全長が4135mmであるこの車の場合は「ロア ミディアム」(Lower-Medium 3850mm超-4300mm以下 Cセグメント相当)に属します。※国や時代によって基準は異なります

エンジンを車体の前方に搭載し、後輪のみを駆動する、いわゆるFR方式(フロントエンジン-リヤドライブ)を採用しています。前輪は操舵、後輪は駆動と役割分担が異なることから優れたハンドリングを得られるとされ、運転の質を求める人々から絶大なる支持を集めます。高級車の代名詞的な駆動方式です。

AP1型 S2000 [1997cc/250PS FR/6MT] お品書き

ページが長大でどうにもならないため、ページ下部の項目にジャンプできるようなものを作りました。

エンジン性能と特性、パワーウェイトレシオ

ギヤ比と加速力&エンジン回転数と最高速

タイヤサイズ変更とスピードメーター誤差

各種スペックの相対評価とレーダーチャート

初代S2000の類型&他グレード

  • 吸気方式のNAは自然吸気、TBはターボ、SCはスーパーチャージャー、TSはTB+SCの略
  • ※燃費の文字が赤色のものはレギュラーガソリン、青色のものはハイオクガソリン、緑色のものは軽油を燃料とするエンジンを搭載した車種
画像排気量
車両価格
車両型式
グレード
出力
燃費
2.2L-NA
FR/6MT
399.0万円
AP2型
[type-S]
(2007/10)
242PS
22.5kgm
11.0km/L

主要諸元とエンジン諸元

主要諸元
メーカー HONDA
車名&
グレード
S2000
type-V
その他 BaseGrade, Type-V Gioire
お値段 3885000円
車両型式 ABA-AP1
駆動&
変速機
FR(RWD,2WD,後輪駆動)&
6MT(6速MT,6段MT,6速マニュアル)
ドア数&
定員
2ドア
2人
車体寸法 長4135×幅1750×高1285mm
室内寸法 長800×幅1350×高1055mm
軸距&
輪距
2400mm
前1470mm/後1510mm
最小半径 5.4m
最低高 130mm
タイヤ 前215/45R17 後245/40R17
ブレーキ 前ベンチレーテッドディスク
後ディスク
車両重量 1270kg
エンジン諸元
原動機型式 F20C
気筒配列 直列4気筒
排気量 1997cc
圧縮比 11.7
吸気方式 自然吸気(NA・ノンターボ)
最高出力 250PS(184kW 247HP)/8300rpm
最大トルク 22.2kgm(218Nm)/7500rpm
使用燃料 ハイオクガソリン
10・15燃費 11.6km/L (27.3mpg)
100km燃費 8.6L/100km
※直列4気筒とは‥シリンダを真っ直ぐ一列に4個配置する方式。小排気量から2.5Lあたりまでをカバー。
F20C型エンジンの諸元と性能まとめ
※直列4気筒の最高出力ランキング

税金と年間維持費のシミュレーション

ここでは、春になると毎年欠かさず支払いを催促される自動車税(39500円)、払わなければ車検を受けさせてもらえない自動車重量税(12300円/年)と自賠責保険料(13920円/年)、年間1万km走行した際に掛かる燃料代月額5500円の任意保険に加入し、走行5000km毎にエンジンオイル交換、3年3万km毎にタイヤ交換するとしたときの年間維持費(ランニングコスト)を見てみます。

さらに、2007/10モデルのS2000を12年落ちの中古で64.1万円にて購入し、頭金なしで2年ローンを組んだと仮定したときの年間支払額(金利分は含まず)も踏まえて、上記の維持費と合算した場合の想定維持費も計算してみました。

  • 中古車の価格は当該車種の参照年から経過した年数に応じて新車価格の90%から10%の範囲で上下させています。
    S2000の2007/10モデルの場合、2019年現在では12年が経過しているため、新車価格の15%である58.3万円に諸経費として5.8万円を足した64.1万円を中古車価格の目安としています。
  • ローンの年数については月額5万円の支払いを基準として、ローンの支払額が60万円以下は1年、120万円以下は2年、180万円以下は3年、240万円以上は4年、それ以上は5年としています。
  • 任意保険の金額については特に根拠のない一例です。具体的な掛け金は運転者の年齢や家族構成、年間走行距離、保険内容、車両保険の有無等によって大きく異なります。
  • 保険スクエアbang!では最大20社より自動車保険料の比較・検討が可能です。

2007年式を12年落ちの中古で買った場合の年間維持費

名目 区分 金額
自動車税(1年分) 2000cc以下 13年未満 39500円
自動車重量税(1年分) 1.5トン以下 13年未満 12300
自賠責保険料(1年分) 自家用乗用車 13920円
燃料代(年間1万km) 10000km÷9.3km/L×160円/L 172040円
オイル交換(5000km毎) 1回4500円×2回 9000円
タイヤ交換(3年3万km毎) 1本15000円×4本÷3年 20000円
任意保険料(月額5500円) 月額5500円×12ヶ月 66000円
ローン完済後の年間維持費 332760円
名目 区分 金額
車のローン額(1年分) 月額26720円×12ヶ月 320640円
ローン返済中の年間維持費 653400円
次回車検費用の積み立て目安
重量税2年分+自賠責24ヶ月分+検査手数料等3000円程度 55440円
  • 平成25年4月1日からの自賠責保険料の改定に対応。
  • 平成27年4月1日からの自動車税の割増(10%増→15%増)に対応。
  • 平成28年4月1日からの自動車重量税の変更に対応、
    ただし今流行のエコカー減税(自動車税、自動車重量税等の減免)には対応できていません。
  • 燃料消費率が緑文字のものはWLTCモード燃費、青文字のものはJC08モード燃費、赤文字のものは10・15モード燃費に0.8を掛けたもの。
  • 車検時には上記の目安金額55,440円の他に法定24ヶ月点検に関連する費用が必要です。
  • 名目にある金額の基準は、年間維持費の算出基準まとめ をご覧ください。

車に対して少し色気を出すと月換算で2~3万円の間、年間にすると24~36万円のクラスです。この車の場合は月単位で換算すると27,730円(完済前は54,450円)になります。口癖のように「もうちょっと維持費が安ければ…」と呟くその姿は自慢げなようでありながら哀愁を帯びているようでもあり対応に困ります。より維持費の掛からない新しい車を買うほどではない、が、維持費のことを考えずにはいられない、そんなクラスです。全体から見るとこの辺りから面白味のある車が増えてくるイメージです。

1km走行コストと月間&年間交通費

距離/日費用/日月換算年換算
10km140円3100円3.6万円
20km280円6200円7.3万円
30km410円9000円10.7万円
50km690円15200円17.9万円
100km1380円30400円35.9万円

さて、ハイオクガソリン1リットルの燃料価格を160円、燃費を11.6km/Lとしたとき、1km走行あたりのコストは13.79円になります。

たとえばこの車を通勤車とした場合、1日の走行距離が10kmなら燃料代は140円/日となり、20km走行なら280円/日、30km走行なら410円/日、50km走行なら690円/日、100km走行なら1380円/日かかる計算です。

1か月の労働日数を22日として計算すると、通勤距離が10kmなら月間の走行距離は220kmで燃料代は3100円/月、20kmなら440kmで6200円/月、30kmなら660kmで9000円/月、50kmなら1100kmで15200円/月、100kmなら2200kmで30400円/月かかります。

1年間の労働日数を260日とすると、通勤距離が10kmなら年間の走行距離は2600kmで燃料代は3.6万円/年、20kmなら5200kmで7.3万円/年、30kmなら7800kmで10.7万円/年、50kmなら13000kmで17.9万円/年、100kmなら26000kmで35.9万円/年となります。

1年間のランニングコスト(年間維持費) ランキング
2000cc以下の自然吸気 ホンダ編(普)オープンカー限定


カタログスペックから見えてくる要素

F20C型エンジン簡易性能曲線図
F20C型エンジン性能曲線図もどき
各回転域での馬力
7500回転時の馬力 232PS
8300回転時の馬力 250PS
各回転域でのトルク
7500回転時のトルク 22.2kgm
8300回転時のトルク 21.6kgm
F20C型エンジンの諸元と性能まとめ

まずおさらいとして、搭載しているF20C型1997cc、直列4気筒の自然吸気エンジンは8300回転時に最高出力250馬力を、7500回転時に最大トルク22.2kgmを発生します。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力が計算できますので、それぞれの点と点とを線で繋いでパワーカーブとトルクカーブのエンジン性能曲線図もどきを作ってみました。

トルクの山が中央より左にあるか右にあるかを基準にしてエンジン特性を探ってみますと、最大トルクと最高出力の発生回転数がとても近いこのエンジンは、高い回転数まで回すことで力を発揮するタイプのエンジンです。回転に伴って高まるパワー感は得も言われぬ感動を与えてくれることでしょう。

※実際のところは車両重量やギヤ比、排気量に対する気筒数の多少によって印象が異なってくると思います。

ちなみに、エンジンのパワーバンドを「最大トルクが発生する7500rpmから最高出力が発生する8300rpmまで」の800rpmとしたときの、最高回転数に対するパワーバンドの割合は9.6%となります。※右記(下記?)簡易性能曲線図オレンジ色の帯域

さて、車の速さを知るための指標としてよく使われる パワーウェイトレシオ5.08kg/PS(1270kg/250PS)となっていますが、巷でよく見るであろうこの数値の多くはドライバーが乗った状態でのものではなく、あくまでも車両重量と最高出力のみで計算したものです。

車重と搭乗者とPWR
車体のみ5.08kg/PS
車体+1人5.30kg/PS
車体+2人5.52kg/PS
お腹と車重とPWR
車体+60kg5.32kg/PS
車体+70kg5.36kg/PS
車体+80kg5.40kg/PS
車体+90kg5.44kg/PS
車体+100kg5.48kg/PS

というわけで、車両総重量の求め方に倣い人間の体重55kgを加えて計算し直してみますと、ドライバーのみが搭乗したときのパワーウェイトレシオは5.30kg/PS(1325kg/250PS)となり、数値としては0.22kgほど悪化します。

次に乗車定員いっぱいの2人が搭乗した場合、車両重量に110kgがプラスされてパワーウェイトレシオは5.52kg/PS(1380kg/250PS)となり、0.44kgも悪化することになります。

もともとが重量級の車であれば、人が少々乗ったところで体重の占める割合が小さいことから変化も小さいですが、軽量級の車ではお腹まわりのお肉が大きな影響力を持つことがわかります。

いろいろな数値
WB/TR比 1.61
平均ピストンスピード 23.2m/s
トルクウェイトレシオ 57.2kg/kgm
1馬力あたりのお値段 15540円
排気量1Lあたり馬力 125.2PS/L
排気量1Lあたりトルク 11.12kgm/L
1気筒あたりの馬力 62.5PS
1気筒あたりのトルク 5.5kgm
パワーバンド比率 9.6%
各種ランキング
オープンカーのP/Wレシオ
1.8~2.0L以下のP/Wレシオ(NA)

トルクウェイトレシオは57.2kg/kgm(1270kg/22.2kgm)なのですが、トルクについてはギヤ比でどうにでもなりますので、ここでの大小はあまり重要ではありません。(詳しくはギヤ比編にて)

ついでに馬力単価を計算してみると、お値段が3885000円、最高出力が250馬力であるこの車の場合、1馬力あたりのお値段は15540円、逆に1万円あたりでは0.64馬力を得ることができます。ついでのついででトルク1kgmあたりのお値段は175000円、1万円あたりでは0.06kgmとなります。

最高出力を排気量で割ったリッター換算馬力は125.2PS/L、トルクは11.12kgm/L、1気筒あたりの馬力は62.5馬力、トルクは5.5kgmとなり、このエンジンが250馬力を8300回転で発生させているときの平均ピストンスピードは23.2m/sです。
排気量1リットルあたりの馬力ランキング

ちなみに、ストローク量が84.0mmであるF20C型エンジンの場合、平均ピストンスピードの上限を20.0m/sとしたときの高回転化の上限は7140回転です。最高出力を発生している時点で既に20.0m/sを超えているこのエンジンは実に良く設計された秀逸なエンジンであると言えます。一昔(二昔?)前の常識を覆す誉れ高きエンジンですので、ぜひとも重要文化遺産に登録して後世に伝えていかねばなりません。
平均ピストンスピードが速い車ランキング

この車のホイールベースを前後トレッドの平均で割って算出されるホイールベーストレッド比は1.61になります。全ての車種の平均値である1.77を基準にざっくりと分類すると、どちらかというと小回りを得意とする傾向にある車と言えそうです。
ホイールベーストレッド比が小さい車ランキング


速度と車両重量と運動エネルギー

「スピードを出して事故をすると大変なことになる…!」あるいは「重いとブレーキをかけてもなかなか止まらない…」と感覚的には知っていても、なぜ大変なことになるのか、なぜ止まらないのかは今ひとつピンと来なかったりします。

そこで取り出しましたのが運動エネルギーなるもので、これはある重量の物体がある速度で移動しているとき、どれだけのエネルギーを有しているのかを数値的に知ることができるという代物です。

というわけで、S2000の車両重量1270kgに1人ぶんの体重55kgを加えた1325kgと、2名フル乗車時の1380kgという2つの重量を用意して、40km/hから180km/hまでの速度域で運動エネルギーがどのように変化するのかを調べてみました。

速度1名乗車
1325kg
2名乗車
1380kg
40km/h82kJ85kJ+3kJ
60km/h184kJ192kJ+8kJ
80km/h327kJ341kJ+14kJ
100km/h511kJ532kJ+21kJ
120km/h736kJ767kJ+31kJ
140km/h1002kJ1044kJ+42kJ
180km/h1656kJ1725kJ+69kJ

たとえば1名乗車で40km/h走行しているときの運動エネルギーは82kJ、2名乗車では85kJとなり、その差は3kJ、倍率にすれば1.0倍ほどの増加でびっくりするほどではありません。

が、速度が倍の80km/hになると1名乗車でも327kJ、2名乗車では14kJ増加して341kJにもなり、重量から見れば1.0倍のままなれど、40km/hでの運動エネルギーと比べると4.0倍も増加しています。

これが180km/hになると1名乗車で1656kJ、2名乗車では69kJ増加して1725kJにもなり、80km/hと比べても5.1倍、40km/hと比べると20.2倍ものとんでもない運動エネルギーを有していることがわかります。

さて、速度が同じなら重いほうが運動エネルギーは大きくなることがわかりましたので、続いては運動エネルギーを511000Jとした場合に、重量の異なる自動車では時速何kmに相当するのかを調べてみます。

重量511kJ
速度
100キロ
[kJ]
600kg149km/h231kJ-280kJ
800kg129km/h309kJ-202kJ
1000kg115km/h386kJ-125kJ
1325kg100km/h511kJ
2000kg81km/h772kJ+261kJ
2500kg73km/h965kJ+454kJ
3000kg66km/h1157kJ+646kJ
※100km/h[kJ]は各重量の車両が100km/h走行しているときの運動エネルギー

ここでは車両重量+体重55kgの1325kgを基準として、600kg、800kg、1000kg、2000kg、2500kg、3000kgで計算してみました。

考えたくもないことですが、たとえば同じ100km/hで走行する相手と正面衝突する場合、相手が600kgであれば当たり負けすることはなく、その相手が149km/hのとき互角の勝負になります。

逆に相手が3000kgで重い場合、双方が100km/hでは当たり負けして弾き飛ばされますが、相手が66km/hであれば互いに引かぬ真っ向勝負に持ち込める、というような雰囲気です。

いずれにせよ超スピードで事故をすれば衝突安全ボディもなんのその、車は雲散霧消の勢いで大変なことになり、ブレーキローターとブレーキパッドが身を削り、身を粉にして車を止めようにも一筋縄ではいかないことがわかる…ような気がしてきます。


人間様の占有スペース

人間様の占有スペース
室内長×幅×高 1.1m³
1人あたりのスペース 約0.6m³
室内長/全長 19.3%
室内幅/全幅 77.1%
室内高/全高 82.1%
室内容積/車両体積 11.8%

ボディサイズと室内寸法のデータがあるので車両全体に対する人間様の占有スペースを計算してみます。ここでの比率はボンネットが長い車であったり乗車人数の少ない車であったり、バン(貨物車)のように人よりも積載容量を重視している車は小さくなります。

まず室内長、室内幅、室内高を掛けて算出される室内の容積は1.1m³です。この車の乗車定員は2人ですから、単純に室内の容積で割るとフル乗車した際には約0.6m³のスペースが割り当てられることになります。続いて室内長を全長で割って算出される室内長と全長の比率は19.3%、同じく室内幅と全幅の比率は77.1%、同じく室内高と全高の比率は82.1%となりました。また車の形状を無視して単なる立方体として見たときの車両の体積に対する室内の容積の比率は11.8%でした。

室内の広さ・長さランキング
室内長が長い車室内幅が広い車室内高が高い車車内の空間が広い車


燃料タンクと燃費と航続距離と

燃料タンクと燃費と航続距離と
10・15モード燃費 11.6km/L
燃料タンク容量 50L
航続距離(カタログ燃費) 580.0km
航続距離(80%燃費) 465.0km
満タンプライス 8000円
1万円でどこまで行ける? 725.0km
車両価格/航続距離 6698円/km

10・15モード燃費が11.6km/Lですので、燃料タンクの容量が50リットルですと航続可能距離は580.0kmになります。(カタログ燃費通りに走行できた場合)

実際にはそうもいきませんから、オイル交換やタイヤ空気圧の管理といった定期メンテナンスを確実に実施した上での実燃費をカタログ燃費の90%(10.4km/L)とすると520.0km、80%(9.3km/L)だと465.0km、70%(8.1km/L)では405.0kmという航続距離になります。

燃料タンクに1滴の燃料もないスッカラカンの状態から満タンにしたときの金額を計算してみますと、ハイオクガソリン50リットルの給油で8000円、上で計算した航続距離を踏まえると580.0km(80%燃費時465.0km)を走行するのに8000円かかる計算です。

ついでに1万円の燃料代でどこまで行けるかも計算してみますと、カタログ通りの燃費で走行できれば725.0km(往復なら片道362.5km)、カタログ値の80%なら580.0km(片道290.0km)離れたところまで行くことができます。

ちなみに、1回の給油で580.0kmの距離を移動できるAP1型 S2000 [type-V]という乗り物を、388.5万円で手に入れたと考えたとき、この車が1km走行するにあたっては「6698円の値打ちがある!」と言える、かもしれません。


ギヤ比と回転数と速度と駆動トルクとトルクウェイトレシオのステキな関係

続いてギヤ比を見てみます。あるギヤで走行中にエンジン(正確にはクランクシャフト)をレブリミットまで回したときの速度と、レブリミットでシフトアップした後の回転数を計算するためには、何回転で回転リミッターが働くのかを知らねばなりません。

しかし具体的な数値を知るにはECU(エンジン・コントロール・ユニット)にあるデータを参照しなければならなかったりで実現は厳しく、ならばとレッドゾーンが始まる回転数から推測しようにも、最近ではタコメータが装着されていない車両が多くあって心が折れます。

ピークパワーが発生する回転数(この車の場合8300rpm)から必要以上に回してもあまり意味はないのでそれを上限としても良いのですが、気分よく運転しているときは往々にして回しすぎるのが常ですから、ここでは500回転をプラスした8800回転を仮のレブリミットとして計算してみます。

暫定レブ 8800rpm|タイヤサイズ 245/40R17|タイヤ直径 62.8cm|円周長 197.3cm
ギヤ ギヤ比 総減速比 ステップ比 シフトアップ
後の回転数
8800rpm
の速度
100kmh
の回転数
タイヤの
最大駆動力
1速 3.133 14.90 69.9kmh 12590rpm 1053.5kgm
2速 2.045 9.726 0.653 1-2/5750rpm 107.1kmh 8220rpm 687.6kgm
3速 1.481 7.044 0.724 2-3/6370rpm 147.9kmh 5950rpm 498.0kgm
4速 1.161 5.522 0.784 3-4/6900rpm 188.7kmh 4660rpm 390.4kgm
5速 0.970 4.613 0.835 4-5/7350rpm 225.8kmh 3900rpm 326.2kgm
6速 0.810 3.852 0.835 5-6/7350rpm 270.4kmh 3250rpm 272.4kgm
Final 4.100 レシオカバレッジ(変速比幅)3.868
ギヤの繋がりイメージ
AP1型S20006MT車のギヤ比イメージ
  • ステップ比(歯車比)とは隣接したギヤ同士の離れ具合を示した数値で、1.000に近いほどシフト操作後の回転数の変化が小さく(ギヤ同士の繋がりが良い)、離れるほど変化が大きく(繋がりが悪い)なることを表します。
    シフトアップでは現在の回転数にステップ比を乗じた回転数まで下がり、シフトダウンでは現在の回転数にステップ比を除した回転数まで上がります。
    赤い数字はシフトアップ後にパワーバンドの下限(最大トルク発生回転数7500rpm)を下回るもの。
  • 時速100kmでの回転数は100km/h÷60÷タイヤ円周長×各ギヤ比×ファイナルギヤ比(4.100)で算出。
  • タイヤの最大駆動力は最大トルク(22.2kgm)×各ギヤ比×ファイナルギヤ比(4.100)÷タイヤの有効半径(0.314m)で算出。

本来のレブリミットとは異なるので最高速の数値は前後しますが、上記の設定での最高速度は6速ギヤの270.4km(8300rpmでは255.1km/h)となります。この速度は空気抵抗、パワー不足、スピードリミッターなどネガティブ要素の一切を無視して、単にギヤ比とエンジン回転数、タイヤサイズだけで計算した速度です。

おまけ:8300rpmでシフトアップする場合の各ギヤ速度

8300rpmでの速度と
シフトアップ後の回転数
ギヤ速度回転数
1速ギヤ66km/h
2速ギヤ101km/h5420rpm
3速ギヤ139km/h6010rpm
4速ギヤ178km/h6510rpm
5速ギヤ213km/h6930rpm
6速ギヤ255km/h6930rpm

AP1型S2000に搭載されたF20C型1997ccエンジンのレブリミットを、最高出力が発生する8300rpmとしてシフトアップするときの速度をシミュレートしてみます。

まず1速ギヤで8300rpmまで引っ張ると66km/hまで加速し、2速ギヤにシフトアップすると回転数は8300rpmから5420rpmまで落ち、そこから8300rpmまで加速を続けると速度は101km/h(+35km/h)になります。

3速ギヤでは6010rpmまで落ちて8300rpmで139km/h(+38km/h)に、4速ギヤでは6510rpmまで落ちて8300rpmで178km/h(+39km/h)になります。

続いて5速ギヤでは6930rpmまで落ちて8300rpmで213km/h(+35km/h)に、6速ギヤでは6930rpmまで落ちて8300rpmで255km/h(+42km/h)という具合に加速していくイメージです。

タイヤの最大駆動力にある数値は、エンジンが7500回転で最大トルク22.2kgmを発生しているとき、各々のギヤを介したのち実際にタイヤへと伝えられるトルクで、この数値が大きいほどタイヤを回そうとする力が大きく、より力強い加速をすることができます。

この数値を大きくするにはギヤ比を低く(加速重視・ローギヤード)する、タイヤを小径化する、エンジンの最大トルクを大きくするという方法があります。逆にギヤ比を高く(最高速重視・ハイギヤード)したり、タイヤを大径化したり、デチューンして非力にすると駆動トルクは小さくなって加速が鈍ります。

さて、世の中にはパワーウェイトレシオ(1馬力が担う重量・PWR)に似ているようで少し違うトルクウェイトレシオ(1kgmが担う重量・TWR)という指標があります。単純に車両重量を最大トルクで割れば57.2kg/kgmですから、パワーウェイトレシオ(5.08kg/ps)に比べると霞んで見えます。

しかしトルクはギヤを介することで増幅され、たとえば1速ギヤの場合ですと1053.5kgmになります。これを踏まえて改めて車両重量(1270kg)を1速ギヤの最大駆動力(1053.5kgm)で割ってみると1.21kg/kgmとなり、今度は逆にPWRが霞んで見えるような数値が出てきます。最高出力が発生する8300回転でのトルク(21.6kgm)からTWRを算出すると1.24kg/kgmとなり、7500-8300回転の回転域では1.21-1.24kg/kgmの間で推移することがわかります。

ある速度における各ギヤでの回転数

ギヤ 40
km/h
60
km/h
80
km/h
100
km/h
120
km/h
140
km/h
180
km/h
1速 5030 7550 10070 12590 15100 17620 22660
2速 3290 4930 6570 8220 9860 11500 14790
3速 2380 3570 4760 5950 7140 8330 10710
4速 1870 2800 3730 4660 5600 6530 8400
5速 1560 2340 3120 3900 4680 5460 7010
6速 1300 1950 2600 3250 3910 4560 5860
※赤い数字は暫定レブリミット(8800rpm)を上回るもの。

この項目では各々のギヤと速度を基準として、任意のギヤを選択中に時速40km~180kmにて走行するとき、エンジンの回転数がどのくらいになるのかを一覧表にしてみました。この車の場合、最も高いギヤ(0.810)を選択して時速100kmにて走行すると3250回転まで回ります。

ちなみに、一般道の速い流れやバイパスでよくある60km/hでは1950回転、対面通行の高速道路での制限速度70km/hでは2280回転、一般的な高速道路の80km/hでは2600回転、100km/hでは3250回転、制限速度が120km/hになると3900回転になります。小型・普通乗用車の速度リミッターが働く180km/hでは5860回転まで回ります。

時速100kmでの巡航回転数が3000回転を超えるようになってくると、ややパワーが心許ないとか、荷物や人を多く乗せる車であるとか、より鋭い加速を得たい場合のギヤ比ではないかと思います。エンジンのレイアウト(直列3気筒とか)によっては独特の振動が生じたりするので不快感を覚えるようになるかもしれません。

ある回転数における各ギヤでの速度

ギヤ 1000
rpm
2000
rpm
3000
rpm
4000
rpm
5000
rpm
6000
rpm
7000
rpm
8000
rpm
1速 8 16 24 32 40 48 56 64
2速 12 24 37 49 61 73 85 97
3速 17 34 50 67 84 101 118 134
4速 21 43 64 86 107 129 150 172
5速 26 51 77 103 128 154 180 205
6速 31 61 92 123 154 184 215 246

この項目では各々のギヤとエンジンの回転数を基準として、任意のギヤを選択中にエンジンを1000回転刻みで8000回転まで回したとき、それぞれのギヤでどのくらいの速度が出ているのかを一覧表にしてみました。暫定レブリミット(8800回転)よりも回転数が高くなる欄の速度については赤文字で表記してあります。


純正装着タイヤの245/40R17と互換可能な車検対応サイズ|簡易版

下の表では純正サイズを基準としてタイヤ幅を-20mmから+20mm、扁平率を-5%から+5%まで変化させたときのスピードメータ誤差が、マイナス方向を水色、-5.0%から+2.0%までを緑色、+6.0%までを橙色に着色しています。

※ここではタイヤの直径(外径)のみを基準としています。タイヤの幅を広くしすぎてサスペンションと干渉したり、はみ出てしまって車検に通らないからとフェンダーを叩いたり引っ張ったりキャンバーを付けたりで四苦八苦、ホイール幅が狭すぎてなんかイマイチ…という事例もありますので、ホイールのオフセットとリム幅にはご注意ください。

純正タイヤ 245/40R17 | 直径 628mm

-20mm
幅225mm
-10mm
幅235mm
変更なし
幅245mm
+10mm
幅255mm
+20mm
幅265mm
-5%
35
扁平
225/35R17
37.6km/h
直径590mm
径差-38mm
235/35R17
38.0km/h
直径597mm
径差-31mm
245/35R17
38.5km/h
直径604mm
径差-24mm
255/35R17
38.9km/h
直径611mm
径差-17mm
265/35R17
39.4km/h
直径618mm
径差-10mm
0%
40
扁平
225/40R17
39.0km/h
直径612mm
径差-16mm
235/40R17
39.5km/h
直径620mm
径差-8mm
245/40R17
40.0km/h
628mm
0mm
255/40R17
40.5km/h
直径636mm
径差+8mm
265/40R17
41.0km/h
直径644mm
径差+16mm
+5%
45
扁平
225/45R17
40.4km/h
直径635mm
径差+7mm
235/45R17
41.0km/h
直径644mm
径差+16mm
245/45R17
41.6km/h
直径653mm
径差+25mm
255/45R17
42.2km/h
直径662mm
径差+34mm
265/45R17
42.7km/h
直径671mm
径差+43mm
+10%
50
扁平
225/50R17
41.8km/h
直径657mm
径差+29mm
235/50R17
42.5km/h
直径667mm
径差+39mm
245/50R17
43.1km/h
直径677mm
径差+49mm
255/50R17
43.8km/h
直径687mm
径差+59mm
265/50R17
44.4km/h
直径697mm
径差+69mm

もし上記表の中から車検に安心なタイヤを選ぶのであれば、メーター誤差が-5.0%から0%の間にあって車高への影響も少ない 、225/40R17 、235/35R17、235/40R17 、245/35R17 、255/35R17 、265/35R17あたりのタイヤがおすすめです。

245/40R17のタイヤ幅を225mmから275mmまで、扁平率を25%から55%までの範囲に拡大した適合タイヤの一覧表および、100km/h回転数、加速力と最高速の変化、走行距離計の誤差による実燃費とのズレについては、245/40R17の適応サイズと性能の変化 [AP1型S2000編]のページをご覧ください。

純正のホイールサイズから大径化したり、幅の広いタイヤ、扁平率の低いタイヤに交換しようとするとタイヤ代が高くなる傾向にありますので、少しでも維持費を抑えたい、今はお財布の中身が心許ないといった際にはオートウェイのタイヤ通販をご検討くださいませ。


AP1型S2000[2.0L-NA FR/6MT]の得点(簡易版)

ここではこのページを締めくくる集大成として、パワーウェイトレシオや1速ギヤでの加速性能、排気量1Lあたりの出力、ホイールベーストレッド比からなるスポーツ性能部門と、時速100kmでの巡航回転数、燃費、車体の大きさ、室内の広さからなるユーティリティ部門とに大別し、このサイトで登録している全車種の平均値から偏差値を求めて優劣を調べてみたいと思います。

スポーツ性能部門
評価項目数値得点
パワーウェイト5.08kg/ps62.72
1速ギヤ加速性能1.21kg/kgm58.64
1L換算馬力125.2ps/L92.14
1L換算トルク11.12kgm/L70.38
WB/TR比1.6166.88
ワイド&ロー指数0.73460.79
前面の面積2.249m²59.39
最低地上高130mm60.00
スポーツ性能部門の得点530.94

※ここではパワーウェイトレシオ・1速ギヤ加速性能・ホイールベーストレッド比・ワイド&ロー指数・前面の面積については数値が小さいほど高得点。リッター換算馬力・換算トルクについては数値が大きいほど高得点としています。


ユーティリティ部門
評価項目数値得点
10-15燃費11.6km/L47.02
年間維持費332760円49.78
100kmh回転数3250rpm39.82
航続距離580.0km42.35
車の大きさ9.299m³41.61
室内の広さ1.139m³26.65
最小回転半径5.4m45.11
馬力単価15540円56.98
ユーティリティ部門の得点349.32

※ここでは燃費・航続距離・車の大きさ・室内の広さは数値が大きいほど高得点、年間維持費・100km/h回転数・最小回転半径・馬力単価は数値が小さいほど高得点としています。

スポーツ性能部門およびユーティリティ部門の得点を合計した AP1型S2000[2.0L-NA FR/6MT] の総合得点は 880.26 点です。獲得点数が多い車種から順番に並べた 総合得点ランキング を用意してありますので、よろしければご覧ください。

上記リンク先では、今回このページで紹介したAP1型S2000(FR/6MT) の各種スペックを、「全ての車種」、「全てのオープンカー」、「2000ccのオープンカー」という属性で評価したとき、それぞれの項目が相対的にどのくらい優れているか、劣っているかを調べてみました。基準が変わると手のひらを返したように評価も変わる様子をご堪能ください。投稿日:2011/07/28|更新日:2018/02/09


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