ホンダ インサイトの性能まとめ [ZE1型|1.0L/70PS|FF/5MT|2004年]


 画像は本田技研工業より引用
 http://www.honda.co.jp/

本田技研工業の3ドア・2人乗りクーペ、ZE1型の初代インサイトは1999/11から生産が開始され、2006/06に生産(または販売)を終えました。ここでは2004/10モデルにある[BaseGrade]というグレードのカタログスペックを基に、数値から見た性能をインプレおよび評価・解説してみます。

ボディサイズが全長3940mm×全幅1695mm×全高1355mm、排気量は995ccであることから、大雑把に分類すると1.0リットルクラス(1000cc、自動車税は1.0L以下を適用)に属した、いわゆる5ナンバークラスの車です。とにかく排気量を増やして、とにかくボディを大きく、特に全幅を広げれば良いんだという風潮が蔓延る現代においては大変貴重な車となっています。

ちなみに、車体形状や用途に関係なく全長のみを基準とした分類方法で各セグメントに当てはめると、全長が3940mmであるこの車の場合は「ロア ミディアム」(Lower-Medium 3850mm超-4300mm以下 Cセグメント相当)に属します。※国や時代によって基準は異なります

エンジンを車体の前方に搭載し、前輪のみを駆動する、いわゆるFF方式(フロントエンジン-フロントドライブ)を採用しています。この方式はエンジンと駆動系(ミッション、デフ等)の収納がエンジンルーム内で完結するので軽量コンパクトかつ低コスト化が実現でき、室内を広く作りやすい(エンジンが横置きの場合)ほか、後輪駆動車に比べて直進安定性に優れることが主な特長です。

ZE1型 インサイト [995cc/70PS FF/5MT] お品書き

ページが長大でどうにもならないため、ページ下部の項目にジャンプできるようなものを作りました。

エンジン性能と特性、パワーウェイトレシオ

ギヤ比と加速力&エンジン回転数と最高速

タイヤサイズ変更とスピードメーター誤差

各種スペックの相対評価とレーダーチャート

初代インサイトの類型&他グレード

  • 吸気方式のNAは自然吸気、TBはターボ、SCはスーパーチャージャー、TSはTB+SCの略
  • ※燃費の文字が赤色のものはレギュラーガソリン、青色のものはハイオクガソリン、緑色のものは軽油を燃料とするエンジンを搭載した車種
画像排気量
車両価格
車両型式
グレード
出力
燃費
1.0L-NA
FF/CVT
228.9万円
ZE1型
[BaseGrade]
(2004/10)
70PS
9.4kgm
32.0km/L

主要諸元とエンジン諸元

主要諸元
メーカー HONDA
車名&
グレード
インサイト
BaseGrade
その他
お値段 2205000円
車両型式 AAA-ZE1
駆動&
変速機
FF(FWD,2WD,前輪駆動)&
5MT(5速MT,5段MT,5速マニュアル)
ドア数&
定員
3ドア
2人
車体寸法 長3940×幅1695×高1355mm
室内寸法 長880×幅1390×高1090mm
軸距&
輪距
2400mm
前1435mm/後1325mm
最小半径 4.8m
最低高 150mm
タイヤ 前165/65R14 後165/65R14
ブレーキ 前ベンチレーテッドディスク
後ドラム
車両重量 820kg
エンジン諸元
原動機型式 ECA
気筒配列 直列3気筒+モーター
排気量 995cc
圧縮比 10.8
吸気方式 自然吸気(NA・ノンターボ)
最高出力 70PS(51kW 69HP)/5700rpm
最大トルク 9.4kgm(92Nm)/4800rpm
使用燃料 レギュラーガソリン
10・15燃費 36.0km/L (84.7mpg)
100km燃費 2.8L/100km
※直列3気筒とは‥シリンダを真っ直ぐ一列に3個配置する方式。小排気量のスタンダード。モーターを組み合わせることでハイブリッドカーとなります。
※これまでに登場したハイブリッドカーの一覧
ECA型エンジンの諸元と性能まとめ
※直列3気筒の最高出力ランキング

税金と年間維持費のシミュレーション

ここでは、春になると毎年欠かさず支払いを催促される自動車税(33900円)、払わなければ車検を受けさせてもらえない自動車重量税(11400円/年)と自賠責保険料(13920円/年)、年間1万km走行した際に掛かる燃料代月額4500円の任意保険に加入し、走行5000km毎にエンジンオイル交換、3年3万km毎にタイヤ交換するとしたときの年間維持費(ランニングコスト)を見てみます。

さらに、2004/10モデルのインサイトを15年落ちの中古で24.3万円にて購入し、頭金なしで1年ローンを組んだと仮定したときの年間支払額(金利分は含まず)も踏まえて、上記の維持費と合算した場合の想定維持費も計算してみました。

  • 中古車の価格は当該車種の参照年から経過した年数に応じて新車価格の90%から10%の範囲で上下させています。
    インサイトの2004/10モデルの場合、2019年現在では13年以上が経過しているため、新車価格の10%である22.1万円に諸経費として2.2万円を足した24.3万円を中古車価格の目安としています。
  • ローンの年数については月額5万円の支払いを基準として、ローンの支払額が60万円以下は1年、120万円以下は2年、180万円以下は3年、240万円以上は4年、それ以上は5年としています。
  • 任意保険の金額については特に根拠のない一例です。具体的な掛け金は運転者の年齢や家族構成、年間走行距離、保険内容、車両保険の有無等によって大きく異なります。
  • 保険スクエアbang!では最大20社より自動車保険料の比較・検討が可能です。

2004年式を15年落ちの中古で買った場合の年間維持費

名目 区分 金額
自動車税(1年分) 1000cc以下 13年経過で増税 33900
自動車重量税(1年分) 1.0トン以下 13年-17年経過で増税 11400円
自賠責保険料(1年分) 自家用乗用車 13920円
燃料代(年間1万km) 10000km÷28.8km/L×150円/L 52080円
オイル交換(5000km毎) 1回3500円×2回 7000円
タイヤ交換(3年3万km毎) 1本8000円×4本÷3年 10670円
任意保険料(月額4500円) 月額4500円×12ヶ月 54000円
ローン完済後の年間維持費 182970円
名目 区分 金額
車のローン額(1年分) 月額20260円×12ヶ月 243120円
ローン返済中の年間維持費 426090円
次回車検費用の積み立て目安
重量税2年分+自賠責24ヶ月分+検査手数料等3000円程度 53640円
  • 平成25年4月1日からの自賠責保険料の改定に対応。
  • 平成27年4月1日からの自動車税の割増(10%増→15%増)に対応。
  • 平成28年4月1日からの自動車重量税の変更に対応、
    ただし今流行のエコカー減税(自動車税、自動車重量税等の減免)には対応できていません。
  • 燃料消費率が緑文字のものはWLTCモード燃費、青文字のものはJC08モード燃費、赤文字のものは10・15モード燃費に0.8を掛けたもの。
  • 車検時には上記の目安金額53,640円の他に法定24ヶ月点検に関連する費用が必要です。
  • 名目にある金額の基準は、年間維持費の算出基準まとめ をご覧ください。

今にも壊れそうな格安車から少しステップアップすると月換算で1~2万円の間、年間にすると12~24万円のクラスです。この車の場合、月単位に換算して15,248円(完済前は35,508円)になります。「廉価車にしか乗れなかった自分が、ついにこれだけの維持費が掛かる車を所有できるようになったのだ、新しい自分になれたのだ。あの頃のアタシ、サヨナラ…」とかいう謎のカタルシスに浸れるのがこのクラスです。普通に使う分には何ら問題のないバランスの取れたクラスではないかと思います。

1km走行コストと月間&年間交通費

距離/日費用/日月換算年換算
10km40円900円1.0万円
20km80円1800円2.1万円
30km130円2900円3.4万円
50km210円4600円5.5万円
100km420円9200円10.9万円

さて、レギュラーガソリン1リットルの燃料価格を150円、燃費を36.0km/Lとしたとき、1km走行あたりのコストは4.17円になります。

たとえばこの車を通勤車とした場合、1日の走行距離が10kmなら燃料代は40円/日となり、20km走行なら80円/日、30km走行なら130円/日、50km走行なら210円/日、100km走行なら420円/日かかる計算です。

1か月の労働日数を22日として計算すると、通勤距離が10kmなら月間の走行距離は220kmで燃料代は900円/月、20kmなら440kmで1800円/月、30kmなら660kmで2900円/月、50kmなら1100kmで4600円/月、100kmなら2200kmで9200円/月かかります。

1年間の労働日数を260日とすると、通勤距離が10kmなら年間の走行距離は2600kmで燃料代は1.0万円/年、20kmなら5200kmで2.1万円/年、30kmなら7800kmで3.4万円/年、50kmなら13000kmで5.5万円/年、100kmなら26000kmで10.9万円/年となります。

1年間のランニングコスト(年間維持費) ランキング
1000cc以下 ホンダ編(普)クーペ限定


カタログスペックから見えてくる要素

ECA型エンジン簡易性能曲線図
ECA型エンジン性能曲線図もどき
各回転域での馬力
4800回転時の馬力 63PS
5700回転時の馬力 70PS
各回転域でのトルク
4800回転時のトルク 9.4kgm
5700回転時のトルク 8.8kgm
ECA型エンジンの諸元と性能まとめ

まずおさらいとして、搭載しているECA型995cc、直列3気筒+モーターの自然吸気エンジンは5700回転時に最高出力70馬力を、4800回転時に最大トルク9.4kgmを発生します。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力が計算できますので、それぞれの点と点とを線で繋いでパワーカーブとトルクカーブのエンジン性能曲線図もどきを作ってみました。

トルクの山が中央より左にあるか右にあるかを基準にしてエンジン特性を探ってみますと、最大トルクと最高出力の発生回転数がとても近いこのエンジンは、高い回転数まで回すことで力を発揮するタイプのエンジンです。回転に伴って高まるパワー感は得も言われぬ感動を与えてくれることでしょう。

※実際のところは車両重量やギヤ比、排気量に対する気筒数の多少によって印象が異なってくると思います。

ちなみに、エンジンのパワーバンドを「最大トルクが発生する4800rpmから最高出力が発生する5700rpmまで」の900rpmとしたときの、最高回転数に対するパワーバンドの割合は15.8%となります。※右記(下記?)簡易性能曲線図オレンジ色の帯域

さて、車の速さを知るための指標としてよく使われる パワーウェイトレシオ11.71kg/PS(820kg/70PS)となっていますが、巷でよく見るであろうこの数値の多くはドライバーが乗った状態でのものではなく、あくまでも車両重量と最高出力のみで計算したものです。

車重と搭乗者とPWR
車体のみ11.71kg/PS
車体+1人12.50kg/PS
車体+2人13.29kg/PS
お腹と車重とPWR
車体+60kg12.57kg/PS
車体+70kg12.71kg/PS
車体+80kg12.86kg/PS
車体+90kg13.00kg/PS
車体+100kg13.14kg/PS

というわけで、車両総重量の求め方に倣い人間の体重55kgを加えて計算し直してみますと、ドライバーのみが搭乗したときのパワーウェイトレシオは12.50kg/PS(875kg/70PS)となり、数値としては0.79kgほど悪化します。

次に乗車定員いっぱいの2人が搭乗した場合、車両重量に110kgがプラスされてパワーウェイトレシオは13.29kg/PS(930kg/70PS)となり、1.58kgも悪化することになります。

もともとが重量級の車であれば、人が少々乗ったところで体重の占める割合が小さいことから変化も小さいですが、軽量級の車ではお腹まわりのお肉が大きな影響力を持つことがわかります。

いろいろな数値
WB/TR比 1.74
平均ピストンスピード 15.5m/s
トルクウェイトレシオ 87.2kg/kgm
1馬力あたりのお値段 31500円
排気量1Lあたり馬力 70.4PS/L
排気量1Lあたりトルク 9.45kgm/L
1気筒あたりの馬力 23.3PS
1気筒あたりのトルク 3.1kgm
パワーバンド比率 15.8%
各種ランキング
クーペのP/Wレシオ
1.0L以下のP/Wレシオ

トルクウェイトレシオは87.2kg/kgm(820kg/9.4kgm)なのですが、トルクについてはギヤ比でどうにでもなりますので、ここでの大小はあまり重要ではありません。(詳しくはギヤ比編にて)

ついでに馬力単価を計算してみると、お値段が2205000円、最高出力が70馬力であるこの車の場合、1馬力あたりのお値段は31500円、逆に1万円あたりでは0.32馬力を得ることができます。ついでのついででトルク1kgmあたりのお値段は234574円、1万円あたりでは0.04kgmとなります。

最高出力を排気量で割ったリッター換算馬力は70.4PS/L、トルクは9.45kgm/L、1気筒あたりの馬力は23.3馬力、トルクは3.1kgmとなり、このエンジンが70馬力を5700回転で発生させているときの平均ピストンスピードは15.5m/sです。
排気量1リットルあたりの馬力ランキング

ちなみに、ストローク量が81.5mmであるECA型エンジンの場合、平均ピストンスピードの上限を20.0m/sとしたときの高回転化の上限は7360回転です。設定されているレブリミットがこの回転数を超えている場合、長年に亘って平均ピストンスピードの目安とされてきた20.0m/sを超えてピストンが往復運動していることになります。レブリミットがこの回転数以下の場合は高回転化してパワーを引き出すチューニングの目安になるかもしれません。
平均ピストンスピードが速い車ランキング

この車のホイールベースを前後トレッドの平均で割って算出されるホイールベーストレッド比は1.74になります。全ての車種の平均値である1.77を基準にざっくりと分類すると、走ってよし、曲がってよしで至れり尽くせりのオールラウンダーであると言えそうです。
ホイールベーストレッド比が小さい車ランキング


速度と車両重量と運動エネルギー

「スピードを出して事故をすると大変なことになる…!」あるいは「重いとブレーキをかけてもなかなか止まらない…」と感覚的には知っていても、なぜ大変なことになるのか、なぜ止まらないのかは今ひとつピンと来なかったりします。

そこで取り出しましたのが運動エネルギーなるもので、これはある重量の物体がある速度で移動しているとき、どれだけのエネルギーを有しているのかを数値的に知ることができるという代物です。

というわけで、インサイトの車両重量820kgに1人ぶんの体重55kgを加えた875kgと、2名フル乗車時の930kgという2つの重量を用意して、40km/hから180km/hまでの速度域で運動エネルギーがどのように変化するのかを調べてみました。

速度1名乗車
875kg
2名乗車
930kg
40km/h54kJ57kJ+3kJ
60km/h122kJ129kJ+7kJ
80km/h216kJ230kJ+14kJ
100km/h338kJ359kJ+21kJ
120km/h486kJ517kJ+31kJ
140km/h662kJ703kJ+41kJ
180km/h1094kJ1163kJ+69kJ

たとえば1名乗車で40km/h走行しているときの運動エネルギーは54kJ、2名乗車では57kJとなり、その差は3kJ、倍率にすれば1.1倍ほどの増加でびっくりするほどではありません。

が、速度が倍の80km/hになると1名乗車でも216kJ、2名乗車では14kJ増加して230kJにもなり、重量から見れば1.1倍のままなれど、40km/hでの運動エネルギーと比べると4.0倍も増加しています。

これが180km/hになると1名乗車で1094kJ、2名乗車では69kJ増加して1163kJにもなり、80km/hと比べても5.1倍、40km/hと比べると20.3倍ものとんでもない運動エネルギーを有していることがわかります。

さて、速度が同じなら重いほうが運動エネルギーは大きくなることがわかりましたので、続いては運動エネルギーを338000Jとした場合に、重量の異なる自動車では時速何kmに相当するのかを調べてみます。

重量338kJ
速度
100キロ
[kJ]
400kg148km/h154kJ-184kJ
600kg121km/h231kJ-107kJ
875kg100km/h338kJ
1500kg76km/h579kJ+241kJ
2000kg66km/h772kJ+434kJ
2500kg59km/h965kJ+627kJ
3000kg54km/h1157kJ+819kJ
※100km/h[kJ]は各重量の車両が100km/h走行しているときの運動エネルギー

ここでは車両重量+体重55kgの875kgを基準として、400kg、600kg、1500kg、2000kg、2500kg、3000kgで計算してみました。

考えたくもないことですが、たとえば同じ100km/hで走行する相手と正面衝突する場合、相手が400kgであれば当たり負けすることはなく、その相手が148km/hのとき互角の勝負になります。

逆に相手が3000kgで重い場合、双方が100km/hでは当たり負けして弾き飛ばされますが、相手が54km/hであれば互いに引かぬ真っ向勝負に持ち込める、というような雰囲気です。

いずれにせよ超スピードで事故をすれば衝突安全ボディもなんのその、車は雲散霧消の勢いで大変なことになり、ブレーキローターとブレーキパッドが身を削り、身を粉にして車を止めようにも一筋縄ではいかないことがわかる…ような気がしてきます。


人間様の占有スペース

人間様の占有スペース
室内長×幅×高 1.3m³
1人あたりのスペース 約0.7m³
室内長/全長 22.3%
室内幅/全幅 82.0%
室内高/全高 80.4%
室内容積/車両体積 14.4%

ボディサイズと室内寸法のデータがあるので車両全体に対する人間様の占有スペースを計算してみます。ここでの比率はボンネットが長い車であったり乗車人数の少ない車であったり、バン(貨物車)のように人よりも積載容量を重視している車は小さくなります。

まず室内長、室内幅、室内高を掛けて算出される室内の容積は1.3m³です。この車の乗車定員は2人ですから、単純に室内の容積で割るとフル乗車した際には約0.7m³のスペースが割り当てられることになります。続いて室内長を全長で割って算出される室内長と全長の比率は22.3%、同じく室内幅と全幅の比率は82.0%、同じく室内高と全高の比率は80.4%となりました。また車の形状を無視して単なる立方体として見たときの車両の体積に対する室内の容積の比率は14.4%でした。

室内の広さ・長さランキング
室内長が長い車室内幅が広い車室内高が高い車車内の空間が広い車


燃料タンクと燃費と航続距離と

燃料タンクと燃費と航続距離と
10・15モード燃費 36.0km/L
燃料タンク容量 40L
航続距離(カタログ燃費) 1440.0km
航続距離(80%燃費) 1152.0km
満タンプライス 6000円
1万円でどこまで行ける? 2400.0km
車両価格/航続距離 1531円/km

10・15モード燃費が36.0km/Lですので、燃料タンクの容量が40リットルですと航続可能距離は1440.0kmになります。(カタログ燃費通りに走行できた場合)

実際にはそうもいきませんから、オイル交換やタイヤ空気圧の管理といった定期メンテナンスを確実に実施した上での実燃費をカタログ燃費の90%(32.4km/L)とすると1296.0km、80%(28.8km/L)だと1152.0km、70%(25.2km/L)では1008.0kmという航続距離になります。

燃料タンクに1滴の燃料もないスッカラカンの状態から満タンにしたときの金額を計算してみますと、レギュラーガソリン40リットルの給油で6000円、上で計算した航続距離を踏まえると1440.0km(80%燃費時1152.0km)を走行するのに6000円かかる計算です。

ついでに1万円の燃料代でどこまで行けるかも計算してみますと、カタログ通りの燃費で走行できれば2400.0km(往復なら片道1200.0km)、カタログ値の80%なら1920.0km(片道960.0km)離れたところまで行くことができます。

ちなみに、1回の給油で1440.0kmの距離を移動できるZE1型 インサイト [BaseGrade]という乗り物を、220.5万円で手に入れたと考えたとき、この車が1km走行するにあたっては「1531円の値打ちがある!」と言える、かもしれません。


ギヤ比と回転数と速度と駆動トルクとトルクウェイトレシオのステキな関係

続いてギヤ比を見てみます。あるギヤで走行中にエンジン(正確にはクランクシャフト)をレブリミットまで回したときの速度と、レブリミットでシフトアップした後の回転数を計算するためには、何回転で回転リミッターが働くのかを知らねばなりません。

しかし具体的な数値を知るにはECU(エンジン・コントロール・ユニット)にあるデータを参照しなければならなかったりで実現は厳しく、ならばとレッドゾーンが始まる回転数から推測しようにも、最近ではタコメータが装着されていない車両が多くあって心が折れます。

ピークパワーが発生する回転数(この車の場合5700rpm)から必要以上に回してもあまり意味はないのでそれを上限としても良いのですが、気分よく運転しているときは往々にして回しすぎるのが常ですから、ここでは500回転をプラスした6200回転を仮のレブリミットとして計算してみます。

暫定レブ 6200rpm|タイヤサイズ 165/65R14|タイヤ直径 57.0cm|円周長 179.1cm
ギヤ ギヤ比 総減速比 ステップ比 シフトアップ
後の回転数
6200rpm
の速度
100kmh
の回転数
タイヤの
最大駆動力
1速 3.461 11.74 56.8kmh 10920rpm 387.1kgm
2速 1.750 5.934 0.506 1-2/3140rpm 112.3kmh 5520rpm 195.7kgm
3速 1.166 3.954 0.666 2-3/4130rpm 168.5kmh 3680rpm 130.4kgm
4速 0.857 2.906 0.735 3-4/4560rpm 229.3kmh 2700rpm 95.8kgm
5速 0.710 2.408 0.828 4-5/5130rpm 276.7kmh 2240rpm 79.4kgm
Final 3.391 レシオカバレッジ(変速比幅)4.875
ギヤの繋がりイメージ
ZE1型インサイト5MT車のギヤ比イメージ
  • ステップ比(歯車比)とは隣接したギヤ同士の離れ具合を示した数値で、1.000に近いほどシフト操作後の回転数の変化が小さく(ギヤ同士の繋がりが良い)、離れるほど変化が大きく(繋がりが悪い)なることを表します。
    シフトアップでは現在の回転数にステップ比を乗じた回転数まで下がり、シフトダウンでは現在の回転数にステップ比を除した回転数まで上がります。
    赤い数字はシフトアップ後にパワーバンドの下限(最大トルク発生回転数4800rpm)を下回るもの。
  • 時速100kmでの回転数は100km/h÷60÷タイヤ円周長×各ギヤ比×ファイナルギヤ比(3.391)で算出。
  • タイヤの最大駆動力は最大トルク(9.4kgm)×各ギヤ比×ファイナルギヤ比(3.391)÷タイヤの有効半径(0.285m)で算出。

本来のレブリミットとは異なるので最高速の数値は前後しますが、上記の設定での最高速度は5速ギヤの276.7km(5700rpmでは254.4km/h)となります。この速度は空気抵抗、パワー不足、スピードリミッターなどネガティブ要素の一切を無視して、単にギヤ比とエンジン回転数、タイヤサイズだけで計算した速度です。

おまけ:5700rpmでシフトアップする場合の各ギヤ速度

5700rpmでの速度と
シフトアップ後の回転数
ギヤ速度回転数
1速ギヤ52km/h
2速ギヤ103km/h2880rpm
3速ギヤ155km/h3800rpm
4速ギヤ211km/h4190rpm
5速ギヤ254km/h4720rpm

ZE1型インサイトに搭載されたECA型995ccエンジンのレブリミットを、最高出力が発生する5700rpmとしてシフトアップするときの速度をシミュレートしてみます。

まず1速ギヤで5700rpmまで引っ張ると52km/hまで加速し、2速ギヤにシフトアップすると回転数は5700rpmから2880rpmまで落ち、そこから5700rpmまで加速を続けると速度は103km/h(+51km/h)になります。

3速ギヤでは3800rpmまで落ちて5700rpmで155km/h(+52km/h)に、4速ギヤでは4190rpmまで落ちて5700rpmで211km/h(+56km/h)に、5速ギヤでは4720rpmまで落ちて5700rpmで254km/h(+43km/h)という具合に加速していくイメージです。

タイヤの最大駆動力にある数値は、エンジンが4800回転で最大トルク9.4kgmを発生しているとき、各々のギヤを介したのち実際にタイヤへと伝えられるトルクで、この数値が大きいほどタイヤを回そうとする力が大きく、より力強い加速をすることができます。

この数値を大きくするにはギヤ比を低く(加速重視・ローギヤード)する、タイヤを小径化する、エンジンの最大トルクを大きくするという方法があります。逆にギヤ比を高く(最高速重視・ハイギヤード)したり、タイヤを大径化したり、デチューンして非力にすると駆動トルクは小さくなって加速が鈍ります。

さて、世の中にはパワーウェイトレシオ(1馬力が担う重量・PWR)に似ているようで少し違うトルクウェイトレシオ(1kgmが担う重量・TWR)という指標があります。単純に車両重量を最大トルクで割れば87.2kg/kgmですから、パワーウェイトレシオ(11.71kg/ps)に比べると霞んで見えます。

しかしトルクはギヤを介することで増幅され、たとえば1速ギヤの場合ですと387.1kgmになります。これを踏まえて改めて車両重量(820kg)を1速ギヤの最大駆動力(387.1kgm)で割ってみると2.12kg/kgmとなり、今度は逆にPWRが霞んで見えるような数値が出てきます。最高出力が発生する5700回転でのトルク(8.8kgm)からTWRを算出すると2.26kg/kgmとなり、4800-5700回転の回転域では2.12-2.26kg/kgmの間で推移することがわかります。

ある速度における各ギヤでの回転数

ギヤ 40
km/h
60
km/h
80
km/h
100
km/h
120
km/h
140
km/h
180
km/h
1速 4370 6550 8740 10920 13110 15290 19660
2速 2210 3310 4420 5520 6630 7730 9940
3速 1470 2210 2940 3680 4420 5150 6620
4速 1080 1620 2160 2700 3250 3790 4870
5速 900 1340 1790 2240 2690 3140 4030
※赤い数字は暫定レブリミット(6200rpm)を上回るもの。

この項目では各々のギヤと速度を基準として、任意のギヤを選択中に時速40km~180kmにて走行するとき、エンジンの回転数がどのくらいになるのかを一覧表にしてみました。この車の場合、最も高いギヤ(0.710)を選択して時速100kmにて走行すると2240回転まで回ります。

ちなみに、一般道の速い流れやバイパスでよくある60km/hでは1340回転、対面通行の高速道路での制限速度70km/hでは1570回転、一般的な高速道路の80km/hでは1790回転、100km/hでは2240回転、制限速度が120km/hになると2690回転になります。小型・普通乗用車の速度リミッターが働く180km/hでは4030回転まで回ります。

一般的な自動車であれば時速100kmでの巡航回転数は2500回転付近に落ち着くようですが、その中でも若干低めの回転数となっています。標準的なギヤ比の範囲内ながらも加速よりも静粛性や燃費に重きを置いた設定なので、急な坂道や長く続く坂道では積極的にギヤを1段下げる操作が必要になるかもしれません。

ある回転数における各ギヤでの速度

ギヤ 1000
rpm
2000
rpm
3000
rpm
4000
rpm
5000
rpm
6000
rpm
7000
rpm
8000
rpm
1速 9 18 27 37 46 55 64 73
2速 18 36 54 72 91 109 127 145
3速 27 54 82 109 136 163 190 217
4速 37 74 111 148 185 222 259 296
5速 45 89 134 179 223 268 312 357

この項目では各々のギヤとエンジンの回転数を基準として、任意のギヤを選択中にエンジンを1000回転刻みで8000回転まで回したとき、それぞれのギヤでどのくらいの速度が出ているのかを一覧表にしてみました。暫定レブリミット(6200回転)よりも回転数が高くなる欄の速度については赤文字で表記してあります。


純正装着タイヤの165/65R14と互換可能な車検対応サイズ|簡易版

下の表では純正サイズを基準としてタイヤ幅を-20mmから+20mm、扁平率を-5%から+5%まで変化させたときのスピードメータ誤差が、マイナス方向を水色、-5.0%から+2.0%までを緑色、+6.0%までを橙色に着色しています。

※ここではタイヤの直径(外径)のみを基準としています。タイヤの幅を広くしすぎてサスペンションと干渉したり、はみ出てしまって車検に通らないからとフェンダーを叩いたり引っ張ったりキャンバーを付けたりで四苦八苦、ホイール幅が狭すぎてなんかイマイチ…という事例もありますので、ホイールのオフセットとリム幅にはご注意ください。

純正タイヤ 165/65R14 | 直径 570mm

-20mm
幅145mm
-10mm
幅155mm
変更なし
幅165mm
+10mm
幅175mm
+20mm
幅185mm
-5%
60
扁平
145/60R14
37.2km/h
直径530mm
径差-40mm
155/60R14
38.0km/h
直径542mm
径差-28mm
165/60R14
38.9km/h
直径554mm
径差-16mm
175/60R14
39.7km/h
直径566mm
径差-4mm
185/60R14
40.6km/h
直径578mm
径差+8mm
0%
65
扁平
145/65R14
38.2km/h
直径545mm
径差-25mm
155/65R14
39.2km/h
直径558mm
径差-12mm
165/65R14
40.0km/h
570mm
0mm
175/65R14
41.0km/h
直径584mm
径差+14mm
185/65R14
41.9km/h
直径597mm
径差+27mm
+5%
70
扁平
145/70R14
39.2km/h
直径559mm
径差-11mm
155/70R14
40.2km/h
直径573mm
径差+3mm
165/70R14
41.2km/h
直径587mm
径差+17mm
175/70R14
42.2km/h
直径601mm
径差+31mm
185/70R14
43.2km/h
直径615mm
径差+45mm
+10%
75
扁平
145/75R14
40.3km/h
直径574mm
径差+4mm
155/75R14
41.3km/h
直径589mm
径差+19mm
165/75R14
42.4km/h
直径604mm
径差+34mm
175/75R14
43.4km/h
直径619mm
径差+49mm
185/75R14
44.5km/h
直径634mm
径差+64mm

もし上記表の中から車検に安心なタイヤを選ぶのであれば、メーター誤差が-5.0%から0%の間にあって車高への影響も少ない 、145/65R14、145/70R14 、155/60R14、155/65R14 、165/60R14 、175/60R14 あたりのタイヤがおすすめです。

165/65R14のタイヤ幅を145mmから195mmまで、扁平率を50%から80%までの範囲に拡大した適合タイヤの一覧表および、100km/h回転数、加速力と最高速の変化、走行距離計の誤差による実燃費とのズレについては、165/65R14の適応サイズと性能の変化 [ZE1型インサイト編]のページをご覧ください。

純正のホイールサイズから大径化したり、幅の広いタイヤ、扁平率の低いタイヤに交換しようとするとタイヤ代が高くなる傾向にありますので、少しでも維持費を抑えたい、今はお財布の中身が心許ないといった際にはオートウェイのタイヤ通販をご検討くださいませ。


ZE1型インサイト[1.0L-NA FF/5MT]の得点(簡易版)

ここではこのページを締めくくる集大成として、パワーウェイトレシオや1速ギヤでの加速性能、排気量1Lあたりの出力、ホイールベーストレッド比からなるスポーツ性能部門と、時速100kmでの巡航回転数、燃費、車体の大きさ、室内の広さからなるユーティリティ部門とに大別し、このサイトで登録している全車種の平均値から偏差値を求めて優劣を調べてみたいと思います。

スポーツ性能部門
評価項目数値得点
パワーウェイト11.71kg/ps43.73
1速ギヤ加速性能2.12kg/kgm37.95
1L換算馬力70.4ps/L47.66
1L換算トルク9.45kgm/L49.24
WB/TR比1.7453.33
ワイド&ロー指数0.79956.00
前面の面積2.297m²58.05
最低地上高150mm51.30
スポーツ性能部門の得点397.26

※ここではパワーウェイトレシオ・1速ギヤ加速性能・ホイールベーストレッド比・ワイド&ロー指数・前面の面積については数値が小さいほど高得点。リッター換算馬力・換算トルクについては数値が大きいほど高得点としています。


ユーティリティ部門
評価項目数値得点
10-15燃費36.0km/L100.42
年間維持費182970円63.71
100kmh回転数2240rpm54.16
航続距離1440.0km94.59
車の大きさ9.049m³40.55
室内の広さ1.333m³28.70
最小回転半径4.8m57.87
馬力単価31500円35.21
ユーティリティ部門の得点475.21

※ここでは燃費・航続距離・車の大きさ・室内の広さは数値が大きいほど高得点、年間維持費・100km/h回転数・最小回転半径・馬力単価は数値が小さいほど高得点としています。

スポーツ性能部門およびユーティリティ部門の得点を合計した ZE1型インサイト[1.0L-NA FF/5MT] の総合得点は 872.47 点です。獲得点数が多い車種から順番に並べた 総合得点ランキング を用意してありますので、よろしければご覧ください。

上記リンク先では、今回このページで紹介したインサイト(FF/5MT) の各種スペックを、「全ての車種」、「全てのクーペ」、「1000ccのクーペ」という属性で評価したとき、それぞれの項目が相対的にどのくらい優れているか、劣っているかを調べてみました。基準が変わると手のひらを返したように評価も変わる様子をご堪能ください。投稿日:2011/07/16|更新日:2018/02/09


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