ホンダ シビック タイプRの性能まとめ [FK8型|2.0L/320PS|FF/6MT|2017年] type-R


 画像は本田技研工業より引用
 http://www.honda.co.jp/

本田技研工業の5ドア・5人乗りハッチバック、FK8型の10代目シビック タイプRは2017/09から生産(または販売)が開始されました。ここでは2017/09モデルにある[type-R]というグレードのカタログスペックを基に、数値から見た性能をインプレおよび評価・解説してみます。

ボディサイズが全長4560mm×全幅1875mm×全高1435mm、排気量は1995ccであることから、大雑把に分類すると2.0リットルクラス(2000cc、自動車税は2.0L以下を適用)に属し、全長、全高、排気量は5ナンバー枠ながら全幅が1.7mを超えていることにより3ナンバー登録になります。この手のタイプはいわゆる世界戦略車(グローバルカー)に多くあるようです。

ちなみに、車体形状や用途に関係なく全長のみを基準とした分類方法で各セグメントに当てはめると、全長が4560mmであるこの車の場合は「ミディアム」(Medium 4300mm超-4650mm以下 Dセグメント相当)に属します。※国や時代によって基準は異なります

エンジンを車体の前方に搭載し、前輪のみを駆動する、いわゆるFF方式(フロントエンジン-フロントドライブ)を採用しています。この方式はエンジンと駆動系(ミッション、デフ等)の収納がエンジンルーム内で完結するので軽量コンパクトかつ低コスト化が実現でき、室内を広く作りやすい(エンジンが横置きの場合)ほか、後輪駆動車に比べて直進安定性に優れることが主な特長です。

FK8型 シビック タイプR [1995cc/320PS FF/6MT] お品書き

ページが長大でどうにもならないため、ページ下部の項目にジャンプできるようなものを作りました。

エンジン性能と特性、パワーウェイトレシオ

ギヤ比と加速力&エンジン回転数と最高速

タイヤサイズ変更とスピードメーター誤差

各種スペックの相対評価とレーダーチャート

10代目シビック タイプRの類型&他グレード

  • 吸気方式のNAは自然吸気、TBはターボ、SCはスーパーチャージャー、TSはTB+SCの略
  • ※燃費の文字が赤色のものはレギュラーガソリン、青色のものはハイオクガソリン、緑色のものは軽油を燃料とするエンジンを搭載した車種
画像排気量
車両価格
車両型式
グレード
出力
燃費
1.5L-TB
FF/CVT
273.0万円
FK7型
[Hatchback]
(2017/09)
182PS
22.4kgm
18.0km/L
1.5L-TB
FF/6MT
280.0万円
FK7型
[Hatchback]
(2017/09)
182PS
24.5kgm
17.4km/L
1.5L-TB
FF/CVT
258.0万円
FC1型
[Sedan]
(2017/09)
173PS
22.4kgm
19.4km/L

主要諸元とエンジン諸元

主要諸元
メーカー HONDA
車名&
グレード
シビック タイプR
type-R
その他 -
お値段 4500360円
車両型式 DBA-FK8
駆動&
変速機
FF(FWD,2WD,前輪駆動)&
6MT(6速MT,6段MT,6速マニュアル)
ドア数&
定員
5ドア
5人
車体寸法 長4560×幅1875×高1435mm
室内寸法 長1905×幅1465×高1160mm
軸距&
輪距
2700mm
前1600mm/後1595mm
最小半径 5.9m
最低高 125mm
タイヤ 前245/30R20 後245/30R20
ブレーキ 前ベンチレーテッドディスク
後ディスク
車両重量 1390kg
エンジン諸元
原動機型式 K20C
気筒配列 直列4気筒
排気量 1995cc
圧縮比 9.8
吸気方式 ターボ
最高出力 320PS(235kW 316HP)/6500rpm
最大トルク 40.8kgm(400Nm)/2500-4500rpm
使用燃料 ハイオクガソリン
JC08燃費 12.8km/L (30.1mpg)
100km燃費 7.8L/100km
※直列4気筒とは‥シリンダを真っ直ぐ一列に4個配置する方式。小排気量から2.5Lあたりまでをカバー。
K20C型エンジンの諸元と性能まとめ
※直列4気筒の最高出力ランキング

税金と年間維持費のシミュレーション

ここでは、春になると毎年欠かさず支払いを催促される自動車税(39500円)、払わなければ車検を受けさせてもらえない自動車重量税(12300円/年)と自賠責保険料(13920円/年)、年間1万km走行した際に掛かる燃料代月額5500円の任意保険に加入し、走行5000km毎にエンジンオイル交換、3年3万km毎にタイヤ交換するとしたときの年間維持費(ランニングコスト)を見てみます。

さらに、シビック タイプRの新車を517.5万円(諸費用として67.5万円を加算)にて購入し、頭金なしで5年ローンを組んだと仮定したときの年間支払額(金利分は含まず)も踏まえて、上記の維持費と合算した場合の想定維持費も計算してみました。

  • ローンの年数については月額5万円の支払いを基準として、ローンの支払額が60万円以下は1年、120万円以下は2年、180万円以下は3年、240万円以上は4年、それ以上は5年としています。
  • 任意保険の金額については特に根拠のない一例です。具体的な掛け金は運転者の年齢や家族構成、年間走行距離、保険内容、車両保険の有無等によって大きく異なります。
  • 保険スクエアbang!では最大20社より自動車保険料の比較・検討が可能です。

新車で買った場合の年間維持費

名目 区分 金額
自動車税(1年分) 2000cc以下 13年未満 39500円
自動車重量税(1年分) 1.5トン以下 13年未満 12300
自賠責保険料(1年分) 自家用乗用車 13920円
燃料代(年間1万km) 10000km÷12.8km/L×160円/L 125000円
オイル交換(5000km毎) 1回5500円×2回 11000円
タイヤ交換(3年3万km毎) 1本24000円×4本÷3年 32000円
任意保険料(月額5500円) 月額5500円×12ヶ月 66000円
ローン完済後の年間維持費 299720円
名目 区分 金額
車のローン額(1年分) 月額86250円×12ヶ月 1035000円
ローン返済中の年間維持費 1334720円
次回車検費用の積み立て目安
重量税2年分+自賠責24ヶ月分+検査手数料等3000円程度 55440円
  • 平成25年4月1日からの自賠責保険料の改定に対応。
  • 平成27年4月1日からの自動車税の割増(10%増→15%増)に対応。
  • 平成28年4月1日からの自動車重量税の変更に対応、
    ただし今流行のエコカー減税(自動車税、自動車重量税等の減免)には対応できていません。
  • 燃料消費率が緑文字のものはWLTCモード燃費、青文字のものはJC08モード燃費、赤文字のものは10・15モード燃費に0.8を掛けたもの。
  • 車検時には上記の目安金額55,440円の他に法定24ヶ月点検に関連する費用が必要です。
  • 名目にある金額の基準は、年間維持費の算出基準まとめ をご覧ください。

車に対して少し色気を出すと月換算で2~3万円の間、年間にすると24~36万円のクラスです。この車の場合は月単位で換算すると24,977円(完済前は111,227円)になります。口癖のように「もうちょっと維持費が安ければ…」と呟くその姿は自慢げなようでありながら哀愁を帯びているようでもあり対応に困ります。より維持費の掛からない新しい車を買うほどではない、が、維持費のことを考えずにはいられない、そんなクラスです。全体から見るとこの辺りから面白味のある車が増えてくるイメージです。

1km走行コストと月間&年間交通費

距離/日費用/日月換算年換算
10km130円2900円3.4万円
20km250円5500円6.5万円
30km380円8400円9.9万円
50km630円13900円16.4万円
100km1250円27500円32.5万円

さて、ハイオクガソリン1リットルの燃料価格を160円、燃費を12.8km/Lとしたとき、1km走行あたりのコストは12.50円になります。

たとえばこの車を通勤車とした場合、1日の走行距離が10kmなら燃料代は130円/日となり、20km走行なら250円/日、30km走行なら380円/日、50km走行なら630円/日、100km走行なら1250円/日かかる計算です。

1か月の労働日数を22日として計算すると、通勤距離が10kmなら月間の走行距離は220kmで燃料代は2900円/月、20kmなら440kmで5500円/月、30kmなら660kmで8400円/月、50kmなら1100kmで13900円/月、100kmなら2200kmで27500円/月かかります。

1年間の労働日数を260日とすると、通勤距離が10kmなら年間の走行距離は2600kmで燃料代は3.4万円/年、20kmなら5200kmで6.5万円/年、30kmなら7800kmで9.9万円/年、50kmなら13000kmで16.4万円/年、100kmなら26000kmで32.5万円/年となります。

1年間のランニングコスト(年間維持費) ランキング
新車の小型&普通車2000cc以下のターボ/SC ホンダ編(普)ハッチバック限定


カタログスペックから見えてくる要素

K20C型エンジン簡易性能曲線図
K20C型エンジン性能曲線図もどき
各回転域での馬力
2500回転時の馬力 142PS
4500回転時の馬力 256PS
6500回転時の馬力 320PS
各回転域でのトルク
2500回転時のトルク 40.8kgm
4500回転時のトルク 40.8kgm
6500回転時のトルク 35.3kgm
K20C型エンジンの諸元と性能まとめ

まずおさらいとして、搭載しているK20C型1995cc、直列4気筒のターボエンジンは6500回転時に最高出力320馬力を、2500-4500回転時に最大トルク40.8kgmを発生します。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力が計算できますので、それぞれの点と点とを線で繋いでパワーカーブとトルクカーブのエンジン性能曲線図もどきを作ってみました。

トルクの山が中央より左にあるか右にあるかを基準にしてエンジン特性を探ってみますと、アイドリングとそれほど変わらないような回転数から最大トルクが発生するこのエンジンは、坂道発進も平気の平左、MT車でもエンスト知らず、扱いやすさにかけては右に出るものがありません。ディーゼル車やダウンサイジングターボに多くあります。

※実際のところは車両重量やギヤ比、排気量に対する気筒数の多少によって印象が異なってくると思います。

ちなみに、エンジンのパワーバンドを「最大トルクが発生する2500rpmから最高出力が発生する6500rpmまで」の4000rpmとしたときの、最高回転数に対するパワーバンドの割合は61.5%となります。※右記(下記?)簡易性能曲線図オレンジ色の帯域

さて、車の速さを知るための指標としてよく使われる パワーウェイトレシオ4.34kg/PS(1390kg/320PS)となっていますが、巷でよく見るであろうこの数値の多くはドライバーが乗った状態でのものではなく、あくまでも車両重量と最高出力のみで計算したものです。

車重と搭乗者とPWR
車体のみ4.34kg/PS
車体+1人4.52kg/PS
車体+5人5.20kg/PS
お腹と車重とPWR
車体+60kg4.53kg/PS
車体+70kg4.56kg/PS
車体+80kg4.59kg/PS
車体+90kg4.62kg/PS
車体+100kg4.66kg/PS

というわけで、車両総重量の求め方に倣い人間の体重55kgを加えて計算し直してみますと、ドライバーのみが搭乗したときのパワーウェイトレシオは4.52kg/PS(1445kg/320PS)となり、数値としては0.18kgほど悪化します。

次に乗車定員いっぱいの5人が搭乗した場合、車両重量に275kgがプラスされてパワーウェイトレシオは5.20kg/PS(1665kg/320PS)となり、0.86kgも悪化することになります。

もともとが重量級の車であれば、人が少々乗ったところで体重の占める割合が小さいことから変化も小さいですが、軽量級の車ではお腹まわりのお肉が大きな影響力を持つことがわかります。

いろいろな数値
WB/TR比 1.69
平均ピストンスピード 18.6m/s
トルクウェイトレシオ 34.1kg/kgm
1馬力あたりのお値段 14064円
排気量1Lあたり馬力 160.4PS/L
排気量1Lあたりトルク 20.45kgm/L
1気筒あたりの馬力 80.0PS
1気筒あたりのトルク 10.2kgm
パワーバンド比率 61.5%
各種ランキング
ハッチバックのP/Wレシオ
1.8~2.0L以下のP/Wレシオ(ターボ)

トルクウェイトレシオは34.1kg/kgm(1390kg/40.8kgm)なのですが、トルクについてはギヤ比でどうにでもなりますので、ここでの大小はあまり重要ではありません。(詳しくはギヤ比編にて)

ついでに馬力単価を計算してみると、お値段が4500360円、最高出力が320馬力であるこの車の場合、1馬力あたりのお値段は14064円、逆に1万円あたりでは0.71馬力を得ることができます。ついでのついででトルク1kgmあたりのお値段は110303円、1万円あたりでは0.09kgmとなります。

最高出力を排気量で割ったリッター換算馬力は160.4PS/L、トルクは20.45kgm/L、1気筒あたりの馬力は80.0馬力、トルクは10.2kgmとなり、このエンジンが320馬力を6500回転で発生させているときの平均ピストンスピードは18.6m/sです。
排気量1リットルあたりの馬力ランキング

ちなみに、ストローク量が85.9mmであるK20C型エンジンの場合、平均ピストンスピードの上限を20.0m/sとしたときの高回転化の上限は6980回転です。設定されているレブリミットがこの回転数を超えている場合、長年に亘って平均ピストンスピードの目安とされてきた20.0m/sを超えてピストンが往復運動していることになります。レブリミットがこの回転数以下の場合は高回転化してパワーを引き出すチューニングの目安になるかもしれません。
平均ピストンスピードが速い車ランキング

この車のホイールベースを前後トレッドの平均で割って算出されるホイールベーストレッド比は1.69になります。全ての車種の平均値である1.77を基準にざっくりと分類すると、どちらかというと小回りを得意とする傾向にある車と言えそうです。
ホイールベーストレッド比が小さい車ランキング


速度と車両重量と運動エネルギー

「スピードを出して事故をすると大変なことになる…!」あるいは「重いとブレーキをかけてもなかなか止まらない…」と感覚的には知っていても、なぜ大変なことになるのか、なぜ止まらないのかは今ひとつピンと来なかったりします。

そこで取り出しましたのが運動エネルギーなるもので、これはある重量の物体がある速度で移動しているとき、どれだけのエネルギーを有しているのかを数値的に知ることができるという代物です。

というわけで、シビック タイプRの車両重量1390kgに1人ぶんの体重55kgを加えた1445kgと、5名フル乗車時の1665kgという2つの重量を用意して、40km/hから180km/hまでの速度域で運動エネルギーがどのように変化するのかを調べてみました。

速度1名乗車
1445kg
5名乗車
1665kg
40km/h89kJ103kJ+14kJ
60km/h201kJ231kJ+30kJ
80km/h357kJ411kJ+54kJ
100km/h557kJ642kJ+85kJ
120km/h803kJ925kJ+122kJ
140km/h1093kJ1259kJ+166kJ
180km/h1806kJ2081kJ+275kJ

たとえば1名乗車で40km/h走行しているときの運動エネルギーは89kJ、5名乗車では103kJとなり、その差は14kJ、倍率にすれば1.2倍ほどの増加でびっくりするほどではありません。

が、速度が倍の80km/hになると1名乗車でも357kJ、5名乗車では54kJ増加して411kJにもなり、重量から見れば1.2倍のままなれど、40km/hでの運動エネルギーと比べると4.0倍も増加しています。

これが180km/hになると1名乗車で1806kJ、5名乗車では275kJ増加して2081kJにもなり、80km/hと比べても5.1倍、40km/hと比べると20.3倍ものとんでもない運動エネルギーを有していることがわかります。

さて、速度が同じなら重いほうが運動エネルギーは大きくなることがわかりましたので、続いては運動エネルギーを557000Jとした場合に、重量の異なる自動車では時速何kmに相当するのかを調べてみます。

重量557kJ
速度
100キロ
[kJ]
600kg155km/h231kJ-326kJ
800kg134km/h309kJ-248kJ
1000kg120km/h386kJ-171kJ
1445kg100km/h557kJ-
2000kg85km/h772kJ+215kJ
2500kg76km/h965kJ+408kJ
3000kg69km/h1157kJ+600kJ
※100km/h[kJ]は各重量の車両が100km/h走行しているときの運動エネルギー

ここでは車両重量+体重55kgの1445kgを基準として、600kg、800kg、1000kg、2000kg、2500kg、3000kgで計算してみました。

考えたくもないことですが、たとえば同じ100km/hで走行する相手と正面衝突する場合、相手が600kgであれば当たり負けすることはなく、その相手が155km/hのとき互角の勝負になります。

逆に相手が3000kgで重い場合、双方が100km/hでは当たり負けして弾き飛ばされますが、相手が69km/hであれば互いに引かぬ真っ向勝負に持ち込める、というような雰囲気です。

いずれにせよ超スピードで事故をすれば衝突安全ボディもなんのその、車は雲散霧消の勢いで大変なことになり、ブレーキローターとブレーキパッドが身を削り、身を粉にして車を止めようにも一筋縄ではいかないことがわかる…ような気がしてきます。


人間様の占有スペース

人間様の占有スペース
室内長×幅×高 3.2m³
1人あたりのスペース 約0.6m³
室内長/全長 41.8%
室内幅/全幅 78.1%
室内高/全高 80.8%
室内容積/車両体積 26.0%

ボディサイズと室内寸法のデータがあるので車両全体に対する人間様の占有スペースを計算してみます。ここでの比率はボンネットが長い車であったり乗車人数の少ない車であったり、バン(貨物車)のように人よりも積載容量を重視している車は小さくなります。

まず室内長、室内幅、室内高を掛けて算出される室内の容積は3.2m³です。この車の乗車定員は5人ですから、単純に室内の容積で割るとフル乗車した際には約0.6m³のスペースが割り当てられることになります。続いて室内長を全長で割って算出される室内長と全長の比率は41.8%、同じく室内幅と全幅の比率は78.1%、同じく室内高と全高の比率は80.8%となりました。また車の形状を無視して単なる立方体として見たときの車両の体積に対する室内の容積の比率は26.0%でした。

室内の広さ・長さランキング
室内長が長い車室内幅が広い車室内高が高い車車内の空間が広い車


車中泊の可能性

車中泊の可能性
期待される荷室の長さ 1.60m
期待される荷室の幅 1.36m
対角線の長さ 2.10m
期待される荷室の面積 2.18m²

ここでは全長の35%を【期待される荷室の長さ】、室内幅から100mm(不明の場合は全幅から400mm)引いたものを【期待される荷室の幅】とし、それらを掛け合わせて【期待される荷室の面積】、「縦の長さが厳しいなら斜めに寝れば良いじゃない!」ということで、おまけ要素として【対角線の長さ】も計算してみました。

縦方向の長さが1.60m(対角線では2.10m)ともなると、もはや車の中で生活しても良いんじゃないかと錯覚しかねないほど快適な睡眠が約束されます。日頃の行いが悪いとか、人様には言えないことをやらかしたとか、誰の顔も見たくないなどの訳アリで家に帰れず、やむなく車中泊をしてみたが最期、あまりの気楽さに心を奪われ流浪の民となりかねません。

一見すると車中泊が可能そうに見えるハッチバックやワゴン、SUVであってもリアシートが前に倒れなかったり、倒れても中途半端であったり、凝った足回りのせいで室内に巨大な出っ張りがあったりで、なかなか思うようにはいきませんが、大抵のケースでは知恵と工夫で何とかなるはずです。車中泊にあると嬉しいアイテム


燃料タンクと燃費と航続距離と

燃料タンクと燃費と航続距離と
JC08モード燃費 12.8km/L
燃料タンク容量 46L
航続距離(カタログ燃費) 588.8km
航続距離(80%燃費) 469.2km
満タンプライス 7360円
1万円でどこまで行ける? 800.0km
車両価格/航続距離 7643円/km

JC08モード燃費が12.8km/Lですので、燃料タンクの容量が46リットルですと航続可能距離は588.8kmになります。(カタログ燃費通りに走行できた場合)

実際にはそうもいきませんから、オイル交換やタイヤ空気圧の管理といった定期メンテナンスを確実に実施した上での実燃費をカタログ燃費の90%(11.5km/L)とすると529.0km、80%(10.2km/L)だと469.2km、70%(9.0km/L)では414.0kmという航続距離になります。

燃料タンクに1滴の燃料もないスッカラカンの状態から満タンにしたときの金額を計算してみますと、ハイオクガソリン46リットルの給油で7360円、上で計算した航続距離を踏まえると588.8km(80%燃費時469.2km)を走行するのに7360円かかる計算です。

ついでに1万円の燃料代でどこまで行けるかも計算してみますと、カタログ通りの燃費で走行できれば800.0km(往復なら片道400.0km)、カタログ値の80%なら640.0km(片道320.0km)離れたところまで行くことができます。

ちなみに、1回の給油で588.8kmの距離を移動できるFK8型 シビック タイプR [type-R]という乗り物を、450.0万円で手に入れたと考えたとき、この車が1km走行するにあたっては「7643円の値打ちがある!」と言える、かもしれません。


ギヤ比と回転数と速度と駆動トルクとトルクウェイトレシオのステキな関係

続いてギヤ比を見てみます。あるギヤで走行中にエンジン(正確にはクランクシャフト)をレブリミットまで回したときの速度と、レブリミットでシフトアップした後の回転数を計算するためには、何回転で回転リミッターが働くのかを知らねばなりません。

しかし具体的な数値を知るにはECU(エンジン・コントロール・ユニット)にあるデータを参照しなければならなかったりで実現は厳しく、ならばとレッドゾーンが始まる回転数から推測しようにも、最近ではタコメータが装着されていない車両が多くあって心が折れます。

ピークパワーが発生する回転数(この車の場合6500rpm)から必要以上に回してもあまり意味はないのでそれを上限としても良いのですが、気分よく運転しているときは往々にして回しすぎるのが常ですから、ここでは500回転をプラスした7000回転を仮のレブリミットとして計算してみます。

暫定レブ 7000rpm|タイヤサイズ 245/30R20|タイヤ直径 65.5cm|円周長 205.8cm
ギヤ ギヤ比 総減速比 ステップ比 シフトアップ
後の回転数
7000rpm
の速度
100kmh
の回転数
タイヤの
最大駆動力
1速 3.625 14.90 - - 58.0kmh 12070rpm 1856.5kgm
2速 2.115 8.695 0.583 1-2/4080rpm 99.4kmh 7040rpm 1083.2kgm
3速 1.529 6.286 0.723 2-3/5060rpm 137.5kmh 5090rpm 783.1kgm
4速 1.125 4.625 0.736 3-4/5150rpm 186.9kmh 3750rpm 576.2kgm
5速 0.911 3.745 0.810 4-5/5670rpm 230.8kmh 3030rpm 466.6kgm
6速 0.734 3.017 0.806 5-6/5640rpm 286.5kmh 2440rpm 375.9kgm
Final 4.111 レシオカバレッジ(変速比幅)4.939
ギヤの繋がりイメージ
FK8型シビック タイプR6MT車のギヤ比イメージ
  • ステップ比(歯車比)とは隣接したギヤ同士の離れ具合を示した数値で、1.000に近いほどシフト操作後の回転数の変化が小さく(ギヤ同士の繋がりが良い)、離れるほど変化が大きく(繋がりが悪い)なることを表します。
    シフトアップでは現在の回転数にステップ比を乗じた回転数まで下がり、シフトダウンでは現在の回転数にステップ比を除した回転数まで上がります。
    赤い数字はシフトアップ後にパワーバンドの下限(最大トルク発生回転数2500-4500rpm)を下回るもの。
  • 時速100kmでの回転数は100km/h÷60÷タイヤ円周長×各ギヤ比×ファイナルギヤ比(4.111)で算出。
  • タイヤの最大駆動力は最大トルク(40.8kgm)×各ギヤ比×ファイナルギヤ比(4.111)÷タイヤの有効半径(0.3275m)で算出。

本来のレブリミットとは異なるので最高速の数値は前後しますが、上記の設定での最高速度は6速ギヤの286.5km(6500rpmでは266.0km/h)となります。この速度は空気抵抗、パワー不足、スピードリミッターなどネガティブ要素の一切を無視して、単にギヤ比とエンジン回転数、タイヤサイズだけで計算した速度です。

おまけ:6500rpmでシフトアップする場合の各ギヤ速度

6500rpmでの速度と
シフトアップ後の回転数
ギヤ速度回転数
1速ギヤ54km/h-
2速ギヤ92km/h3790rpm
3速ギヤ128km/h4700rpm
4速ギヤ174km/h4780rpm
5速ギヤ214km/h5270rpm
6速ギヤ266km/h5240rpm

FK8型シビック タイプRに搭載されたK20C型1995ccエンジンのレブリミットを、最高出力が発生する6500rpmとしてシフトアップするときの速度をシミュレートしてみます。

まず1速ギヤで6500rpmまで引っ張ると54km/hまで加速し、2速ギヤにシフトアップすると回転数は6500rpmから3790rpmまで落ち、そこから6500rpmまで加速を続けると速度は92km/h(+38km/h)になります。

3速ギヤでは4700rpmまで落ちて6500rpmで128km/h(+36km/h)に、4速ギヤでは4780rpmまで落ちて6500rpmで174km/h(+46km/h)になります。

続いて5速ギヤでは5270rpmまで落ちて6500rpmで214km/h(+40km/h)に、6速ギヤでは5240rpmまで落ちて6500rpmで266km/h(+52km/h)という具合に加速していくイメージです。

タイヤの最大駆動力にある数値は、エンジンが2500-4500回転で最大トルク40.8kgmを発生しているとき、各々のギヤを介したのち実際にタイヤへと伝えられるトルクで、この数値が大きいほどタイヤを回そうとする力が大きく、より力強い加速をすることができます。

この数値を大きくするにはギヤ比を低く(加速重視・ローギヤード)する、タイヤを小径化する、エンジンの最大トルクを大きくするという方法があります。逆にギヤ比を高く(最高速重視・ハイギヤード)したり、タイヤを大径化したり、デチューンして非力にすると駆動トルクは小さくなって加速が鈍ります。

さて、世の中にはパワーウェイトレシオ(1馬力が担う重量・PWR)に似ているようで少し違うトルクウェイトレシオ(1kgmが担う重量・TWR)という指標があります。単純に車両重量を最大トルクで割れば34.1kg/kgmですから、パワーウェイトレシオ(4.34kg/ps)に比べると霞んで見えます。

しかしトルクはギヤを介することで増幅され、たとえば1速ギヤの場合ですと1856.5kgmになります。これを踏まえて改めて車両重量(1390kg)を1速ギヤの最大駆動力(1856.5kgm)で割ってみると0.75kg/kgmとなり、今度は逆にPWRが霞んで見えるような数値が出てきます。最高出力が発生する6500回転でのトルク(35.3kgm)からTWRを算出すると0.87kg/kgmとなり、2500-6500回転の回転域では0.75-0.87kg/kgmの間で推移することがわかります。

ある速度における各ギヤでの回転数

ギヤ 40
km/h
60
km/h
80
km/h
100
km/h
120
km/h
140
km/h
180
km/h
1速 4830 7240 9650 12070 14480 16900 21720
2速 2820 4220 5630 7040 8450 9860 12670
3速 2040 3050 4070 5090 6110 7130 9160
4速 1500 2250 3000 3750 4490 5240 6740
5速 1210 1820 2430 3030 3640 4250 5460
6速 980 1470 1950 2440 2930 3420 4400
※赤い数字は暫定レブリミット(7000rpm)を上回るもの。

この項目では各々のギヤと速度を基準として、任意のギヤを選択中に時速40km~180kmにて走行するとき、エンジンの回転数がどのくらいになるのかを一覧表にしてみました。この車の場合、最も高いギヤ(0.734)を選択して時速100kmにて走行すると2440回転まで回ります。

ちなみに、一般道の速い流れやバイパスでよくある60km/hでは1470回転、対面通行の高速道路での制限速度70km/hでは1710回転、一般的な高速道路の80km/hでは1950回転、100km/hでは2440回転、制限速度が120km/hになると2930回転になります。小型・普通乗用車の速度リミッターが働く180km/hでは4400回転まで回ります。

一般的な自動車であれば時速100kmでの巡航回転数は2500回転付近に落ち着くようですが、その中でも若干低めの回転数となっています。標準的なギヤ比の範囲内ながらも加速よりも静粛性や燃費に重きを置いた設定なので、急な坂道や長く続く坂道では積極的にギヤを1段下げる操作が必要になるかもしれません。

ある回転数における各ギヤでの速度

ギヤ 1000
rpm
2000
rpm
3000
rpm
4000
rpm
5000
rpm
6000
rpm
7000
rpm
8000
rpm
1速 8 17 25 33 41 50 58 66
2速 14 28 43 57 71 85 99 114
3速 20 39 59 79 98 118 138 157
4速 27 53 80 107 133 160 187 214
5速 33 66 99 132 165 198 231 264
6速 41 82 123 164 205 246 286 327

この項目では各々のギヤとエンジンの回転数を基準として、任意のギヤを選択中にエンジンを1000回転刻みで8000回転まで回したとき、それぞれのギヤでどのくらいの速度が出ているのかを一覧表にしてみました。暫定レブリミット(7000回転)よりも回転数が高くなる欄の速度については赤文字で表記してあります。


純正装着タイヤの245/30R20と互換可能な車検対応サイズ|簡易版

下の表では純正サイズを基準としてタイヤ幅を-20mmから+20mm、扁平率を-5%から+5%まで変化させたときのスピードメータ誤差が、マイナス方向を水色、-5.0%から+2.0%までを緑色、+6.0%までを橙色に着色しています。

※ここではタイヤの直径(外径)のみを基準としています。タイヤの幅を広くしすぎてサスペンションと干渉したり、はみ出てしまって車検に通らないからとフェンダーを叩いたり引っ張ったりキャンバーを付けたりで四苦八苦、ホイール幅が狭すぎてなんかイマイチ…という事例もありますので、ホイールのオフセットとリム幅にはご注意ください。

純正タイヤ 245/30R20 | 直径 655mm

-20mm
幅225mm
-10mm
幅235mm
変更なし
幅245mm
+10mm
幅255mm
+20mm
幅265mm
-5%
25
扁平
225/25R20
37.9km/h
直径621mm
径差-34mm
235/25R20
38.2km/h
直径626mm
径差-29mm
245/25R20
38.5km/h
直径631mm
径差-24mm
255/25R20
38.8km/h
直径636mm
径差-19mm
265/25R20
39.1km/h
直径641mm
径差-14mm
0%
30
扁平
225/30R20
39.3km/h
直径643mm
径差-12mm
235/30R20
39.6km/h
直径649mm
径差-6mm
245/30R20
40.0km/h
655mm
0mm
255/30R20
40.4km/h
直径661mm
径差+6mm
265/30R20
40.7km/h
直径667mm
径差+12mm
+5%
35
扁平
225/35R20
40.7km/h
直径666mm
径差+11mm
235/35R20
41.1km/h
直径673mm
径差+18mm
245/35R20
41.5km/h
直径680mm
径差+25mm
255/35R20
42.0km/h
直径687mm
径差+32mm
265/35R20
42.4km/h
直径694mm
径差+39mm
+10%
40
扁平
225/40R20
42.0km/h
直径688mm
径差+33mm
235/40R20
42.5km/h
直径696mm
径差+41mm
245/40R20
43.0km/h
直径704mm
径差+49mm
255/40R20
43.5km/h
直径712mm
径差+57mm
265/40R20
44.0km/h
直径720mm
径差+65mm

もし上記表の中から車検に安心なタイヤを選ぶのであれば、メーター誤差が-5.0%から0%の間にあって車高への影響も少ない 、225/30R20 、235/25R20、235/30R20 、245/25R20 、255/25R20 、265/25R20あたりのタイヤがおすすめです。

245/30R20のタイヤ幅を225mmから275mmまで、扁平率を15%から45%までの範囲に拡大した適合タイヤの一覧表および、100km/h回転数、加速力と最高速の変化、走行距離計の誤差による実燃費とのズレについては、245/30R20の適応サイズと性能の変化 [FK8型シビック タイプR編]のページをご覧ください。

純正のホイールサイズから大径化したり、幅の広いタイヤ、扁平率の低いタイヤに交換しようとするとタイヤ代が高くなる傾向にありますので、少しでも維持費を抑えたい、今はお財布の中身が心許ないといった際にはオートウェイのタイヤ通販をご検討くださいませ。


FK8型シビック タイプR[2.0Lターボ FF/6MT]の得点(簡易版)

ここではこのページを締めくくる集大成として、パワーウェイトレシオや1速ギヤでの加速性能、排気量1Lあたりの出力、ホイールベーストレッド比からなるスポーツ性能部門と、時速100kmでの巡航回転数、燃費、車体の大きさ、室内の広さからなるユーティリティ部門とに大別し、このサイトで登録している全車種の平均値から偏差値を求めて優劣を調べてみたいと思います。

スポーツ性能部門
評価項目数値得点
パワーウェイト4.34kg/ps64.84
1速ギヤ加速性能0.75kg/kgm69.09
1L換算馬力160.4ps/L74.12
1L換算トルク20.45kgm/L68.02
WB/TR比1.6958.54
ワイド&ロー指数0.76558.51
前面の面積2.691m²47.00
最低地上高125mm62.17
スポーツ性能部門の得点502.29

※ここではパワーウェイトレシオ・1速ギヤ加速性能・ホイールベーストレッド比・ワイド&ロー指数・前面の面積については数値が小さいほど高得点。リッター換算馬力・換算トルクについては数値が大きいほど高得点としています。


ユーティリティ部門
評価項目数値得点
JC08燃費12.8km/L43.62
年間維持費299720円52.85
100kmh回転数2440rpm51.32
航続距離588.8km42.89
車の大きさ12.269m³54.10
室内の広さ3.237m³48.78
最小回転半径5.9m34.47
馬力単価14064円58.99
ユーティリティ部門の得点387.02

※ここでは燃費・航続距離・車の大きさ・室内の広さは数値が大きいほど高得点、年間維持費・100km/h回転数・最小回転半径・馬力単価は数値が小さいほど高得点としています。

スポーツ性能部門およびユーティリティ部門の得点を合計した FK8型シビック タイプR[2.0Lターボ FF/6MT] の総合得点は 889.31 点です。獲得点数が多い車種から順番に並べた 総合得点ランキング を用意してありますので、よろしければご覧ください。

上記リンク先では、今回このページで紹介したFK8型シビック タイプR(FF/6MT) の各種スペックを、「全ての車種」、「全てのハッチバック」、「2000ccのハッチバック」という属性で評価したとき、それぞれの項目が相対的にどのくらい優れているか、劣っているかを調べてみました。基準が変わると手のひらを返したように評価も変わる様子をご堪能ください。投稿日:2017/10/20|更新日:2018/02/09


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