フィアット 500Sの性能まとめ [31209型|0.9L/85PS|FF/5MT|2013年]


 画像はフィアットより引用
 http://www.fiat-auto.co.jp/

フィアットの3ドア・4人乗りハッチバック、31209型の3代目500Sは2013/04から生産(または販売)が開始されました。ここでは2013/04モデルにある[BaseGrade]というグレードのカタログスペックを基に、数値から見た性能をインプレおよび評価・解説してみます。

ボディサイズが全長3585mm×全幅1625mm×全高1515mm、排気量は875ccであることから、大雑把に分類すると0.9リットルクラス(900cc、自動車税は1.0L以下を適用)に属した、いわゆる5ナンバークラスの車です。とにかく排気量を増やして、とにかくボディを大きく、特に全幅を広げれば良いんだという風潮が蔓延る現代においては大変貴重な車となっています。

ちなみに、車体形状や用途に関係なく全長のみを基準とした分類方法で各セグメントに当てはめると、全長が3585mmであるこの車の場合は「スモール」(Small 3500mm超-3850mm以下 Bセグメント相当)に属します。※国や時代によって基準は異なります

エンジンを車体の前方に搭載し、前輪のみを駆動する、いわゆるFF方式(フロントエンジン-フロントドライブ)を採用しています。この方式はエンジンと駆動系(ミッション、デフ等)の収納がエンジンルーム内で完結するので軽量コンパクトかつ低コスト化が実現でき、室内を広く作りやすい(エンジンが横置きの場合)ほか、後輪駆動車に比べて直進安定性に優れることが主な特長です。

31209型 500S [875cc/85PS FF/5MT] お品書き

ページが長大でどうにもならないため、ページ下部の項目にジャンプできるようなものを作りました。

エンジン性能と特性、パワーウェイトレシオ

ギヤ比と加速力&エンジン回転数と最高速

タイヤサイズ変更とスピードメーター誤差

各種スペックの相対評価とレーダーチャート

3代目500Sの類型&他グレード

  • 吸気方式のNAは自然吸気、TBはターボ、SCはスーパーチャージャー、TSはTB+SCの略
  • ※燃費の文字が赤色のものはレギュラーガソリン、青色のものはハイオクガソリン、緑色のものは軽油を燃料とするエンジンを搭載した車種
画像排気量
車両価格
車両型式
グレード
出力
燃費
1.4L-NA
FF/5AT
289.0万円
31214型
[1.4 Lounge]
(2010/08)
100PS
13.4kgm
13.8km/L
1.4L-NA
FF/5AT
243.0万円
31214型
[1.4-Sport]
(2010/08)
100PS
13.4kgm
13.8km/L
1.2L-NA
FF/5AT
239.0万円
31212型
[1.2-POP]
(2010/08)
69PS
10.4kgm
17.6km/L
1.2L-NA
FF/5MT
208.0万円
31212型
[1.2-Sport]
(2010/08)
69PS
10.4kgm
17.2km/L
1.2L-NA
FF/5AT
195.0万円
31212型
[1.2-POP]
(2010/08)
69PS
10.4kgm
19.2km/L
3代目500Sの車両型式・グレード一覧【全10車種】

主要諸元とエンジン諸元

主要諸元
メーカー FIAT
車名&
グレード
500S
BaseGrade
その他
お値段 2250000円
車両型式 ABA-31209
駆動&
変速機
FF(FWD,2WD,前輪駆動)&
5MT(5速MT,5段MT,5速マニュアル)
ドア数&
定員
3ドア
4人
車体寸法 長3585×幅1625×高1515mm
軸距&
輪距
2300mm
前1415mm/後1410mm
最小半径 4.7m
タイヤ 前185/55R15 後185/55R15
ブレーキ 前ディスク
後ドラム
車両重量 1010kg
エンジン諸元
原動機型式 312A2
気筒配列 直列2気筒
排気量 875cc
圧縮比 10.0
吸気方式 ターボ
最高出力 85PS(62kW 84HP)/5500rpm
最大トルク 14.8kgm(145Nm)/1900rpm
使用燃料 ハイオクガソリン
JC08燃費 26.6km/L (62.6mpg)
100km燃費 3.8L/100km
※直列2気筒とは‥シリンダをシリンダを真っ直ぐ一列に2個配置する方式。軽量コンパクトながら振動に難あり。
312A2型エンジンの諸元と性能まとめ

税金と年間維持費のシミュレーション

ここでは、春になると毎年欠かさず支払いを催促される自動車税(29500円)、払わなければ車検を受けさせてもらえない自動車重量税(12300円/年)と自賠責保険料(13920円/年)、年間1万km走行した際に掛かる燃料代月額4500円の任意保険に加入し、走行5000km毎にエンジンオイル交換、3年3万km毎にタイヤ交換するとしたときの年間維持費(ランニングコスト)を見てみます。

さらに、500Sの新車を258.8万円(諸費用として33.8万円を加算)にて購入し、頭金なしで5年ローンを組んだと仮定したときの年間支払額(金利分は含まず)も踏まえて、上記の維持費と合算した場合の想定維持費も計算してみました。

  • ローンの年数については月額5万円の支払いを基準として、ローンの支払額が60万円以下は1年、120万円以下は2年、180万円以下は3年、240万円以上は4年、それ以上は5年としています。
  • 任意保険の金額については特に根拠のない一例です。具体的な掛け金は運転者の年齢や家族構成、年間走行距離、保険内容、車両保険の有無等によって大きく異なります。
  • 保険スクエアbang!では最大20社より自動車保険料の比較・検討が可能です。

新車で買った場合の年間維持費

名目 区分 金額
自動車税(1年分) 1000cc以下 13年未満 29500円
自動車重量税(1年分) 1.5トン以下 13年未満 12300
自賠責保険料(1年分) 自家用乗用車 13920円
燃料代(年間1万km) 10000km÷26.6km/L×160円/L 60150円
オイル交換(5000km毎) 1回4000円×2回 8000円
タイヤ交換(3年3万km毎) 1本10000円×4本÷3年 13330円
任意保険料(月額4500円) 月額4500円×12ヶ月 54000円
ローン完済後の年間維持費 191200円
名目 区分 金額
車のローン額(1年分) 月額43130円×12ヶ月 517560円
ローン返済中の年間維持費 708760円
次回車検費用の積み立て目安
重量税2年分+自賠責24ヶ月分+検査手数料等3000円程度 55440円
  • 平成25年4月1日からの自賠責保険料の改定に対応。
  • 平成27年4月1日からの自動車税の割増(10%増→15%増)に対応。
  • 平成28年4月1日からの自動車重量税の変更に対応、
    ただし今流行のエコカー減税(自動車税、自動車重量税等の減免)には対応できていません。
  • 燃料消費率が緑文字のものはWLTCモード燃費、青文字のものはJC08モード燃費、赤文字のものは10・15モード燃費に0.8を掛けたもの。
  • 車検時には上記の目安金額55,440円の他に法定24ヶ月点検に関連する費用が必要です。
  • 名目にある金額の基準は、年間維持費の算出基準まとめ をご覧ください。

今にも壊れそうな格安車から少しステップアップすると月換算で1~2万円の間、年間にすると12~24万円のクラスです。この車の場合、月単位に換算して15,933円(完済前は59,063円)になります。「廉価車にしか乗れなかった自分が、ついにこれだけの維持費が掛かる車を所有できるようになったのだ、新しい自分になれたのだ。あの頃のアタシ、サヨナラ…」とかいう謎のカタルシスに浸れるのがこのクラスです。普通に使う分には何ら問題のないバランスの取れたクラスではないかと思います。

1km走行コストと月間&年間交通費

距離/日費用/日月換算年換算
10km60円1300円1.6万円
20km120円2600円3.1万円
30km180円4000円4.7万円
50km300円6600円7.8万円
100km600円13200円15.6万円

さて、ハイオクガソリン1リットルの燃料価格を160円、燃費を26.6km/Lとしたとき、1km走行あたりのコストは6.02円になります。

たとえばこの車を通勤車とした場合、1日の走行距離が10kmなら燃料代は60円/日となり、20km走行なら120円/日、30km走行なら180円/日、50km走行なら300円/日、100km走行なら600円/日かかる計算です。

1か月の労働日数を22日として計算すると、通勤距離が10kmなら月間の走行距離は220kmで燃料代は1300円/月、20kmなら440kmで2600円/月、30kmなら660kmで4000円/月、50kmなら1100kmで6600円/月、100kmなら2200kmで13200円/月かかります。

1年間の労働日数を260日とすると、通勤距離が10kmなら年間の走行距離は2600kmで燃料代は1.6万円/年、20kmなら5200kmで3.1万円/年、30kmなら7800kmで4.7万円/年、50kmなら13000kmで7.8万円/年、100kmなら26000kmで15.6万円/年となります。

1年間のランニングコスト(年間維持費) ランキング
新車の小型&普通車1000cc以下輸入車編ハッチバック限定


カタログスペックから見えてくる要素

312A2型エンジン簡易性能曲線図
312A2型エンジン性能曲線図もどき
各回転域での馬力
1900回転時の馬力 39PS
5500回転時の馬力 85PS
各回転域でのトルク
1900回転時のトルク 14.8kgm
5500回転時のトルク 11.1kgm
312A2型エンジンの諸元と性能まとめ

まずおさらいとして、搭載している312A2型875cc、直列2気筒のターボエンジンは5500回転時に最高出力85馬力を、1900回転時に最大トルク14.8kgmを発生します。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力が計算できますので、それぞれの点と点とを線で繋いでパワーカーブとトルクカーブのエンジン性能曲線図もどきを作ってみました。

トルクの山が中央より左にあるか右にあるかを基準にしてエンジン特性を探ってみますと、アイドリングとそれほど変わらないような回転数から最大トルクが発生するこのエンジンは、坂道発進も平気の平左、MT車でもエンスト知らず、扱いやすさにかけては右に出るものがありません。ディーゼル車やダウンサイジングターボに多くあります。

※実際のところは車両重量やギヤ比、排気量に対する気筒数の多少によって印象が異なってくると思います。

ちなみに、エンジンのパワーバンドを「最大トルクが発生する1900rpmから最高出力が発生する5500rpmまで」の3600rpmとしたときの、最高回転数に対するパワーバンドの割合は65.5%となります。※右記(下記?)簡易性能曲線図オレンジ色の帯域

さて、車の速さを知るための指標としてよく使われる パワーウェイトレシオ11.88kg/PS(1010kg/85PS)となっていますが、巷でよく見るであろうこの数値の多くはドライバーが乗った状態でのものではなく、あくまでも車両重量と最高出力のみで計算したものです。

車重と搭乗者とPWR
車体のみ11.88kg/PS
車体+1人12.53kg/PS
車体+4人14.47kg/PS
お腹と車重とPWR
車体+60kg12.59kg/PS
車体+70kg12.71kg/PS
車体+80kg12.82kg/PS
車体+90kg12.94kg/PS
車体+100kg13.06kg/PS

というわけで、車両総重量の求め方に倣い人間の体重55kgを加えて計算し直してみますと、ドライバーのみが搭乗したときのパワーウェイトレシオは12.53kg/PS(1065kg/85PS)となり、数値としては0.65kgほど悪化します。

次に乗車定員いっぱいの4人が搭乗した場合、車両重量に220kgがプラスされてパワーウェイトレシオは14.47kg/PS(1230kg/85PS)となり、2.59kgも悪化することになります。

もともとが重量級の車であれば、人が少々乗ったところで体重の占める割合が小さいことから変化も小さいですが、軽量級の車ではお腹まわりのお肉が大きな影響力を持つことがわかります。

いろいろな数値
WB/TR比 1.63
平均ピストンスピード 15.8m/s
トルクウェイトレシオ 68.2kg/kgm
1馬力あたりのお値段 26471円
排気量1Lあたり馬力 97.1PS/L
排気量1Lあたりトルク 16.91kgm/L
1気筒あたりの馬力 42.5PS
1気筒あたりのトルク 7.4kgm
パワーバンド比率 65.5%
各種ランキング
ハッチバックのP/Wレシオ
1.0L以下のP/Wレシオ

トルクウェイトレシオは68.2kg/kgm(1010kg/14.8kgm)なのですが、トルクについてはギヤ比でどうにでもなりますので、ここでの大小はあまり重要ではありません。(詳しくはギヤ比編にて)

ついでに馬力単価を計算してみると、お値段が2250000円、最高出力が85馬力であるこの車の場合、1馬力あたりのお値段は26471円、逆に1万円あたりでは0.38馬力を得ることができます。ついでのついででトルク1kgmあたりのお値段は152027円、1万円あたりでは0.07kgmとなります。

最高出力を排気量で割ったリッター換算馬力は97.1PS/L、トルクは16.91kgm/L、1気筒あたりの馬力は42.5馬力、トルクは7.4kgmとなり、このエンジンが85馬力を5500回転で発生させているときの平均ピストンスピードは15.8m/sです。
排気量1リットルあたりの馬力ランキング

ちなみに、ストローク量が86.0mmである312A2型エンジンの場合、平均ピストンスピードの上限を20.0m/sとしたときの高回転化の上限は6980回転です。設定されているレブリミットがこの回転数を超えている場合、長年に亘って平均ピストンスピードの目安とされてきた20.0m/sを超えてピストンが往復運動していることになります。レブリミットがこの回転数以下の場合は高回転化してパワーを引き出すチューニングの目安になるかもしれません。
平均ピストンスピードが速い車ランキング

この車のホイールベースを前後トレッドの平均で割って算出されるホイールベーストレッド比は1.63になります。全ての車種の平均値である1.77を基準にざっくりと分類すると、どちらかというと小回りを得意とする傾向にある車と言えそうです。
ホイールベーストレッド比が小さい車ランキング


速度と車両重量と運動エネルギー

「スピードを出して事故をすると大変なことになる…!」あるいは「重いとブレーキをかけてもなかなか止まらない…」と感覚的には知っていても、なぜ大変なことになるのか、なぜ止まらないのかは今ひとつピンと来なかったりします。

そこで取り出しましたのが運動エネルギーなるもので、これはある重量の物体がある速度で移動しているとき、どれだけのエネルギーを有しているのかを数値的に知ることができるという代物です。

というわけで、500Sの車両重量1010kgに1人ぶんの体重55kgを加えた1065kgと、4名フル乗車時の1230kgという2つの重量を用意して、40km/hから180km/hまでの速度域で運動エネルギーがどのように変化するのかを調べてみました。

速度1名乗車
1065kg
4名乗車
1230kg
40km/h66kJ76kJ+10kJ
60km/h148kJ171kJ+23kJ
80km/h263kJ304kJ+41kJ
100km/h411kJ475kJ+64kJ
120km/h592kJ683kJ+91kJ
140km/h805kJ930kJ+125kJ
180km/h1331kJ1538kJ+207kJ

たとえば1名乗車で40km/h走行しているときの運動エネルギーは66kJ、4名乗車では76kJとなり、その差は10kJ、倍率にすれば1.2倍ほどの増加でびっくりするほどではありません。

が、速度が倍の80km/hになると1名乗車でも263kJ、4名乗車では41kJ増加して304kJにもなり、重量から見れば1.2倍のままなれど、40km/hでの運動エネルギーと比べると4.0倍も増加しています。

これが180km/hになると1名乗車で1331kJ、4名乗車では207kJ増加して1538kJにもなり、80km/hと比べても5.1倍、40km/hと比べると20.2倍ものとんでもない運動エネルギーを有していることがわかります。

さて、速度が同じなら重いほうが運動エネルギーは大きくなることがわかりましたので、続いては運動エネルギーを411000Jとした場合に、重量の異なる自動車では時速何kmに相当するのかを調べてみます。

重量411kJ
速度
100キロ
[kJ]
600kg133km/h231kJ-180kJ
800kg115km/h309kJ-102kJ
1065kg100km/h411kJ
1500kg84km/h579kJ+168kJ
2000kg73km/h772kJ+361kJ
2500kg65km/h965kJ+554kJ
3000kg60km/h1157kJ+746kJ
※100km/h[kJ]は各重量の車両が100km/h走行しているときの運動エネルギー

ここでは車両重量+体重55kgの1065kgを基準として、600kg、800kg、1500kg、2000kg、2500kg、3000kgで計算してみました。

考えたくもないことですが、たとえば同じ100km/hで走行する相手と正面衝突する場合、相手が600kgであれば当たり負けすることはなく、その相手が133km/hのとき互角の勝負になります。

逆に相手が3000kgで重い場合、双方が100km/hでは当たり負けして弾き飛ばされますが、相手が60km/hであれば互いに引かぬ真っ向勝負に持ち込める、というような雰囲気です。

いずれにせよ超スピードで事故をすれば衝突安全ボディもなんのその、車は雲散霧消の勢いで大変なことになり、ブレーキローターとブレーキパッドが身を削り、身を粉にして車を止めようにも一筋縄ではいかないことがわかる…ような気がしてきます。


車中泊の可能性

車中泊の可能性
期待される荷室の長さ 1.25m
期待される荷室の幅 1.23m
対角線の長さ 1.75m
期待される荷室の面積 1.54m²

ここでは全長の35%を【期待される荷室の長さ】、室内幅から100mm(不明の場合は全幅から400mm)引いたものを【期待される荷室の幅】とし、それらを掛け合わせて【期待される荷室の面積】、「縦の長さが厳しいなら斜めに寝れば良いじゃない!」ということで、おまけ要素として【対角線の長さ】も計算してみました。

縦方向の長さが1.25m(対角線では1.75m)しかないとなると、これはもう常識的に考えてかなり厳しい車中泊を強いられます。運転席あるいは助手席を後ろに倒して寝たほうがまだマシかもしれません。俗に言う体育座りの体勢で横になれば寝られないこともないでしょうが、寝れども寝れども疲れは取れない上に猛烈な腰痛で目を覚ましかねず、実に爽やかな笑顔で「もう二度と車中泊なんてしないよ!」と後日談を語ることになりかねません。

一見すると車中泊が可能そうに見えるハッチバックやワゴン、SUVであってもリアシートが前に倒れなかったり、倒れても中途半端であったり、凝った足回りのせいで室内に巨大な出っ張りがあったりで、なかなか思うようにはいきませんが、大抵のケースでは知恵と工夫で何とかなるはずです。車中泊にあると嬉しいアイテム


燃料タンクと燃費と航続距離と

燃料タンクと燃費と航続距離と
JC08モード燃費 26.6km/L
燃料タンク容量 35L
航続距離(カタログ燃費) 931.0km
航続距離(80%燃費) 745.5km
満タンプライス 5600円
1万円でどこまで行ける? 1662.5km
車両価格/航続距離 2417円/km

JC08モード燃費が26.6km/Lですので、燃料タンクの容量が35リットルですと航続可能距離は931.0kmになります。(カタログ燃費通りに走行できた場合)

実際にはそうもいきませんから、オイル交換やタイヤ空気圧の管理といった定期メンテナンスを確実に実施した上での実燃費をカタログ燃費の90%(23.9km/L)とすると836.5km、80%(21.3km/L)だと745.5km、70%(18.6km/L)では651.0kmという航続距離になります。

燃料タンクに1滴の燃料もないスッカラカンの状態から満タンにしたときの金額を計算してみますと、ハイオクガソリン35リットルの給油で5600円、上で計算した航続距離を踏まえると931.0km(80%燃費時745.5km)を走行するのに5600円かかる計算です。

ついでに1万円の燃料代でどこまで行けるかも計算してみますと、カタログ通りの燃費で走行できれば1662.5km(往復なら片道831.2km)、カタログ値の80%なら1330.0km(片道665.0km)離れたところまで行くことができます。

ちなみに、1回の給油で931.0kmの距離を移動できる31209型 500S [BaseGrade]という乗り物を、225.0万円で手に入れたと考えたとき、この車が1km走行するにあたっては「2417円の値打ちがある!」と言える、かもしれません。


ギヤ比と回転数と速度と駆動トルクとトルクウェイトレシオのステキな関係

続いてギヤ比を見てみます。あるギヤで走行中にエンジン(正確にはクランクシャフト)をレブリミットまで回したときの速度と、レブリミットでシフトアップした後の回転数を計算するためには、何回転で回転リミッターが働くのかを知らねばなりません。

しかし具体的な数値を知るにはECU(エンジン・コントロール・ユニット)にあるデータを参照しなければならなかったりで実現は厳しく、ならばとレッドゾーンが始まる回転数から推測しようにも、最近ではタコメータが装着されていない車両が多くあって心が折れます。

ピークパワーが発生する回転数(この車の場合5500rpm)から必要以上に回してもあまり意味はないのでそれを上限としても良いのですが、気分よく運転しているときは往々にして回しすぎるのが常ですから、ここでは500回転をプラスした6000回転を仮のレブリミットとして計算してみます。

暫定レブ 6000rpm|タイヤサイズ 185/55R15|タイヤ直径 58.5cm|円周長 183.8cm
ギヤ ギヤ比 総減速比 ステップ比 シフトアップ
後の回転数
6000rpm
の速度
100kmh
の回転数
タイヤの
最大駆動力
1速 4.100 15.86 41.7kmh 14380rpm 802.2kgm
2速 2.158 8.345 0.526 1-2/3160rpm 79.3kmh 7570rpm 422.2kgm
3速 1.345 5.201 0.623 2-3/3740rpm 127.2kmh 4720rpm 263.2kgm
4速 0.974 3.766 0.724 3-4/4340rpm 175.7kmh 3420rpm 190.6kgm
5速 0.766 2.962 0.786 4-5/4720rpm 223.4kmh 2690rpm 149.9kgm
Final 3.867 レシオカバレッジ(変速比幅)5.352
ギヤの繋がりイメージ
31209型500S5MT車のギヤ比イメージ
  • ステップ比(歯車比)とは隣接したギヤ同士の離れ具合を示した数値で、1.000に近いほどシフト操作後の回転数の変化が小さく(ギヤ同士の繋がりが良い)、離れるほど変化が大きく(繋がりが悪い)なることを表します。
    シフトアップでは現在の回転数にステップ比を乗じた回転数まで下がり、シフトダウンでは現在の回転数にステップ比を除した回転数まで上がります。
    赤い数字はシフトアップ後にパワーバンドの下限(最大トルク発生回転数1900rpm)を下回るもの。
  • 時速100kmでの回転数は100km/h÷60÷タイヤ円周長×各ギヤ比×ファイナルギヤ比(3.867)で算出。
  • タイヤの最大駆動力は最大トルク(14.8kgm)×各ギヤ比×ファイナルギヤ比(3.867)÷タイヤの有効半径(0.2925m)で算出。

本来のレブリミットとは異なるので最高速の数値は前後しますが、上記の設定での最高速度は5速ギヤの223.4km(5500rpmでは204.8km/h)となります。この速度は空気抵抗、パワー不足、スピードリミッターなどネガティブ要素の一切を無視して、単にギヤ比とエンジン回転数、タイヤサイズだけで計算した速度です。

おまけ:5500rpmでシフトアップする場合の各ギヤ速度

5500rpmでの速度と
シフトアップ後の回転数
ギヤ速度回転数
1速ギヤ38km/h
2速ギヤ73km/h2890rpm
3速ギヤ117km/h3430rpm
4速ギヤ161km/h3980rpm
5速ギヤ205km/h4320rpm

31209型500Sに搭載された312A2型875ccエンジンのレブリミットを、最高出力が発生する5500rpmとしてシフトアップするときの速度をシミュレートしてみます。

まず1速ギヤで5500rpmまで引っ張ると38km/hまで加速し、2速ギヤにシフトアップすると回転数は5500rpmから2890rpmまで落ち、そこから5500rpmまで加速を続けると速度は73km/h(+35km/h)になります。

3速ギヤでは3430rpmまで落ちて5500rpmで117km/h(+44km/h)に、4速ギヤでは3980rpmまで落ちて5500rpmで161km/h(+44km/h)に、5速ギヤでは4320rpmまで落ちて5500rpmで205km/h(+44km/h)という具合に加速していくイメージです。

タイヤの最大駆動力にある数値は、エンジンが1900回転で最大トルク14.8kgmを発生しているとき、各々のギヤを介したのち実際にタイヤへと伝えられるトルクで、この数値が大きいほどタイヤを回そうとする力が大きく、より力強い加速をすることができます。

この数値を大きくするにはギヤ比を低く(加速重視・ローギヤード)する、タイヤを小径化する、エンジンの最大トルクを大きくするという方法があります。逆にギヤ比を高く(最高速重視・ハイギヤード)したり、タイヤを大径化したり、デチューンして非力にすると駆動トルクは小さくなって加速が鈍ります。

さて、世の中にはパワーウェイトレシオ(1馬力が担う重量・PWR)に似ているようで少し違うトルクウェイトレシオ(1kgmが担う重量・TWR)という指標があります。単純に車両重量を最大トルクで割れば68.2kg/kgmですから、パワーウェイトレシオ(11.88kg/ps)に比べると霞んで見えます。

しかしトルクはギヤを介することで増幅され、たとえば1速ギヤの場合ですと802.2kgmになります。これを踏まえて改めて車両重量(1010kg)を1速ギヤの最大駆動力(802.2kgm)で割ってみると1.26kg/kgmとなり、今度は逆にPWRが霞んで見えるような数値が出てきます。最高出力が発生する5500回転でのトルク(11.1kgm)からTWRを算出すると1.68kg/kgmとなり、1900-5500回転の回転域では1.26-1.68kg/kgmの間で推移することがわかります。

ある速度における各ギヤでの回転数

ギヤ 40
km/h
60
km/h
80
km/h
100
km/h
120
km/h
140
km/h
180
km/h
1速 5750 8630 11500 14380 17250 20130 25880
2速 3030 4540 6050 7570 9080 10590 13620
3速 1890 2830 3770 4720 5660 6600 8490
4速 1370 2050 2730 3420 4100 4780 6150
5速 1070 1610 2150 2690 3220 3760 4830
※赤い数字は暫定レブリミット(6000rpm)を上回るもの。

この項目では各々のギヤと速度を基準として、任意のギヤを選択中に時速40km~180kmにて走行するとき、エンジンの回転数がどのくらいになるのかを一覧表にしてみました。この車の場合、最も高いギヤ(0.766)を選択して時速100kmにて走行すると2690回転まで回ります。

ちなみに、一般道の速い流れやバイパスでよくある60km/hでは1610回転、対面通行の高速道路での制限速度70km/hでは1880回転、一般的な高速道路の80km/hでは2150回転、100km/hでは2690回転、制限速度が120km/hになると3220回転になります。小型・普通乗用車の速度リミッターが働く180km/hでは4830回転まで回ります。

一般的な自動車であれば時速100kmでの巡航回転数は2500回転付近に落ち着くようですが、その中でも若干高めの回転数となっています。標準的なギヤ比の範囲内ながらも静粛性や燃費よりも加速に重きを置いた設定なので、高速道路やバイパスを走行するとき、ふと「もう1段上のギヤがあったらなあ‥」と呟くことがあるかもしれません。

ある回転数における各ギヤでの速度

ギヤ 1000
rpm
2000
rpm
3000
rpm
4000
rpm
5000
rpm
6000
rpm
7000
rpm
8000
rpm
1速 7 14 21 28 35 42 49 56
2速 13 26 40 53 66 79 93 106
3速 21 42 64 85 106 127 148 170
4速 29 59 88 117 146 176 205 234
5速 37 74 112 149 186 223 261 298

この項目では各々のギヤとエンジンの回転数を基準として、任意のギヤを選択中にエンジンを1000回転刻みで8000回転まで回したとき、それぞれのギヤでどのくらいの速度が出ているのかを一覧表にしてみました。暫定レブリミット(6000回転)よりも回転数が高くなる欄の速度については赤文字で表記してあります。


純正装着タイヤの185/55R15と互換可能な車検対応サイズ|簡易版

下の表では純正サイズを基準としてタイヤ幅を-20mmから+20mm、扁平率を-5%から+5%まで変化させたときのスピードメータ誤差が、マイナス方向を水色、-5.0%から+2.0%までを緑色、+6.0%までを橙色に着色しています。

※ここではタイヤの直径(外径)のみを基準としています。タイヤの幅を広くしすぎてサスペンションと干渉したり、はみ出てしまって車検に通らないからとフェンダーを叩いたり引っ張ったりキャンバーを付けたりで四苦八苦、ホイール幅が狭すぎてなんかイマイチ…という事例もありますので、ホイールのオフセットとリム幅にはご注意ください。

純正タイヤ 185/55R15 | 直径 585mm

-20mm
幅165mm
-10mm
幅175mm
変更なし
幅185mm
+10mm
幅195mm
+20mm
幅205mm
-5%
50
扁平
165/50R15
37.3km/h
直径546mm
径差-39mm
175/50R15
38.0km/h
直径556mm
径差-29mm
185/50R15
38.7km/h
直径566mm
径差-19mm
195/50R15
39.4km/h
直径576mm
径差-9mm
205/50R15
40.1km/h
直径586mm
径差+1mm
0%
55
扁平
165/55R15
38.5km/h
直径563mm
径差-22mm
175/55R15
39.2km/h
直径574mm
径差-11mm
185/55R15
40.0km/h
585mm
0mm
195/55R15
40.8km/h
直径596mm
径差+11mm
205/55R15
41.5km/h
直径607mm
径差+22mm
+5%
60
扁平
165/60R15
39.6km/h
直径579mm
径差-6mm
175/60R15
40.4km/h
直径591mm
径差+6mm
185/60R15
41.2km/h
直径603mm
径差+18mm
195/60R15
42.1km/h
直径615mm
径差+30mm
205/60R15
42.9km/h
直径627mm
径差+42mm
+10%
65
扁平
165/65R15
40.8km/h
直径596mm
径差+11mm
175/65R15
41.6km/h
直径609mm
径差+24mm
185/65R15
42.5km/h
直径622mm
径差+37mm
195/65R15
43.4km/h
直径635mm
径差+50mm
205/65R15
44.3km/h
直径648mm
径差+63mm

もし上記表の中から車検に安心なタイヤを選ぶのであれば、メーター誤差が-5.0%から0%の間にあって車高への影響も少ない 、165/55R15、165/60R15 、175/50R15、175/55R15 、185/50R15 、195/50R15 あたりのタイヤがおすすめです。

185/55R15のタイヤ幅を165mmから215mmまで、扁平率を40%から70%までの範囲に拡大した適合タイヤの一覧表および、100km/h回転数、加速力と最高速の変化、走行距離計の誤差による実燃費とのズレについては、185/55R15の適応サイズと性能の変化 [31209型500S編]のページをご覧ください。

純正のホイールサイズから大径化したり、幅の広いタイヤ、扁平率の低いタイヤに交換しようとするとタイヤ代が高くなる傾向にありますので、少しでも維持費を抑えたい、今はお財布の中身が心許ないといった際にはオートウェイのタイヤ通販をご検討くださいませ。


31209型500S[0.9Lターボ FF/5MT]の得点(簡易版)

ここではこのページを締めくくる集大成として、パワーウェイトレシオや1速ギヤでの加速性能、排気量1Lあたりの出力、ホイールベーストレッド比からなるスポーツ性能部門と、時速100kmでの巡航回転数、燃費、車体の大きさ、室内の広さからなるユーティリティ部門とに大別し、このサイトで登録している全車種の平均値から偏差値を求めて優劣を調べてみたいと思います。

スポーツ性能部門
評価項目数値得点
パワーウェイト11.88kg/ps43.25
1速ギヤ加速性能1.26kg/kgm57.50
1L換算馬力97.1ps/L48.83
1L換算トルク16.91kgm/L55.73
WB/TR比1.6364.79
ワイド&ロー指数0.93246.22
前面の面積2.462m²53.42
最低地上高43.35
スポーツ性能部門の得点413.09

※ここではパワーウェイトレシオ・1速ギヤ加速性能・ホイールベーストレッド比・ワイド&ロー指数・前面の面積については数値が小さいほど高得点。リッター換算馬力・換算トルクについては数値が大きいほど高得点としています。


ユーティリティ部門
評価項目数値得点
JC08燃費26.6km/L65.46
年間維持費191200円62.95
100kmh回転数2690rpm47.77
航続距離931.0km63.68
車の大きさ8.826m³39.62
室内の広さ(仮) 1.600m³31.51
最小回転半径4.7m60.00
馬力単価26471円42.07
ユーティリティ部門の得点413.06

※ここでは燃費・航続距離・車の大きさ・室内の広さは数値が大きいほど高得点、年間維持費・100km/h回転数・最小回転半径・馬力単価は数値が小さいほど高得点としています。

スポーツ性能部門およびユーティリティ部門の得点を合計した 31209型500S[0.9Lターボ FF/5MT] の総合得点は 826.15 点です。獲得点数が多い車種から順番に並べた 総合得点ランキング を用意してありますので、よろしければご覧ください。

上記リンク先では、今回このページで紹介した500S(FF/5MT) の各種スペックを、「全ての車種」、「全てのハッチバック」、「1000ccのハッチバック」という属性で評価したとき、それぞれの項目が相対的にどのくらい優れているか、劣っているかを調べてみました。基準が変わると手のひらを返したように評価も変わる様子をご堪能ください。投稿日:2013/04/23|更新日:2018/02/09


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