スバル:Z18型エンジンの諸元と性能まとめ [直列4気筒1795cc]

ここではスバルのXM182型の初代トラヴィック [A-Package] に搭載されているZ18型の自然吸気エンジンのデータを参考に、このエンジンが持つ特性や素性について調べてみます。

Z18型の自然吸気エンジン諸元


XM182型 トラヴィック 主要諸元まとめ
車両型式TA-XM182
車名&グレードトラヴィック
A-Package
エンジン型式Z18
種類直列4気筒
排気量1795cc
内径×行程80.5mm×88.2mm
ボアストローク比1.10
圧縮比10.5
吸気方式自然吸気
使用燃料レギュラーガソリン
最高出力125PS/5600rpm
最大トルク17.3kgm/3800rpm

まず基本的な成り立ちとして、Z18型エンジンはボア(内径)80.5mm、ストローク(行程)88.2mm、ボアストローク比1.10のロングストローク型エンジン(ピストン径よりもストローク量のほうが大きい)です。

排気量と気筒数が同一の場合、ショートストローク型に比べて低回転域でのトルク特性に優れ、扱い易いエンジンとされますが、高回転域では充填効率の悪化や摺動抵抗が増大して出力の低下が懸念されます。

なおかつ回転数も同一の場合、ショートストローク型に比べて平均ピストンスピードが高くなりがちなことから、エンジンへの負荷が大きくなる傾向にあります。

このサイトにて登録されている車種のうち、Z18型の自然吸気エンジンを搭載する最も古い車種は、1996/04から発売された2代目ベクトラ ワゴン [2001/03]、最も新しい車種は2004/11から発売された3代目アストラ [2006/03]となっており、全部で10車種(NA車10台・ターボ車0台)が登録されています。

過渡特性とリッター換算馬力から見た評価

エンジン性能曲線のイメージ
Z18のエンジン性能曲線図もどき
馬力の変遷91.8PS → 125PS
トルクの変遷17.3kgm → 16.0kgm
リッター馬力69.6PS/L
リッタートルク9.64kgm/L

今回の参考車両であるトラヴィックの直列4気筒1795cc、圧縮比10.5でレギュラーガソリン仕様の自然吸気エンジンは、5600回転のとき最高出力125馬力を、5600回転のとき最大トルク17.3kgmを発生させます。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力を知ることができますので計算してみますと、最大トルクが発生する3800回転での馬力は91.8PS、最高出力が発生する5600回転でのトルクは16.0kgmになります。

排気量1リットルあたりの馬力は69.6PS/L、トルクは9.64kgm/Lとなり、1気筒(単気筒容積448.9cc)あたりの出力は31.2PS、4.3kgmです。

排気量1リットルあたりの馬力が69.6PS/L、トルクが9.64kgm/LであるZ18型の自然吸気エンジンを、このサイトで登録している全てのNA車から集計した偏差値ベースの10段階評価に当てはめると、評価は換算馬力が[ 5 ]、換算トルクが[ 6 ]の「標準的な出力(中の下)のエンジン」にカテゴライズされます。


排気量アップと圧縮比の上昇、ボアストローク比の変化

ノーマルの排気量と圧縮比
BoreStroke排気量圧縮比B/S比
80.5mm88.2mm1795cc10.51.10
ボアアップによる排気量拡大
81.0mm88.2mm1818cc10.61.09
81.5mm1840cc10.71.08
82.0mm1863cc10.91.08
82.5mm1886cc11.01.07
83.0mm1909cc11.11.06
83.5mm1932cc11.21.06
ストロークアップによる排気量拡大
80.5mm89.2mm1816cc10.61.11
90.2mm1836cc10.71.12
91.2mm1857cc10.81.13
92.2mm1877cc10.91.15
93.2mm1897cc11.01.16

エンジンの排気量を決める要素には気筒数、ボア径、ストローク量の3つがあり、これらを増減することでさまざまな排気量のエンジンが生まれます。

ここでは実際に可能かどうかは別として、ピストン径を純正の80.5mmから0.5mm刻みで+3.0mmまで拡大(80.5mm→83.5mm)した場合および、ストロークを純正の88.2mmから1mm刻みで+5.0mmまで延長(88.2mm→93.2mm)した場合の排気量と、燃焼室容積が変化しないと仮定した場合の圧縮比の変化を一覧表にしています。

※ストロークアップと口で言うのは簡単なのですが、ロングストローク化するにあたってはクランクシャフトおよび対応コンロッドが必要になり、純正流用できない場合はワンオフで作らなければならないなど、とにかくお高く付きますので、手を出すには相当の覚悟を求められるメニューです。

圧縮比については、実際のところピストンが大径化するに伴ってピストン天面の凸凹容量も変化する場合が大半ですから、一覧表にある圧縮比の数値の通りにはなりませんが、排気量を大きくすると自ずと圧縮比も上昇しますよ、という雰囲気をご堪能ください。

B/S比はボアストローク比の略で、ボア径を広げていくとロングストローク型からスクエア型、あるいはショートストローク型の特性へと近付いていきます。Z18型エンジンの場合、純正ピストンから+3.0mmのボアアップをすると比は1.10から1.06に変化するという具合です。


平均ピストンスピード

ストローク最大トルク
3800rpm
最高出力
5600rpm
88.2mm11.2m/s16.5m/s
回転数/分秒速時速
2000rpm5.9m/s21.2km/h
4000rpm11.8m/s42.5km/h
6000rpm17.6m/s63.4km/h
8000rpm23.5m/s84.6km/h
10000rpm29.4m/s105.8km/h

続きまして平均ピストンスピードについて見てみます。ストロークが88.2mmのエンジンが最高出力を発生する5600回転での平均ピストンスピードは16.5m/sとなり、これは1秒間に16.5メートル(時速にすると59.4km/h)の距離を進む速さでピストンが上下運動していますよ、という意味です。

最大トルクを発生する3800回転では11.2m/s、最高出力が発生する5600回転より500回転高い6100回転をレブリミットと仮定したときの平均速度は17.9m/sとなっています。

参考までにストロークが88.2mmのZ18型エンジンを10000回転/毎分まで回したときのピストンスピードの変化を計算してみました。これを見ると回転数が2000回転高くなるごとに概ね5.88m/sずつ速度が増していくようです。

大量生産を前提とした一般的なエンジンの目安である20.0m/sのみを基準として考えると、高回転化の上限を(回るか回らないかは別として)6800回転くらいにするのが機械的にも精神的にも好ましそうです。


Z18型のエンジンを搭載する車種の例

全10件をアクセスが多いものから順に表示しています。
メーカー
車両型式
イメージ車名&グレード
記事リンク
出力
燃費
吸気 [駆動系]
車体形状 定員
スバル
XM182
トラヴィック
A-Package
(2004/04)
125PS
17.3kgm
11.0kmL
NA [FF/4AT]
ミニバン
7人乗り
オペル
XM181
ザフィーラ
CDX
(2000/11)
125PS
17.3kgm
11.8kmL
NA [FF/4AT]
ミニバン
7人乗り
オペル
XH182
ベクトラ ワゴン
GL
(2001/03)
125PS
17.3kgm
11.2kmL
NA [FF/4AT]
ワゴン
5人乗り
オペル
XH182
ベクトラ セダン
GL
(2001/03)
125PS
17.3kgm
11.2kmL
NA [FF/4AT]
セダン
5人乗り
オペル
AH04Z1
アストラ
Wagon 1.8-Sport
(2006/03)
125PS
17.3kgm
12.4kmL
NA [FF/4AT]
ワゴン
5人乗り
オペル
XK181
アストラ
Saloon-CD
(2002/12)
125PS
17.3kgm
12.8kmL
NA [FF/4AT]
セダン
5人乗り
オペル
XN180
ヴィータ
GSi
(2003/05)
125PS
16.8kgm
14.2kmL
NA [FF/5MT]
ハッチバック
5人乗り
オペル
XK181
アストラ
Wagon-CD
(2004/04)
125PS
17.3kgm
12.0kmL
NA [FF/4AT]
ワゴン
5人乗り
オペル
AH04Z1
アストラ
1.8-Sport
(2006/03)
125PS
17.3kgm
12.0kmL
NA [FF/4AT]
ハッチバック
5人乗り
オペル
XK181
アストラ
CD
(2004/04)
125PS
17.3kgm
12.8kmL
NA [FF/4AT]
ハッチバック
5人乗り
[投稿日:2011/06/06 更新日:2016/11/10]

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