ジャガー TB型エンジンの諸元と性能まとめ [V型8気筒4196cc]

ここではジャガーのJ73TB型3代目XJ [XJR] に搭載されているTB型のスーパーチャージャーエンジンのデータを参考に、このエンジンが持つ特性や素性について調べてみます。

TB型のスーパーチャージャーエンジン諸元


J73TB型 XJ 主要諸元まとめ
車両型式CBA-J73TB
車名&グレードXJ
[XJR]
エンジン型式TB
種類V型8気筒
排気量4196cc
内径×行程86.0mm×90.3mm
単気筒容積524.5cc
ボアストローク比1.05
圧縮比9.1
燃焼室容積64.8cc
吸気方式スーパーチャージャー
使用燃料ハイオクガソリン
最高出力406PS/6100rpm
最大トルク56.4kgm/3500rpm

まず基本的な成り立ちとして、TB型エンジンはボア(内径)86.0mm、ストローク(行程)90.3mm、ボアストローク比1.05のロングストローク型エンジン(ピストン径よりもストローク量のほうが大きい)です。

排気量と気筒数が同一の場合、ショートストローク型に比べて低回転域でのトルク特性に優れ、扱い易いエンジンとされますが、高回転域では充填効率の悪化や摺動抵抗が増大して出力の低下が懸念されます。

なおかつ回転数も同一の場合、ショートストローク型に比べて平均ピストンスピードが高くなりがちなことから、エンジンへの負荷が大きくなる傾向にあります。

1気筒あたりのシリンダー容積と圧縮比を使って燃焼室容積を計算してみますと、今回のTB型エンジンの場合の計算式は524.5cc÷(9.1-1)となり、燃焼室容積は64.8ccになります。

このサイトにてTB型のスーパーチャージャーエンジンを搭載している車種は、2003/05から発売された3代目XJ [2008/04]が登録されています。

過渡特性とリッター換算馬力から見た評価

エンジン性能曲線のイメージ
TBのエンジン性能曲線図もどき
馬力の変遷275.6PS → 406PS
トルクの変遷56.4kgm → 47.7kgm
リッター馬力96.8PS/L
リッタートルク13.44kgm/L

今回の参考車両であるXJのV型8気筒4196cc、圧縮比9.1でハイオクガソリン仕様のスーパーチャージャーエンジンは、6100回転のとき最高出力406馬力を、3500回転のとき最大トルク56.4kgmを発生させます。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力を知ることができますので計算してみますと、最大トルクが発生する3500回転での馬力は275.6PS、最高出力が発生する6100回転でのトルクは47.7kgmになります。

排気量1リットルあたりの馬力は96.8PS/L、トルクは13.44kgm/Lとなり、1気筒(単気筒容積524.5cc)あたりの出力は50.8PS、7.0kgmです。

排気量1リットルあたりの馬力が96.8PS/L、トルクが13.44kgm/LであるTB型のスーパーチャージャーエンジンを、このサイトで登録している全てのターボ車から集計した偏差値ベースの10段階評価に当てはめると、評価は換算馬力が[ 6 ]、換算トルクが[ 5 ]の「標準的な出力(中の上)のエンジン」にカテゴライズされます。


排気量アップと圧縮比の上昇、ボアストローク比の変化

ノーマルの排気量と圧縮比
BoreStroke排気量圧縮比B/S比
86.0mm90.3mm4196cc9.11.05
ボアアップによる排気量アップ
86.5mm90.3mm4245cc9.191.04
87.0mm4294cc9.291.04
87.5mm4344cc9.381.03
88.0mm4394cc9.471.03
88.5mm4444cc9.561.02
89.0mm4494cc9.671.01

エンジンの排気量を決める要素には気筒数、ボア径、ストローク量の3つがあり、これらを増減することでさまざまな排気量のエンジンが生まれます。

ここでは実際に可能かどうかは別として、ピストン径を純正の86.0mmから0.5mm刻みで+3.0mmまで拡大(86.0mm→89.0mm)した場合の排気量と、燃焼室容積が変化しないと仮定した場合の圧縮比の変化を一覧表にしています。

圧縮比については、実際のところピストンが大径化するに伴ってピストン天面の凸凹容量も変化する場合が大半ですから、一覧表にある圧縮比の数値の通りにはなりませんが、排気量を大きくすると自ずと圧縮比も上昇しますよ、という雰囲気をご堪能ください。

B/S比はボアストローク比の略で、ボア径を広げていくとロングストローク型からスクエア型、あるいはショートストローク型の特性へと近付いていきます。TB型エンジンの場合、純正ピストンから+3.0mmのボアアップをすると比は1.05から1.01に変化するという具合です。


平均ピストンスピード

ストローク最大トルク
3500rpm
最高出力
6100rpm
90.3mm10.5m/s18.4m/s
回転数/分秒速時速
2000rpm6.0m/s21.6km/h
4000rpm12.0m/s43.2km/h
6000rpm18.1m/s65.2km/h
8000rpm24.1m/s86.8km/h
10000rpm30.1m/s108.4km/h

続きまして平均ピストンスピードについて見てみます。ストロークが90.3mmのエンジンが最高出力を発生する6100回転での平均ピストンスピードは18.4m/sとなり、これは1秒間に18.4メートル(時速にすると66.2km/h)の距離を進む速さでピストンが上下運動していますよ、という意味です。

最大トルクを発生する3500回転では10.5m/s、最高出力が発生する6100回転より500回転高い6600回転をレブリミットと仮定したときの平均速度は19.9m/sとなっています。

参考までにストロークが90.3mmのTB型エンジンを10000回転/毎分まで回したときのピストンスピードの変化を計算してみました。これを見ると回転数が2000回転高くなるごとに概ね6.03m/sずつ速度が増していくようです。

大量生産を前提とした一般的なエンジンの目安である20.0m/sのみを基準として考えると、高回転化の上限を(回るか回らないかは別として)6640回転くらいにするのが機械的にも精神的にも好ましそうです。


TB型のエンジンを搭載する車種の例

全2件をアクセスが多いものから順に表示しています。
メーカー
車両型式
イメージ車名&グレード
記事リンク
出力
燃費
吸気 [駆動系]
車体形状 定員
ジャガー
J73TB
XJ
XJR
(2008/04)
406ps
56.4kgm
6.8kmL
SC [FR/6AT]
セダン
5人乗り
ジャガー
J82TB
XJ
4.2 Sovereign-L
(2008/04)
406ps
56.4kgm
6.8kmL
SC [FR/6AT]
セダン
5人乗り
[投稿日:2016/11/09]

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