ランドローバー:PT204型エンジンの諸元と性能まとめ [直列4気筒1995cc]

ここではランドローバーのLY2XCB型の初代レンジローバー ヴェラール [P250] に搭載されているPT204型のターボエンジンのデータを参考に、このエンジンが持つ特性や素性について調べてみます。

PT204型のターボエンジン諸元


LY2XCB型 レンジローバー ヴェラール 主要諸元まとめ
車両型式DBA-LY2XCB
車名&グレードレンジローバー ヴェラール
P250
エンジン型式PT204
種類直列4気筒
排気量1995cc
内径×行程83.0mm×92.2mm
ボアストローク比1.11
吸気方式ターボ
使用燃料ハイオクガソリン
最高出力250PS/5500rpm
最大トルク37.2kgm/1300-1500rpm

まず基本的な成り立ちとして、PT204型エンジンはボア(内径)83.0mm、ストローク(行程)92.2mm、ボアストローク比1.11のロングストローク型エンジン(ピストン径よりもストローク量のほうが大きい)です。

排気量と気筒数が同一の場合、ショートストローク型に比べて低回転域でのトルク特性に優れ、扱い易いエンジンとされますが、高回転域では充填効率の悪化や摺動抵抗が増大して出力の低下が懸念されます。

なおかつ回転数も同一の場合、ショートストローク型に比べて平均ピストンスピードが高くなりがちなことから、エンジンへの負荷が大きくなる傾向にあります。

このサイトにてPT204型のターボエンジンを搭載している車種は、2017/07から発売された初代レンジローバー ヴェラール [2017/07](合計2台)が登録されています。

過渡特性とリッター換算馬力から見た評価

エンジン性能曲線のイメージ
PT204のエンジン性能曲線図もどき
馬力の変遷67.5PS → 250PS
トルクの変遷37.2kgm → 32.6kgm
リッター馬力125.3PS/L
リッタートルク18.65kgm/L

今回の参考車両であるレンジローバー ヴェラールの直列4気筒1995ccでハイオクガソリン仕様のターボエンジンは、5500回転のとき最高出力250馬力を、5500回転のとき最大トルク37.2kgmを発生させます。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力を知ることができますので計算してみますと、最大トルクが発生する1300回転での馬力は67.5PS、最高出力が発生する5500回転でのトルクは32.6kgmになります。

排気量1リットルあたりの馬力は125.3PS/L、トルクは18.65kgm/Lとなり、1気筒(単気筒容積498.8cc)あたりの出力は62.5PS、9.3kgmです。

排気量1リットルあたりの馬力が125.3PS/L、トルクが18.65kgm/LであるPT204型のターボエンジンを、このサイトで登録している全てのターボ車から集計した偏差値ベースの10段階評価に当てはめると、評価は換算馬力が[ 8 ]、換算トルクが[ 8 ]の「結構な高出力エンジン」にカテゴライズされます。


排気量アップと圧縮比の上昇、ボアストローク比の変化

ノーマルの排気量と圧縮比
BoreStroke排気量圧縮比B/S比
83.0mm92.2mm1995cc-1.11
ボアアップによる排気量拡大
83.5mm92.2mm2019cc-1.10
84.0mm2044cc-1.10
84.5mm2068cc-1.09
85.0mm2093cc-1.08
85.5mm2117cc-1.08
86.0mm2142cc-1.07
ストロークアップによる排気量拡大
83.0mm93.2mm2017cc-1.12
94.2mm2039cc-1.13
95.2mm2060cc-1.15
96.2mm2082cc-1.16
97.2mm2104cc-1.17

エンジンの排気量を決める要素には気筒数、ボア径、ストローク量の3つがあり、これらを増減することでさまざまな排気量のエンジンが生まれます。

ここでは実際に可能かどうかは別として、ピストン径を純正の83.0mmから0.5mm刻みで+3.0mmまで拡大(83.0mm→86.0mm)した場合および、ストロークを純正の92.2mmから1mm刻みで+5.0mmまで延長(92.2mm→97.2mm)した場合の排気量と、燃焼室容積が変化しないと仮定した場合の圧縮比の変化を一覧表にしています。

※ストロークアップと口で言うのは簡単なのですが、ロングストローク化するにあたってはクランクシャフトおよび対応コンロッドが必要になり、純正流用できない場合はワンオフで作らなければならないなど、とにかくお高く付きますので、手を出すには相当の覚悟を求められるメニューです。

B/S比はボアストローク比の略で、ボア径を広げていくとロングストローク型からスクエア型、あるいはショートストローク型の特性へと近付いていきます。PT204型エンジンの場合、純正ピストンから+3.0mmのボアアップをすると比は1.11から1.07に変化するという具合です。


平均ピストンスピード

ストローク最大トルク
1300rpm
最高出力
5500rpm
92.2mm4.0m/s16.9m/s
回転数/分秒速時速
2000rpm6.1m/s22.0km/h
4000rpm12.3m/s44.3km/h
6000rpm18.4m/s66.2km/h
8000rpm24.6m/s88.6km/h
10000rpm30.7m/s110.5km/h

続きまして平均ピストンスピードについて見てみます。ストロークが92.2mmのエンジンが最高出力を発生する5500回転での平均ピストンスピードは16.9m/sとなり、これは1秒間に16.9メートル(時速にすると60.8km/h)の距離を進む速さでピストンが上下運動していますよ、という意味です。

最大トルクを発生する1300回転では4.0m/s、最高出力が発生する5500回転より500回転高い6000回転をレブリミットと仮定したときの平均速度は18.4m/sとなっています。

参考までにストロークが92.2mmのPT204型エンジンを10000回転/毎分まで回したときのピストンスピードの変化を計算してみました。これを見ると回転数が2000回転高くなるごとに概ね6.15m/sずつ速度が増していくようです。

大量生産を前提とした一般的なエンジンの目安である20.0m/sのみを基準として考えると、高回転化の上限を(回るか回らないかは別として)6510回転くらいにするのが機械的にも精神的にも好ましそうです。


PT204型のエンジンを搭載する車種の例

全2件をアクセスが多いものから順に表示しています。
メーカー
車両型式
イメージ車名&グレード
記事リンク
出力
燃費
吸気 [駆動系]
車体形状 定員
ランドローバー
LY2XCB
レンジローバー ヴェラール
P250
(2017/07)
250PS
37.2kgm
11.6kmL
TB [4WD/8AT]
SUV
5人乗り
ランドローバー
LY2XCB
レンジローバー ヴェラール
P300
(2017/07)
300PS
40.8kgm
10.6kmL
TB [4WD/8AT]
SUV
5人乗り
[投稿日:2018/09/27]

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