VW PG型エンジンの諸元と性能まとめ [直列4気筒1780cc]

ここではVWの50PG型の初代コラード [G60] に搭載されているPG型のスーパーチャージャーエンジンのデータを参考に、このエンジンが持つ特性や素性について調べてみます。

PG型のスーパーチャージャーエンジン諸元


50PG型 コラード 主要諸元まとめ
車両型式E-50PG
車名&グレードコラード
[G60]
エンジン型式PG
種類直列4気筒
排気量1780cc
内径×行程81.0mm×86.4mm
単気筒容積445.2cc
ボアストローク比1.07
吸気方式スーパーチャージャー
使用燃料ハイオクガソリン
最高出力160PS/5600rpm
最大トルク22.9kgm/4000rpm

まず基本的な成り立ちとして、PG型エンジンはボア(内径)81.0mm、ストローク(行程)86.4mm、ボアストローク比1.07のロングストローク型エンジン(ピストン径よりもストローク量のほうが大きい)です。

排気量と気筒数が同一の場合、ショートストローク型に比べて低回転域でのトルク特性に優れ、扱い易いエンジンとされますが、高回転域では充填効率の悪化や摺動抵抗が増大して出力の低下が懸念されます。

なおかつ回転数も同一の場合、ショートストローク型に比べて平均ピストンスピードが高くなりがちなことから、エンジンへの負荷が大きくなる傾向にあります。

過渡特性とリッター換算馬力から見た評価

エンジン性能曲線のイメージ
PGのエンジン性能曲線図もどき
馬力の変遷127.9PS → 160PS
トルクの変遷22.9kgm → 20.5kgm
リッター馬力89.9PS/L
リッタートルク12.87kgm/L

今回の参考車両であるコラードの直列4気筒1780ccでハイオクガソリン仕様のスーパーチャージャーエンジンは、5600回転のとき最高出力160馬力を、4000回転のとき最大トルク22.9kgmを発生させます。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力を知ることができますので計算してみますと、最大トルクが発生する4000回転での馬力は127.9PS、最高出力が発生する5600回転でのトルクは20.5kgmになります。

排気量1リットルあたりの馬力は89.9PS/L、トルクは12.87kgm/Lとなり、1気筒(単気筒容積445.2cc)あたりの出力は40.0PS、5.7kgmです。

排気量1リットルあたりの馬力が89.9PS/L、トルクが12.87kgm/LであるPG型のスーパーチャージャーエンジンを、このサイトで登録している全てのターボ車から集計した偏差値ベースの10段階評価に当てはめると、評価は換算馬力が[ 5 ]、換算トルクが[ 4 ]の「標準的な出力(中の下)のエンジン」にカテゴライズされます。


排気量アップと圧縮比の上昇、ボアストローク比の変化

ノーマルの排気量と圧縮比
BoreStroke排気量圧縮比B/S比
81.0mm86.4mm1780cc-1.07
ボアアップによる排気量アップ
81.5mm86.4mm1803cc-1.06
82.0mm1825cc-1.05
82.5mm1847cc-1.05
83.0mm1870cc-1.04
83.5mm1892cc-1.03
84.0mm1915cc-1.03

エンジンの排気量を決める要素には気筒数、ボア径、ストローク量の3つがあり、これらを増減することでさまざまな排気量のエンジンが生まれます。

ここでは実際に可能かどうかは別として、ピストン径を純正の81.0mmから0.5mm刻みで+3.0mmまで拡大(81.0mm→84.0mm)した場合の排気量と、燃焼室容積が変化しないと仮定した場合の圧縮比の変化を一覧表にしています。

B/S比はボアストローク比の略で、ボア径を広げていくとロングストローク型からスクエア型、あるいはショートストローク型の特性へと近付いていきます。PG型エンジンの場合、純正ピストンから+3.0mmのボアアップをすると比は1.07から1.03に変化するという具合です。


平均ピストンスピード

ストローク最大トルク
4000rpm
最高出力
5600rpm
86.4mm11.5m/s16.1m/s
回転数/分秒速時速
2000rpm5.8m/s20.9km/h
4000rpm11.5m/s41.4km/h
6000rpm17.3m/s62.3km/h
8000rpm23.0m/s82.8km/h
10000rpm28.8m/s103.7km/h

続きまして平均ピストンスピードについて見てみます。ストロークが86.4mmのエンジンが最高出力を発生する5600回転での平均ピストンスピードは16.1m/sとなり、これは1秒間に16.1メートル(時速にすると58.0km/h)の距離を進む速さでピストンが上下運動していますよ、という意味です。

最大トルクを発生する4000回転では11.5m/s、最高出力が発生する5600回転より500回転高い6100回転をレブリミットと仮定したときの平均速度は17.6m/sとなっています。

参考までにストロークが86.4mmのPG型エンジンを10000回転/毎分まで回したときのピストンスピードの変化を計算してみました。これを見ると回転数が2000回転高くなるごとに概ね5.75m/sずつ速度が増していくようです。

大量生産を前提とした一般的なエンジンの目安である20.0m/sのみを基準として考えると、高回転化の上限を(回るか回らないかは別として)6940回転くらいにするのが機械的にも精神的にも好ましそうです。


PG型のエンジンを搭載する車種の例

メーカー
車両型式
イメージ車名&グレード
記事リンク
出力
燃費
吸気 [駆動系]
車体形状 定員
VW
50PG
コラード
G60
(1991/10)
160ps
22.9kgm
-
SC [FF/5MT]
クーペ
4人乗り
[投稿日:2016/11/05]

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