ベンツ OM642型エンジンの諸元と性能まとめ [V型6気筒2986cc]

ここではベンツの463346型2代目Gクラス [G350 BlueTEC W463] に搭載されているOM642型のターボエンジンのデータを参考に、このエンジンが持つ特性や素性について調べてみます。

OM642型のターボエンジン諸元


463346型 Gクラス 主要諸元まとめ
車両型式FDA-463346
車名&グレードGクラス
[G350 BlueTEC W463]
エンジン型式OM642
種類V型6気筒
排気量2986cc
内径×行程83.0mm×92.0mm
単気筒容積497.8cc
ボアストローク比1.11
圧縮比15.5
燃焼室容積34.3cc
吸気方式ターボ
使用燃料ディーゼル
最高出力211PS/3400rpm
最大トルク55.1kgm/1600-2400rpm

まず基本的な成り立ちとして、OM642型エンジンはボア(内径)83.0mm、ストローク(行程)92.0mm、ボアストローク比1.11のロングストローク型エンジン(ピストン径よりもストローク量のほうが大きい)です。

排気量と気筒数が同一の場合、ショートストローク型に比べて低回転域でのトルク特性に優れ、扱い易いエンジンとされますが、高回転域では充填効率の悪化や摺動抵抗が増大して出力の低下が懸念されます。

なおかつ回転数も同一の場合、ショートストローク型に比べて平均ピストンスピードが高くなりがちなことから、エンジンへの負荷が大きくなる傾向にあります。

1気筒あたりのシリンダー容積と圧縮比を使って燃焼室容積を計算してみますと、今回のOM642型エンジンの場合の計算式は497.8cc÷(15.5-1)となり、燃焼室容積は34.3ccになります。

このサイトにて登録されている車種のうち、OM642型のターボエンジンを搭載する最も古い車種は1994/12から発売された2代目Gクラス [2013/09]、最も新しい車種は2016/04から発売された初代GLEクーペ [2016/04]となっており、全部で10車種(NA車0台・ターボ車10台)が登録されています。

過渡特性とリッター換算馬力から見た評価

エンジン性能曲線のイメージ
OM642のエンジン性能曲線図もどき
馬力の変遷123.1PS → 211PS
トルクの変遷55.1kgm → 44.5kgm
リッター馬力70.7PS/L
リッタートルク18.45kgm/L

今回の参考車両であるGクラスのV型6気筒2986cc、圧縮比15.5でディーゼル仕様のターボエンジンは、3400回転のとき最高出力211馬力を、1600-2400回転のとき最大トルク55.1kgmを発生させます。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力を知ることができますので計算してみますと、最大トルクが発生する1600回転での馬力は123.1PS、最高出力が発生する3400回転でのトルクは44.5kgmになります。

排気量1リットルあたりの馬力は70.7PS/L、トルクは18.45kgm/Lとなり、1気筒(単気筒容積497.8cc)あたりの出力は35.2PS、9.2kgmです。

排気量1リットルあたりの馬力が70.7PS/L、トルクが18.45kgm/LであるOM642型のターボエンジンを、このサイトで登録している全てのターボ車から集計した偏差値ベースの10段階評価に当てはめると、評価は換算馬力が[ 4 ]、換算トルクが[ 8 ]の「やや控えめな出力のエンジン」にカテゴライズされます。


排気量アップと圧縮比の上昇、ボアストローク比の変化

ノーマルの排気量と圧縮比
BoreStroke排気量圧縮比B/S比
83.0mm92.0mm2986cc15.51.11
ボアアップによる排気量アップ
83.5mm92.0mm3023cc15.691.10
84.0mm3059cc15.871.10
84.5mm3095cc16.041.09
85.0mm3132cc16.221.08
85.5mm3169cc16.391.08
86.0mm3206cc16.571.07

エンジンの排気量を決める要素には気筒数、ボア径、ストローク量の3つがあり、これらを増減することでさまざまな排気量のエンジンが生まれます。

ここでは実際に可能かどうかは別として、ピストン径を純正の83.0mmから0.5mm刻みで+3.0mmまで拡大(83.0mm→86.0mm)した場合の排気量と、燃焼室容積が変化しないと仮定した場合の圧縮比の変化を一覧表にしています。

圧縮比については、実際のところピストンが大径化するに伴ってピストン天面の凸凹容量も変化する場合が大半ですから、一覧表にある圧縮比の数値の通りにはなりませんが、排気量を大きくすると自ずと圧縮比も上昇しますよ、という雰囲気をご堪能ください。

B/S比はボアストローク比の略で、ボア径を広げていくとロングストローク型からスクエア型、あるいはショートストローク型の特性へと近付いていきます。OM642型エンジンの場合、純正ピストンから+3.0mmのボアアップをすると比は1.11から1.07に変化するという具合です。


平均ピストンスピード

ストローク最大トルク
1600rpm
最高出力
3400rpm
92.0mm4.9m/s10.4m/s
回転数/分秒速時速
2000rpm6.1m/s22.0km/h
4000rpm12.3m/s44.3km/h
6000rpm18.4m/s66.2km/h
8000rpm24.5m/s88.2km/h
10000rpm30.7m/s110.5km/h

続きまして平均ピストンスピードについて見てみます。ストロークが92.0mmのエンジンが最高出力を発生する3400回転での平均ピストンスピードは10.4m/sとなり、これは1秒間に10.4メートル(時速にすると37.4km/h)の距離を進む速さでピストンが上下運動していますよ、という意味です。

最大トルクを発生する1600回転では4.9m/s、最高出力が発生する3400回転より500回転高い3900回転をレブリミットと仮定したときの平均速度は12.0m/sとなっています。

参考までにストロークが92.0mmのOM642型エンジンを10000回転/毎分まで回したときのピストンスピードの変化を計算してみました。これを見ると回転数が2000回転高くなるごとに概ね6.15m/sずつ速度が増していくようです。

大量生産を前提とした一般的なエンジンの目安である20.0m/sのみを基準として考えると、高回転化の上限を(回るか回らないかは別として)6520回転くらいにするのが機械的にも精神的にも好ましそうです。


OM642型のエンジンを搭載する車種の例

全10件のうち、アクセスが多いものから順に上位10車種までを表示しています。
メーカー
車両型式
イメージ車名&グレード
記事リンク
出力
燃費
吸気 [駆動系]
車体形状 定員
ベンツ
463346
Gクラス
G350 BlueTEC W463
(2013/09)
211ps
55.1kgm
-
TB [4WD/7AT]
SUV
5人乗り
ベンツ
211022
Eクラス
E320 CDI Avantgarde W211
(2008/08)
211ps
55.1kgm
-
TB [FR/7AT]
セダン
5人乗り
ベンツ
211222
Eクラス ステーションワゴン
E320 CDI Avantgarde S211
(2008/08)
211ps
55.1kgm
-
TB [FR/7AT]
ワゴン
5人乗り
ベンツ
166824
GLS
GLS350d 4Matic X166
(2016/04)
258ps
63.2kgm
12.4kmL
TB [4WD/9AT]
SUV
7人乗り
ベンツ
212024
Eクラス セダン
E350 BlueTec W212
(2011/11)
211ps
55.1kgm
12.4kmL
TB [FR/7AT]
セダン
5人乗り
ベンツ
166824
GLクラス
GL350 BlueTEC 4MATIC X166
(2015/01)
258ps
63.2kgm
11.4kmL
TB [4WD/7AT]
SUV
7人乗り
ベンツ
212224
Eクラス ステーションワゴン
E350 BlueTec-Avantgarde S212
(2011/11)
211ps
55.1kgm
12.6kmL
TB [FR/7AT]
ワゴン
5人乗り
ベンツ
164125
Mクラス
ML350 BlueTec 4Matic W164
(2010/11)
211ps
55.1kgm
-
TB [4WD/7AT]
SUV
5人乗り
ベンツ
166024
GLEクラス
GLE350d 4matic W166
(2015/10)
258ps
63.2kgm
12.9kmL
TB [4WD/9AT]
SUV
5人乗り
ベンツ
166024
GLEクーペ
GLE350d 4Matic Coupe W166
(2016/04)
258ps
63.2kgm
13.3kmL
TB [4WD/9AT]
SUV
5人乗り
[投稿日:2016/11/02]

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