ベンツ OM603型エンジンの諸元と性能まとめ [直列6気筒2996cc]

ここではベンツの124133型の初代Eクラス [E300 Turbo-Diesel W124] に搭載されているOM603型のターボエンジンのデータを参考に、このエンジンが持つ特性や素性について調べてみます。

OM603型のターボエンジン諸元


124133型 Eクラス 主要諸元まとめ
車両型式Y-124133
車名&グレードEクラス
[E300 Turbo-Diesel W124]
エンジン型式OM603
種類直列6気筒
排気量2996cc
内径×行程87.0mm×84.0mm
単気筒容積499.3cc
ボアストローク比0.97
圧縮比22.0
燃焼室容積23.8cc
吸気方式ターボ
使用燃料ディーゼル
最高出力150PS/4600rpm
最大トルク27.8kgm/2400rpm

まず基本的な成り立ちとして、OM603型エンジンはボア(内径)87.0mm、ストローク(行程)84.0mm、ボアストローク比0.97のショートストローク型エンジン(ストローク量よりもピストン径のほうが大きい)です。

排気量と気筒数が同一の場合、ロングストローク型に比べて低回転域でのトルク特性に劣り、扱いにくいエンジンとされるものの、高回転域では充填効率の向上や摺動抵抗の増大も(ロングストローク型に比べれば)軽微なことから出力の向上が見込まれます。

また同じ回転数でも平均ピストンスピードが抑えられることから、その分だけエンジンへの負荷は低減される傾向にあります。

1気筒あたりのシリンダー容積と圧縮比を使って燃焼室容積を計算してみますと、今回のOM603型エンジンの場合の計算式は499.3cc÷(22.0-1)となり、燃焼室容積は23.8ccになります。

このサイトにてOM603型のターボエンジンを搭載している車種は、1993/10から発売された初代Eクラス ステーションワゴン [1993/10]が登録されています。

過渡特性とリッター換算馬力から見た評価

エンジン性能曲線のイメージ
OM603のエンジン性能曲線図もどき
馬力の変遷93.1PS → 150PS
トルクの変遷27.8kgm → 23.4kgm
リッター馬力50.1PS/L
リッタートルク9.28kgm/L

今回の参考車両であるEクラスの直列6気筒2996cc、圧縮比22.0でディーゼル仕様のターボエンジンは、4600回転のとき最高出力150馬力を、2400回転のとき最大トルク27.8kgmを発生させます。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力を知ることができますので計算してみますと、最大トルクが発生する2400回転での馬力は93.1PS、最高出力が発生する4600回転でのトルクは23.4kgmになります。

排気量1リットルあたりの馬力は50.1PS/L、トルクは9.28kgm/Lとなり、1気筒(単気筒容積499.3cc)あたりの出力は25.0PS、4.6kgmです。

排気量1リットルあたりの馬力が50.1PS/L、トルクが9.28kgm/LであるOM603型のターボエンジンを、このサイトで登録している全てのターボ車から集計した偏差値ベースの10段階評価に当てはめると、評価は換算馬力が[ 2 ]、換算トルクが[ 1 ]の「やや心もとない出力のエンジン」にカテゴライズされます。


排気量アップと圧縮比の上昇、ボアストローク比の変化

ノーマルの排気量と圧縮比
BoreStroke排気量圧縮比B/S比
87.0mm84.0mm2996cc22.00.97
ボアアップによる排気量アップ
87.5mm84.0mm3031cc22.220.96
88.0mm3065cc22.470.95
88.5mm3100cc22.720.95
89.0mm3135cc22.970.94
89.5mm3171cc23.180.94
90.0mm3206cc23.440.93

エンジンの排気量を決める要素には気筒数、ボア径、ストローク量の3つがあり、これらを増減することでさまざまな排気量のエンジンが生まれます。

ここでは実際に可能かどうかは別として、ピストン径を純正の87.0mmから0.5mm刻みで+3.0mmまで拡大(87.0mm→90.0mm)した場合の排気量と、燃焼室容積が変化しないと仮定した場合の圧縮比の変化を一覧表にしています。

圧縮比については、実際のところピストンが大径化するに伴ってピストン天面の凸凹容量も変化する場合が大半ですから、一覧表にある圧縮比の数値の通りにはなりませんが、排気量を大きくすると自ずと圧縮比も上昇しますよ、という雰囲気をご堪能ください。

B/S比はボアストローク比の略で、ボア径を広げていくと0.97からさらに値は小さくなり、ショートストローク型の恩恵と弊害が顕著になっていきます。OM603型エンジンの場合、純正ピストンから+3.0mmのボアアップをすると比は0.97から0.93に変化するという具合です。


平均ピストンスピード

ストローク最大トルク
2400rpm
最高出力
4600rpm
84.0mm6.7m/s12.9m/s
回転数/分秒速時速
2000rpm5.6m/s20.2km/h
4000rpm11.2m/s40.3km/h
6000rpm16.8m/s60.5km/h
8000rpm22.4m/s80.6km/h
10000rpm28.0m/s100.8km/h

続きまして平均ピストンスピードについて見てみます。ストロークが84.0mmのエンジンが最高出力を発生する4600回転での平均ピストンスピードは12.9m/sとなり、これは1秒間に12.9メートル(時速にすると46.4km/h)の距離を進む速さでピストンが上下運動していますよ、という意味です。

最大トルクを発生する2400回転では6.7m/s、最高出力が発生する4600回転より500回転高い5100回転をレブリミットと仮定したときの平均速度は14.3m/sとなっています。

参考までにストロークが84.0mmのOM603型エンジンを10000回転/毎分まで回したときのピストンスピードの変化を計算してみました。これを見ると回転数が2000回転高くなるごとに概ね5.60m/sずつ速度が増していくようです。

大量生産を前提とした一般的なエンジンの目安である20.0m/sのみを基準として考えると、高回転化の上限を(回るか回らないかは別として)7140回転くらいにするのが機械的にも精神的にも好ましそうです。


OM603型のエンジンを搭載する車種の例

全2件をアクセスが多いものから順に表示しています。
メーカー
車両型式
イメージ車名&グレード
記事リンク
出力
燃費
吸気 [駆動系]
車体形状 定員
ベンツ
124133
Eクラス
E300 Turbo-Diesel W124
(1993/10)
150ps
27.8kgm
-
TB [FR/4AT]
セダン
5人乗り
ベンツ
124193
Eクラス ステーションワゴン
E300 Turbo-Diesel S124
(1993/10)
150ps
27.8kgm
-
TB [FR/4AT]
ワゴン
7人乗り
[投稿日:2016/11/02]

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