BMW N63B44B型エンジンの諸元と性能まとめ [V型8気筒4394cc]

ここではBMWのYE44型5代目7シリーズ [750Li F02] に搭載されているN63B44B型のツインターボエンジンのデータを参考に、このエンジンが持つ特性や素性について調べてみます。

N63B44B型のツインターボエンジン諸元


YE44型 7シリーズ 主要諸元まとめ
車両型式CBA-YE44
車名&グレード7シリーズ
[750Li F02]
エンジン型式N63B44B
種類V型8気筒
排気量4394cc
内径×行程89.0mm×88.3mm
単気筒容積549.3cc
ボアストローク比0.99
圧縮比10.0
燃焼室容積61.0cc
吸気方式ツインターボ
使用燃料ハイオクガソリン
最高出力450PS/5500rpm
最大トルク66.3kgm/2000-4500rpm

まず基本的な成り立ちとして、N63B44型エンジンはボア(内径)89.0mm、ストローク(行程)88.3mm、ボアストローク比0.99のショートストローク型エンジン(ストローク量よりもピストン径のほうが大きい)です。

排気量と気筒数が同一の場合、厳密に言えばボアとストロークが全くの同一でなければスクエア型を名乗ることは許されませんが、ここまでボアストローク比が1に近いのであれば「もうスクエア型にしてあげても良いじゃない!」という気もします。

これらのエンジンはショートストローク型、或いはロングストローク型の風味を残しつつ、その実はスクエア型に限りなく近い特性を持ちます。「やっぱこう、どうせなら低回転で粘って高回転でキレ
(省略されました・・全てを読むには ここ を押してください)

1気筒あたりのシリンダー容積と圧縮比を使って燃焼室容積を計算してみますと、今回のN63B44B型エンジンの場合の計算式は549.3cc÷(10.0-1)となり、燃焼室容積は61.0ccになります。

このサイトにて登録されている車種のうち、N63B44B型のツインターボエンジンを搭載する最も古い車種は2009/03から発売された5代目7シリーズ [2013/08]、最も新しい車種は2014/08から発売された2代目X6 [2014/08]となっており、全部で6車種(NA車0台・ターボ車6台)が登録されています。

N63B44B型と類似するエンジン型式としては、[ N63B44A型 ]、[ N63B44C型 ]、[ N63B44A-K210型 ]の3種類があります。

過渡特性とリッター換算馬力から見た評価

エンジン性能曲線のイメージ
N63B44のエンジン性能曲線図もどき
馬力の変遷185.1PS → 450PS
トルクの変遷66.3kgm → 58.6kgm
リッター馬力102.4PS/L
リッタートルク15.09kgm/L

今回の参考車両である7シリーズのV型8気筒4394cc、圧縮比10.0でハイオクガソリン仕様のツインターボエンジンは、5500回転のとき最高出力450馬力を、2000-4500回転のとき最大トルク66.3kgmを発生させます。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力を知ることができますので計算してみますと、最大トルクが発生する2000回転での馬力は185.1PS、最高出力が発生する5500回転でのトルクは58.6kgmになります。

排気量1リットルあたりの馬力は102.4PS/L、トルクは15.09kgm/Lとなり、1気筒(単気筒容積549.3cc)あたりの出力は56.2PS、8.3kgmです。

排気量1リットルあたりの馬力が102.4PS/L、トルクが15.09kgm/LであるN63B44型のツインターボエンジンを、このサイトで登録している全てのターボ車から集計した偏差値ベースの10段階評価に当てはめると、評価は換算馬力が[ 6 ]、換算トルクが[ 6 ]の「標準的な出力(中の上)のエンジン」にカテゴライズされます。


排気量アップと圧縮比の上昇、ボアストローク比の変化

ノーマルの排気量と圧縮比
BoreStroke排気量圧縮比B/S比
89.0mm88.3mm4394cc10.00.99
ボアアップによる排気量アップ
89.5mm88.3mm4444cc10.100.99
90.0mm4494cc10.210.98
90.5mm4544cc10.310.98
91.0mm4594cc10.410.97
91.5mm4645cc10.520.97
92.0mm4696cc10.620.96

エンジンの排気量を決める要素には気筒数、ボア径、ストローク量の3つがあり、これらを増減することでさまざまな排気量のエンジンが生まれます。

ここでは実際に可能かどうかは別として、ピストン径を純正の89.0mmから0.5mm刻みで+3.0mmまで拡大(89.0mm→92.0mm)した場合の排気量と、燃焼室容積が変化しないと仮定した場合の圧縮比の変化を一覧表にしています。

圧縮比については、実際のところピストンが大径化するに伴ってピストン天面の凸凹容量も変化する場合が大半ですから、一覧表にある圧縮比の数値の通りにはなりませんが、排気量を大きくすると自ずと圧縮比も上昇しますよ、という雰囲気をご堪能ください。

B/S比はボアストローク比の略で、ボア径を広げていくと0.99からさらに値は小さくなり、ショートストローク型の恩恵と弊害が顕著になっていきます。N63B44型エンジンの場合、純正ピストンから+3.0mmのボアアップをすると比は0.99から0.96に変化するという具合です。


平均ピストンスピード

ストローク最大トルク
2000rpm
最高出力
5500rpm
88.3mm5.9m/s16.2m/s
回転数/分秒速時速
2000rpm5.9m/s21.2km/h
4000rpm11.8m/s42.5km/h
6000rpm17.7m/s63.7km/h
8000rpm23.5m/s84.6km/h
10000rpm29.4m/s105.8km/h

続きまして平均ピストンスピードについて見てみます。ストロークが88.3mmのエンジンが最高出力を発生する5500回転での平均ピストンスピードは16.2m/sとなり、これは1秒間に16.2メートル(時速にすると58.3km/h)の距離を進む速さでピストンが上下運動していますよ、という意味です。

最大トルクを発生する2000回転では5.9m/s、最高出力が発生する5500回転より500回転高い6000回転をレブリミットと仮定したときの平均速度は17.7m/sとなっています。

参考までにストロークが88.3mmのN63B44型エンジンを10000回転/毎分まで回したときのピストンスピードの変化を計算してみました。これを見ると回転数が2000回転高くなるごとに概ね5.88m/sずつ速度が増していくようです。

大量生産を前提とした一般的なエンジンの目安である20.0m/sのみを基準として考えると、高回転化の上限を(回るか回らないかは別として)6800回転くらいにするのが機械的にも精神的にも好ましそうです。


N63B44B型のエンジンを搭載する車種の例

全6件をアクセスが多いものから順に表示しています。
メーカー
車両型式
イメージ車名&グレード
記事リンク
出力
燃費
吸気 [駆動系]
車体形状 定員
BMW
YE44
7シリーズ
750Li F02
(2013/08)
450ps
66.3kgm
9.3kmL
TT [FR/8AT]
セダン
5人乗り
BMW
YA44
7シリーズ
750i F01
(2013/08)
450ps
66.3kgm
9.3kmL
TT [FR/8AT]
セダン
5人乗り
BMW
KU44
X6
xDrive 50i M-sport F16
(2014/08)
450ps
66.3kgm
8.6kmL
TT [4WD/8AT]
SUV
5人乗り
BMW
HR44
5シリーズ ツーリング
550i Touring F11
(2014/04)
450ps
66.3kgm
9.3kmL
TT [FR/8AT]
ワゴン
5人乗り
BMW
KR44
X5
xDrive 50i M-sport F15
(2014/10)
450ps
66.3kgm
8.6kmL
TT [4WD/8AT]
SUV
5人乗り
BMW
KR44S
X5
xDrive 50i F15
(2014/10)
450ps
66.3kgm
8.6kmL
TT [4WD/8AT]
SUV
5人乗り
N63B44型エンジンを搭載する車種の一覧表
パワーウェイトレシオ順(全21件)
[投稿日:2016/11/04]

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