BMW N54B30A型エンジンの諸元と性能まとめ [直列6気筒2979cc]

ここではBMWのDX35型5代目3シリーズ カブリオレ [335i Cabriolet N55B30A E93] に搭載されているN54B30A型のターボエンジンのデータを参考に、このエンジンが持つ特性や素性について調べてみます。

N54B30A型のターボエンジン諸元


DX35型 3シリーズ カブリオレ 主要諸元まとめ
車両型式ABA-DX35
車名&グレード3シリーズ カブリオレ
[335i Cabriolet N55B30A E93]
エンジン型式N54B30A
種類直列6気筒
排気量2979cc
内径×行程84.0mm×89.6mm
単気筒容積496.5cc
ボアストローク比1.07
圧縮比10.2
燃焼室容積54.0cc
吸気方式ターボ
使用燃料ハイオクガソリン
最高出力306PS/5800rpm
最大トルク40.8kgm/1200-5000rpm

まず基本的な成り立ちとして、N54B30型エンジンはボア(内径)84.0mm、ストローク(行程)89.6mm、ボアストローク比1.07のロングストローク型エンジン(ピストン径よりもストローク量のほうが大きい)です。

排気量と気筒数が同一の場合、ショートストローク型に比べて低回転域でのトルク特性に優れ、扱い易いエンジンとされますが、高回転域では充填効率の悪化や摺動抵抗が増大して出力の低下が懸念されます。

なおかつ回転数も同一の場合、ショートストローク型に比べて平均ピストンスピードが高くなりがちなことから、エンジンへの負荷が大きくなる傾向にあります。

1気筒あたりのシリンダー容積と圧縮比を使って燃焼室容積を計算してみますと、今回のN54B30A型エンジンの場合の計算式は496.5cc÷(10.2-1)となり、燃焼室容積は54.0ccになります。

このサイトにて登録されている車種のうち、N54B30A型のターボエンジンを搭載する最も古い車種は2005/04から発売された5代目3シリーズ カブリオレ [2008/11]、最も新しい車種は2009/05から発売された2代目Z4 [2010/05]となっており、全部で7車種(NA車0台・ターボ車7台)が登録されています。

過渡特性とリッター換算馬力から見た評価

エンジン性能曲線のイメージ
N54B30のエンジン性能曲線図もどき
馬力の変遷68.3PS → 306PS
トルクの変遷40.8kgm → 37.8kgm
リッター馬力102.7PS/L
リッタートルク13.70kgm/L

今回の参考車両である3シリーズ カブリオレの直列6気筒2979cc、圧縮比10.2でハイオクガソリン仕様のターボエンジンは、5800回転のとき最高出力306馬力を、1200-5000回転のとき最大トルク40.8kgmを発生させます。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力を知ることができますので計算してみますと、最大トルクが発生する1200回転での馬力は68.3PS、最高出力が発生する5800回転でのトルクは37.8kgmになります。

排気量1リットルあたりの馬力は102.7PS/L、トルクは13.70kgm/Lとなり、1気筒(単気筒容積496.5cc)あたりの出力は51.0PS、6.8kgmです。

排気量1リットルあたりの馬力が102.7PS/L、トルクが13.70kgm/LであるN54B30型のターボエンジンを、このサイトで登録している全てのターボ車から集計した偏差値ベースの10段階評価に当てはめると、評価は換算馬力が[ 6 ]、換算トルクが[ 5 ]の「標準的な出力(中の上)のエンジン」にカテゴライズされます。


排気量アップと圧縮比の上昇、ボアストローク比の変化

ノーマルの排気量と圧縮比
BoreStroke排気量圧縮比B/S比
84.0mm89.6mm2979cc10.21.07
ボアアップによる排気量アップ
84.5mm89.6mm3015cc10.301.06
85.0mm3051cc10.411.05
85.5mm3087cc10.521.05
86.0mm3123cc10.631.04
86.5mm3159cc10.761.04
87.0mm3196cc10.871.03

エンジンの排気量を決める要素には気筒数、ボア径、ストローク量の3つがあり、これらを増減することでさまざまな排気量のエンジンが生まれます。

ここでは実際に可能かどうかは別として、ピストン径を純正の84.0mmから0.5mm刻みで+3.0mmまで拡大(84.0mm→87.0mm)した場合の排気量と、燃焼室容積が変化しないと仮定した場合の圧縮比の変化を一覧表にしています。

圧縮比については、実際のところピストンが大径化するに伴ってピストン天面の凸凹容量も変化する場合が大半ですから、一覧表にある圧縮比の数値の通りにはなりませんが、排気量を大きくすると自ずと圧縮比も上昇しますよ、という雰囲気をご堪能ください。

B/S比はボアストローク比の略で、ボア径を広げていくとロングストローク型からスクエア型、あるいはショートストローク型の特性へと近付いていきます。N54B30型エンジンの場合、純正ピストンから+3.0mmのボアアップをすると比は1.07から1.03に変化するという具合です。


平均ピストンスピード

ストローク最大トルク
1200rpm
最高出力
5800rpm
89.6mm3.6m/s17.3m/s
回転数/分秒速時速
2000rpm6.0m/s21.6km/h
4000rpm11.9m/s42.8km/h
6000rpm17.9m/s64.4km/h
8000rpm23.9m/s86.0km/h
10000rpm29.9m/s107.6km/h

続きまして平均ピストンスピードについて見てみます。ストロークが89.6mmのエンジンが最高出力を発生する5800回転での平均ピストンスピードは17.3m/sとなり、これは1秒間に17.3メートル(時速にすると62.3km/h)の距離を進む速さでピストンが上下運動していますよ、という意味です。

最大トルクを発生する1200回転では3.6m/s、最高出力が発生する5800回転より500回転高い6300回転をレブリミットと仮定したときの平均速度は18.8m/sとなっています。

参考までにストロークが89.6mmのN54B30型エンジンを10000回転/毎分まで回したときのピストンスピードの変化を計算してみました。これを見ると回転数が2000回転高くなるごとに概ね5.97m/sずつ速度が増していくようです。

大量生産を前提とした一般的なエンジンの目安である20.0m/sのみを基準として考えると、高回転化の上限を(回るか回らないかは別として)6700回転くらいにするのが機械的にも精神的にも好ましそうです。


N54B30A型のエンジンを搭載する車種の例

全7件をアクセスが多いものから順に表示しています。
メーカー
車両型式
イメージ車名&グレード
記事リンク
出力
燃費
吸気 [駆動系]
車体形状 定員
BMW
DX35
3シリーズ カブリオレ
335i Cabriolet N55B30A E93
(2008/11)
306ps
40.8kgm
9.8kmL
TB [FR/7AT]
オープンカー
4人乗り
BMW
KA30
7シリーズ
740i F01
(2010/09)
326ps
45.9kgm
8.2kmL
TT [FR/6AT]
セダン
5人乗り
BMW
LM30
Z4
sDrive-35i E89
(2009/05)
306ps
40.8kgm
9.7kmL
TT [FR/7AT]
オープンカー
2人乗り
BMW
LM35
Z4
sDrive-35is E89
(2010/05)
340ps
45.9kgm
10.0kmL
TT [FR/7AT]
オープンカー
2人乗り
BMW
UV35
3シリーズ ツーリング
335i Touring N55B30A E91
(2008/10)
306ps
40.8kgm
10.0kmL
TB [FR/6AT]
ワゴン
5人乗り
BMW
FG30
X6
xDrive-35i N54B30A E71
(2009/11)
306ps
40.8kgm
6.5kmL
TT [4WD/6AT]
SUV
4人乗り
BMW
KB30
7シリーズ
740iL F02
(2010/09)
326ps
45.9kgm
8.2kmL
TT [FR/6AT]
セダン
5人乗り
[投稿日:2016/11/04]

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