日産 MA09ERT型エンジンの諸元と性能まとめ [直列4気筒930cc]

ここでは日産のEK10型の初代マーチ [R] に搭載されているMA09ERT型のターボ+スーパーチャージャーエンジンのデータを参考に、このエンジンが持つ特性や素性について調べてみます。

MA09ERT型のターボ+スーパーチャージャーエンジン諸元


EK10型 マーチ 主要諸元まとめ
車両型式E-EK10
車名&グレードマーチ
[R]
エンジン型式MA09ERT
種類直列4気筒
排気量930cc
内径×行程66.0mm×68.0mm
単気筒容積232.6cc
ボアストローク比1.03
圧縮比7.7
燃焼室容積34.7cc
吸気方式ターボ+スーパーチャージャー
使用燃料レギュラーガソリン
最高出力110PS/6400rpm
最大トルク13.3kgm/4800rpm

まず基本的な成り立ちとして、MA09型エンジンはボア(内径)66.0mm、ストローク(行程)68.0mm、ボアストローク比1.03のロングストローク型エンジン(ピストン径よりもストローク量のほうが大きい)です。

排気量と気筒数が同一の場合、ショートストローク型に比べて低回転域でのトルク特性に優れ、扱い易いエンジンとされますが、高回転域では充填効率の悪化や摺動抵抗が増大して出力の低下が懸念されます。

なおかつ回転数も同一の場合、ショートストローク型に比べて平均ピストンスピードが高くなりがちなことから、エンジンへの負荷が大きくなる傾向にあります。

1気筒あたりのシリンダー容積と圧縮比を使って燃焼室容積を計算してみますと、今回のMA09ERT型エンジンの場合の計算式は232.6cc÷(7.7-1)となり、燃焼室容積は34.7ccになります。

このサイトにてMA09ERT型のターボ+スーパーチャージャーエンジンを搭載している車種は、1982/10から発売された初代マーチ [1990/01]が登録されています。

過渡特性とリッター換算馬力から見た評価

エンジン性能曲線のイメージ
MA09のエンジン性能曲線図もどき
馬力の変遷89.1PS → 110PS
トルクの変遷13.3kgm → 12.3kgm
リッター馬力118.3PS/L
リッタートルク14.30kgm/L

今回の参考車両であるマーチの直列4気筒930cc、圧縮比7.7でレギュラーガソリン仕様のターボ+スーパーチャージャーエンジンは、6400回転のとき最高出力110馬力を、4800回転のとき最大トルク13.3kgmを発生させます。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力を知ることができますので計算してみますと、最大トルクが発生する4800回転での馬力は89.1PS、最高出力が発生する6400回転でのトルクは12.3kgmになります。

排気量1リットルあたりの馬力は118.3PS/L、トルクは14.30kgm/Lとなり、1気筒(単気筒容積232.6cc)あたりの出力は27.5PS、3.3kgmです。

排気量1リットルあたりの馬力が118.3PS/L、トルクが14.30kgm/LであるMA09型のターボ+スーパーチャージャーエンジンを、このサイトで登録している全てのターボ車から集計した偏差値ベースの10段階評価に当てはめると、評価は換算馬力が[ 7 ]、換算トルクが[ 5 ]の「なかなかの高出力エンジン」にカテゴライズされます。


排気量アップと圧縮比の上昇、ボアストローク比の変化

ノーマルの排気量と圧縮比
BoreStroke排気量圧縮比B/S比
66.0mm68.0mm930cc7.71.03
ボアアップによる排気量アップ
66.5mm68.0mm945cc7.801.02
67.0mm959cc7.921.01
67.5mm973cc8.001.01
68.0mm988cc8.121.00
68.5mm1002cc8.230.99
69.0mm1017cc8.320.99

エンジンの排気量を決める要素には気筒数、ボア径、ストローク量の3つがあり、これらを増減することでさまざまな排気量のエンジンが生まれます。

ここでは実際に可能かどうかは別として、ピストン径を純正の66.0mmから0.5mm刻みで+3.0mmまで拡大(66.0mm→69.0mm)した場合の排気量と、燃焼室容積が変化しないと仮定した場合の圧縮比の変化を一覧表にしています。

圧縮比については、実際のところピストンが大径化するに伴ってピストン天面の凸凹容量も変化する場合が大半ですから、一覧表にある圧縮比の数値の通りにはなりませんが、排気量を大きくすると自ずと圧縮比も上昇しますよ、という雰囲気をご堪能ください。

B/S比はボアストローク比の略で、ボア径を広げていくとロングストローク型からスクエア型、あるいはショートストローク型の特性へと近付いていきます。MA09型エンジンの場合、純正ピストンから+3.0mmのボアアップをすると比は1.03から0.99に変化するという具合です。


平均ピストンスピード

ストローク最大トルク
4800rpm
最高出力
6400rpm
68.0mm10.9m/s14.5m/s
回転数/分秒速時速
2000rpm4.5m/s16.2km/h
4000rpm9.1m/s32.8km/h
6000rpm13.6m/s49.0km/h
8000rpm18.1m/s65.2km/h
10000rpm22.7m/s81.7km/h

続きまして平均ピストンスピードについて見てみます。ストロークが68.0mmのエンジンが最高出力を発生する6400回転での平均ピストンスピードは14.5m/sとなり、これは1秒間に14.5メートル(時速にすると52.2km/h)の距離を進む速さでピストンが上下運動していますよ、という意味です。

最大トルクを発生する4800回転では10.9m/s、最高出力が発生する6400回転より500回転高い6900回転をレブリミットと仮定したときの平均速度は15.6m/sとなっています。

参考までにストロークが68.0mmのMA09型エンジンを10000回転/毎分まで回したときのピストンスピードの変化を計算してみました。これを見ると回転数が2000回転高くなるごとに概ね4.55m/sずつ速度が増していくようです。

大量生産を前提とした一般的なエンジンの目安である20.0m/sのみを基準として考えると、高回転化の上限を(回るか回らないかは別として)8820回転くらいにするのが機械的にも精神的にも好ましそうです。


MA09ERT型のエンジンを搭載する車種の例

全3件をアクセスが多いものから順に表示しています。
メーカー
車両型式
イメージ車名&グレード
記事リンク
出力
燃費
吸気 [駆動系]
車体形状 定員
日産
EK10
マーチ
R
(1990/01)
110ps
13.3kgm
15.0kmL
TS [FF/5MT]
ハッチバック
5人乗り
日産
EK10
マーチ
Super-Turbo
(1990/01)
110ps
13.3kgm
12.2kmL
TS [FF/3AT]
ハッチバック
5人乗り
日産
EK10
マーチ
Super-Turbo
(1990/01)
110ps
13.3kgm
16.0kmL
TS [FF/5MT]
ハッチバック
5人乗り
[投稿日:2011/06/10 更新日:2016/10/31]

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