欧州フォード M9D型エンジンの諸元と性能まとめ [直列4気筒1497cc]

ここでは欧州フォードのMPBM9D型3代目フォーカス [Sport EcoBoost] に搭載されているM9D型のターボエンジンのデータを参考に、このエンジンが持つ特性や素性について調べてみます。

M9D型のターボエンジン諸元


MPBM9D型 フォーカス 主要諸元まとめ
車両型式ABA-MPBM9D
車名&グレードフォーカス
[Sport EcoBoost]
エンジン型式M9D
種類直列4気筒
排気量1497cc
内径×行程79.0mm×76.4mm
単気筒容積374.5cc
ボアストローク比0.97
吸気方式ターボ
使用燃料ハイオクガソリン
最高出力180PS/6000rpm
最大トルク24.5kgm/1600-5000rpm

まず基本的な成り立ちとして、M9D型エンジンはボア(内径)79.0mm、ストローク(行程)76.4mm、ボアストローク比0.97のショートストローク型エンジン(ストローク量よりもピストン径のほうが大きい)です。

排気量と気筒数が同一の場合、ロングストローク型に比べて低回転域でのトルク特性に劣り、扱いにくいエンジンとされるものの、高回転域では充填効率の向上や摺動抵抗の増大も(ロングストローク型に比べれば)軽微なことから出力の向上が見込まれます。

また同じ回転数でも平均ピストンスピードが抑えられることから、その分だけエンジンへの負荷は低減される傾向にあります。

過渡特性とリッター換算馬力から見た評価

エンジン性能曲線のイメージ
M9Dのエンジン性能曲線図もどき
馬力の変遷54.7PS → 180PS
トルクの変遷24.5kgm → 21.5kgm
リッター馬力120.2PS/L
リッタートルク16.37kgm/L

今回の参考車両であるフォーカスの直列4気筒1497ccでハイオクガソリン仕様のターボエンジンは、6000回転のとき最高出力180馬力を、1600-5000回転のとき最大トルク24.5kgmを発生させます。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力を知ることができますので計算してみますと、最大トルクが発生する1600回転での馬力は54.7PS、最高出力が発生する6000回転でのトルクは21.5kgmになります。

排気量1リットルあたりの馬力は120.2PS/L、トルクは16.37kgm/Lとなり、1気筒(単気筒容積374.5cc)あたりの出力は45.0PS、6.1kgmです。

排気量1リットルあたりの馬力が120.2PS/L、トルクが16.37kgm/LであるM9D型のターボエンジンを、このサイトで登録している全てのターボ車から集計した偏差値ベースの10段階評価に当てはめると、評価は換算馬力が[ 7 ]、換算トルクが[ 7 ]の「なかなかの高出力エンジン」にカテゴライズされます。


排気量アップと圧縮比の上昇、ボアストローク比の変化

ノーマルの排気量と圧縮比
BoreStroke排気量圧縮比B/S比
79.0mm76.4mm1497cc-0.97
ボアアップによる排気量アップ
79.5mm76.4mm1517cc-0.96
80.0mm1536cc-0.96
80.5mm1555cc-0.95
81.0mm1575cc-0.94
81.5mm1594cc-0.94
82.0mm1614cc-0.93

エンジンの排気量を決める要素には気筒数、ボア径、ストローク量の3つがあり、これらを増減することでさまざまな排気量のエンジンが生まれます。

ここでは実際に可能かどうかは別として、ピストン径を純正の79.0mmから0.5mm刻みで+3.0mmまで拡大(79.0mm→82.0mm)した場合の排気量と、燃焼室容積が変化しないと仮定した場合の圧縮比の変化を一覧表にしています。

B/S比はボアストローク比の略で、ボア径を広げていくと0.97からさらに値は小さくなり、ショートストローク型の恩恵と弊害が顕著になっていきます。M9D型エンジンの場合、純正ピストンから+3.0mmのボアアップをすると比は0.97から0.93に変化するという具合です。


平均ピストンスピード

ストローク最大トルク
1600rpm
最高出力
6000rpm
76.4mm4.1m/s15.3m/s
回転数/分秒速時速
2000rpm5.1m/s18.4km/h
4000rpm10.2m/s36.7km/h
6000rpm15.3m/s55.1km/h
8000rpm20.4m/s73.4km/h
10000rpm25.5m/s91.8km/h

続きまして平均ピストンスピードについて見てみます。ストロークが76.4mmのエンジンが最高出力を発生する6000回転での平均ピストンスピードは15.3m/sとなり、これは1秒間に15.3メートル(時速にすると55.1km/h)の距離を進む速さでピストンが上下運動していますよ、という意味です。

最大トルクを発生する1600回転では4.1m/s、最高出力が発生する6000回転より500回転高い6500回転をレブリミットと仮定したときの平均速度は16.6m/sとなっています。

参考までにストロークが76.4mmのM9D型エンジンを10000回転/毎分まで回したときのピストンスピードの変化を計算してみました。これを見ると回転数が2000回転高くなるごとに概ね5.10m/sずつ速度が増していくようです。

大量生産を前提とした一般的なエンジンの目安である20.0m/sのみを基準として考えると、高回転化の上限を(回るか回らないかは別として)7850回転くらいにするのが機械的にも精神的にも好ましそうです。


M9D型のエンジンを搭載する車種の例

メーカー
車両型式
イメージ車名&グレード
記事リンク
出力
燃費
吸気 [駆動系]
車体形状 定員
欧州フォード
MPBM9D
フォーカス
Sport EcoBoost
(2015/10)
180ps
24.5kgm
14.3kmL
TB [FF/6AT]
ハッチバック
5人乗り
[投稿日:2016/11/09]

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