BMW M44B19型エンジンの諸元と性能まとめ [直列4気筒1895cc]

ここではBMWのBE19型3代目3シリーズ クーペ [318is Coupe 19-4S E36] に搭載されているM44B19型の自然吸気エンジンのデータを参考に、このエンジンが持つ特性や素性について調べてみます。

M44B19型の自然吸気エンジン諸元


BE19型 3シリーズ クーペ 主要諸元まとめ
車両型式E-BE19
車名&グレード3シリーズ クーペ
[318is Coupe 19-4S E36]
エンジン型式M44B19
種類直列4気筒
排気量1895cc
内径×行程85.0mm×83.5mm
単気筒容積473.8cc
ボアストローク比0.98
圧縮比10.0
燃焼室容積52.6cc
吸気方式自然吸気
使用燃料ハイオクガソリン
最高出力140PS/6000rpm
最大トルク18.3kgm/4300rpm

まず基本的な成り立ちとして、M44B19型エンジンはボア(内径)85.0mm、ストローク(行程)83.5mm、ボアストローク比0.98のショートストローク型エンジン(ストローク量よりもピストン径のほうが大きい)です。

排気量と気筒数が同一の場合、厳密に言えばボアとストロークが全くの同一でなければスクエア型を名乗ることは許されませんが、ここまでボアストローク比が1に近いのであれば「もうスクエア型にしてあげても良いじゃない!」という気もします。

これらのエンジンはショートストローク型、或いはロングストローク型の風味を残しつつ、その実はスクエア型に限りなく近い特性を持ちます。「やっぱこう、どうせなら低回転で粘って高回転でキレ
(省略されました・・全てを読むには ここ を押してください)

1気筒あたりのシリンダー容積と圧縮比を使って燃焼室容積を計算してみますと、今回のM44B19型エンジンの場合の計算式は473.8cc÷(10.0-1)となり、燃焼室容積は52.6ccになります。

このサイトにて登録されている車種のうち、M44B19型の自然吸気エンジンを搭載する最も古い車種は1991/07から発売された3代目3シリーズ クーペ [1996/08]、最も新しい車種は1996/08から発売された初代Z3ロードスター [1998/11]となっており、全部で5車種(NA車5台・ターボ車0台)が登録されています。

過渡特性とリッター換算馬力から見た評価

エンジン性能曲線のイメージ
M44B19のエンジン性能曲線図もどき
馬力の変遷109.9PS → 140PS
トルクの変遷18.3kgm → 16.7kgm
リッター馬力73.9PS/L
リッタートルク9.66kgm/L

今回の参考車両である3シリーズ クーペの直列4気筒1895cc、圧縮比10.0でハイオクガソリン仕様の自然吸気エンジンは、6000回転のとき最高出力140馬力を、4300回転のとき最大トルク18.3kgmを発生させます。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力を知ることができますので計算してみますと、最大トルクが発生する4300回転での馬力は109.9PS、最高出力が発生する6000回転でのトルクは16.7kgmになります。

排気量1リットルあたりの馬力は73.9PS/L、トルクは9.66kgm/Lとなり、1気筒(単気筒容積473.8cc)あたりの出力は35.0PS、4.6kgmです。

排気量1リットルあたりの馬力が73.9PS/L、トルクが9.66kgm/LであるM44B19型の自然吸気エンジンを、このサイトで登録している全てのNA車から集計した偏差値ベースの10段階評価に当てはめると、評価は換算馬力が[ 6 ]、換算トルクが[ 6 ]の「標準的な出力(中の上)のエンジン」にカテゴライズされます。


排気量アップと圧縮比の上昇、ボアストローク比の変化

ノーマルの排気量と圧縮比
BoreStroke排気量圧縮比B/S比
85.0mm83.5mm1895cc10.00.98
ボアアップによる排気量アップ
85.5mm83.5mm1918cc10.110.98
86.0mm1940cc10.220.97
86.5mm1963cc10.330.97
87.0mm1985cc10.430.96
87.5mm2008cc10.540.95
88.0mm2031cc10.660.95

エンジンの排気量を決める要素には気筒数、ボア径、ストローク量の3つがあり、これらを増減することでさまざまな排気量のエンジンが生まれます。

ここでは実際に可能かどうかは別として、ピストン径を純正の85.0mmから0.5mm刻みで+3.0mmまで拡大(85.0mm→88.0mm)した場合の排気量と、燃焼室容積が変化しないと仮定した場合の圧縮比の変化を一覧表にしています。

圧縮比については、実際のところピストンが大径化するに伴ってピストン天面の凸凹容量も変化する場合が大半ですから、一覧表にある圧縮比の数値の通りにはなりませんが、排気量を大きくすると自ずと圧縮比も上昇しますよ、という雰囲気をご堪能ください。

B/S比はボアストローク比の略で、ボア径を広げていくと0.98からさらに値は小さくなり、ショートストローク型の恩恵と弊害が顕著になっていきます。M44B19型エンジンの場合、純正ピストンから+3.0mmのボアアップをすると比は0.98から0.95に変化するという具合です。


平均ピストンスピード

ストローク最大トルク
4300rpm
最高出力
6000rpm
83.5mm12.0m/s16.7m/s
回転数/分秒速時速
2000rpm5.6m/s20.2km/h
4000rpm11.1m/s40.0km/h
6000rpm16.7m/s60.1km/h
8000rpm22.3m/s80.3km/h
10000rpm27.8m/s100.1km/h

続きまして平均ピストンスピードについて見てみます。ストロークが83.5mmのエンジンが最高出力を発生する6000回転での平均ピストンスピードは16.7m/sとなり、これは1秒間に16.7メートル(時速にすると60.1km/h)の距離を進む速さでピストンが上下運動していますよ、という意味です。

最大トルクを発生する4300回転では12.0m/s、最高出力が発生する6000回転より500回転高い6500回転をレブリミットと仮定したときの平均速度は18.1m/sとなっています。

参考までにストロークが83.5mmのM44B19型エンジンを10000回転/毎分まで回したときのピストンスピードの変化を計算してみました。これを見ると回転数が2000回転高くなるごとに概ね5.55m/sずつ速度が増していくようです。

大量生産を前提とした一般的なエンジンの目安である20.0m/sのみを基準として考えると、高回転化の上限を(回るか回らないかは別として)7190回転くらいにするのが機械的にも精神的にも好ましそうです。


M44B19型のエンジンを搭載する車種の例

全5件をアクセスが多いものから順に表示しています。
メーカー
車両型式
イメージ車名&グレード
記事リンク
出力
燃費
吸気 [駆動系]
車体形状 定員
BMW
BE19
3シリーズ クーペ
318is Coupe 19-4S E36
(1996/08)
140ps
18.3kgm
12.0kmL
NA [FR/5MT]
クーペ
5人乗り
BMW
CH19
Z3ロードスター
BaseGrade E36/7
(1998/11)
140ps
18.3kgm
12.8kmL
NA [FR/5MT]
オープンカー
2人乗り
BMW
CG19
3シリーズ ハッチバック
318ti M-sport 19-4S E36/5
(1997/10)
140ps
18.3kgm
9.8kmL
NA [FR/4AT]
ハッチバック
5人乗り
BMW
CH19
Z3ロードスター
BaseGrade E36/7
(1998/11)
140ps
18.3kgm
10.2kmL
NA [FR/4AT]
オープンカー
2人乗り
BMW
BE19
3シリーズ クーペ
318is Coupe 19-4S E36
(1996/08)
140ps
18.3kgm
9.7kmL
NA [FR/4AT]
クーペ
5人乗り
[投稿日:2016/11/03 更新日:2016/11/04]

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