ベンツ M1178型エンジンの諸元と性能まとめ [V型8気筒5546cc]

ここではベンツの126039型2代目Sクラス [560SEL W126] に搭載されているM1178型の自然吸気エンジンのデータを参考に、このエンジンが持つ特性や素性について調べてみます。

M1178型の自然吸気エンジン諸元


126039型 Sクラス 主要諸元まとめ
車両型式E-126039
車名&グレードSクラス
[560SEL W126]
エンジン型式M1178
種類V型8気筒
排気量5546cc
内径×行程96.5mm×94.8mm
単気筒容積693.3cc
ボアストローク比0.98
圧縮比10.0
燃焼室容積77.0cc
吸気方式自然吸気
使用燃料ハイオクガソリン
最高出力285PS/5200rpm
最大トルク44.8kgm/3750rpm

まず基本的な成り立ちとして、M1178型エンジンはボア(内径)96.5mm、ストローク(行程)94.8mm、ボアストローク比0.98のショートストローク型エンジン(ストローク量よりもピストン径のほうが大きい)です。

排気量と気筒数が同一の場合、厳密に言えばボアとストロークが全くの同一でなければスクエア型を名乗ることは許されませんが、ここまでボアストローク比が1に近いのであれば「もうスクエア型にしてあげても良いじゃない!」という気もします。

これらのエンジンはショートストローク型、或いはロングストローク型の風味を残しつつ、その実はスクエア型に限りなく近い特性を持ちます。「やっぱこう、どうせなら低回転で粘って高回転でキレ
(省略されました・・全てを読むには ここ を押してください)

1気筒あたりのシリンダー容積と圧縮比を使って燃焼室容積を計算してみますと、今回のM1178型エンジンの場合の計算式は693.3cc÷(10.0-1)となり、燃焼室容積は77.0ccになります。

このサイトにてM1178型の自然吸気エンジンを搭載している車種は、1979/09から発売された2代目Sクラス クーペ [1990/08]が登録されています。

過渡特性とリッター換算馬力から見た評価

エンジン性能曲線のイメージ
M1178のエンジン性能曲線図もどき
馬力の変遷234.5PS → 285PS
トルクの変遷44.8kgm → 39.3kgm
リッター馬力51.4PS/L
リッタートルク8.08kgm/L

今回の参考車両であるSクラスのV型8気筒5546cc、圧縮比10.0でハイオクガソリン仕様の自然吸気エンジンは、5200回転のとき最高出力285馬力を、3750回転のとき最大トルク44.8kgmを発生させます。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力を知ることができますので計算してみますと、最大トルクが発生する3750回転での馬力は234.5PS、最高出力が発生する5200回転でのトルクは39.3kgmになります。

排気量1リットルあたりの馬力は51.4PS/L、トルクは8.08kgm/Lとなり、1気筒(単気筒容積693.3cc)あたりの出力は35.6PS、5.6kgmです。

排気量1リットルあたりの馬力が51.4PS/L、トルクが8.08kgm/LであるM1178型の自然吸気エンジンを、このサイトで登録している全てのNA車から集計した偏差値ベースの10段階評価に当てはめると、評価は換算馬力が[ 2 ]、換算トルクが[ 2 ]の「やや心もとない出力のエンジン」にカテゴライズされます。


排気量アップと圧縮比の上昇、ボアストローク比の変化

ノーマルの排気量と圧縮比
BoreStroke排気量圧縮比B/S比
96.5mm94.8mm5546cc10.00.98
ボアアップによる排気量アップ
97.0mm94.8mm5604cc10.100.98
97.5mm5662cc10.190.97
98.0mm5720cc10.290.97
98.5mm5779cc10.380.96
99.0mm5838cc10.480.96
99.5mm5897cc10.570.95

エンジンの排気量を決める要素には気筒数、ボア径、ストローク量の3つがあり、これらを増減することでさまざまな排気量のエンジンが生まれます。

ここでは実際に可能かどうかは別として、ピストン径を純正の96.5mmから0.5mm刻みで+3.0mmまで拡大(96.5mm→99.5mm)した場合の排気量と、燃焼室容積が変化しないと仮定した場合の圧縮比の変化を一覧表にしています。

圧縮比については、実際のところピストンが大径化するに伴ってピストン天面の凸凹容量も変化する場合が大半ですから、一覧表にある圧縮比の数値の通りにはなりませんが、排気量を大きくすると自ずと圧縮比も上昇しますよ、という雰囲気をご堪能ください。

B/S比はボアストローク比の略で、ボア径を広げていくと0.98からさらに値は小さくなり、ショートストローク型の恩恵と弊害が顕著になっていきます。M1178型エンジンの場合、純正ピストンから+3.0mmのボアアップをすると比は0.98から0.95に変化するという具合です。


平均ピストンスピード

ストローク最大トルク
3750rpm
最高出力
5200rpm
94.8mm11.8m/s16.4m/s
回転数/分秒速時速
2000rpm6.3m/s22.7km/h
4000rpm12.6m/s45.4km/h
6000rpm19.0m/s68.4km/h
8000rpm25.3m/s91.1km/h
10000rpm31.6m/s113.8km/h

続きまして平均ピストンスピードについて見てみます。ストロークが94.8mmのエンジンが最高出力を発生する5200回転での平均ピストンスピードは16.4m/sとなり、これは1秒間に16.4メートル(時速にすると59.0km/h)の距離を進む速さでピストンが上下運動していますよ、という意味です。

最大トルクを発生する3750回転では11.8m/s、最高出力が発生する5200回転より500回転高い5700回転をレブリミットと仮定したときの平均速度は18.0m/sとなっています。

参考までにストロークが94.8mmのM1178型エンジンを10000回転/毎分まで回したときのピストンスピードの変化を計算してみました。これを見ると回転数が2000回転高くなるごとに概ね6.33m/sずつ速度が増していくようです。

大量生産を前提とした一般的なエンジンの目安である20.0m/sのみを基準として考えると、高回転化の上限を(回るか回らないかは別として)6330回転くらいにするのが機械的にも精神的にも好ましそうです。


M1178型のエンジンを搭載する車種の例

全2件をアクセスが多いものから順に表示しています。
メーカー
車両型式
イメージ車名&グレード
記事リンク
出力
燃費
吸気 [駆動系]
車体形状 定員
ベンツ
126039
Sクラス
560SEL W126
(1990/08)
285ps
44.8kgm
5.1kmL
NA [FR/4AT]
セダン
5人乗り
ベンツ
126045
Sクラス クーペ
560SEC W126
(1990/08)
285ps
44.8kgm
5.4kmL
NA [FR/4AT]
クーペ
4人乗り
[投稿日:2016/11/02]

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