ホンダ JNB型エンジンの諸元と性能まとめ [V型6気筒+モーター3471cc]

ここではホンダのKC2型5代目レジェンド [BaseGrade] に搭載されているJNB型の自然吸気エンジンのデータを参考に、このエンジンが持つ特性や素性について調べてみます。

JNB型の自然吸気エンジン諸元


KC2型 レジェンド 主要諸元まとめ
車両型式 DAA-KC2
車名&グレード レジェンド
[BaseGrade]
エンジン型式 JNB
種類 V型6気筒+モーター
排気量 3471cc
内径×行程 89.0mm×93.0mm
単気筒容積 578.5cc
ボアストローク比 1.04
圧縮比 11.5
燃焼室容積 55.1cc
吸気方式 自然吸気
使用燃料 ハイオクガソリン
最高出力 314PS/6500rpm
最大トルク 37.8kgm/4700rpm

まず基本的な成り立ちとして、JNB型エンジンはボア(内径)89.0mm、ストローク(行程)93.0mm、ボアストローク比1.04のロングストローク型エンジン(ピストン径よりもストローク量のほうが大きい)です。

排気量と気筒数が同一の場合、ショートストローク型に比べて低回転域でのトルク特性に優れ、扱い易いエンジンとされますが、高回転域では充填効率の悪化や摺動抵抗が増大して出力の低下が懸念されます。

なおかつ回転数も同一の場合、ショートストローク型に比べて平均ピストンスピードが高くなりがちなことから、エンジンへの負荷が大きくなる傾向にあります。

1気筒あたりのシリンダー容積と圧縮比を使って燃焼室容積を計算してみますと、今回のJNB型エンジンの場合の計算式は578.5cc÷(11.5-1)となり、燃焼室容積は55.1ccになります。

過渡特性とリッター換算馬力から見た評価

エンジン性能曲線のイメージ
JNBのエンジン性能曲線図もどき
馬力の変遷248.0PS → 314PS
トルクの変遷37.8kgm → 34.6kgm
リッター馬力90.5PS/L
リッタートルク10.89kgm/L

今回の参考車両であるレジェンドのV型6気筒+モーター3471cc、圧縮比11.5でハイオクガソリン仕様の自然吸気エンジンは、6500回転のとき最高出力314馬力を、4700回転のとき最大トルク37.8kgmを発生させます。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力を知ることができますので計算してみますと、最大トルクが発生する4700回転での馬力は248.0PS、最高出力が発生する6500回転でのトルクは34.6kgmになります。

排気量1リットルあたりの馬力は90.5PS/L、トルクは10.89kgm/Lとなり、1気筒(単気筒容積578.5cc)あたりの出力は52.3PS、6.3kgmです。

排気量1リットルあたりの馬力が90.5PS/L、トルクが10.89kgm/LであるJNB型の自然吸気エンジンを、このサイトで登録している全てのNA車から集計した偏差値ベースの10段階評価に当てはめると、評価は換算馬力が[ 9 ]、換算トルクが[ 10 ]の「かなりの高出力エンジン」にカテゴライズされます。


排気量アップと圧縮比の上昇、ボアストローク比の変化

ノーマルの排気量と圧縮比
BoreStroke排気量圧縮比B/S比
89.0mm93.0mm3471cc11.51.04
ボアアップによる排気量アップ
89.5mm93.0mm3510cc11.621.04
90.0mm3550cc11.741.03
90.5mm3589cc11.851.03
91.0mm3629cc11.981.02
91.5mm3669cc12.111.02
92.0mm3709cc12.221.01

エンジンの排気量を決める要素には気筒数、ボア径、ストローク量の3つがあり、これらを増減することでさまざまな排気量のエンジンが生まれます。

ここでは実際に可能かどうかは別として、ピストン径を純正の89.0mmから0.5mm刻みで+3.0mmまで拡大(89.0mm→92.0mm)した場合の排気量と、燃焼室容積が変化しないと仮定した場合の圧縮比の変化を一覧表にしています。

圧縮比については、実際のところピストンが大径化するに伴ってピストン天面の凸凹容量も変化する場合が大半ですから、一覧表にある圧縮比の数値の通りにはなりませんが、排気量を大きくすると自ずと圧縮比も上昇しますよ、という雰囲気をご堪能ください。

B/S比はボアストローク比の略で、ボア径を広げていくとロングストローク型からスクエア型、あるいはショートストローク型の特性へと近付いていきます。JNB型エンジンの場合、純正ピストンから+3.0mmのボアアップをすると比は1.04から1.01に変化するという具合です。


平均ピストンスピード

ストローク 最大トルク
4700rpm
最高出力
6500rpm
93.0mm14.6m/s20.1m/s
回転数/分 秒速 時速
2000rpm 6.2m/s 22.3km/h
4000rpm 12.4m/s 44.6km/h
6000rpm 18.6m/s 67.0km/h
8000rpm 24.8m/s 89.3km/h
10000rpm 31.0m/s 111.6km/h

続きまして平均ピストンスピードについて見てみます。ストロークが93.0mmのエンジンが最高出力を発生する6500回転での平均ピストンスピードは20.1m/sとなり、これは1秒間に20.1メートル(時速にすると72.4km/h)の距離を進む速さでピストンが上下運動していますよ、という意味です。

最大トルクを発生する4700回転では14.6m/s、最高出力が発生する6500回転より500回転高い7000回転をレブリミットと仮定したときの平均速度は21.7m/sとなっています。

参考までにストロークが93.0mmのJNB型エンジンを10000回転/毎分まで回したときのピストンスピードの変化を計算してみました。これを見ると回転数が2000回転高くなるごとに概ね6.20m/sずつ速度が増していくようです。

大量生産を前提とした一般的なエンジンの目安である20.0m/sのみを基準として考えると、6450回転くらいが良い感じの回転数になるのではないかと思いますが、このエンジンは最高出力を発生している時点で既に20.0m/sを超えており、レブリミットを考慮するともう少し余分に(300~500回転?)回ることから、内部では大変なことになりながらも頑張って回っているエンジンです。


JNB型のエンジンを搭載する車種の例

メーカー
車両型式
イメージ 車名&グレード
記事リンク
出力
燃費
吸気 [駆動系]
車体形状 定員
ホンダ
KC2
レジェンド
BaseGrade
(2015/01)
314ps
37.8kgm
16.8kmL
NA [4WD/7AT]
セダン
5人乗り
[投稿日:2016/10/31]

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