ルノー J7T型エンジンの諸元と性能まとめ [直列4気筒2165cc]

ここではルノーのL48K型の初代21,ヴァンティアン [TXE] に搭載されているJ7T型の自然吸気エンジンのデータを参考に、このエンジンが持つ特性や素性について調べてみます。

J7T型の自然吸気エンジン諸元


L48K型 21,ヴァンティアン 主要諸元まとめ
車両型式E-L48K
車名&グレード21,ヴァンティアン
[TXE]
エンジン型式J7T
種類直列4気筒
排気量2165cc
内径×行程88.0mm×89.0mm
単気筒容積541.3cc
ボアストローク比1.01
圧縮比9.2
燃焼室容積66.0cc
吸気方式自然吸気
使用燃料レギュラーガソリン
最高出力110PS/5000rpm
最大トルク17.7kgm/3500rpm

まず基本的な成り立ちとして、J7T型エンジンはボア(内径)88.0mm、ストローク(行程)89.0mm、ボアストローク比1.01のロングストローク型エンジン(ピストン径よりもストローク量のほうが大きい)です。

排気量と気筒数が同一の場合、厳密に言えばボアとストロークが全くの同一でなければスクエア型を名乗ることは許されませんが、ここまでボアストローク比が1に近いのであれば「もうスクエア型にしてあげても良いじゃない!」という気もします。

これらのエンジンはショートストローク型、或いはロングストローク型の風味を残しつつ、その実はスクエア型に限りなく近い特性を持ちます。「やっぱこう、どうせなら低回転で粘って高回転でキレ
(省略されました・・全てを読むには ここ を押してください)

1気筒あたりのシリンダー容積と圧縮比を使って燃焼室容積を計算してみますと、今回のJ7T型エンジンの場合の計算式は541.3cc÷(9.2-1)となり、燃焼室容積は66.0ccになります。

過渡特性とリッター換算馬力から見た評価

エンジン性能曲線のイメージ
J7Tのエンジン性能曲線図もどき
馬力の変遷86.5PS → 110PS
トルクの変遷17.7kgm → 15.8kgm
リッター馬力50.8PS/L
リッタートルク8.18kgm/L

今回の参考車両である21,ヴァンティアンの直列4気筒2165cc、圧縮比9.2でレギュラーガソリン仕様の自然吸気エンジンは、5000回転のとき最高出力110馬力を、3500回転のとき最大トルク17.7kgmを発生させます。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力を知ることができますので計算してみますと、最大トルクが発生する3500回転での馬力は86.5PS、最高出力が発生する5000回転でのトルクは15.8kgmになります。

排気量1リットルあたりの馬力は50.8PS/L、トルクは8.18kgm/Lとなり、1気筒(単気筒容積541.3cc)あたりの出力は27.5PS、4.4kgmです。

排気量1リットルあたりの馬力が50.8PS/L、トルクが8.18kgm/LであるJ7T型の自然吸気エンジンを、このサイトで登録している全てのNA車から集計した偏差値ベースの10段階評価に当てはめると、評価は換算馬力が[ 2 ]、換算トルクが[ 2 ]の「やや心もとない出力のエンジン」にカテゴライズされます。


排気量アップと圧縮比の上昇、ボアストローク比の変化

ノーマルの排気量と圧縮比
BoreStroke排気量圧縮比B/S比
88.0mm89.0mm2165cc9.21.01
ボアアップによる排気量アップ
88.5mm89.0mm2190cc9.291.01
89.0mm2215cc9.391.00
89.5mm2240cc9.480.99
90.0mm2265cc9.580.99
90.5mm2290cc9.670.98
91.0mm2315cc9.770.98

エンジンの排気量を決める要素には気筒数、ボア径、ストローク量の3つがあり、これらを増減することでさまざまな排気量のエンジンが生まれます。

ここでは実際に可能かどうかは別として、ピストン径を純正の88.0mmから0.5mm刻みで+3.0mmまで拡大(88.0mm→91.0mm)した場合の排気量と、燃焼室容積が変化しないと仮定した場合の圧縮比の変化を一覧表にしています。

圧縮比については、実際のところピストンが大径化するに伴ってピストン天面の凸凹容量も変化する場合が大半ですから、一覧表にある圧縮比の数値の通りにはなりませんが、排気量を大きくすると自ずと圧縮比も上昇しますよ、という雰囲気をご堪能ください。

B/S比はボアストローク比の略で、ボア径を広げていくとロングストローク型からスクエア型、あるいはショートストローク型の特性へと近付いていきます。J7T型エンジンの場合、純正ピストンから+3.0mmのボアアップをすると比は1.01から0.98に変化するという具合です。


平均ピストンスピード

ストローク最大トルク
3500rpm
最高出力
5000rpm
89.0mm10.4m/s14.8m/s
回転数/分秒速時速
2000rpm5.9m/s21.2km/h
4000rpm11.9m/s42.8km/h
6000rpm17.8m/s64.1km/h
8000rpm23.7m/s85.3km/h
10000rpm29.7m/s106.9km/h

続きまして平均ピストンスピードについて見てみます。ストロークが89.0mmのエンジンが最高出力を発生する5000回転での平均ピストンスピードは14.8m/sとなり、これは1秒間に14.8メートル(時速にすると53.3km/h)の距離を進む速さでピストンが上下運動していますよ、という意味です。

最大トルクを発生する3500回転では10.4m/s、最高出力が発生する5000回転より500回転高い5500回転をレブリミットと仮定したときの平均速度は16.3m/sとなっています。

参考までにストロークが89.0mmのJ7T型エンジンを10000回転/毎分まで回したときのピストンスピードの変化を計算してみました。これを見ると回転数が2000回転高くなるごとに概ね5.95m/sずつ速度が増していくようです。

大量生産を前提とした一般的なエンジンの目安である20.0m/sのみを基準として考えると、高回転化の上限を(回るか回らないかは別として)6740回転くらいにするのが機械的にも精神的にも好ましそうです。


J7T型のエンジンを搭載する車種の例

メーカー
車両型式
イメージ車名&グレード
記事リンク
出力
燃費
吸気 [駆動系]
車体形状 定員
ルノー
L48K
21,ヴァンティアン
TXE
(1989/07)
110ps
17.7kgm
-
NA [FF/4AT]
セダン
5人乗り
[投稿日:2016/11/08]

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