ホンダ J30A型エンジンの諸元と性能まとめ [V型6気筒2997cc]

ここではホンダのUC1型4代目インスパイア [30TE] に搭載されているJ30A型の自然吸気エンジンのデータを参考に、このエンジンが持つ特性や素性について調べてみます。

J30A型の自然吸気エンジン諸元


UC1型 インスパイア 主要諸元まとめ
車両型式DBA-UC1
車名&グレードインスパイア
[30TE]
エンジン型式J30A
種類V型6気筒
排気量2997cc
内径×行程86.0mm×86.0mm
単気筒容積499.5cc
ボアストローク比1.00
圧縮比10.5
燃焼室容積52.6cc
吸気方式自然吸気
使用燃料レギュラーガソリン
最高出力250PS/6000rpm
最大トルク30.2kgm/5000rpm

まず基本的な成り立ちとして、J30A型エンジンはボア(内径)86.0mm、ストローク(行程)86.0mm、ボアストローク比1.00のスクエア型エンジン(ピストン径とストローク量が同一)です。

排気量と気筒数が同一の場合、ロングストローク型とショートストローク型の美点の良いとこ取り、若しくは欠点の悪いとこ取り、特にこれと言ってどうとも言えないバランス型の万能エンジンとなる素質があります。

数多あるボアとストロークの組み合わせの中で唯一、双方が同じ寸法のときにだけ現れるスクエア型はその存在の希少性こそが最大の魅力であると言えましょう。

1気筒あたりのシリンダー容積と圧縮比を使って燃焼室容積を計算してみますと、今回のJ30A型エンジンの場合の計算式は499.5cc÷(10.5-1)となり、燃焼室容積は52.6ccになります。

このサイトにて登録されている車種のうち、J30A型の自然吸気エンジンを搭載する最も古い車種は1997/10から発売された初代オデッセイ プレステージ [1998/11]、最も新しい車種は2004/05から発売された初代エリシオン [2008/12]となっており、全部で8車種(NA車8台・ターボ車0台)が登録されています。

過渡特性とリッター換算馬力から見た評価

エンジン性能曲線のイメージ
J30Aのエンジン性能曲線図もどき
馬力の変遷210.8PS → 250PS
トルクの変遷30.2kgm → 29.8kgm
リッター馬力83.4PS/L
リッタートルク10.08kgm/L

今回の参考車両であるインスパイアのV型6気筒2997cc、圧縮比10.5でレギュラーガソリン仕様の自然吸気エンジンは、6000回転のとき最高出力250馬力を、5000回転のとき最大トルク30.2kgmを発生させます。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力を知ることができますので計算してみますと、最大トルクが発生する5000回転での馬力は210.8PS、最高出力が発生する6000回転でのトルクは29.8kgmになります。

排気量1リットルあたりの馬力は83.4PS/L、トルクは10.08kgm/Lとなり、1気筒(単気筒容積499.5cc)あたりの出力は41.7PS、5.0kgmです。

排気量1リットルあたりの馬力が83.4PS/L、トルクが10.08kgm/LであるJ30A型の自然吸気エンジンを、このサイトで登録している全てのNA車から集計した偏差値ベースの10段階評価に当てはめると、評価は換算馬力が[ 7 ]、換算トルクが[ 7 ]の「なかなかの高出力エンジン」にカテゴライズされます。


排気量アップと圧縮比の上昇、ボアストローク比の変化

ノーマルの排気量と圧縮比
BoreStroke排気量圧縮比B/S比
86.0mm86.0mm2997cc10.51.00
ボアアップによる排気量アップ
86.5mm86.0mm3032cc10.600.99
87.0mm3067cc10.710.99
87.5mm3103cc10.830.98
88.0mm3138cc10.940.98
88.5mm3174cc11.060.97
89.0mm3210cc11.170.97

エンジンの排気量を決める要素には気筒数、ボア径、ストローク量の3つがあり、これらを増減することでさまざまな排気量のエンジンが生まれます。

ここでは実際に可能かどうかは別として、ピストン径を純正の86.0mmから0.5mm刻みで+3.0mmまで拡大(86.0mm→89.0mm)した場合の排気量と、燃焼室容積が変化しないと仮定した場合の圧縮比の変化を一覧表にしています。

圧縮比については、実際のところピストンが大径化するに伴ってピストン天面の凸凹容量も変化する場合が大半ですから、一覧表にある圧縮比の数値の通りにはなりませんが、排気量を大きくすると自ずと圧縮比も上昇しますよ、という雰囲気をご堪能ください。

B/S比はボアストローク比の略で、ボア径を広げていくと1.00のスクエア型からショートストローク型へとシフトしていきます。J30A型エンジンの場合、純正ピストンから+3.0mmのボアアップをすると比は1.00から0.97に変化するという具合です。


平均ピストンスピード

ストローク最大トルク
5000rpm
最高出力
6000rpm
86.0mm14.3m/s17.2m/s
回転数/分秒速時速
2000rpm5.7m/s20.5km/h
4000rpm11.5m/s41.4km/h
6000rpm17.2m/s61.9km/h
8000rpm22.9m/s82.4km/h
10000rpm28.7m/s103.3km/h

続きまして平均ピストンスピードについて見てみます。ストロークが86.0mmのエンジンが最高出力を発生する6000回転での平均ピストンスピードは17.2m/sとなり、これは1秒間に17.2メートル(時速にすると61.9km/h)の距離を進む速さでピストンが上下運動していますよ、という意味です。

最大トルクを発生する5000回転では14.3m/s、最高出力が発生する6000回転より500回転高い6500回転をレブリミットと仮定したときの平均速度は18.6m/sとなっています。

参考までにストロークが86.0mmのJ30A型エンジンを10000回転/毎分まで回したときのピストンスピードの変化を計算してみました。これを見ると回転数が2000回転高くなるごとに概ね5.75m/sずつ速度が増していくようです。

大量生産を前提とした一般的なエンジンの目安である20.0m/sのみを基準として考えると、高回転化の上限を(回るか回らないかは別として)6980回転くらいにするのが機械的にも精神的にも好ましそうです。


J30A型のエンジンを搭載する車種の例

全8件をアクセスが多いものから順に表示しています。
メーカー
車両型式
イメージ車名&グレード
記事リンク
出力
燃費
吸気 [駆動系]
車体形状 定員
ホンダ
UC1
インスパイア
30TE
(2005/11)
250ps
30.2kgm
11.4kmL
NA [FF/5AT]
セダン
5人乗り
ホンダ
RA8
オデッセイ
VG
(2002/10)
210ps
27.5kgm
9.2kmL
NA [FF/5AT]
ミニバン
7人乗り
ホンダ
RR4
エリシオン
VG-Aero
(2008/12)
250ps
31.5kgm
8.8kmL
NA [4WD/5AT]
ミニバン
8人乗り
ホンダ
RR3
エリシオン
VG-Aero
(2008/12)
250ps
31.5kgm
9.0kmL
NA [FF/5AT]
ミニバン
8人乗り
ホンダ
RA9
オデッセイ
VG
(2002/10)
210ps
27.5kgm
9.0kmL
NA [4WD/5AT]
ミニバン
7人乗り
ホンダ
RA5
オデッセイ プレステージ
VG
(1998/11)
200ps
27.0kgm
8.8kmL
NA [FF/4AT]
ミニバン
7人乗り
ホンダ
TA4
アヴァンシア
V-4
(2003/02)
215ps
27.7kgm
9.4kmL
NA [4WD/5AT]
ワゴン
5人乗り
ホンダ
TA3
アヴァンシア
V
(2003/02)
215ps
27.7kgm
9.8kmL
NA [FF/5AT]
ワゴン
5人乗り
[投稿日:2011/05/31 更新日:2016/10/31]

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