ダイハツ HD-E型エンジンの諸元と性能まとめ [直列4気筒1589cc]

ここではダイハツのF300S型の初代ロッキー [Marine-Runner] に搭載されているHD-E型の自然吸気エンジンのデータを参考に、このエンジンが持つ特性や素性について調べてみます。

HD-E型の自然吸気エンジン諸元


F300S型 ロッキー 主要諸元まとめ
車両型式E-F300S
車名&グレードロッキー
[Marine-Runner]
エンジン型式HD-E
種類直列4気筒
排気量1589cc
内径×行程76.0mm×87.6mm
単気筒容積397.4cc
ボアストローク比1.15
圧縮比9.5
燃焼室容積46.8cc
吸気方式自然吸気
使用燃料レギュラーガソリン
最高出力105PS/6000rpm
最大トルク14.3kgm/3500rpm

まず基本的な成り立ちとして、HD型エンジンはボア(内径)76.0mm、ストローク(行程)87.6mm、ボアストローク比1.15のロングストローク型エンジン(ピストン径よりもストローク量のほうが大きい)です。

排気量と気筒数が同一の場合、ショートストローク型に比べて低回転域でのトルク特性に優れ、扱い易いエンジンとされますが、高回転域では充填効率の悪化や摺動抵抗が増大して出力の低下が懸念されます。

なおかつ回転数も同一の場合、ショートストローク型に比べて平均ピストンスピードが高くなりがちなことから、エンジンへの負荷が大きくなる傾向にあります。

1気筒あたりのシリンダー容積と圧縮比を使って燃焼室容積を計算してみますと、今回のHD-E型エンジンの場合の計算式は397.4cc÷(9.5-1)となり、燃焼室容積は46.8ccになります。

このサイトにて登録されている車種のうち、HD-E型の自然吸気エンジンを搭載する最も古い車種は1989/07から発売された初代アプローズ [1989/07]、最も新しい車種は1990/10から発売された初代アプローズθ [1990/10]となっており、全部で9車種(NA車9台・ターボ車0台)が登録されています。

HD-E型と類似するエンジン型式としては、[ HD-EP型 ]、[ HD-EG型 ]の2種類があります。

過渡特性とリッター換算馬力から見た評価

エンジン性能曲線のイメージ
HDのエンジン性能曲線図もどき
馬力の変遷69.9PS → 105PS
トルクの変遷14.3kgm → 12.5kgm
リッター馬力66.1PS/L
リッタートルク9.00kgm/L

今回の参考車両であるロッキーの直列4気筒1589cc、圧縮比9.5でレギュラーガソリン仕様の自然吸気エンジンは、6000回転のとき最高出力105馬力を、3500回転のとき最大トルク14.3kgmを発生させます。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力を知ることができますので計算してみますと、最大トルクが発生する3500回転での馬力は69.9PS、最高出力が発生する6000回転でのトルクは12.5kgmになります。

排気量1リットルあたりの馬力は66.1PS/L、トルクは9.00kgm/Lとなり、1気筒(単気筒容積397.4cc)あたりの出力は26.2PS、3.6kgmです。

排気量1リットルあたりの馬力が66.1PS/L、トルクが9.00kgm/LであるHD型の自然吸気エンジンを、このサイトで登録している全てのNA車から集計した偏差値ベースの10段階評価に当てはめると、評価は換算馬力が[ 5 ]、換算トルクが[ 4 ]の「標準的な出力(中の下)のエンジン」にカテゴライズされます。


排気量アップと圧縮比の上昇、ボアストローク比の変化

ノーマルの排気量と圧縮比
BoreStroke排気量圧縮比B/S比
76.0mm87.6mm1589cc9.51.15
ボアアップによる排気量アップ
76.5mm87.6mm1611cc9.611.15
77.0mm1632cc9.721.14
77.5mm1653cc9.821.13
78.0mm1674cc9.951.12
78.5mm1696cc10.061.12
79.0mm1717cc10.171.11

エンジンの排気量を決める要素には気筒数、ボア径、ストローク量の3つがあり、これらを増減することでさまざまな排気量のエンジンが生まれます。

ここでは実際に可能かどうかは別として、ピストン径を純正の76.0mmから0.5mm刻みで+3.0mmまで拡大(76.0mm→79.0mm)した場合の排気量と、燃焼室容積が変化しないと仮定した場合の圧縮比の変化を一覧表にしています。

圧縮比については、実際のところピストンが大径化するに伴ってピストン天面の凸凹容量も変化する場合が大半ですから、一覧表にある圧縮比の数値の通りにはなりませんが、排気量を大きくすると自ずと圧縮比も上昇しますよ、という雰囲気をご堪能ください。

B/S比はボアストローク比の略で、ボア径を広げていくとロングストローク型からスクエア型、あるいはショートストローク型の特性へと近付いていきます。HD型エンジンの場合、純正ピストンから+3.0mmのボアアップをすると比は1.15から1.11に変化するという具合です。


平均ピストンスピード

ストローク最大トルク
3500rpm
最高出力
6000rpm
87.6mm10.2m/s17.5m/s
回転数/分秒速時速
2000rpm5.8m/s20.9km/h
4000rpm11.7m/s42.1km/h
6000rpm17.5m/s63.0km/h
8000rpm23.4m/s84.2km/h
10000rpm29.2m/s105.1km/h

続きまして平均ピストンスピードについて見てみます。ストロークが87.6mmのエンジンが最高出力を発生する6000回転での平均ピストンスピードは17.5m/sとなり、これは1秒間に17.5メートル(時速にすると63.0km/h)の距離を進む速さでピストンが上下運動していますよ、という意味です。

最大トルクを発生する3500回転では10.2m/s、最高出力が発生する6000回転より500回転高い6500回転をレブリミットと仮定したときの平均速度は19.0m/sとなっています。

参考までにストロークが87.6mmのHD型エンジンを10000回転/毎分まで回したときのピストンスピードの変化を計算してみました。これを見ると回転数が2000回転高くなるごとに概ね5.85m/sずつ速度が増していくようです。

大量生産を前提とした一般的なエンジンの目安である20.0m/sのみを基準として考えると、高回転化の上限を(回るか回らないかは別として)6850回転くらいにするのが機械的にも精神的にも好ましそうです。


HD-E型のエンジンを搭載する車種の例

全9件をアクセスが多いものから順に表示しています。
メーカー
車両型式
イメージ車名&グレード
記事リンク
出力
燃費
吸気 [駆動系]
車体形状 定員
ダイハツ
F300S
ロッキー
Marine-Runner
(1995/05)
105ps
14.3kgm
10.6kmL
NA [4WD/5MT]
SUV
4人乗り
ダイハツ
F300S
ロッキー
Marine-Runner
(1995/05)
105ps
14.3kgm
10.0kmL
NA [4WD/4AT]
SUV
4人乗り
ダイハツ
A111S
アプローズθ
16Zi
(1990/10)
120ps
14.3kgm
13.4kmL
NA [4WD/5MT]
セダン
5人乗り
ダイハツ
A101S
アプローズ
16Ri
(1989/07)
120ps
14.3kgm
14.2kmL
NA [FF/5MT]
セダン
5人乗り
ダイハツ
A111S
アプローズ
16Zi
(1992/07)
120ps
14.3kgm
13.6kmL
NA [4WD/5MT]
セダン
5人乗り
ダイハツ
A101S
アプローズθ
16Ri
(1990/10)
120ps
14.3kgm
14.2kmL
NA [FF/5MT]
セダン
5人乗り
ダイハツ
A101S
アプローズ
SX-Limited
(1998/11)
120ps
14.3kgm
12.6kmL
NA [FF/4AT]
セダン
5人乗り
ダイハツ
A101S
アプローズ
Limited
(1994/09)
120ps
14.3kgm
14.8kmL
NA [FF/5MT]
セダン
5人乗り
ダイハツ
A101S
アプローズθ
16Ri
(1990/10)
120ps
14.3kgm
11.0kmL
NA [FF/4AT]
セダン
5人乗り
HD型エンジンを搭載する車種の一覧表
パワーウェイトレシオ順(全15件)
[投稿日:2011/06/02 更新日:2016/10/31]

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