ルノー H4B型エンジンの諸元と性能まとめ [直列3気筒897cc]

ここではルノーのAHH4B1型3代目トゥインゴ [GT] に搭載されているH4B型のターボエンジンのデータを参考に、このエンジンが持つ特性や素性について調べてみます。

H4B型のターボエンジン諸元


AHH4B1型 トゥインゴ 主要諸元まとめ
車両型式 ABA-AHH4B1
車名&グレード トゥインゴ
[GT]
エンジン型式 H4B
種類 直列3気筒
排気量 897cc
内径×行程 72.2mm×73.1mm
単気筒容積 299.3cc
ボアストローク比 1.01
吸気方式 ターボ
使用燃料 ハイオクガソリン
最高出力 109PS/5750rpm
最大トルク 17.3kgm/2000rpm

まず基本的な成り立ちとして、H4B型エンジンはボア(内径)72.2mm、ストローク(行程)73.1mm、ボアストローク比1.01のロングストローク型エンジン(ピストン径よりもストローク量のほうが大きい)です。

排気量と気筒数が同一の場合、厳密に言えばボアとストロークが全くの同一でなければスクエア型を名乗ることは許されませんが、ここまでボアストローク比が1に近いのであれば「もうスクエア型にしてあげても良いじゃない!」という気もします。

これらのエンジンはショートストローク型、或いはロングストローク型の風味を残しつつ、その実はスクエア型に限りなく近い特性を持ちます。「やっぱこう、どうせなら低回転で粘って高回転でキレ
(省略されました・・全てを読むには ここ を押してください)

このサイトにて登録されている車種のうち、H4B型のターボエンジンを搭載する最も古い車種は2013/09から発売された4代目ルーテシア [2015/01]、最も新しい車種は2016/09から発売された3代目トゥインゴ [2019/12]となっており、全部で7車種(NA車0台・ターボ車7台)が登録されています。

過渡特性とリッター換算馬力から見た評価

エンジン性能曲線のイメージ
H4Bのエンジン性能曲線図もどき
馬力の変遷48.3PS → 109PS
トルクの変遷17.3kgm → 13.6kgm
リッター馬力121.52PS/L
リッタートルク19.29kgm/L

今回の参考車両であるトゥインゴの直列3気筒897ccでハイオクガソリン仕様のターボエンジンは、5750回転のとき最高出力109馬力を、2000回転のとき最大トルク17.3kgmを発生させます。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力を知ることができますので計算してみますと、最大トルクが発生する2000回転での馬力は48.3PS、最高出力が発生する5750回転でのトルクは13.6kgmになります。

排気量1リットルあたりの馬力は121.52PS/L、トルクは19.29kgm/Lとなり、1気筒(単気筒容積299.3cc)あたりの出力は36.3PS、5.8kgmです。

排気量1リットルあたりの馬力が121.52PS/L、トルクが19.29kgm/LであるH4B型のターボエンジンを、このサイトで登録している全てのターボ車から集計した偏差値ベースの10段階評価に当てはめると、評価は換算馬力が[ 8 ]、換算トルクが[ 9 ]の「結構な高出力エンジン」にカテゴライズされます。


排気量アップと圧縮比の上昇、ボアストローク比の変化

ノーマルの排気量と圧縮比
BoreStroke排気量圧縮比B/S比
72.2mm73.1mm897cc-1.01
ボアアップによる排気量アップ
72.7mm73.1mm910cc-1.01
73.2mm923cc-1.00
73.7mm936cc-0.99
74.2mm948cc-0.99
74.7mm961cc-0.98
75.2mm974cc-0.97

エンジンの排気量を決める要素には気筒数、ボア径、ストローク量の3つがあり、これらを増減することでさまざまな排気量のエンジンが生まれます。

ここでは実際に可能かどうかは別として、ピストン径を純正の72.2mmから0.5mm刻みで+3.0mmまで拡大(72.2mm→75.2mm)した場合の排気量と、燃焼室容積が変化しないと仮定した場合の圧縮比の変化を一覧表にしています。

B/S比はボアストローク比の略で、ボア径を広げていくとロングストローク型からスクエア型、あるいはショートストローク型の特性へと近付いていきます。H4B型エンジンの場合、純正ピストンから+3.0mmのボアアップをすると比は1.01から0.97に変化するという具合です。


平均ピストンスピード

ストローク 最大トルク
2000rpm
最高出力
5750rpm
73.1mm4.9m/s14.0m/s
回転数/分 秒速 時速
2000rpm 4.9m/s 17.6km/h
4000rpm 9.7m/s 34.9km/h
6000rpm 14.6m/s 52.6km/h
8000rpm 19.5m/s 70.2km/h
10000rpm 24.4m/s 87.8km/h

続きまして平均ピストンスピードについて見てみます。ストロークが73.1mmのエンジンが最高出力を発生する5750回転での平均ピストンスピードは14.0m/sとなり、これは1秒間に14.0メートル(時速にすると50.4km/h)の距離を進む速さでピストンが上下運動していますよ、という意味です。

最大トルクを発生する2000回転では4.9m/s、最高出力が発生する5750回転より500回転高い6250回転をレブリミットと仮定したときの平均速度は15.2m/sとなっています。

参考までにストロークが73.1mmのH4B型エンジンを10000回転/毎分まで回したときのピストンスピードの変化を計算してみました。これを見ると回転数が2000回転高くなるごとに概ね4.88m/sずつ速度が増していくようです。

大量生産を前提とした一般的なエンジンの目安である20.0m/sのみを基準として考えると、高回転化の上限を(回るか回らないかは別として)8210回転くらいにするのが機械的にも精神的にも好ましそうです。


H4B型のエンジンを搭載する車種の例

全7件をアクセスが多いものから順に表示しています。
メーカー
車両型式
イメージ 車名&グレード
記事リンク
出力
燃費
吸気 [駆動系]
車体形状 定員
ルノー
AHH4B1
トゥインゴ
GT
(2017/10)
109ps
17.3kgm
-
TB [RR/5MT]
ハッチバック
4人乗り
ルノー
AHH4B
トゥインゴ
Pack-Sport
(2016/09)
90ps
13.8kgm
21.7kmL
TB [RR/6AT]
ハッチバック
4人乗り
ルノー
RH4B
ルーテシア
Zen
(2015/01)
90ps
13.8kgm
-
TB [FF/5MT]
ハッチバック
5人乗り
ルノー
AHH4B
トゥインゴ
Intens
(2016/09)
90ps
13.8kgm
21.7kmL
TB [RR/6AT]
ハッチバック
4人乗り
ルノー
AHH4B
トゥインゴ
Intens Canvas-Top
(2016/09)
90ps
13.8kgm
21.7kmL
TB [RR/6AT]
オープンカー
4人乗り
ルノー
AHH4B1
トゥインゴ
GT
(2018/02)
109ps
17.3kgm
-
TB [RR/6AT]
ハッチバック
4人乗り
ルノー
AHH4B
トゥインゴ
Canvastop
(2019/12)
92ps
13.8kgm
16.8kmL
TB [RR/6AT]
オープンカー
4人乗り
[投稿日:2016/11/08 更新日:2019/12/01]

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