ルノー F4R型エンジンの諸元と性能まとめ [直列4気筒1998cc]

ここではルノーのDZF4R型3代目メガーヌ [R.S.TROPHY] に搭載されているF4R型のターボエンジンのデータを参考に、このエンジンが持つ特性や素性について調べてみます。

F4R型のターボエンジン諸元


DZF4R型 メガーヌ 主要諸元まとめ
車両型式 ABA-DZF4R
車名&グレード メガーヌ
[R.S.TROPHY]
エンジン型式 F4R
種類 直列4気筒
排気量 1998cc
内径×行程 82.7mm×93.0mm
単気筒容積 499.5cc
ボアストローク比 1.12
吸気方式 ターボ
使用燃料 ハイオクガソリン
最高出力 273PS/5500rpm
最大トルク 36.7kgm/3000-5000rpm

まず基本的な成り立ちとして、F4R型エンジンはボア(内径)82.7mm、ストローク(行程)93.0mm、ボアストローク比1.12のロングストローク型エンジン(ピストン径よりもストローク量のほうが大きい)です。

排気量と気筒数が同一の場合、ショートストローク型に比べて低回転域でのトルク特性に優れ、扱い易いエンジンとされますが、高回転域では充填効率の悪化や摺動抵抗が増大して出力の低下が懸念されます。

なおかつ回転数も同一の場合、ショートストローク型に比べて平均ピストンスピードが高くなりがちなことから、エンジンへの負荷が大きくなる傾向にあります。

このサイトにて登録されている車種のうち、F4R型のターボエンジンを搭載する最も古い車種は2003/01から発売された2代目ラグナ [2004/04]、最も新しい車種は2012/07から発売された3代目メガーヌ エステート [2013/05]となっており、全部で8車種(NA車1台・ターボ車7台)が登録されています。

F4R型と類似するエンジン型式としては、[ F4R2型 ]の1種類があります。

過渡特性とリッター換算馬力から見た評価

エンジン性能曲線のイメージ
F4Rのエンジン性能曲線図もどき
馬力の変遷153.7PS → 273PS
トルクの変遷36.7kgm → 35.6kgm
リッター馬力136.64PS/L
リッタートルク18.37kgm/L

今回の参考車両であるメガーヌの直列4気筒1998ccでハイオクガソリン仕様のターボエンジンは、5500回転のとき最高出力273馬力を、3000-5000回転のとき最大トルク36.7kgmを発生させます。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力を知ることができますので計算してみますと、最大トルクが発生する3000回転での馬力は153.7PS、最高出力が発生する5500回転でのトルクは35.6kgmになります。

排気量1リットルあたりの馬力は136.64PS/L、トルクは18.37kgm/Lとなり、1気筒(単気筒容積499.5cc)あたりの出力は68.2PS、9.2kgmです。

排気量1リットルあたりの馬力が136.64PS/L、トルクが18.37kgm/LであるF4R型のターボエンジンを、このサイトで登録している全てのターボ車から集計した偏差値ベースの10段階評価に当てはめると、評価は換算馬力が[ 9 ]、換算トルクが[ 8 ]の「かなりの高出力エンジン」にカテゴライズされます。


排気量アップと圧縮比の上昇、ボアストローク比の変化

ノーマルの排気量と圧縮比
BoreStroke排気量圧縮比B/S比
82.7mm93.0mm1998cc-1.12
ボアアップによる排気量アップ
83.2mm93.0mm2022cc-1.12
83.7mm2047cc-1.11
84.2mm2071cc-1.10
84.7mm2096cc-1.10
85.2mm2121cc-1.09
85.7mm2146cc-1.09

エンジンの排気量を決める要素には気筒数、ボア径、ストローク量の3つがあり、これらを増減することでさまざまな排気量のエンジンが生まれます。

ここでは実際に可能かどうかは別として、ピストン径を純正の82.7mmから0.5mm刻みで+3.0mmまで拡大(82.7mm→85.7mm)した場合の排気量と、燃焼室容積が変化しないと仮定した場合の圧縮比の変化を一覧表にしています。

B/S比はボアストローク比の略で、ボア径を広げていくとロングストローク型からスクエア型、あるいはショートストローク型の特性へと近付いていきます。F4R型エンジンの場合、純正ピストンから+3.0mmのボアアップをすると比は1.12から1.09に変化するという具合です。


平均ピストンスピード

ストローク 最大トルク
3000rpm
最高出力
5500rpm
93.0mm9.3m/s17.1m/s
回転数/分 秒速 時速
2000rpm 6.2m/s 22.3km/h
4000rpm 12.4m/s 44.6km/h
6000rpm 18.6m/s 67.0km/h
8000rpm 24.8m/s 89.3km/h
10000rpm 31.0m/s 111.6km/h

続きまして平均ピストンスピードについて見てみます。ストロークが93.0mmのエンジンが最高出力を発生する5500回転での平均ピストンスピードは17.1m/sとなり、これは1秒間に17.1メートル(時速にすると61.6km/h)の距離を進む速さでピストンが上下運動していますよ、という意味です。

最大トルクを発生する3000回転では9.3m/s、最高出力が発生する5500回転より500回転高い6000回転をレブリミットと仮定したときの平均速度は18.6m/sとなっています。

参考までにストロークが93.0mmのF4R型エンジンを10000回転/毎分まで回したときのピストンスピードの変化を計算してみました。これを見ると回転数が2000回転高くなるごとに概ね6.20m/sずつ速度が増していくようです。

大量生産を前提とした一般的なエンジンの目安である20.0m/sのみを基準として考えると、高回転化の上限を(回るか回らないかは別として)6450回転くらいにするのが機械的にも精神的にも好ましそうです。


F4R型のエンジンを搭載する車種の例

全8件をアクセスが多いものから順に表示しています。
メーカー
車両型式
イメージ 車名&グレード
記事リンク
出力
燃費
吸気 [駆動系]
車体形状 定員
ルノー
DZF4R
メガーヌ
R.S.TROPHY
(2015/01)
273ps
36.7kgm
-
TB [FF/6MT]
ハッチバック
5人乗り
ルノー
KZF4R
メガーヌ エステート
GT220
(2013/05)
220ps
34.7kgm
13.0kmL
TB [FF/6MT]
ワゴン
5人乗り
ルノー
DZF4R
メガーヌ
R.S.TROPHY-R
(2015/01)
273ps
36.7kgm
-
TB [FF/6MT]
ハッチバック
2人乗り
ルノー
DZF4R
メガーヌ
Renault-Sport
(2012/07)
265ps
36.7kgm
-
TB [FF/6MT]
ハッチバック
5人乗り
ルノー
DZF4R
メガーヌ
Renault-Sport
(2011/02)
250ps
34.7kgm
-
TB [FF/6MT]
ハッチバック
5人乗り
ルノー
ZF4R
メガーヌ
Hatchback GT220
(2014/06)
220ps
34.7kgm
12.1kmL
TB [FF/6MT]
ハッチバック
5人乗り
ルノー
-
メガーヌ エステート
GT
(2012/07)
180ps
30.6kgm
-
TB [FF/6MT]
ワゴン
5人乗り
ルノー
GF4
ラグナ
Wagon-2.0
(2004/04)
135ps
19.5kgm
-
NA [FF/4AT]
ワゴン
5人乗り
[投稿日:2016/11/08]

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