ダイハツ DL型エンジンの諸元と性能まとめ [直列4気筒2765cc]

ここではダイハツのF78W型の初代ラガー [Turbo RT SX] に搭載されているDL型のターボエンジンのデータを参考に、このエンジンが持つ特性や素性について調べてみます。

DL型のターボエンジン諸元


F78W型 ラガー 主要諸元まとめ
車両型式KD-F78W
車名&グレードラガー
[Turbo RT SX]
エンジン型式DL
種類直列4気筒
排気量2765cc
内径×行程92.0mm×104.0mm
単気筒容積691.3cc
ボアストローク比1.13
圧縮比21.2
燃焼室容積34.2cc
吸気方式ターボ
使用燃料ディーゼル
最高出力115PS/3400rpm
最大トルク25.5kgm/2200rpm

まず基本的な成り立ちとして、DL型エンジンはボア(内径)92.0mm、ストローク(行程)104.0mm、ボアストローク比1.13のロングストローク型エンジン(ピストン径よりもストローク量のほうが大きい)です。

排気量と気筒数が同一の場合、ショートストローク型に比べて低回転域でのトルク特性に優れ、扱い易いエンジンとされますが、高回転域では充填効率の悪化や摺動抵抗が増大して出力の低下が懸念されます。

なおかつ回転数も同一の場合、ショートストローク型に比べて平均ピストンスピードが高くなりがちなことから、エンジンへの負荷が大きくなる傾向にあります。

1気筒あたりのシリンダー容積と圧縮比を使って燃焼室容積を計算してみますと、今回のDL型エンジンの場合の計算式は691.3cc÷(21.2-1)となり、燃焼室容積は34.2ccになります。

このサイトにて登録されている車種のうち、DL型のターボエンジンを搭載する最も古い車種は1984/04から発売された初代ラガー [1993/04]、最も新しい車種は1984/04から発売された初代ラガー [1995/05]となっており、全部で4車種(NA車0台・ターボ車4台)が登録されています。

過渡特性とリッター換算馬力から見た評価

エンジン性能曲線のイメージ
DLのエンジン性能曲線図もどき
馬力の変遷78.3PS → 115PS
トルクの変遷25.5kgm → 24.2kgm
リッター馬力41.6PS/L
リッタートルク9.22kgm/L

今回の参考車両であるラガーの直列4気筒2765cc、圧縮比21.2でディーゼル仕様のターボエンジンは、3400回転のとき最高出力115馬力を、2200回転のとき最大トルク25.5kgmを発生させます。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力を知ることができますので計算してみますと、最大トルクが発生する2200回転での馬力は78.3PS、最高出力が発生する3400回転でのトルクは24.2kgmになります。

排気量1リットルあたりの馬力は41.6PS/L、トルクは9.22kgm/Lとなり、1気筒(単気筒容積691.3cc)あたりの出力は28.8PS、6.4kgmです。

排気量1リットルあたりの馬力が41.6PS/L、トルクが9.22kgm/LであるDL型のターボエンジンを、このサイトで登録している全てのターボ車から集計した偏差値ベースの10段階評価に当てはめると、評価は換算馬力が[ 1 ]、換算トルクが[ 1 ]の「心もとない出力のエンジン」にカテゴライズされます。


排気量アップと圧縮比の上昇、ボアストローク比の変化

ノーマルの排気量と圧縮比
BoreStroke排気量圧縮比B/S比
92.0mm104.0mm2765cc21.21.13
ボアアップによる排気量アップ
92.5mm104.0mm2795cc21.441.12
93.0mm2826cc21.641.12
93.5mm2856cc21.881.11
94.0mm2887cc22.111.11
94.5mm2918cc22.321.10
95.0mm2949cc22.551.09

エンジンの排気量を決める要素には気筒数、ボア径、ストローク量の3つがあり、これらを増減することでさまざまな排気量のエンジンが生まれます。

ここでは実際に可能かどうかは別として、ピストン径を純正の92.0mmから0.5mm刻みで+3.0mmまで拡大(92.0mm→95.0mm)した場合の排気量と、燃焼室容積が変化しないと仮定した場合の圧縮比の変化を一覧表にしています。

圧縮比については、実際のところピストンが大径化するに伴ってピストン天面の凸凹容量も変化する場合が大半ですから、一覧表にある圧縮比の数値の通りにはなりませんが、排気量を大きくすると自ずと圧縮比も上昇しますよ、という雰囲気をご堪能ください。

B/S比はボアストローク比の略で、ボア径を広げていくとロングストローク型からスクエア型、あるいはショートストローク型の特性へと近付いていきます。DL型エンジンの場合、純正ピストンから+3.0mmのボアアップをすると比は1.13から1.09に変化するという具合です。


平均ピストンスピード

ストローク最大トルク
2200rpm
最高出力
3400rpm
104.0mm7.6m/s11.8m/s
回転数/分秒速時速
2000rpm6.9m/s24.8km/h
4000rpm13.9m/s50.0km/h
6000rpm20.8m/s74.9km/h
8000rpm27.7m/s99.7km/h
10000rpm34.7m/s124.9km/h

続きまして平均ピストンスピードについて見てみます。ストロークが104.0mmのエンジンが最高出力を発生する3400回転での平均ピストンスピードは11.8m/sとなり、これは1秒間に11.8メートル(時速にすると42.5km/h)の距離を進む速さでピストンが上下運動していますよ、という意味です。

最大トルクを発生する2200回転では7.6m/s、最高出力が発生する3400回転より500回転高い3900回転をレブリミットと仮定したときの平均速度は13.5m/sとなっています。

参考までにストロークが104.0mmのDL型エンジンを10000回転/毎分まで回したときのピストンスピードの変化を計算してみました。これを見ると回転数が2000回転高くなるごとに概ね6.95m/sずつ速度が増していくようです。

大量生産を前提とした一般的なエンジンの目安である20.0m/sのみを基準として考えると、高回転化の上限を(回るか回らないかは別として)5770回転くらいにするのが機械的にも精神的にも好ましそうです。


DL型のエンジンを搭載する車種の例

全4件をアクセスが多いものから順に表示しています。
メーカー
車両型式
イメージ車名&グレード
記事リンク
出力
燃費
吸気 [駆動系]
車体形状 定員
ダイハツ
F78W
ラガー
Turbo RT SX
(1995/05)
115ps
25.5kgm
-
TB [4WD/5MT]
SUV
5人乗り
ダイハツ
F73G
ラガー
Turbo HT SE
(1995/05)
115ps
25.5kgm
-
TB [4WD/5MT]
SUV
5人乗り
ダイハツ
F73W
ラガー
Turbo HT SX
(1993/04)
115ps
25.5kgm
-
TB [4WD/5MT]
SUV
5人乗り
ダイハツ
F78G
ラガー
Turbo RT SE
(1995/05)
115ps
25.5kgm
-
TB [4WD/5MT]
SUV
5人乗り
[投稿日:2011/06/07 更新日:2016/10/30]

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