アウディ:DAZ型エンジンの諸元と性能まとめ [直列5気筒2480cc]

ここではアウディのFVDAZF型3代目TT-RS [Coupe] に搭載されているDAZ型のターボエンジンのデータを参考に、このエンジンが持つ特性や素性について調べてみます。

DAZ型のターボエンジン諸元


FVDAZF型 TT-RS 主要諸元まとめ
車両型式ABA-FVDAZF
車名&グレードTT-RS
Coupe
エンジン型式DAZ
種類直列5気筒
排気量2480cc
内径×行程82.5mm×92.8mm
ボアストローク比1.12
圧縮比10.0
吸気方式ターボ
使用燃料ハイオクガソリン
最高出力400PS/5850-7000rpm
最大トルク48.9kgm/1700-5850rpm

まず基本的な成り立ちとして、DAZ型エンジンはボア(内径)82.5mm、ストローク(行程)92.8mm、ボアストローク比1.12のロングストローク型エンジン(ピストン径よりもストローク量のほうが大きい)です。

排気量と気筒数が同一の場合、ショートストローク型に比べて低回転域でのトルク特性に優れ、扱い易いエンジンとされますが、高回転域では充填効率の悪化や摺動抵抗が増大して出力の低下が懸念されます。

なおかつ回転数も同一の場合、ショートストローク型に比べて平均ピストンスピードが高くなりがちなことから、エンジンへの負荷が大きくなる傾向にあります。

このサイトにてDAZ型のターボエンジンを搭載している車種は、2017/03から発売された3代目TT-RS [2017/03](合計4台)が登録されています。

過渡特性とリッター換算馬力から見た評価

エンジン性能曲線のイメージ
DAZのエンジン性能曲線図もどき
馬力の変遷116.0PS → 400PS
トルクの変遷48.9kgm → 40.9kgm
リッター馬力161.3PS/L
リッタートルク19.72kgm/L

今回の参考車両であるTT-RSの直列5気筒2480cc、圧縮比10.0でハイオクガソリン仕様のターボエンジンは、5850-7000回転のとき最高出力400馬力を、5850-7000回転のとき最大トルク48.9kgmを発生させます。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力を知ることができますので計算してみますと、最大トルクが発生する1700回転での馬力は116.0PS、最高出力が発生する7000回転でのトルクは40.9kgmになります。

排気量1リットルあたりの馬力は161.3PS/L、トルクは19.72kgm/Lとなり、1気筒(単気筒容積496.1cc)あたりの出力は80.0PS、9.8kgmです。

排気量1リットルあたりの馬力が161.3PS/L、トルクが19.72kgm/LであるDAZ型のターボエンジンを、このサイトで登録している全てのターボ車から集計した偏差値ベースの10段階評価に当てはめると、評価は換算馬力が[ 10 ]、換算トルクが[ 9 ]の「稀に見る高出力エンジン」にカテゴライズされます。


排気量アップと圧縮比の上昇、ボアストローク比の変化

ノーマルの排気量と圧縮比
BoreStroke排気量圧縮比B/S比
82.5mm92.8mm2480cc10.01.12
ボアアップによる排気量拡大
83.0mm92.8mm2510cc10.11.12
83.5mm2541cc10.21.11
84.0mm2571cc10.31.10
84.5mm2602cc10.41.10
85.0mm2633cc10.61.09
85.5mm2664cc10.71.09
ストロークアップによる排気量拡大
82.5mm93.8mm2507cc10.11.14
94.8mm2534cc10.21.15
95.8mm2560cc10.31.16
96.8mm2587cc10.41.17
97.8mm2614cc10.51.19

エンジンの排気量を決める要素には気筒数、ボア径、ストローク量の3つがあり、これらを増減することでさまざまな排気量のエンジンが生まれます。

ここでは実際に可能かどうかは別として、ピストン径を純正の82.5mmから0.5mm刻みで+3.0mmまで拡大(82.5mm→85.5mm)した場合および、ストロークを純正の92.8mmから1mm刻みで+5.0mmまで延長(92.8mm→97.8mm)した場合の排気量と、燃焼室容積が変化しないと仮定した場合の圧縮比の変化を一覧表にしています。

※ストロークアップと口で言うのは簡単なのですが、ロングストローク化するにあたってはクランクシャフトおよび対応コンロッドが必要になり、純正流用できない場合はワンオフで作らなければならないなど、とにかくお高く付きますので、手を出すには相当の覚悟を求められるメニューです。

圧縮比については、実際のところピストンが大径化するに伴ってピストン天面の凸凹容量も変化する場合が大半ですから、一覧表にある圧縮比の数値の通りにはなりませんが、排気量を大きくすると自ずと圧縮比も上昇しますよ、という雰囲気をご堪能ください。

B/S比はボアストローク比の略で、ボア径を広げていくとロングストローク型からスクエア型、あるいはショートストローク型の特性へと近付いていきます。DAZ型エンジンの場合、純正ピストンから+3.0mmのボアアップをすると比は1.12から1.09に変化するという具合です。


平均ピストンスピード

ストローク最大トルク
1700rpm
最高出力
7000rpm
92.8mm5.3m/s21.7m/s
回転数/分秒速時速
2000rpm6.2m/s22.3km/h
4000rpm12.4m/s44.6km/h
6000rpm18.6m/s67.0km/h
8000rpm24.7m/s88.9km/h
10000rpm30.9m/s111.2km/h

続きまして平均ピストンスピードについて見てみます。ストロークが92.8mmのエンジンが最高出力を発生する7000回転での平均ピストンスピードは21.7m/sとなり、これは1秒間に21.7メートル(時速にすると78.1km/h)の距離を進む速さでピストンが上下運動していますよ、という意味です。

最大トルクを発生する1700回転では5.3m/s、最高出力が発生する7000回転より500回転高い7500回転をレブリミットと仮定したときの平均速度は23.2m/sとなっています。

参考までにストロークが92.8mmのDAZ型エンジンを10000回転/毎分まで回したときのピストンスピードの変化を計算してみました。これを見ると回転数が2000回転高くなるごとに概ね6.17m/sずつ速度が増していくようです。

大量生産を前提とした一般的なエンジンの目安である20.0m/sのみを基準として考えると、6470回転くらいが良い感じの回転数になるのではないかと思いますが、このエンジンは最高出力を発生している時点で既に20.0m/sを超えており、レブリミットを考慮するともう少し余分に(300~500回転?)回ることから、内部では大変なことになりながらも頑張って回っているエンジンです。


DAZ型のエンジンを搭載する車種の例

全4件をアクセスが多いものから順に表示しています。
メーカー
車両型式
イメージ車名&グレード
記事リンク
出力
燃費
吸気 [駆動系]
車体形状 定員
アウディ
FVDAZF
TT-RS
Coupe
(2017/03)
400PS
48.9kgm
11.7kmL
TB [4WD/7AT]
クーペ
4人乗り
アウディ
8VDAZF
RS3 スポーツバック
BaseGrade
(2017/03)
400PS
48.9kgm
11.0kmL
TB [4WD/7AT]
ハッチバック
5人乗り
アウディ
8VDAZL
RS3 セダン
BaseGrade
(2017/03)
400PS
48.9kgm
11.0kmL
TB [4WD/7AT]
セダン
5人乗り
アウディ
FVDAZF
TT-RS
Roadster
(2017/03)
400PS
48.9kgm
11.4kmL
TB [4WD/7AT]
オープンカー
2人乗り
[投稿日:2017/12/04]

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