ルノー D4F型エンジンの諸元と性能まとめ [直列4気筒1148cc]

ここではルノーのND4F型2代目トゥインゴ [Kit-Sport Quick-Shift] に搭載されているD4F型の自然吸気エンジンのデータを参考に、このエンジンが持つ特性や素性について調べてみます。

D4F型の自然吸気エンジン諸元


ND4F型 トゥインゴ 主要諸元まとめ
車両型式 ABA-ND4F
車名&グレード トゥインゴ
[Kit-Sport Quick-Shift]
エンジン型式 D4F
種類 直列4気筒
排気量 1148cc
内径×行程 69.0mm×76.8mm
単気筒容積 287.2cc
ボアストローク比 1.11
圧縮比 9.9
燃焼室容積 32.3cc
吸気方式 自然吸気
使用燃料 ハイオクガソリン
最高出力 75PS/5500rpm
最大トルク 10.9kgm/4250rpm

まず基本的な成り立ちとして、D4F型エンジンはボア(内径)69.0mm、ストローク(行程)76.8mm、ボアストローク比1.11のロングストローク型エンジン(ピストン径よりもストローク量のほうが大きい)です。

排気量と気筒数が同一の場合、ショートストローク型に比べて低回転域でのトルク特性に優れ、扱い易いエンジンとされますが、高回転域では充填効率の悪化や摺動抵抗が増大して出力の低下が懸念されます。

なおかつ回転数も同一の場合、ショートストローク型に比べて平均ピストンスピードが高くなりがちなことから、エンジンへの負荷が大きくなる傾向にあります。

1気筒あたりのシリンダー容積と圧縮比を使って燃焼室容積を計算してみますと、今回のD4F型エンジンの場合の計算式は287.2cc÷(9.9-1)となり、燃焼室容積は32.3ccになります。

このサイトにて登録されている車種のうち、D4F型の自然吸気エンジンを搭載する最も古い車種は1998/11から発売された2代目ルーテシア [2004/10]、最も新しい車種は2008/11から発売された2代目トゥインゴ [2010/08]となっており、全部で2車種(NA車2台・ターボ車0台)が登録されています。

D4F型と類似するエンジン型式としては、[ D4Ft型 ]の1種類があります。

過渡特性とリッター換算馬力から見た評価

エンジン性能曲線のイメージ
D4Fのエンジン性能曲線図もどき
馬力の変遷64.7PS → 75PS
トルクの変遷10.9kgm → 9.8kgm
リッター馬力65.33PS/L
リッタートルク9.49kgm/L

今回の参考車両であるトゥインゴの直列4気筒1148cc、圧縮比9.9でハイオクガソリン仕様の自然吸気エンジンは、5500回転のとき最高出力75馬力を、4250回転のとき最大トルク10.9kgmを発生させます。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力を知ることができますので計算してみますと、最大トルクが発生する4250回転での馬力は64.7PS、最高出力が発生する5500回転でのトルクは9.8kgmになります。

排気量1リットルあたりの馬力は65.33PS/L、トルクは9.49kgm/Lとなり、1気筒(単気筒容積287.2cc)あたりの出力は18.8PS、2.7kgmです。

排気量1リットルあたりの馬力が65.33PS/L、トルクが9.49kgm/LであるD4F型の自然吸気エンジンを、このサイトで登録している全てのNA車から集計した偏差値ベースの10段階評価に当てはめると、評価は換算馬力が[ 4 ]、換算トルクが[ 6 ]の「やや控えめな出力のエンジン」にカテゴライズされます。


排気量アップと圧縮比の上昇、ボアストローク比の変化

ノーマルの排気量と圧縮比
BoreStroke排気量圧縮比B/S比
69.0mm76.8mm1148cc9.91.11
ボアアップによる排気量アップ
69.5mm76.8mm1165cc10.011.11
70.0mm1182cc10.161.10
70.5mm1199cc10.291.09
71.0mm1216cc10.411.08
71.5mm1233cc10.541.07
72.0mm1251cc10.691.07

エンジンの排気量を決める要素には気筒数、ボア径、ストローク量の3つがあり、これらを増減することでさまざまな排気量のエンジンが生まれます。

ここでは実際に可能かどうかは別として、ピストン径を純正の69.0mmから0.5mm刻みで+3.0mmまで拡大(69.0mm→72.0mm)した場合の排気量と、燃焼室容積が変化しないと仮定した場合の圧縮比の変化を一覧表にしています。

圧縮比については、実際のところピストンが大径化するに伴ってピストン天面の凸凹容量も変化する場合が大半ですから、一覧表にある圧縮比の数値の通りにはなりませんが、排気量を大きくすると自ずと圧縮比も上昇しますよ、という雰囲気をご堪能ください。

B/S比はボアストローク比の略で、ボア径を広げていくとロングストローク型からスクエア型、あるいはショートストローク型の特性へと近付いていきます。D4F型エンジンの場合、純正ピストンから+3.0mmのボアアップをすると比は1.11から1.07に変化するという具合です。


平均ピストンスピード

ストローク 最大トルク
4250rpm
最高出力
5500rpm
76.8mm10.9m/s14.1m/s
回転数/分 秒速 時速
2000rpm 5.1m/s 18.4km/h
4000rpm 10.2m/s 36.7km/h
6000rpm 15.4m/s 55.4km/h
8000rpm 20.5m/s 73.8km/h
10000rpm 25.6m/s 92.2km/h

続きまして平均ピストンスピードについて見てみます。ストロークが76.8mmのエンジンが最高出力を発生する5500回転での平均ピストンスピードは14.1m/sとなり、これは1秒間に14.1メートル(時速にすると50.8km/h)の距離を進む速さでピストンが上下運動していますよ、という意味です。

最大トルクを発生する4250回転では10.9m/s、最高出力が発生する5500回転より500回転高い6000回転をレブリミットと仮定したときの平均速度は15.4m/sとなっています。

参考までにストロークが76.8mmのD4F型エンジンを10000回転/毎分まで回したときのピストンスピードの変化を計算してみました。これを見ると回転数が2000回転高くなるごとに概ね5.12m/sずつ速度が増していくようです。

大量生産を前提とした一般的なエンジンの目安である20.0m/sのみを基準として考えると、高回転化の上限を(回るか回らないかは別として)7810回転くらいにするのが機械的にも精神的にも好ましそうです。


D4F型のエンジンを搭載する車種の例

全2件をアクセスが多いものから順に表示しています。
メーカー
車両型式
イメージ 車名&グレード
記事リンク
出力
燃費
吸気 [駆動系]
車体形状 定員
ルノー
ND4F
トゥインゴ
Kit-Sport Quick-Shift
(2010/08)
75ps
10.9kgm
-
NA [FF/5AT]
ハッチバック
4人乗り
ルノー
BD4F
ルーテシア
1.2 Quick-Shift5
(2004/10)
75ps
10.7kgm
-
NA [FF/5AT]
ハッチバック
5人乗り
[投稿日:2016/11/08]

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