アウディ CYP型エンジンの諸元と性能まとめ [直列4気筒1984cc]

ここではアウディの4GCYPC型の初代A7スポーツバック [2.0TFSI Quattro] に搭載されているCYP型のターボエンジンのデータを参考に、このエンジンが持つ特性や素性について調べてみます。

CYP型のターボエンジン諸元


4GCYPC型 A7スポーツバック 主要諸元まとめ
車両型式ABA-4GCYPC
車名&グレードA7スポーツバック
[2.0TFSI Quattro]
エンジン型式CYP
種類直列4気筒
排気量1984cc
内径×行程82.5mm×92.8mm
単気筒容積496.1cc
ボアストローク比1.12
圧縮比9.6
燃焼室容積57.7cc
吸気方式ターボ
使用燃料ハイオクガソリン
最高出力252PS/5000-6000rpm
最大トルク37.7kgm/1600-4500rpm

まず基本的な成り立ちとして、CYP型エンジンはボア(内径)82.5mm、ストローク(行程)92.8mm、ボアストローク比1.12のロングストローク型エンジン(ピストン径よりもストローク量のほうが大きい)です。

排気量と気筒数が同一の場合、ショートストローク型に比べて低回転域でのトルク特性に優れ、扱い易いエンジンとされますが、高回転域では充填効率の悪化や摺動抵抗が増大して出力の低下が懸念されます。

なおかつ回転数も同一の場合、ショートストローク型に比べて平均ピストンスピードが高くなりがちなことから、エンジンへの負荷が大きくなる傾向にあります。

1気筒あたりのシリンダー容積と圧縮比を使って燃焼室容積を計算してみますと、今回のCYP型エンジンの場合の計算式は496.1cc÷(9.6-1)となり、燃焼室容積は57.7ccになります。

このサイトにて登録されている車種のうち、CYP型のターボエンジンを搭載する最も古い車種は2011/05から発売された初代A7スポーツバック [2015/04]、最も新しい車種は2012/02から発売された4代目A6アバント [2015/08]となっており、全部で3車種(NA車0台・ターボ車3台)が登録されています。

過渡特性とリッター換算馬力から見た評価

エンジン性能曲線のイメージ
CYPのエンジン性能曲線図もどき
馬力の変遷84.2PS → 252PS
トルクの変遷37.7kgm → 30.1kgm
リッター馬力127.0PS/L
リッタートルク19.00kgm/L

今回の参考車両であるA7スポーツバックの直列4気筒1984cc、圧縮比9.6でハイオクガソリン仕様のターボエンジンは、5000-6000回転のとき最高出力252馬力を、1600-4500回転のとき最大トルク37.7kgmを発生させます。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力を知ることができますので計算してみますと、最大トルクが発生する1600回転での馬力は84.2PS、最高出力が発生する6000回転でのトルクは30.1kgmになります。

排気量1リットルあたりの馬力は127.0PS/L、トルクは19.00kgm/Lとなり、1気筒(単気筒容積496.1cc)あたりの出力は63.0PS、9.4kgmです。

排気量1リットルあたりの馬力が127.0PS/L、トルクが19.00kgm/LであるCYP型のターボエンジンを、このサイトで登録している全てのターボ車から集計した偏差値ベースの10段階評価に当てはめると、評価は換算馬力が[ 8 ]、換算トルクが[ 9 ]の「結構な高出力エンジン」にカテゴライズされます。


排気量アップと圧縮比の上昇、ボアストローク比の変化

ノーマルの排気量と圧縮比
BoreStroke排気量圧縮比B/S比
82.5mm92.8mm1984cc9.61.12
ボアアップによる排気量アップ
83.0mm92.8mm2008cc9.701.12
83.5mm2033cc9.801.11
84.0mm2057cc9.911.10
84.5mm2082cc10.011.10
85.0mm2106cc10.131.09
85.5mm2131cc10.241.09

エンジンの排気量を決める要素には気筒数、ボア径、ストローク量の3つがあり、これらを増減することでさまざまな排気量のエンジンが生まれます。

ここでは実際に可能かどうかは別として、ピストン径を純正の82.5mmから0.5mm刻みで+3.0mmまで拡大(82.5mm→85.5mm)した場合の排気量と、燃焼室容積が変化しないと仮定した場合の圧縮比の変化を一覧表にしています。

圧縮比については、実際のところピストンが大径化するに伴ってピストン天面の凸凹容量も変化する場合が大半ですから、一覧表にある圧縮比の数値の通りにはなりませんが、排気量を大きくすると自ずと圧縮比も上昇しますよ、という雰囲気をご堪能ください。

B/S比はボアストローク比の略で、ボア径を広げていくとロングストローク型からスクエア型、あるいはショートストローク型の特性へと近付いていきます。CYP型エンジンの場合、純正ピストンから+3.0mmのボアアップをすると比は1.12から1.09に変化するという具合です。


平均ピストンスピード

ストローク最大トルク
1600rpm
最高出力
6000rpm
92.8mm4.9m/s18.6m/s
回転数/分秒速時速
2000rpm6.2m/s22.3km/h
4000rpm12.4m/s44.6km/h
6000rpm18.6m/s67.0km/h
8000rpm24.7m/s88.9km/h
10000rpm30.9m/s111.2km/h

続きまして平均ピストンスピードについて見てみます。ストロークが92.8mmのエンジンが最高出力を発生する6000回転での平均ピストンスピードは18.6m/sとなり、これは1秒間に18.6メートル(時速にすると67.0km/h)の距離を進む速さでピストンが上下運動していますよ、という意味です。

最大トルクを発生する1600回転では4.9m/s、最高出力が発生する6000回転より500回転高い6500回転をレブリミットと仮定したときの平均速度は20.1m/sとなっています。

参考までにストロークが92.8mmのCYP型エンジンを10000回転/毎分まで回したときのピストンスピードの変化を計算してみました。これを見ると回転数が2000回転高くなるごとに概ね6.17m/sずつ速度が増していくようです。

大量生産を前提とした一般的なエンジンの目安である20.0m/sのみを基準として考えると、高回転化の上限を(回るか回らないかは別として)6470回転くらいにするのが機械的にも精神的にも好ましそうです。


CYP型のエンジンを搭載する車種の例

全3件をアクセスが多いものから順に表示しています。
メーカー
車両型式
イメージ車名&グレード
記事リンク
出力
燃費
吸気 [駆動系]
車体形状 定員
アウディ
4GCYPC
A7スポーツバック
2.0TFSI Quattro
(2015/04)
252ps
37.7kgm
13.6kmL
TB [4WD/7AT]
セダン
5人乗り
アウディ
4GCYPS
A6
2.0TFSI
(2015/08)
252ps
37.7kgm
13.6kmL
TB [4WD/7AT]
セダン
5人乗り
アウディ
4GCYPS
A6アバント
2.0TFSI
(2015/08)
252ps
37.7kgm
13.6kmL
TB [4WD/7AT]
ワゴン
5人乗り
[投稿日:2016/11/05]

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