アウディ CTV型エンジンの諸元と性能まとめ [V型6気筒2994cc]

ここではアウディの8RCTVF型の初代Q5 [3.0TFSI-Quattro] に搭載されているCTV型のスーパーチャージャーエンジンのデータを参考に、このエンジンが持つ特性や素性について調べてみます。

CTV型のスーパーチャージャーエンジン諸元


8RCTVF型 Q5 主要諸元まとめ
車両型式ABA-8RCTVF
車名&グレードQ5
[3.0TFSI-Quattro]
エンジン型式CTV
種類V型6気筒
排気量2994cc
内径×行程84.5mm×89.0mm
単気筒容積499.1cc
ボアストローク比1.05
圧縮比10.5
燃焼室容積52.5cc
吸気方式スーパーチャージャー
使用燃料ハイオクガソリン
最高出力272PS/4780-6500rpm
最大トルク40.9kgm/2150-4780rpm

まず基本的な成り立ちとして、CTV型エンジンはボア(内径)84.5mm、ストローク(行程)89.0mm、ボアストローク比1.05のロングストローク型エンジン(ピストン径よりもストローク量のほうが大きい)です。

排気量と気筒数が同一の場合、ショートストローク型に比べて低回転域でのトルク特性に優れ、扱い易いエンジンとされますが、高回転域では充填効率の悪化や摺動抵抗が増大して出力の低下が懸念されます。

なおかつ回転数も同一の場合、ショートストローク型に比べて平均ピストンスピードが高くなりがちなことから、エンジンへの負荷が大きくなる傾向にあります。

1気筒あたりのシリンダー容積と圧縮比を使って燃焼室容積を計算してみますと、今回のCTV型エンジンの場合の計算式は499.1cc÷(10.5-1)となり、燃焼室容積は52.5ccになります。

過渡特性とリッター換算馬力から見た評価

エンジン性能曲線のイメージ
CTVのエンジン性能曲線図もどき
馬力の変遷122.8PS → 272PS
トルクの変遷40.9kgm → 30.0kgm
リッター馬力90.8PS/L
リッタートルク13.66kgm/L

今回の参考車両であるQ5のV型6気筒2994cc、圧縮比10.5でハイオクガソリン仕様のスーパーチャージャーエンジンは、4780-6500回転のとき最高出力272馬力を、2150-4780回転のとき最大トルク40.9kgmを発生させます。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力を知ることができますので計算してみますと、最大トルクが発生する2150回転での馬力は122.8PS、最高出力が発生する6500回転でのトルクは30.0kgmになります。

排気量1リットルあたりの馬力は90.8PS/L、トルクは13.66kgm/Lとなり、1気筒(単気筒容積499.1cc)あたりの出力は45.3PS、6.8kgmです。

排気量1リットルあたりの馬力が90.8PS/L、トルクが13.66kgm/LであるCTV型のスーパーチャージャーエンジンを、このサイトで登録している全てのターボ車から集計した偏差値ベースの10段階評価に当てはめると、評価は換算馬力が[ 5 ]、換算トルクが[ 5 ]の「標準的な出力(中の下)のエンジン」にカテゴライズされます。


排気量アップと圧縮比の上昇、ボアストローク比の変化

ノーマルの排気量と圧縮比
BoreStroke排気量圧縮比B/S比
84.5mm89.0mm2994cc10.51.05
ボアアップによる排気量アップ
85.0mm89.0mm3030cc10.621.05
85.5mm3066cc10.731.04
86.0mm3102cc10.851.03
86.5mm3138cc10.961.03
87.0mm3174cc11.081.02
87.5mm3211cc11.191.02

エンジンの排気量を決める要素には気筒数、ボア径、ストローク量の3つがあり、これらを増減することでさまざまな排気量のエンジンが生まれます。

ここでは実際に可能かどうかは別として、ピストン径を純正の84.5mmから0.5mm刻みで+3.0mmまで拡大(84.5mm→87.5mm)した場合の排気量と、燃焼室容積が変化しないと仮定した場合の圧縮比の変化を一覧表にしています。

圧縮比については、実際のところピストンが大径化するに伴ってピストン天面の凸凹容量も変化する場合が大半ですから、一覧表にある圧縮比の数値の通りにはなりませんが、排気量を大きくすると自ずと圧縮比も上昇しますよ、という雰囲気をご堪能ください。

B/S比はボアストローク比の略で、ボア径を広げていくとロングストローク型からスクエア型、あるいはショートストローク型の特性へと近付いていきます。CTV型エンジンの場合、純正ピストンから+3.0mmのボアアップをすると比は1.05から1.02に変化するという具合です。


平均ピストンスピード

ストローク最大トルク
2150rpm
最高出力
6500rpm
89.0mm6.4m/s19.3m/s
回転数/分秒速時速
2000rpm5.9m/s21.2km/h
4000rpm11.9m/s42.8km/h
6000rpm17.8m/s64.1km/h
8000rpm23.7m/s85.3km/h
10000rpm29.7m/s106.9km/h

続きまして平均ピストンスピードについて見てみます。ストロークが89.0mmのエンジンが最高出力を発生する6500回転での平均ピストンスピードは19.3m/sとなり、これは1秒間に19.3メートル(時速にすると69.5km/h)の距離を進む速さでピストンが上下運動していますよ、という意味です。

最大トルクを発生する2150回転では6.4m/s、最高出力が発生する6500回転より500回転高い7000回転をレブリミットと仮定したときの平均速度は20.8m/sとなっています。

参考までにストロークが89.0mmのCTV型エンジンを10000回転/毎分まで回したときのピストンスピードの変化を計算してみました。これを見ると回転数が2000回転高くなるごとに概ね5.95m/sずつ速度が増していくようです。

大量生産を前提とした一般的なエンジンの目安である20.0m/sのみを基準として考えると、高回転化の上限を(回るか回らないかは別として)6740回転くらいにするのが機械的にも精神的にも好ましそうです。


CTV型のエンジンを搭載する車種の例

メーカー
車両型式
イメージ車名&グレード
記事リンク
出力
燃費
吸気 [駆動系]
車体形状 定員
アウディ
8RCTVF
Q5
3.0TFSI-Quattro
(2012/11)
272ps
40.9kgm
11.1kmL
SC [4WD/8AT]
SUV
5人乗り
[投稿日:2016/11/05]

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