VW CTH型エンジンの諸元と性能まとめ [直列4気筒1389cc]

ここではVWの1TCTHW型の初代ゴルフ トゥーラン [Cross-Touran] に搭載されているCTH型のターボ+スーパーチャージャーエンジンのデータを参考に、このエンジンが持つ特性や素性について調べてみます。

CTH型のターボ+スーパーチャージャーエンジン諸元


1TCTHW型 ゴルフ トゥーラン 主要諸元まとめ
車両型式DBA-1TCTHW
車名&グレードゴルフ トゥーラン
[Cross-Touran]
エンジン型式CTH
種類直列4気筒
排気量1389cc
内径×行程76.5mm×75.6mm
単気筒容積347.5cc
ボアストローク比0.99
圧縮比10.0
燃焼室容積38.6cc
吸気方式ターボ+スーパーチャージャー
使用燃料ハイオクガソリン
最高出力140PS/5600rpm
最大トルク22.4kgm/1250-4000rpm

まず基本的な成り立ちとして、CTH型エンジンはボア(内径)76.5mm、ストローク(行程)75.6mm、ボアストローク比0.99のショートストローク型エンジン(ストローク量よりもピストン径のほうが大きい)です。

排気量と気筒数が同一の場合、厳密に言えばボアとストロークが全くの同一でなければスクエア型を名乗ることは許されませんが、ここまでボアストローク比が1に近いのであれば「もうスクエア型にしてあげても良いじゃない!」という気もします。

これらのエンジンはショートストローク型、或いはロングストローク型の風味を残しつつ、その実はスクエア型に限りなく近い特性を持ちます。「やっぱこう、どうせなら低回転で粘って高回転でキレ
(省略されました・・全てを読むには ここ を押してください)

1気筒あたりのシリンダー容積と圧縮比を使って燃焼室容積を計算してみますと、今回のCTH型エンジンの場合の計算式は347.5cc÷(10.0-1)となり、燃焼室容積は38.6ccになります。

このサイトにて登録されている車種のうち、CTH型のターボ+スーパーチャージャーエンジンを搭載する最も古い車種は2004/04から発売された初代ゴルフ トゥーラン [2012/11]、最も新しい車種は2008/09から発売された初代ティグアン [2013/09]となっており、全部で3車種(NA車0台・ターボ車3台)が登録されています。

過渡特性とリッター換算馬力から見た評価

エンジン性能曲線のイメージ
CTHのエンジン性能曲線図もどき
馬力の変遷39.1PS → 140PS
トルクの変遷22.4kgm → 17.9kgm
リッター馬力100.8PS/L
リッタートルク16.13kgm/L

今回の参考車両であるゴルフ トゥーランの直列4気筒1389cc、圧縮比10.0でハイオクガソリン仕様のターボ+スーパーチャージャーエンジンは、5600回転のとき最高出力140馬力を、1250-4000回転のとき最大トルク22.4kgmを発生させます。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力を知ることができますので計算してみますと、最大トルクが発生する1250回転での馬力は39.1PS、最高出力が発生する5600回転でのトルクは17.9kgmになります。

排気量1リットルあたりの馬力は100.8PS/L、トルクは16.13kgm/Lとなり、1気筒(単気筒容積347.5cc)あたりの出力は35.0PS、5.6kgmです。

排気量1リットルあたりの馬力が100.8PS/L、トルクが16.13kgm/LであるCTH型のターボ+スーパーチャージャーエンジンを、このサイトで登録している全てのターボ車から集計した偏差値ベースの10段階評価に当てはめると、評価は換算馬力が[ 6 ]、換算トルクが[ 7 ]の「標準的な出力(中の上)のエンジン」にカテゴライズされます。


排気量アップと圧縮比の上昇、ボアストローク比の変化

ノーマルの排気量と圧縮比
BoreStroke排気量圧縮比B/S比
76.5mm75.6mm1389cc10.00.99
ボアアップによる排気量アップ
77.0mm75.6mm1408cc10.120.98
77.5mm1426cc10.250.98
78.0mm1445cc10.350.97
78.5mm1464cc10.480.96
79.0mm1482cc10.610.96
79.5mm1501cc10.720.95

エンジンの排気量を決める要素には気筒数、ボア径、ストローク量の3つがあり、これらを増減することでさまざまな排気量のエンジンが生まれます。

ここでは実際に可能かどうかは別として、ピストン径を純正の76.5mmから0.5mm刻みで+3.0mmまで拡大(76.5mm→79.5mm)した場合の排気量と、燃焼室容積が変化しないと仮定した場合の圧縮比の変化を一覧表にしています。

圧縮比については、実際のところピストンが大径化するに伴ってピストン天面の凸凹容量も変化する場合が大半ですから、一覧表にある圧縮比の数値の通りにはなりませんが、排気量を大きくすると自ずと圧縮比も上昇しますよ、という雰囲気をご堪能ください。

B/S比はボアストローク比の略で、ボア径を広げていくと0.99からさらに値は小さくなり、ショートストローク型の恩恵と弊害が顕著になっていきます。CTH型エンジンの場合、純正ピストンから+3.0mmのボアアップをすると比は0.99から0.95に変化するという具合です。


平均ピストンスピード

ストローク最大トルク
1250rpm
最高出力
5600rpm
75.6mm3.1m/s14.1m/s
回転数/分秒速時速
2000rpm5.0m/s18.0km/h
4000rpm10.1m/s36.4km/h
6000rpm15.1m/s54.4km/h
8000rpm20.2m/s72.7km/h
10000rpm25.2m/s90.7km/h

続きまして平均ピストンスピードについて見てみます。ストロークが75.6mmのエンジンが最高出力を発生する5600回転での平均ピストンスピードは14.1m/sとなり、これは1秒間に14.1メートル(時速にすると50.8km/h)の距離を進む速さでピストンが上下運動していますよ、という意味です。

最大トルクを発生する1250回転では3.1m/s、最高出力が発生する5600回転より500回転高い6100回転をレブリミットと仮定したときの平均速度は15.4m/sとなっています。

参考までにストロークが75.6mmのCTH型エンジンを10000回転/毎分まで回したときのピストンスピードの変化を計算してみました。これを見ると回転数が2000回転高くなるごとに概ね5.05m/sずつ速度が増していくようです。

大量生産を前提とした一般的なエンジンの目安である20.0m/sのみを基準として考えると、高回転化の上限を(回るか回らないかは別として)7940回転くらいにするのが機械的にも精神的にも好ましそうです。


CTH型のエンジンを搭載する車種の例

全3件をアクセスが多いものから順に表示しています。
メーカー
車両型式
イメージ車名&グレード
記事リンク
出力
燃費
吸気 [駆動系]
車体形状 定員
VW
1TCTHW
ゴルフ トゥーラン
Cross-Touran
(2012/11)
140ps
22.4kgm
14.0kmL
TS [FF/7AT]
ミニバン
7人乗り
VW
5NCTH
ティグアン
TSI Blue-Motion-Tech
(2012/11)
150ps
24.5kgm
14.6kmL
TS [FF/6AT]
SUV
5人乗り
VW
5NCTH
ティグアン
TSI R-Line
(2013/09)
160ps
24.5kgm
14.6kmL
TS [FF/6AT]
SUV
5人乗り
[投稿日:2016/11/04]

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