アウディ BUH型エンジンの諸元と性能まとめ [V型10気筒4991cc]

ここではアウディの4FBUHS型3代目RS6 アバント [Plus-Sport] に搭載されているBUH型のツインターボエンジンのデータを参考に、このエンジンが持つ特性や素性について調べてみます。

BUH型のツインターボエンジン諸元


4FBUHS型 RS6 アバント 主要諸元まとめ
車両型式ABA-4FBUHS
車名&グレードRS6 アバント
[Plus-Sport]
エンジン型式BUH
種類V型10気筒
排気量4991cc
内径×行程84.5mm×89.0mm
単気筒容積499.1cc
ボアストローク比1.05
吸気方式ツインターボ
使用燃料ハイオクガソリン
最高出力580PS/6250-6700rpm
最大トルク66.3kgm/1500-6250rpm

まず基本的な成り立ちとして、BUH型エンジンはボア(内径)84.5mm、ストローク(行程)89.0mm、ボアストローク比1.05のロングストローク型エンジン(ピストン径よりもストローク量のほうが大きい)です。

排気量と気筒数が同一の場合、ショートストローク型に比べて低回転域でのトルク特性に優れ、扱い易いエンジンとされますが、高回転域では充填効率の悪化や摺動抵抗が増大して出力の低下が懸念されます。

なおかつ回転数も同一の場合、ショートストローク型に比べて平均ピストンスピードが高くなりがちなことから、エンジンへの負荷が大きくなる傾向にあります。

このサイトにて登録されている車種のうち、BUH型のツインターボエンジンを搭載する最も古い車種は2008/06から発売された3代目RS6 アバント [2010/06]、最も新しい車種は2009/01から発売された3代目RS6 セダン [2009/08]となっており、全部で2車種(NA車0台・ターボ車2台)が登録されています。

過渡特性とリッター換算馬力から見た評価

エンジン性能曲線のイメージ
BUHのエンジン性能曲線図もどき
馬力の変遷138.8PS → 580PS
トルクの変遷66.3kgm → 62.0kgm
リッター馬力116.2PS/L
リッタートルク13.28kgm/L

今回の参考車両であるRS6 アバントのV型10気筒4991ccでハイオクガソリン仕様のツインターボエンジンは、6250-6700回転のとき最高出力580馬力を、1500-6250回転のとき最大トルク66.3kgmを発生させます。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力を知ることができますので計算してみますと、最大トルクが発生する1500回転での馬力は138.8PS、最高出力が発生する6700回転でのトルクは62.0kgmになります。

排気量1リットルあたりの馬力は116.2PS/L、トルクは13.28kgm/Lとなり、1気筒(単気筒容積499.1cc)あたりの出力は58.0PS、6.6kgmです。

排気量1リットルあたりの馬力が116.2PS/L、トルクが13.28kgm/LであるBUH型のツインターボエンジンを、このサイトで登録している全てのターボ車から集計した偏差値ベースの10段階評価に当てはめると、評価は換算馬力が[ 7 ]、換算トルクが[ 5 ]の「なかなかの高出力エンジン」にカテゴライズされます。


排気量アップと圧縮比の上昇、ボアストローク比の変化

ノーマルの排気量と圧縮比
BoreStroke排気量圧縮比B/S比
84.5mm89.0mm4991cc-1.05
ボアアップによる排気量アップ
85.0mm89.0mm5050cc-1.05
85.5mm5110cc-1.04
86.0mm5170cc-1.03
86.5mm5230cc-1.03
87.0mm5291cc-1.02
87.5mm5352cc-1.02

エンジンの排気量を決める要素には気筒数、ボア径、ストローク量の3つがあり、これらを増減することでさまざまな排気量のエンジンが生まれます。

ここでは実際に可能かどうかは別として、ピストン径を純正の84.5mmから0.5mm刻みで+3.0mmまで拡大(84.5mm→87.5mm)した場合の排気量と、燃焼室容積が変化しないと仮定した場合の圧縮比の変化を一覧表にしています。

B/S比はボアストローク比の略で、ボア径を広げていくとロングストローク型からスクエア型、あるいはショートストローク型の特性へと近付いていきます。BUH型エンジンの場合、純正ピストンから+3.0mmのボアアップをすると比は1.05から1.02に変化するという具合です。


平均ピストンスピード

ストローク最大トルク
1500rpm
最高出力
6700rpm
89.0mm4.5m/s19.9m/s
回転数/分秒速時速
2000rpm5.9m/s21.2km/h
4000rpm11.9m/s42.8km/h
6000rpm17.8m/s64.1km/h
8000rpm23.7m/s85.3km/h
10000rpm29.7m/s106.9km/h

続きまして平均ピストンスピードについて見てみます。ストロークが89.0mmのエンジンが最高出力を発生する6700回転での平均ピストンスピードは19.9m/sとなり、これは1秒間に19.9メートル(時速にすると71.6km/h)の距離を進む速さでピストンが上下運動していますよ、という意味です。

最大トルクを発生する1500回転では4.5m/s、最高出力が発生する6700回転より500回転高い7200回転をレブリミットと仮定したときの平均速度は21.4m/sとなっています。

参考までにストロークが89.0mmのBUH型エンジンを10000回転/毎分まで回したときのピストンスピードの変化を計算してみました。これを見ると回転数が2000回転高くなるごとに概ね5.95m/sずつ速度が増していくようです。

大量生産を前提とした一般的なエンジンの目安である20.0m/sのみを基準として考えると、高回転化の上限を(回るか回らないかは別として)6740回転くらいにするのが機械的にも精神的にも好ましそうです。


BUH型のエンジンを搭載する車種の例

全2件をアクセスが多いものから順に表示しています。
メーカー
車両型式
イメージ車名&グレード
記事リンク
出力
燃費
吸気 [駆動系]
車体形状 定員
アウディ
4FBUHS
RS6 アバント
Plus-Sport
(2010/06)
580ps
66.3kgm
-
TT [4WD/6AT]
ワゴン
5人乗り
アウディ
4FBUHS
RS6 セダン
BaseGrade
(2009/08)
580ps
66.3kgm
-
TT [4WD/6AT]
セダン
5人乗り
[投稿日:2016/11/05]

コメントは停止中です。