BMW B38K15A型エンジンの諸元と性能まとめ [直列3気筒+モーター1498cc]

ここではBMWの2Z15型の初代i8 [BaseGrade] に搭載されているB38K15A型のターボエンジンのデータを参考に、このエンジンが持つ特性や素性について調べてみます。

B38K15A型のターボエンジン諸元


2Z15型 i8 主要諸元まとめ
車両型式DLA-2Z15
車名&グレードi8
[BaseGrade]
エンジン型式B38K15A
種類直列3気筒+モーター
排気量1498cc
内径×行程82.0mm×94.6mm
単気筒容積499.6cc
ボアストローク比1.15
圧縮比9.5
燃焼室容積58.8cc
吸気方式ターボ
使用燃料ハイオクガソリン
最高出力231PS/5800rpm
最大トルク32.6kgm/3700rpm

まず基本的な成り立ちとして、B38K15型エンジンはボア(内径)82.0mm、ストローク(行程)94.6mm、ボアストローク比1.15のロングストローク型エンジン(ピストン径よりもストローク量のほうが大きい)です。

排気量と気筒数が同一の場合、ショートストローク型に比べて低回転域でのトルク特性に優れ、扱い易いエンジンとされますが、高回転域では充填効率の悪化や摺動抵抗が増大して出力の低下が懸念されます。

なおかつ回転数も同一の場合、ショートストローク型に比べて平均ピストンスピードが高くなりがちなことから、エンジンへの負荷が大きくなる傾向にあります。

1気筒あたりのシリンダー容積と圧縮比を使って燃焼室容積を計算してみますと、今回のB38K15A型エンジンの場合の計算式は499.6cc÷(9.5-1)となり、燃焼室容積は58.8ccになります。

過渡特性とリッター換算馬力から見た評価

エンジン性能曲線のイメージ
B38K15のエンジン性能曲線図もどき
馬力の変遷168.4PS → 231PS
トルクの変遷32.6kgm → 28.5kgm
リッター馬力154.2PS/L
リッタートルク21.76kgm/L

今回の参考車両であるi8の直列3気筒+モーター1498cc、圧縮比9.5でハイオクガソリン仕様のターボエンジンは、5800回転のとき最高出力231馬力を、3700回転のとき最大トルク32.6kgmを発生させます。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力を知ることができますので計算してみますと、最大トルクが発生する3700回転での馬力は168.4PS、最高出力が発生する5800回転でのトルクは28.5kgmになります。

排気量1リットルあたりの馬力は154.2PS/L、トルクは21.76kgm/Lとなり、1気筒(単気筒容積499.6cc)あたりの出力は77.0PS、10.9kgmです。

排気量1リットルあたりの馬力が154.2PS/L、トルクが21.76kgm/LであるB38K15型のターボエンジンを、このサイトで登録している全てのターボ車から集計した偏差値ベースの10段階評価に当てはめると、評価は換算馬力が[ 10 ]、換算トルクが[ 10 ]の「稀に見る高出力エンジン」にカテゴライズされます。


排気量アップと圧縮比の上昇、ボアストローク比の変化

ノーマルの排気量と圧縮比
BoreStroke排気量圧縮比B/S比
82.0mm94.6mm1498cc9.51.15
ボアアップによる排気量アップ
82.5mm94.6mm1517cc9.611.15
83.0mm1535cc9.711.14
83.5mm1554cc9.811.13
84.0mm1573cc9.911.13
84.5mm1591cc10.011.12
85.0mm1610cc10.131.11

エンジンの排気量を決める要素には気筒数、ボア径、ストローク量の3つがあり、これらを増減することでさまざまな排気量のエンジンが生まれます。

ここでは実際に可能かどうかは別として、ピストン径を純正の82.0mmから0.5mm刻みで+3.0mmまで拡大(82.0mm→85.0mm)した場合の排気量と、燃焼室容積が変化しないと仮定した場合の圧縮比の変化を一覧表にしています。

圧縮比については、実際のところピストンが大径化するに伴ってピストン天面の凸凹容量も変化する場合が大半ですから、一覧表にある圧縮比の数値の通りにはなりませんが、排気量を大きくすると自ずと圧縮比も上昇しますよ、という雰囲気をご堪能ください。

B/S比はボアストローク比の略で、ボア径を広げていくとロングストローク型からスクエア型、あるいはショートストローク型の特性へと近付いていきます。B38K15型エンジンの場合、純正ピストンから+3.0mmのボアアップをすると比は1.15から1.11に変化するという具合です。


平均ピストンスピード

ストローク最大トルク
3700rpm
最高出力
5800rpm
94.6mm11.7m/s18.3m/s
回転数/分秒速時速
2000rpm6.3m/s22.7km/h
4000rpm12.6m/s45.4km/h
6000rpm18.9m/s68.0km/h
8000rpm25.2m/s90.7km/h
10000rpm31.5m/s113.4km/h

続きまして平均ピストンスピードについて見てみます。ストロークが94.6mmのエンジンが最高出力を発生する5800回転での平均ピストンスピードは18.3m/sとなり、これは1秒間に18.3メートル(時速にすると65.9km/h)の距離を進む速さでピストンが上下運動していますよ、という意味です。

最大トルクを発生する3700回転では11.7m/s、最高出力が発生する5800回転より500回転高い6300回転をレブリミットと仮定したときの平均速度は19.9m/sとなっています。

参考までにストロークが94.6mmのB38K15型エンジンを10000回転/毎分まで回したときのピストンスピードの変化を計算してみました。これを見ると回転数が2000回転高くなるごとに概ね6.30m/sずつ速度が増していくようです。

大量生産を前提とした一般的なエンジンの目安である20.0m/sのみを基準として考えると、高回転化の上限を(回るか回らないかは別として)6340回転くらいにするのが機械的にも精神的にも好ましそうです。


B38K15A型のエンジンを搭載する車種の例

メーカー
車両型式
イメージ車名&グレード
記事リンク
出力
燃費
吸気 [駆動系]
車体形状 定員
BMW
2Z15
i8
BaseGrade
(2014/08)
231ps
32.6kgm
19.4kmL
TB [4WD/6AT]
クーペ
4人乗り
[投稿日:2016/11/04]

コメントは停止中です。