アルファロメオ AR32405型エンジンの諸元と性能まとめ [V型6気筒2492cc]

ここではアルファロメオの932AC型の初代アルファ156 [TI2.5 V6-24V] に搭載されているAR32405型の自然吸気エンジンのデータを参考に、このエンジンが持つ特性や素性について調べてみます。

AR32405型の自然吸気エンジン諸元


932AC型 アルファ156 主要諸元まとめ
車両型式GH-932AC
車名&グレードアルファ156
[TI2.5 V6-24V]
エンジン型式AR32405
種類V型6気筒
排気量2492cc
内径×行程88.0mm×68.3mm
単気筒容積415.4cc
ボアストローク比0.78
圧縮比10.3
燃焼室容積44.7cc
吸気方式自然吸気
使用燃料ハイオクガソリン
最高出力192PS/6300rpm
最大トルク22.2kgm/5000rpm

まず基本的な成り立ちとして、AR32405型エンジンはボア(内径)88.0mm、ストローク(行程)68.3mm、ボアストローク比0.78のショートストローク型エンジン(ストローク量よりもピストン径のほうが大きい)です。

排気量と気筒数が同一の場合、ロングストローク型に比べて低回転域でのトルク特性に劣り、扱いにくいエンジンとされるものの、高回転域では充填効率の向上や摺動抵抗の増大も(ロングストローク型に比べれば)軽微なことから出力の向上が見込まれます。

また同じ回転数でも平均ピストンスピードが抑えられることから、その分だけエンジンへの負荷は低減される傾向にあります。

1気筒あたりのシリンダー容積と圧縮比を使って燃焼室容積を計算してみますと、今回のAR32405型エンジンの場合の計算式は415.4cc÷(10.3-1)となり、燃焼室容積は44.7ccになります。

このサイトにて登録されている車種のうち、AR32405型の自然吸気エンジンを搭載する最も古い車種は1998/05から発売された初代アルファ156 [2004/04]、最も新しい車種は2002/09から発売された初代アルファ156 スポーツワゴン [2004/11]となっており、全部で3車種(NA車3台・ターボ車0台)が登録されています。

過渡特性とリッター換算馬力から見た評価

エンジン性能曲線のイメージ
AR32405のエンジン性能曲線図もどき
馬力の変遷155.0PS → 192PS
トルクの変遷22.2kgm → 21.8kgm
リッター馬力77.0PS/L
リッタートルク8.91kgm/L

今回の参考車両であるアルファ156のV型6気筒2492cc、圧縮比10.3でハイオクガソリン仕様の自然吸気エンジンは、6300回転のとき最高出力192馬力を、5000回転のとき最大トルク22.2kgmを発生させます。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力を知ることができますので計算してみますと、最大トルクが発生する5000回転での馬力は155.0PS、最高出力が発生する6300回転でのトルクは21.8kgmになります。

排気量1リットルあたりの馬力は77.0PS/L、トルクは8.91kgm/Lとなり、1気筒(単気筒容積415.4cc)あたりの出力は32.0PS、3.7kgmです。

排気量1リットルあたりの馬力が77.0PS/L、トルクが8.91kgm/LであるAR32405型の自然吸気エンジンを、このサイトで登録している全てのNA車から集計した偏差値ベースの10段階評価に当てはめると、評価は換算馬力が[ 6 ]、換算トルクが[ 4 ]の「標準的な出力(中の上)のエンジン」にカテゴライズされます。


排気量アップと圧縮比の上昇、ボアストローク比の変化

ノーマルの排気量と圧縮比
BoreStroke排気量圧縮比B/S比
88.0mm68.3mm2492cc10.30.78
ボアアップによる排気量アップ
88.5mm68.3mm2521cc10.400.77
89.0mm2549cc10.510.77
89.5mm2578cc10.620.76
90.0mm2607cc10.710.76
90.5mm2636cc10.820.75
91.0mm2665cc10.930.75

エンジンの排気量を決める要素には気筒数、ボア径、ストローク量の3つがあり、これらを増減することでさまざまな排気量のエンジンが生まれます。

ここでは実際に可能かどうかは別として、ピストン径を純正の88.0mmから0.5mm刻みで+3.0mmまで拡大(88.0mm→91.0mm)した場合の排気量と、燃焼室容積が変化しないと仮定した場合の圧縮比の変化を一覧表にしています。

圧縮比については、実際のところピストンが大径化するに伴ってピストン天面の凸凹容量も変化する場合が大半ですから、一覧表にある圧縮比の数値の通りにはなりませんが、排気量を大きくすると自ずと圧縮比も上昇しますよ、という雰囲気をご堪能ください。

B/S比はボアストローク比の略で、ボア径を広げていくと0.78からさらに値は小さくなり、ショートストローク型の恩恵と弊害が顕著になっていきます。AR32405型エンジンの場合、純正ピストンから+3.0mmのボアアップをすると比は0.78から0.75に変化するという具合です。


平均ピストンスピード

ストローク最大トルク
5000rpm
最高出力
6300rpm
68.3mm11.4m/s14.3m/s
回転数/分秒速時速
2000rpm4.6m/s16.6km/h
4000rpm9.1m/s32.8km/h
6000rpm13.7m/s49.3km/h
8000rpm18.2m/s65.5km/h
10000rpm22.8m/s82.1km/h

続きまして平均ピストンスピードについて見てみます。ストロークが68.3mmのエンジンが最高出力を発生する6300回転での平均ピストンスピードは14.3m/sとなり、これは1秒間に14.3メートル(時速にすると51.5km/h)の距離を進む速さでピストンが上下運動していますよ、という意味です。

最大トルクを発生する5000回転では11.4m/s、最高出力が発生する6300回転より500回転高い6800回転をレブリミットと仮定したときの平均速度は15.5m/sとなっています。

参考までにストロークが68.3mmのAR32405型エンジンを10000回転/毎分まで回したときのピストンスピードの変化を計算してみました。これを見ると回転数が2000回転高くなるごとに概ね4.55m/sずつ速度が増していくようです。

大量生産を前提とした一般的なエンジンの目安である20.0m/sのみを基準として考えると、高回転化の上限を(回るか回らないかは別として)8780回転くらいにするのが機械的にも精神的にも好ましそうです。


AR32405型のエンジンを搭載する車種の例

全3件をアクセスが多いものから順に表示しています。
メーカー
車両型式
イメージ車名&グレード
記事リンク
出力
燃費
吸気 [駆動系]
車体形状 定員
アルファロメオ
932AC
アルファ156
TI2.5 V6-24V
(2004/04)
192ps
22.2kgm
-
NA [FF/6MT]
セダン
5人乗り
アルファロメオ
932BW
アルファ156 スポーツワゴン
TI2.5 V6-24V Q-system
(2004/11)
192ps
22.2kgm
-
NA [FF/4AT]
ワゴン
5人乗り
アルファロメオ
932AC
アルファ156
TI2.5 V6-24V Q-system
(2004/11)
192ps
22.2kgm
-
NA [FF/4AT]
セダン
5人乗り
[投稿日:2016/11/05]

コメントは停止中です。