アルファロメオ:670050436型エンジンの諸元と性能まとめ [V型6気筒2891cc]

ここではアルファロメオの95229型2代目ジュリア [Quadrifoglio] に搭載されている670050436型のツインターボエンジンのデータを参考に、このエンジンが持つ特性や素性について調べてみます。

670050436型のツインターボエンジン諸元


95229型 ジュリア 主要諸元まとめ
車両型式 ABA-95229
車名&グレード ジュリア
Quadrifoglio
エンジン型式 670050436
種類 V型6気筒
排気量 2891cc
内径×行程 86.5mm×82.0mm
ボアストローク比 0.95
圧縮比 9.3
吸気方式 ツインターボ
使用燃料 ハイオクガソリン
最高出力 510PS/6500rpm
最大トルク 61.2kgm/2550rpm

まず基本的な成り立ちとして、670050436型エンジンはボア(内径)86.5mm、ストローク(行程)82.0mm、ボアストローク比0.95のショートストローク型エンジン(ストローク量よりもピストン径のほうが大きい)です。

排気量と気筒数が同一の場合、ロングストローク型に比べて低回転域でのトルク特性に劣り、扱いにくいエンジンとされるものの、高回転域では充填効率の向上や摺動抵抗の増大も(ロングストローク型に比べれば)軽微なことから出力の向上が見込まれます。

また同じ回転数でも平均ピストンスピードが抑えられることから、その分だけエンジンへの負荷は低減される傾向にあります。

過渡特性とリッター換算馬力から見た評価

エンジン性能曲線のイメージ
670050436のエンジン性能曲線図もどき
馬力の変遷217.9PS → 510PS
トルクの変遷61.2kgm → 56.2kgm
リッター馬力176.4PS/L
リッタートルク21.17kgm/L

今回の参考車両であるジュリアのV型6気筒2891cc、圧縮比9.3でハイオクガソリン仕様のツインターボエンジンは、6500回転のとき最高出力510馬力を、6500回転のとき最大トルク61.2kgmを発生させます。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力を知ることができますので計算してみますと、最大トルクが発生する2550回転での馬力は217.9PS、最高出力が発生する6500回転でのトルクは56.2kgmになります。

排気量1リットルあたりの馬力は176.4PS/L、トルクは21.17kgm/Lとなり、1気筒(単気筒容積481.9cc)あたりの出力は85.0PS、10.2kgmです。

排気量1リットルあたりの馬力が176.4PS/L、トルクが21.17kgm/Lである670050436型のツインターボエンジンを、このサイトで登録している全てのターボ車から集計した偏差値ベースの10段階評価に当てはめると、評価は換算馬力が[ 10 ]、換算トルクが[ 10 ]の「稀に見る高出力エンジン」にカテゴライズされます。


排気量アップと圧縮比の上昇、ボアストローク比の変化

ノーマルの排気量と圧縮比
BoreStroke排気量圧縮比B/S比
86.5mm82.0mm2891cc9.30.95
ボアアップによる排気量拡大
87.0mm82.0mm2925cc9.40.94
87.5mm2958cc9.50.94
88.0mm2992cc9.60.93
88.5mm3026cc9.70.93
89.0mm3061cc9.80.92
89.5mm3095cc9.90.92
ストロークアップによる排気量拡大
86.5mm83.0mm2926cc9.40.96
84.0mm2962cc9.50.97
85.0mm2997cc9.60.98
86.0mm3032cc9.70.99
87.0mm3067cc9.81.01

エンジンの排気量を決める要素には気筒数、ボア径、ストローク量の3つがあり、これらを増減することでさまざまな排気量のエンジンが生まれます。

ここでは実際に可能かどうかは別として、ピストン径を純正の86.5mmから0.5mm刻みで+3.0mmまで拡大(86.5mm→89.5mm)した場合および、ストロークを純正の82.0mmから1mm刻みで+5.0mmまで延長(82.0mm→87.0mm)した場合の排気量と、燃焼室容積が変化しないと仮定した場合の圧縮比の変化を一覧表にしています。

※ストロークアップと口で言うのは簡単なのですが、ロングストローク化するにあたってはクランクシャフトおよび対応コンロッドが必要になり、純正流用できない場合はワンオフで作らなければならないなど、とにかくお高く付きますので、手を出すには相当の覚悟を求められるメニューです。

圧縮比については、実際のところピストンが大径化するに伴ってピストン天面の凸凹容量も変化する場合が大半ですから、一覧表にある圧縮比の数値の通りにはなりませんが、排気量を大きくすると自ずと圧縮比も上昇しますよ、という雰囲気をご堪能ください。

B/S比はボアストローク比の略で、ボア径を広げていくと0.95からさらに値は小さくなり、ショートストローク型の恩恵と弊害が顕著になっていきます。670050436型エンジンの場合、純正ピストンから+3.0mmのボアアップをすると比は0.95から0.92に変化するという具合です。


平均ピストンスピード

ストローク 最大トルク
2550rpm
最高出力
6500rpm
82.0mm 7.0m/s 17.8m/s
回転数/分 秒速 時速
2000rpm 5.5m/s 19.8km/h
4000rpm 10.9m/s 39.2km/h
6000rpm 16.4m/s 59.0km/h
8000rpm 21.9m/s 78.8km/h
10000rpm 27.3m/s 98.3km/h

続きまして平均ピストンスピードについて見てみます。ストロークが82.0mmのエンジンが最高出力を発生する6500回転での平均ピストンスピードは17.8m/sとなり、これは1秒間に17.8メートル(時速にすると64.1km/h)の距離を進む速さでピストンが上下運動していますよ、という意味です。

最大トルクを発生する2550回転では7.0m/s、最高出力が発生する6500回転より500回転高い7000回転をレブリミットと仮定したときの平均速度は19.1m/sとなっています。

参考までにストロークが82.0mmの670050436型エンジンを10000回転/毎分まで回したときのピストンスピードの変化を計算してみました。これを見ると回転数が2000回転高くなるごとに概ね5.45m/sずつ速度が増していくようです。

大量生産を前提とした一般的なエンジンの目安である20.0m/sのみを基準として考えると、高回転化の上限を(回るか回らないかは別として)7320回転くらいにするのが機械的にも精神的にも好ましそうです。


670050436型のエンジンを搭載する車種の例

メーカー
車両型式
イメージ 車名&グレード
記事リンク
出力
燃費
吸気 [駆動系]
車体形状 定員
アルファロメオ
95229
ジュリア
Quadrifoglio
(2017/10)
510PS
61.2kgm
-
TT [FR/8AT]
セダン
4人乗り
[投稿日:2017/10/15]

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