アウディ ABC型エンジンの諸元と性能まとめ [V型6気筒2597cc]

ここではアウディの8DABC型2代目A4 [2.6] に搭載されているABC型の自然吸気エンジンのデータを参考に、このエンジンが持つ特性や素性について調べてみます。

ABC型の自然吸気エンジン諸元


8DABC型 A4 主要諸元まとめ
車両型式E-8DABC
車名&グレードA4
[2.6]
エンジン型式ABC
種類V型6気筒
排気量2597cc
内径×行程82.5mm×81.0mm
単気筒容積433.0cc
ボアストローク比0.98
圧縮比10.0
燃焼室容積48.1cc
吸気方式自然吸気
使用燃料ハイオクガソリン
最高出力150PS/5500rpm
最大トルク22.9kgm/3500rpm

まず基本的な成り立ちとして、ABC型エンジンはボア(内径)82.5mm、ストローク(行程)81.0mm、ボアストローク比0.98のショートストローク型エンジン(ストローク量よりもピストン径のほうが大きい)です。

排気量と気筒数が同一の場合、厳密に言えばボアとストロークが全くの同一でなければスクエア型を名乗ることは許されませんが、ここまでボアストローク比が1に近いのであれば「もうスクエア型にしてあげても良いじゃない!」という気もします。

これらのエンジンはショートストローク型、或いはロングストローク型の風味を残しつつ、その実はスクエア型に限りなく近い特性を持ちます。「やっぱこう、どうせなら低回転で粘って高回転でキレ
(省略されました・・全てを読むには ここ を押してください)

1気筒あたりのシリンダー容積と圧縮比を使って燃焼室容積を計算してみますと、今回のABC型エンジンの場合の計算式は433.0cc÷(10.0-1)となり、燃焼室容積は48.1ccになります。

このサイトにて登録されている車種のうち、ABC型の自然吸気エンジンを搭載する最も古い車種は1992/02から発売された4代目80 [1994/10]、最も新しい車種は1996/10から発売された2代目A4アバント [1996/10]となっており、全部で7車種(NA車7台・ターボ車0台)が登録されています。

過渡特性とリッター換算馬力から見た評価

エンジン性能曲線のイメージ
ABCのエンジン性能曲線図もどき
馬力の変遷111.9PS → 150PS
トルクの変遷22.9kgm → 19.5kgm
リッター馬力57.8PS/L
リッタートルク8.82kgm/L

今回の参考車両であるA4のV型6気筒2597cc、圧縮比10.0でハイオクガソリン仕様の自然吸気エンジンは、5500回転のとき最高出力150馬力を、3500回転のとき最大トルク22.9kgmを発生させます。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力を知ることができますので計算してみますと、最大トルクが発生する3500回転での馬力は111.9PS、最高出力が発生する5500回転でのトルクは19.5kgmになります。

排気量1リットルあたりの馬力は57.8PS/L、トルクは8.82kgm/Lとなり、1気筒(単気筒容積433.0cc)あたりの出力は25.0PS、3.8kgmです。

排気量1リットルあたりの馬力が57.8PS/L、トルクが8.82kgm/LであるABC型の自然吸気エンジンを、このサイトで登録している全てのNA車から集計した偏差値ベースの10段階評価に当てはめると、評価は換算馬力が[ 3 ]、換算トルクが[ 4 ]の「控えめな出力のエンジン」にカテゴライズされます。


排気量アップと圧縮比の上昇、ボアストローク比の変化

ノーマルの排気量と圧縮比
BoreStroke排気量圧縮比B/S比
82.5mm81.0mm2597cc10.00.98
ボアアップによる排気量アップ
83.0mm81.0mm2629cc10.110.98
83.5mm2661cc10.230.97
84.0mm2693cc10.330.96
84.5mm2725cc10.440.96
85.0mm2758cc10.560.95
85.5mm2790cc10.670.95

エンジンの排気量を決める要素には気筒数、ボア径、ストローク量の3つがあり、これらを増減することでさまざまな排気量のエンジンが生まれます。

ここでは実際に可能かどうかは別として、ピストン径を純正の82.5mmから0.5mm刻みで+3.0mmまで拡大(82.5mm→85.5mm)した場合の排気量と、燃焼室容積が変化しないと仮定した場合の圧縮比の変化を一覧表にしています。

圧縮比については、実際のところピストンが大径化するに伴ってピストン天面の凸凹容量も変化する場合が大半ですから、一覧表にある圧縮比の数値の通りにはなりませんが、排気量を大きくすると自ずと圧縮比も上昇しますよ、という雰囲気をご堪能ください。

B/S比はボアストローク比の略で、ボア径を広げていくと0.98からさらに値は小さくなり、ショートストローク型の恩恵と弊害が顕著になっていきます。ABC型エンジンの場合、純正ピストンから+3.0mmのボアアップをすると比は0.98から0.95に変化するという具合です。


平均ピストンスピード

ストローク最大トルク
3500rpm
最高出力
5500rpm
81.0mm9.5m/s14.9m/s
回転数/分秒速時速
2000rpm5.4m/s19.4km/h
4000rpm10.8m/s38.9km/h
6000rpm16.2m/s58.3km/h
8000rpm21.6m/s77.8km/h
10000rpm27.0m/s97.2km/h

続きまして平均ピストンスピードについて見てみます。ストロークが81.0mmのエンジンが最高出力を発生する5500回転での平均ピストンスピードは14.8m/sとなり、これは1秒間に14.8メートル(時速にすると53.3km/h)の距離を進む速さでピストンが上下運動していますよ、という意味です。

最大トルクを発生する3500回転では9.5m/s、最高出力が発生する5500回転より500回転高い6000回転をレブリミットと仮定したときの平均速度は16.2m/sとなっています。

参考までにストロークが81.0mmのABC型エンジンを10000回転/毎分まで回したときのピストンスピードの変化を計算してみました。これを見ると回転数が2000回転高くなるごとに概ね5.40m/sずつ速度が増していくようです。

大量生産を前提とした一般的なエンジンの目安である20.0m/sのみを基準として考えると、高回転化の上限を(回るか回らないかは別として)7410回転くらいにするのが機械的にも精神的にも好ましそうです。


ABC型のエンジンを搭載する車種の例

全7件をアクセスが多いものから順に表示しています。
メーカー
車両型式
イメージ車名&グレード
記事リンク
出力
燃費
吸気 [駆動系]
車体形状 定員
アウディ
8DABC
A4
2.6
(1996/10)
150ps
22.9kgm
8.7kmL
NA [FF/5AT]
セダン
5人乗り
アウディ
8DABC
A4アバント
2.6
(1996/10)
150ps
22.9kgm
8.7kmL
NA [FF/5AT]
ワゴン
5人乗り
アウディ
4AABC
A6
2.6
(1996/10)
150ps
22.9kgm
7.9kmL
NA [FF/4AT]
セダン
5人乗り
アウディ
8CABC
80アバント
2.6E B4
(1994/10)
150ps
22.9kgm
8.4kmL
NA [FF/4AT]
ワゴン
5人乗り
アウディ
8CABC
80
2.6E Sport B4
(1994/10)
150ps
22.9kgm
8.4kmL
NA [FF/4AT]
セダン
5人乗り
アウディ
4AABC
A6アバント
2.6
(1996/10)
150ps
22.9kgm
7.9kmL
NA [FF/4AT]
ワゴン
5人乗り
アウディ
8GABCK
カブリオレ
2.6E
(1995/10)
150ps
22.9kgm
8.4kmL
NA [FF/4AT]
オープンカー
4人乗り
[投稿日:2016/11/05]

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