アルファロメオ 939A型エンジンの諸元と性能まとめ [V型6気筒3195cc]

ここではアルファロメオの93932型の初代アルファ159 [3.2-JTS Q4 Q-TRONIC TI] に搭載されている939A型の自然吸気エンジンのデータを参考に、このエンジンが持つ特性や素性について調べてみます。

939A型の自然吸気エンジン諸元


93932型 アルファ159 主要諸元まとめ
車両型式ABA-93932
車名&グレードアルファ159
[3.2-JTS Q4 Q-TRONIC TI]
エンジン型式939A
種類V型6気筒
排気量3195cc
内径×行程89.0mm×85.6mm
単気筒容積532.5cc
ボアストローク比0.96
圧縮比11.3
燃焼室容積51.7cc
吸気方式自然吸気
使用燃料ハイオクガソリン
最高出力260PS/6300rpm
最大トルク32.8kgm/4500rpm

まず基本的な成り立ちとして、939A型エンジンはボア(内径)89.0mm、ストローク(行程)85.6mm、ボアストローク比0.96のショートストローク型エンジン(ストローク量よりもピストン径のほうが大きい)です。

排気量と気筒数が同一の場合、ロングストローク型に比べて低回転域でのトルク特性に劣り、扱いにくいエンジンとされるものの、高回転域では充填効率の向上や摺動抵抗の増大も(ロングストローク型に比べれば)軽微なことから出力の向上が見込まれます。

また同じ回転数でも平均ピストンスピードが抑えられることから、その分だけエンジンへの負荷は低減される傾向にあります。

1気筒あたりのシリンダー容積と圧縮比を使って燃焼室容積を計算してみますと、今回の939A型エンジンの場合の計算式は532.5cc÷(11.3-1)となり、燃焼室容積は51.7ccになります。

このサイトにて登録されている車種のうち、939A型の自然吸気エンジンを搭載する最も古い車種は2006/02から発売された初代アルファ159 [2008/11]、最も新しい車種は2007/04から発売された初代アルファ159 スポーツワゴン [2008/11]となっており、全部で7車種(NA車7台・ターボ車0台)が登録されています。

過渡特性とリッター換算馬力から見た評価

エンジン性能曲線のイメージ
939Aのエンジン性能曲線図もどき
馬力の変遷206.0PS → 260PS
トルクの変遷32.8kgm → 29.6kgm
リッター馬力81.4PS/L
リッタートルク10.27kgm/L

今回の参考車両であるアルファ159のV型6気筒3195cc、圧縮比11.3でハイオクガソリン仕様の自然吸気エンジンは、6300回転のとき最高出力260馬力を、4500回転のとき最大トルク32.8kgmを発生させます。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力を知ることができますので計算してみますと、最大トルクが発生する4500回転での馬力は206.0PS、最高出力が発生する6300回転でのトルクは29.6kgmになります。

排気量1リットルあたりの馬力は81.4PS/L、トルクは10.27kgm/Lとなり、1気筒(単気筒容積532.5cc)あたりの出力は43.3PS、5.5kgmです。

排気量1リットルあたりの馬力が81.4PS/L、トルクが10.27kgm/Lである939A型の自然吸気エンジンを、このサイトで登録している全てのNA車から集計した偏差値ベースの10段階評価に当てはめると、評価は換算馬力が[ 7 ]、換算トルクが[ 8 ]の「なかなかの高出力エンジン」にカテゴライズされます。


排気量アップと圧縮比の上昇、ボアストローク比の変化

ノーマルの排気量と圧縮比
BoreStroke排気量圧縮比B/S比
89.0mm85.6mm3195cc11.30.96
ボアアップによる排気量アップ
89.5mm85.6mm3231cc11.430.96
90.0mm3267cc11.540.95
90.5mm3304cc11.660.95
91.0mm3340cc11.770.94
91.5mm3377cc11.890.94
92.0mm3414cc12.010.93

エンジンの排気量を決める要素には気筒数、ボア径、ストローク量の3つがあり、これらを増減することでさまざまな排気量のエンジンが生まれます。

ここでは実際に可能かどうかは別として、ピストン径を純正の89.0mmから0.5mm刻みで+3.0mmまで拡大(89.0mm→92.0mm)した場合の排気量と、燃焼室容積が変化しないと仮定した場合の圧縮比の変化を一覧表にしています。

圧縮比については、実際のところピストンが大径化するに伴ってピストン天面の凸凹容量も変化する場合が大半ですから、一覧表にある圧縮比の数値の通りにはなりませんが、排気量を大きくすると自ずと圧縮比も上昇しますよ、という雰囲気をご堪能ください。

B/S比はボアストローク比の略で、ボア径を広げていくと0.96からさらに値は小さくなり、ショートストローク型の恩恵と弊害が顕著になっていきます。939A型エンジンの場合、純正ピストンから+3.0mmのボアアップをすると比は0.96から0.93に変化するという具合です。


平均ピストンスピード

ストローク最大トルク
4500rpm
最高出力
6300rpm
85.6mm12.8m/s18.0m/s
回転数/分秒速時速
2000rpm5.7m/s20.5km/h
4000rpm11.4m/s41.0km/h
6000rpm17.1m/s61.6km/h
8000rpm22.8m/s82.1km/h
10000rpm28.5m/s102.6km/h

続きまして平均ピストンスピードについて見てみます。ストロークが85.6mmのエンジンが最高出力を発生する6300回転での平均ピストンスピードは18.0m/sとなり、これは1秒間に18.0メートル(時速にすると64.8km/h)の距離を進む速さでピストンが上下運動していますよ、という意味です。

最大トルクを発生する4500回転では12.8m/s、最高出力が発生する6300回転より500回転高い6800回転をレブリミットと仮定したときの平均速度は19.4m/sとなっています。

参考までにストロークが85.6mmの939A型エンジンを10000回転/毎分まで回したときのピストンスピードの変化を計算してみました。これを見ると回転数が2000回転高くなるごとに概ね5.70m/sずつ速度が増していくようです。

大量生産を前提とした一般的なエンジンの目安である20.0m/sのみを基準として考えると、高回転化の上限を(回るか回らないかは別として)7010回転くらいにするのが機械的にも精神的にも好ましそうです。


939A型のエンジンを搭載する車種の例

全7件をアクセスが多いものから順に表示しています。
メーカー
車両型式
イメージ車名&グレード
記事リンク
出力
燃費
吸気 [駆動系]
車体形状 定員
アルファロメオ
93932
アルファ159
3.2-JTS Q4 Q-TRONIC TI
(2008/11)
260ps
32.8kgm
-
NA [4WD/6AT]
セダン
5人乗り
アルファロメオ
93932S
アルファブレラ
3.2-JTS Q4
(2008/08)
260ps
32.8kgm
-
NA [4WD/6MT]
クーペ
4人乗り
アルファロメオ
93932S
アルファスパイダー
3.2-JTS Q4 Q-Tronic Distinctive
(2011/01)
260ps
32.8kgm
-
NA [4WD/6AT]
オープンカー
2人乗り
アルファロメオ
93932
アルファ159
3.2-JTS Q4
(2008/08)
260ps
32.8kgm
-
NA [4WD/6MT]
セダン
5人乗り
アルファロメオ
93932
アルファ159 スポーツワゴン
3.2-JTS Q-TRONIC TI
(2008/11)
260ps
32.8kgm
-
NA [4WD/6AT]
ワゴン
5人乗り
アルファロメオ
93932S
アルファスパイダー
3.2-JTS Q4 Distinctive
(2009/11)
260ps
32.8kgm
-
NA [4WD/6MT]
オープンカー
2人乗り
アルファロメオ
93932S
アルファブレラ
3.2-JTS Q4 Q-Tronic
(2009/09)
260ps
32.8kgm
-
NA [4WD/6AT]
クーペ
4人乗り
[投稿日:2016/11/05]

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