三菱 6G72型NAエンジンの諸元と性能まとめ [V型6気筒2972cc]

ここでは三菱のD53A型3代目エクリプス スパイダー [GTS] に搭載されている6G72型の自然吸気エンジンのデータを参考に、このエンジンが持つ特性や素性について調べてみます。

関連:6G72型 ターボ/SCエンジン 諸元と性能まとめ

6G72型の自然吸気エンジン諸元


D53A型 エクリプス スパイダー 主要諸元まとめ
車両型式TA-D53A
車名&グレードエクリプス スパイダー
[GTS]
エンジン型式6G72
種類V型6気筒
排気量2972cc
内径×行程91.1mm×76.0mm
単気筒容積495.4cc
ボアストローク比0.83
圧縮比10.0
燃焼室容積55.0cc
吸気方式自然吸気
使用燃料ハイオクガソリン
最高出力196PS/5750rpm
最大トルク27.2kgm/4250rpm

まず基本的な成り立ちとして、6G72型エンジンはボア(内径)91.1mm、ストローク(行程)76.0mm、ボアストローク比0.83のショートストローク型エンジン(ストローク量よりもピストン径のほうが大きい)です。

排気量と気筒数が同一の場合、ロングストローク型に比べて低回転域でのトルク特性に劣り、扱いにくいエンジンとされるものの、高回転域では充填効率の向上や摺動抵抗の増大も(ロングストローク型に比べれば)軽微なことから出力の向上が見込まれます。

また同じ回転数でも平均ピストンスピードが抑えられることから、その分だけエンジンへの負荷は低減される傾向にあります。

1気筒あたりのシリンダー容積と圧縮比を使って燃焼室容積を計算してみますと、今回の6G72型エンジンの場合の計算式は495.4cc÷(10.0-1)となり、燃焼室容積は55.0ccになります。

このサイトにて登録されている車種のうち、6G72型の自然吸気エンジンを搭載する最も古い車種は1983/09から発売された3代目エテルナシグマ [1989/05]、最も新しい車種は2006/10から発売された4代目パジェロ [2010/09]となっており、全部で33車種(NA車30台・ターボ車3台)が登録されています。

過渡特性とリッター換算馬力から見た評価

エンジン性能曲線のイメージ
6G72のエンジン性能曲線図もどき
馬力の変遷161.4PS → 196PS
トルクの変遷27.2kgm → 24.4kgm
リッター馬力65.9PS/L
リッタートルク9.15kgm/L

今回の参考車両であるエクリプス スパイダーのV型6気筒2972cc、圧縮比10.0でハイオクガソリン仕様の自然吸気エンジンは、5750回転のとき最高出力196馬力を、4250回転のとき最大トルク27.2kgmを発生させます。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力を知ることができますので計算してみますと、最大トルクが発生する4250回転での馬力は161.4PS、最高出力が発生する5750回転でのトルクは24.4kgmになります。

排気量1リットルあたりの馬力は65.9PS/L、トルクは9.15kgm/Lとなり、1気筒(単気筒容積495.4cc)あたりの出力は32.7PS、4.5kgmです。

排気量1リットルあたりの馬力が65.9PS/L、トルクが9.15kgm/Lである6G72型の自然吸気エンジンを、このサイトで登録している全てのNA車から集計した偏差値ベースの10段階評価に当てはめると、評価は換算馬力が[ 5 ]、換算トルクが[ 5 ]の「標準的な出力(中の下)のエンジン」にカテゴライズされます。


排気量アップと圧縮比の上昇、ボアストローク比の変化

ノーマルの排気量と圧縮比
BoreStroke排気量圧縮比B/S比
91.1mm76.0mm2972cc10.00.83
ボアアップによる排気量アップ
91.6mm76.0mm3005cc10.110.83
92.1mm3038cc10.200.83
92.6mm3071cc10.310.82
93.1mm3104cc10.400.82
93.6mm3138cc10.510.81
94.1mm3171cc10.620.81

エンジンの排気量を決める要素には気筒数、ボア径、ストローク量の3つがあり、これらを増減することでさまざまな排気量のエンジンが生まれます。

ここでは実際に可能かどうかは別として、ピストン径を純正の91.1mmから0.5mm刻みで+3.0mmまで拡大(91.1mm→94.1mm)した場合の排気量と、燃焼室容積が変化しないと仮定した場合の圧縮比の変化を一覧表にしています。

圧縮比については、実際のところピストンが大径化するに伴ってピストン天面の凸凹容量も変化する場合が大半ですから、一覧表にある圧縮比の数値の通りにはなりませんが、排気量を大きくすると自ずと圧縮比も上昇しますよ、という雰囲気をご堪能ください。

B/S比はボアストローク比の略で、ボア径を広げていくと0.83からさらに値は小さくなり、ショートストローク型の恩恵と弊害が顕著になっていきます。6G72型エンジンの場合、純正ピストンから+3.0mmのボアアップをすると比は0.83から0.81に変化するという具合です。


平均ピストンスピード

ストローク最大トルク
4250rpm
最高出力
5750rpm
76.0mm10.8m/s14.6m/s
回転数/分秒速時速
2000rpm5.1m/s18.4km/h
4000rpm10.1m/s36.4km/h
6000rpm15.2m/s54.7km/h
8000rpm20.3m/s73.1km/h
10000rpm25.3m/s91.1km/h

続きまして平均ピストンスピードについて見てみます。ストロークが76.0mmのエンジンが最高出力を発生する5750回転での平均ピストンスピードは14.6m/sとなり、これは1秒間に14.6メートル(時速にすると52.6km/h)の距離を進む速さでピストンが上下運動していますよ、という意味です。

最大トルクを発生する4250回転では10.8m/s、最高出力が発生する5750回転より500回転高い6250回転をレブリミットと仮定したときの平均速度は15.8m/sとなっています。

参考までにストロークが76.0mmの6G72型エンジンを10000回転/毎分まで回したときのピストンスピードの変化を計算してみました。これを見ると回転数が2000回転高くなるごとに概ね5.05m/sずつ速度が増していくようです。

大量生産を前提とした一般的なエンジンの目安である20.0m/sのみを基準として考えると、高回転化の上限を(回るか回らないかは別として)7890回転くらいにするのが機械的にも精神的にも好ましそうです。


6G72型のNAエンジンを搭載する車種の例

全30件のうち、アクセスが多いものから順に上位10車種までを表示しています。
メーカー
車両型式
イメージ車名&グレード
記事リンク
出力
燃費
吸気 [駆動系]
車体形状 定員
三菱
D53A
エクリプス スパイダー
GTS
(2004/10)
196ps
27.2kgm
9.2kmL
NA [FF/4AT]
オープンカー
4人乗り
三菱
PD6W
デリカ スペースギア
Chamonix
(2005/11)
185ps
27.0kgm
7.7kmL
NA [4WD/4AT]
ミニバン
8人乗り
三菱
V93W
パジェロ
Long-GR
(2010/09)
178ps
26.6kgm
8.6kmL
NA [4WD/5MT]
SUV
7人乗り
三菱
V73W
パジェロ
Long-ZR
(2005/11)
180ps
27.0kgm
8.5kmL
NA [4WD/5MT]
SUV
7人乗り
三菱
Z15A
GTO
SR
(1998/08)
225ps
28.0kgm
9.2kmL
NA [4WD/5MT]
クーペ
4人乗り
三菱
V83W
パジェロ
Short VR-I
(2010/09)
178ps
26.6kgm
8.7kmL
NA [4WD/5MT]
SUV
5人乗り
三菱
PF6W
デリカ スペースギア
Long SuperExceed
(2004/04)
185ps
27.0kgm
7.3kmL
NA [4WD/4AT]
ミニバン
7人乗り
三菱
Z15A
GTO
SR
(1998/08)
225ps
28.0kgm
7.9kmL
NA [4WD/4AT]
クーペ
4人乗り
三菱
V63W
パジェロ
Short-ZR
(2005/11)
180ps
27.0kgm
8.7kmL
NA [4WD/5MT]
SUV
5人乗り
三菱
V93W
パジェロ
Long-ZR
(2007/10)
178ps
26.6kgm
8.3kmL
NA [4WD/4AT]
SUV
7人乗り
6G72型エンジンを搭載する車種の一覧表
パワーウェイトレシオ順(全33件)
[投稿日:2011/05/31 更新日:2016/10/31]

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